少年の異世界道中~まどか☆マギカ編~   作:クロイツヴァルト

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ACT2

 

 「えー、今日から君達の担任になる御坂戒翔です。 担当科目は家庭科と保健体育になります。 他の事もそれなりに出来ますので、分からない事があれば聞いて下さいね?」

 

 後日、戒翔は正式にまどか達の通う見滝原中学に赴任する事が出来た戒翔はそのまままどか達のいる教室に担当として配置が決まった。 その前の担当の先生は別のクラスの担当に変わっている。

 

 「なんで父上がいるのだ!!!!」

 

 「学校では先生だぞ。 ディアーチェ」

 

 そして一拍の間を置いてディアーチェが席を立ち戒翔に向けて指を指す。 そんな行動を見ながらも戒翔はやんわりとした言葉と有無を言わさない目でディアーチェを見る。

 

 「さて、では自分の自己紹介はこれくらいにしてSHRを始めます。」

 

 そうして戒翔の中学教師の一日が始まった。

 

 「それにしてもびっくりしたね。 ディアのお父さんが本当に先生になって私達のクラスの担任の先生になるなんて」

 

 「私にすら教えないとは・・・驚かせるつもりだったのだろうが、これを杏子やシュテル辺りが知ればどうなる事やら」

 

 昼休みの時に屋上で食事をとる為に向かう中でディアーチェとまどかがそんな事を話していると、他のクラスに迎えに行っていたさやかとそれに連れられてシュテル、杏子、レヴィの四人とも合流する。 しかし、その内の二人・・・シュテルと杏子の表情が形容し難い物になっていたがディアーチェは敢えてそれに触れる事は無かった。

 

 ―――――――――――――

 

 「・・・お、来たか」

 

 「父上! これはどういう事なのだ! 理由を聞かせて貰うぞ!」

 

 屋上に着いた一向の前にはベンチに座って煙草を吸っている戒翔がおり、屋上の扉が開いた事を確認してまどか達の事を認識するのと同時にディアーチェは戒翔に詰め寄る。

 

 「理由って・・・ディア達が楽しく学校生活を送れているか心配で店の事はなのはとフェイトにアインスに任せているから問題ないさ。 で、晴れて教員免許を持っている俺は面談をして合格だったって訳だ。」

 

 「・・・オリジナル達も来てるのか!?」

 

 「・・・はやては流石に仕事の関係上離れ辛くて騒いでいたな。 生まれて初めて階級って物が嫌になるとも言っていたな」

 

 さも当然と告げる戒翔だが、その行動は突拍子も無く普通の人間ならまず出来ない様な行動を普通に出来てしまう非常識な人間である。 そんな戒翔が告げた言葉にディアーチェを始めとした紫天組は驚きを露わにするが、戒翔は残念そうにはやてだけが来ていない事を話す。

 

 「・・・まさか、あの件を手伝わせる気ではないだろうな?」

 

 「ま、それは有り得ないな。 今回の件は偶然発見した事例だし、魔導師の様に非殺傷なんかがある訳じゃない。 非常に危険な事にあいつ等を巻き込むのは俺の本意では無いからな」

 

 「・・・何をこそこそと話をしているのですかお父様?」

 

 「戒翔、なにをディアーチェとはなしてやがる!」

 

 ディアーチェと二人でこそこそと話していると背後にある二人の気配にディアーチェはシュテルの言葉に、戒翔はその二人の言葉にブリキの人形のように首を動かし二人に視線を移すとそこには不動明王と般若がいた

 

 「・・・ディアーチェ」

 

 「わ、我はただの世間話をしていただけぞ!?」

 

 「戒翔、歯ぁ食い縛れ!」

 

 「暴力反対!」

 

 「「問答無用!!!!」」

 

 「「ぎゃぁぁぁぁぁぁッ!?」」

 

 二人の制裁にディアーチェと戒翔は悲鳴を上げる。

 

 「いてて、酷い目にあったな」

 

 「それならそうと言ってくれればあんな事をしなくても済みましたんですよ?」

 

 「まぁ、現地組の子達には非情な事だが強大な戦力を当てにしては実際に戦いになった時に彼女達の生き残る術が無くなるからな」

 

 屋上での食事が済んだ後にシュテルと戒翔は二人で話す為に少し離れた所に座りながら会話をしていた。

 

 「それはそうですけど、お父様が介入する事は無いんですか?」

 

 「止むを得ない状況以外にはあまり手出しする事は考えていないな。 ただ、今回の件はそれの限りじゃない。 ただの女子中学生の子達が戦いに巻き込まれる様な事があってはならないからな。 この世界に存在する魔女、そして孵化させる者(インキュベーター)、技術体系が違う魔法少女。 この世界は歪な形で成り立っている。 それを正すのは人として、時の御子として、守護者(ガーディアン)の称号を持つこの俺の仕事だ。」

 

 そう言って戒翔は立ち上がる。

 

 「お父様」

 

 「シュテル、お前は理のマテリアルにして俺の自慢の娘の一人だ。 だから俺の目が届かない時には彼女達の事を三人で頼むぞ? 多分だが、ユーリも後から来るだろうしな」

 

 「はい。 私の全身全霊を持ってお父様の御期待にお応えします。」

 

 「そこまで意気込まなくとも構わないさ。 多少は肩の力を抜かないとな? 肩肘張ったままじゃ疲れるだけだからな。」

 

 そう言ってシュテルの頭を撫でる。

 

 「しかし・・・」

 

 「まぁ、頑張る時には頑張ればそれでいい。 それまではお前もレヴィやディアーチェと一緒に平穏を楽しめ。 俺はその為の事ならば苦には思わん。」

 

 そして戒翔はじゃあなと片手を上げてまどか達に別れを告げる。

 

 「お父様、貴方は何処まで先の事を見ているのですか?」

 

 不安な表情のままのシュテルの呟きは屋上に吹く風によって消されてしまう。

 


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