………僕が「八意 晴」になってからしばらく立った。
どうも時々買い物の行ったりしている時の他の人からの扱いだと僕は永琳さんに拾われた孤児で居場所を作って貰うために義理の弟になっている………という認識らしい。
ただ時々会う永琳の仕事友達見たいな人には逆に僕が心配されてる。
というか、その理由が聞いてて少し泣ける。
Q:料理が出来なさそうな永琳の元で生活していて体調は大丈夫なの?(医者風のおっとりしている女性)
A:僕が料理をしているので特に問題ないです。というか永琳は料理出来ない事はないけど腕は一般人を中の下くらい。僕?上の下くらいかな。僕を鍛えたお母さんとその友達の人らは料理が上手すぎ。
あの人達が料理店にコックとかで応募すればほぼ100%と採用されると思う。
Q:実験台にされたりしてねーのか?(赤い髪の小学生らしき女性)
A:人体改造ならもうされてますけど。他に実験台にはされてないです。
Q:お前は強いのか?(桃色の髪で苦労人みたいな感じの女性)
A:知りませんよ!?
等々………まあ、とりあえず問題は起きてないです。ただ一つ気になったのが何故か喋る犬(本人?いわく狼)にいわれた………「お前は家政婦か?」という一言。
確かに永琳は仕事とかしてるけど、仕事以外僕が来てから特に家事はしてないし。
その分僕が料理をしたりとか、片付けをしたりとかしてて………うん、家政婦だ。でも家政婦って確か女の人の事だよね?僕はどうなるの?まさか、僕が女っぽく見えるのかあの犬。
今度会ったら倉庫から出てきた骨でもぶつけてやる。
それはさておき掃除していくなかで見つけた廃材などが今僕の目の前にある。
「さーてと。暇潰しでもしますか………」
「………あら、晴じゃない。どうしたの?」
「あっ、永琳さん」
「もう………さん付けはしなくていいって言ってるでしょう?」
「だが断る」
縁側で廃材をいじってると永琳さんに見つかった。永琳さんは最近なんだか表情やらなんやらが柔らかくなってきた。が、あの出会いがインパクトが有りすぎて僕は表情がなんか固まる。
この癖早く直らないかなぁ………
「それで何を作ってるの?」
「適当に廃材を組み合わせて武器でも出来ないかなと思ったんです。簡単な武器ならもうありますけど………」
「前者は面白そうだけど、後者は初耳なんだけど。で、その武器って?包丁?フォーク?アイスピック?スプーン?」
全部元から殺傷能力があるような。そもそも僕は調理道具は武器にしないから………フライパンを除いて。あれ意外と相手を叩く分にはかなりの威力があるし………?使った事があるのかって?一応。
前世の僕の住んでたのがアパートなんだけど隣に住んでいた人で料理ができない人がいて、あまりのできなさっぷりにブチキレた事が………まっ、後はご想像におまかせします。
「簡単な武器っていうのはこれです。物のサイズを計ったりするときに使うメジャーですよ。倉庫に捨てられてたのを使いました。少し加工してますけど………」
そういって永琳さんに手渡す。ちなみにこの世界のメジャーはしまうところが小さい円柱状ではなく棒状でした。剣みたいに手で握れます
なんでも使われている金属が僕の世界の物よりも柔らかいみたいでそこから使いやすさを重視していったらこうなったらしい。
そしてメジャーの計る部分を出して永琳さんが触って………ドパッと血が出る………えっ!?
「あっ、鋭いわねこれ」
「うわわわわ!!!え、永琳さん呑気すぎ!!きゅ、救急箱どこですか!!??」
「慌てすぎよ。そもそもうちに救急箱ないてないわよ?私が医者みたいな物だし。それにもう血は止まったわよ?忘れた?私達この世界の人間はあなたのいた世界の人間よりも遥かに強いのよ?」
そ、そうですか………あー良かった………でもなんで永琳さん平気なの?痛く無いの?
「この程度の痛みじゃ全然感じないもの」
「えぇぇ…………まさか永琳さんマゾヒスト?」
そういうと永琳さんは「そんなわけ無いじゃない、からかっただけ」といってポンポンと頭を叩いてくる。
なんだろう、この手玉に取られた感じ。地味に嫌だ。
「それで、これなかなか発想はいいんじゃないかしら?単純にメジャーの計る部分の側面を磨いただけみたいだけど自衛用としては充分使えると思うわ。強度不足かもしれないからその点の補強は必要だと思うけど」
「ありがとうございます。これかなり柔らかいから首に巻き付けてスパンって相手を殺したりも出来ると思うんですよね」
「出来ない事はないと思うけど………あっ、まさかの下剋上?あなたの行動を止めれる私に対しては無理よ?それに私この私服状態でも武器はもってるわ。気分がいいし教えてあげると服の腕の部分に折り畳み式の弓とか、足にナイフとか」
どこかの潜入捜査官にでもなるんだろうか、永琳さん。
「とりあえず、今作ろうと思っているのはスタンガンなんです。メジャーを通して電流を流して相手にダメージを与えるとか出来たら面白いでしょうし」
「へえ………それなら、幾つかの道具も貸してあげるわ」
そういって永琳さんは上着のチャックを開けたので思わず目をそらす。
「?どうしたの?」
「な、なんでもないです!」
僕は知っている。あの上着の下は体にピッタリひっついてるタンクトップ風の服だということを………
何回か上着を脱いだ永琳さんに会った事があるからわかるんです………
流石に目に毒ですよ、あのスタイルは………
というかなんでその上着の中に色々な道具を仕込んでるんだろうか。
その後、使い方を教えるといって永琳さんに密着されて僕が真っ赤になったのはまた別の話。
まさか………永琳さんは自覚してないの?それとも確信犯?
話は変わりますが、この間風見幽香について調べてたら公式では長い髪の方が多いというのを知りました。
すごい意外なんですが………