「・・・巴マミに加えてまどかちゃんとさやかちゃんの反応が病院の敷地内で消失?」
『うん。 サーチャーで追跡しているけど・・・結界内に閉じ込められてると思うよ。』
非番の日に喫茶店でコーヒーを飲んでいた戒翔にバハムートが起きた事を告げるとカップをソーサーに置き立ち上がり
「少し嫌な予感がするな・・・結界内に直接転移イケるか?」
『問題なしだよ!』
そう言って転移魔法で姿を消した。
―――――――――――――――――
「・・・ここか。 結界の発生地の入口か?」
『少し先に誰かいるよ。』
戒翔の言葉に反応してバハムートはサーチの魔法で範囲内にある生命反応がある事を報告する。
「・・・睦美ほむら何をしている?」
「あなたはッ!? いえ、それよりもこれを解ける?」
少し先の通路にはリボンの様な物で縛られ宙吊りにされたほむらが戒翔を見て驚きの表情をする。
「問題ないが・・・」
「時間が無いわ! 急がないと巴マミが」
「ッ!? 分かった。 少し戸惑うかもしれんが大人しくしてろよ?」
そう言って戒翔は一瞬でほむらの拘束を解くと自分の固有能力の一つである時間停止と
「間に合ったか。」
『時間停止中だから良いけど動き出したらあの子死んじゃうよ?』
「だからこそ俺がいるんだろうが。 睦美ほむらはそこの壁の所に立たせておけばいいだろう。」
そう言って抱えていたほむらを壁の付近に寝かせて改めてマミの横に立って手を翳す。
「障壁展開と同時に時間停止の解除」
そう呟いたのと同時に景色に色が戻り止まっていた時間が動き出すのと同時に確かな衝撃が障壁を通して戒翔の腕に感じられた。
「あ・・・」
「巴マミ、敵を斃したと思って油断するな。 死ぬぞ?」
呆けた表情で戒翔の事を見上げるマミの事を一瞥して目の前の怪物を見る。
「さて、怪物退治と洒落込みますか。 行くぞバハムート、セットアップ!」
『OK! standbylady』
戒翔の告げた言葉にバハムートが応え、眩いばかりの光が辺りを埋め尽くす。
「な、何が起きているのッ!?」
唯一自身の腕に着いている楯で光を遮りながら睦美ほむらは自身の見た事も無い事象に驚き戸惑いの言葉を洩らす。
「・・・久々の仕事だ。 派手に行かせてもらうぞ!」
漆黒の黒衣に身を包み黒いバイザーを付け手には大剣の様な物を持った戒翔はそう告げて怪物をその大剣で斬り飛ばすが、怪物は口を大きく開きまるで脱皮をするかの様にして新しくなった体で戒翔に襲い掛かる。
「フォトンランサー」
『genocide shift』
動こうとした怪物に向けて戒翔は空いている手を向けて呟いた言葉に呼応するように空中に無数の黒色の魔方陣が展開し、怪物はその現象に辺りを見回し戸惑っていた。
「撃ち滅ぼせ」
そう宣誓するように告げて掲げる様にしていた手を振り下ろすのと同時に展開している魔法陣から無数の魔法弾が雨霰と怪物に向けて降る。 その尋常では無い数の攻撃を受けても怪物は沈む事も無く受け続ける。
「・・・存外に頑丈な奴だな。 ナハト、砲撃魔法の準備」
『どれにする?』
「派手さで言ったらスターライトだろ? 別名トラウマ砲」
『なのはが聞いたら怒るよ?』
「怒るかどうかは知らんが抗議はされるだろうな。」
そう言って戒翔は怪物に向けて大きめの拘束魔法【クリスタルケージ】で身動きが取れない様にして飛翔する。 丁度怪物のやや斜め上の辺りに陣取ると魔法陣を展開し大剣を打ちつける。
「来たれ、星の光。 全てを撃ち砕く光となれ」
目の前に現れた黒色の魔力球に円環が出現し回転し始めるのと同時に魔力球が徐々に大きくなる。 それに釣られるようにして円環の回転速度が増し、魔力球を包む様に上下左右に揺り動きながらその存在を大きくさせて行く。
『starlight』
「ブレイカー」
目の前に現れた巨大な魔力球を大剣で斬り付ける様にして斬り裂くのと同時にその斬撃が延長線上にいた怪物を拘束魔法ごと斬り裂くのと同時に怪物は爆発して消え去った。
「取り敢えず目の前の脅威対象の排除を完了っと。 後は」
戒翔はそう呟きながら眼下にいる自分を見上げる少女達とキュウベエを見下ろしどう説明するか考えるのであった。
マミさん生存、そしてほむらの出番を奪われる回でした(・_・;)
戒翔は今後どう動くつもりなんでしょうか?