「う………ぎっ………」
ここは………?ベッドの上………?僕は………どうしたんだっけ………?
確か、女の人に矢を射たれたんだよね………?
じゃあ何で僕はベッドの上にいるんだろう?おまけにどうして近くにあの女の人が居るんだろ………
なんかパソコンっぽい物をいじってる。あっ、こっち向いた………
「………あら、気がついたのね?ちょうどよかったわ、あなたについての解析終わったから」
「………僕の、解析って………?」
「あなたの記憶や肉体の解析よ?」
なんでそんな事ができるんだろう。これが噂の異世界の技術は世界一いぃぃぃ!!!とかいうやつ?
「あなたがここに来た経緯をまとめると、あなたは異世界で死んでそれがミスだったと言われて私の家の倉庫に生き返った………というわけね。ふふっ、面白いじゃない………」
なんだろう、凄く寒気を感じる………
「………ねえ、なんで信じるの?もしかするとそういう記憶を植え付けられた暗殺者とかだったりするかもしれないんだよ?」
「その可能性もあったけどあなたに肉体改造の痕跡はなかったから限りなく低い………むしろ襲いかかってきて問題ないわ。子供になんか負けないもの」
へえ………そこまで言われたら黙っていられないなぁ………
「それなら、試してみるっ!?」
そういって僕はベッドから起き上がって女の人に殴りかかろうとして………
拳が届こうかという距離にきたところで、体が動かなくなって倒れそうになって逆に支えられた………
「………いきなり殴りかかってくるとは思わなかったけど………まあ、ちょうどいいし説明してあげる。私はあなたに二つ、肉体改造を施した。一つ目はまずさっき起きた様に私が念じるとあなたは体中が痺れて動けなくなる。二つ目は私の遺伝子を一部組み込んだ………ねえ、さっき体が軽くなかった?」
肉体改造とかなんか恐ろしい言葉が出てきたけど僕はさっきの事を思い返して頷いて肯定を示す。
「ふふっ、ものわかりのいい子ね。嫌いじゃないわ。実はあなたの体を調べていくとあなたの体はこの街に住んでいる人間とは違っていることがわかったのよ。例えば肉体が総合的にあなたの方が貧弱だったり寿命が短いとか………デメリットだらけとはいえこのままだと何か理由を付けてあなたどこかの実験動物にされるかもしれないし、ひとまず私の遺伝子を組み込んである程度は誤魔化せる様にしたのよ。わかる?」
「う、うん………ねえ、僕って不運なのかな?」
「さあ?でも、肉体も強くなったから幸運じゃないかしら?」
「………うーん………」
僕の記憶を解析、肉体を改造………地味に恐ろしいよこの人………何者?
「そうね。ちょうどいいから自己紹介しましょうか?」
「考えてる事が読まれたっ!?」
「あなたの考えてること表情に結構出てるから分かりやすいわよ。私は八意 永琳。一応職業は薬師といって薬を作ることだけど機械とかプログラムとか色々なことについても詳しいから、その辺の仕事もたまにしてるわよ。呼ぶ時は永琳でいいわ」
「わかりました、永琳さん………えっと………僕の名前は晴。『はれる』と書いて『ハル』って読みます。」
「ふふっ、記憶の解析の時点でわかってたけど実際に聞くと結構いい名前じゃない。あっ、そうそう。これからあなたは、八意 晴と名乗ってもらうわよ」
「わかったよ………って、あれっ?なんで八意?もしかして………告白とか?子供が趣味だったのか………」
「違うわよ!!興味があるじゃない。生まれ変わった人間なんて。だから、事実上あなたを引き取るのよ。それに戸籍上は義理でも同じ遺伝子を持っているんだからある意味血の繋がりもあるんだし………ね?」
ね?と言われましても。というか慌てた永琳さんってなんか可愛かった。どっかでこんな経験あったような………
まあいっか。どうせ前世の事だろうし。
「それじゃあ永琳さんの方が多分凄い年上ですよね………永琳姉さんって呼んだ方がいいですか?」
「ふえっ!?………あっ、うん、そうよね。私は姉になるのよね、うん………」
………ひょっとして混乱してる?自分で言ったのに何を言ってるんだろうか………
「ところで永琳姉さんって………年いくつなんですか?二十代後半?」
「はあ………女のプライバシーは覗くもんじゃないわよ。まあ、その辺って事にしておいて」
「う、うん、わかった。」
こうして、僕、「八意 晴」としての人生が始まりました。
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ある方はメッセージで送ってください。リメイク前のストーリー、及びキャラの登場している挿し絵でも構いません。
リクエストくださーい!!