IS<インフィニット・ストラトス>―Deus Ex Machina   作:ネコッテ

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第97話 <ミストルティン>の槍

 IS学園整備区画。IS学園の工廠を兼ねるこの区画は、通常設備より頑丈に作られている。地上格納庫と地下整備区画を隔てる壁は2メートルの厚みを持ち、そう容易く機能停止しないよう設計されている。その区画では、いま回収された機体の解凍作業が行われていた。

 

「普及にはどれくらいかかりそうかしら」

 

 作業員がレーザーカッターで結晶体を取り除いていく様子を眺めながら、機体の持ち主セシリア・オルコットが言った。

 整備職員が遮光ゴーグルを外して彼女に答える。

 

「機体表面を覆っている結晶体はただの氷じゃないようなんだ。高熱でも簡単に溶かせない。地道に取り除いていくしかない。早くて二時間ってところだ」

 

 職員の言葉にセシリアは親指の爪を噛んだ。

 二時間。<レヴィアタン>がココを壊滅させるにはあり余る時間だ。自分はただ学び舎が凍壊していく様子を、指をくわえて見てるしかできないなんて。

 

「できるだけ急いでくださいな。最悪、射撃システムだけでもかまいませんから」

「そうしたところで、エネルギー兵器主体の<ブルー・ティアーズ>に出番はないと思うよ」

 

 背後から聞こえた声に振り返る。立っていのはシャルロットだった。

 

「それはあなただって一緒でしょ、シャルロットさん。<レヴィアタン>の装甲には実体弾も通用しないんですのよ。実弾主体の<ラファール・リヴァイヴ>じゃ役に立たないんじゃなくて」

「わかっているよ。――ほんと厄介だよね、あの装甲」

「ええ。あれを無力化しないかぎり、<レヴィアタン>を止める手立てはないように思いますわ」

「いま、司令部ではそれの無効化の作戦が練られているって話だが」

 

 整備職員が言うと、整備区画に冷たい風が流れた。ココと地上を隔てる隔壁が開いたのだ。地上で猛威を振るう極寒の風と共に入ってきたのは、ロシア製ISを筆頭にしたアリスたち。

 

「あ、エリー、箒、鈴!」「みなさんも無事でしたのね」

「ああ、機体の性能に助けられた」

 

 と箒。アリスは機体を解除し、肌をさすった。

 

「まったく、敵いませんよ。この寒さ……」

 

 アフリカ、ハワイと温暖な気候で育ったアリスに、この寒さは相当こたえるらしい。

 いつもは愛らしい桜色の唇もすっかり蒼くなっていた。

 

「まったく同感ね。このままじゃ、氷漬けにされたマンモスと同じ末路よ」

「そうならないように、全力を尽くしましょう」

 

 自分の体をさする鈴に、わりと平然としているローズマリーが言うと、キツネのワッフルコートを着込んだ生徒が走ってきた。自主的に解凍作業に参加していたのほほんさんだ。

 

「ぎっちょ~んッ、ツッキー。かんちゃんは? かんちゃんは戻ってきてないの~??」

「え、簪?」

「一緒に撤退したはずやけど」

 

 とはいうものの、見渡した先に、簪の姿は見当たらなかった。

 

「そういえば、一緒にいた月亮(ユエリャン)太阳(タイリャン)もいないな。鈴」

「OK、フーさん――、月亮(ユエリャン)太阳(タイリャン)。あんたたち、なにしてんの。いまどこよ」

 

 こちらのプライベートチャネルは応答があった。

 

『実はだね、りんりん』『実はだよ、いんいん』

「実は、なによ」

「一緒にいた娘が『わたしはいいから』ってね」「うん『先に戻って』ってねー」「止めたのにね」「うん止めたね」「なのに、びゅーって」「そうそう、びゅーって」

「じゃあ、なに、あんたたち、簪とはぐれたの!?」

『うん』

「まさか、簪ちゃん」「会長の許に……」

 

 凍てついていた場の空気がさらに凍てつく。いまの簪なら十分にありえる話だった。

 アリスと月子が思わず迎えに行こうとすると、そこにマルガリータがやってきた。

 

「お前たち、千冬たちが呼んでいる。来い」

「簪がまだ戻ってきていないんです」

 

「なに」とマルガリータは目を開いた。

 

「そうか。だが、再出撃は許可できない。助っ人が向かっているというし、いま彼女に任せておけ。それに向こうには楯無が残っている。姉の許に向かったのなら、意地でも連れて帰ってくるだろう。おまえたちはいますべきことをしろ」

 

 マルガリータはいまにも出撃しそうなアリスたちを強い言葉で抑え止める。月子はアリスを見る。

 アリスがどうするか悩んでいると、整備課に再び凍てつく冷風が駆け抜けた。開いた扉から入ってきたのは<ミステリアス・レイディ>と<フェンリル>だ。その二機だけで<打鉄弐式>の姿はなかった。

 

「……会長、簪は?」

 

 いやな予感が脳裏を過ったアリスへ、楯無は決意にみちた強い言葉で告げた。

 

「大丈夫、必ず助け出すわ」

 

 冷静に答えた会長を見て、アリスはそれ以上を言及しなかった。

 姉が取り乱していないのだ。すでに「自分のすべきこと」が見えている姉の前で、自分が騒ぎ立てることは違うように感じられた。

 それに彼女の冷静ぶりを見るに、無事でないにしろ、希望は持てる状態ではあるのだろう。ならば、一刻も早く“行動”に起こすことが重要だ。彼女の身を案じ、あたふたしていても、事態は何も変わらない。

 

「アリスちゃん、あなたも力を貸してちょうだい」

「そのかわり高くつきますよ」

 

 いつもの調子で応えると、マルガリータが「場所は第一視聴覚室だ」と言った。

 アリスは頷き、ローズマリーは「行きましょう」と他の代表たちを促す。鈴は陰陽姉妹に「早く帰ってこい」と通信で言った。

 

 

     ♡          ♣          ♤         ♦

 

 

 IS学園・第一視聴覚室には40席のボード付きチェアと、大型のスクリーンを備えられている。普段は過去試合の視聴などに使われるココに、私たちを始めとした作戦要員は集められた。

 

「あぁ、~さむい。なんとかならないの、このさむさ」

 

 現在、室内気温は10度以下。

 石油ストーブがあるとはいえ、いまだISスーツ姿の私たちにこの気温はこたえる。

 

「空調システムが動いていないんだろ。いまはこいつで我慢するしかない」

 

 とはいうものの、箒もしきりに腕をさすっていた。月子も両手を太ももに挟み身をよじらせている。ソフィアとローズマリーは直立姿勢でいつもどおり。陰陽姉妹は中国代表に抱き着いて暖を取っていた。

 

「でも、せめて、なんか温まるものがほしいわ~」

『ねー』

 

 と顔を見合わせる陰陽姉妹。そこでパシュっと自動扉が開いた。入ってきた人物は、両手にダンボールを抱えたラウラと一夏だ。隣にはロリーナもいて、やかんを持っている。

 

「みんな差し入れだ」

 

 ラウラが持ってきたダンボールのふたを開ける。

 中身はカップラーメンを始めとしたインスタント食品だった。ありがたいと私たちは飛びついた。

 

「気が利きますね」「あたしは、これ。あんたたちは?」「うどんにするね!」「そばにするね!」「あんたたち、そこは合致しないのね……」「太阳、うどんにしなさい。蕎麦は私がもらいます」「ローズマリーさまは、ほんと蕎麦が好きなんですね。――あ、おしるこがあるやん!」「そういう月子くんも甘いものすきだね」「ふーさんだって、また麻婆ラーメンなんて辛そうな……」「痔になるなよ」「ならないから!」

 

 ソフィアに叫んで中国の代表が尻を労わる。そんな具合にてんやわんやインスタント食品に湯を注いでいると、千冬さんが入ってきた。後ろにはロキもいる。

 

「食べながらでいい。全員、席につけ。これから作戦の説明を行う」

 

 千冬さんの号令で、私たち一同はインスタントカップメンを手に、席についていく。

 

「あんたたち、一つの席にふたりで座ってきつくないの?」

「ぎ、ぎづぐないよー」「ぎ、ぎづくないねー」

「きつそうじゃない!」

「ソフィア、私たちも一緒に座る?」

「遠慮しよう」

「アリス、膝の上にくる?」

「イ゛ーッだ」

「フーさん、椅子硬いけど、おしり大丈夫?」

「私は痔じゃないからね。さすがに怒るよ?」

 

 まるで緊張感のない様子で各々が席につき、次いで、ロリーナや整備班長などの後方支援組も疎らにせきについていく。最後に千冬さんが大型スクリーンの前に立ち、状況を開始した。

 

「全員、席に着いたな。では一同、傾注しろ」

 

 私たちは意識を千冬さんに注いだ。

 

「我々は突如として現れた、この<レヴィアタン>と再戦にあたる。それにあたり、まず<レヴィアタン>について、ロキに説明をしてもらう」

 

 千冬さんに代わってロキがモニター前に立つと、大型モニターに鎌を擡げるレヴィアタンが映し出された。背景に映る<ユグドラシルタワー>と比較しても100メートル近くあるその巨体に、後方支援組の教師が「大きい……」とつぶやく。整備区画にいた彼女は<レヴィアタン>を、いま初めて目の当たりにしたのだろう。

 

「実物はもっと大きく見えるわよ。万里の長城みたいなんだから」

 

 鈴がなぜか得意げに言った。これ相手に生き残った自負だろう。

 

「こいつは全長120メートルを超える超大型のISだ。おそらく拠点攻撃を目的として開発されたと思われる。武装は特殊弾頭を装備したミサイルが50基。こいつは爆熱で標的を破砕するのではなく、凍結させることで対象の動きを封じる兵器だ。さらに頭部には超低温レーザー砲が装備されている。こちらは、分子運動を加速させて物体を蒸発させる通常レーザーとは異なり、分子運動を停止させて物体を粉砕する」

「冷凍ミサイルに、冷凍レーザーなんて、まるでスーパーX3ね」

 

 ロリーナが言った。しかし、一同は「ん?」という顔をする。

 誰にもわかってもらえず、ロリーナはしゅんとした。

 

「ともかく、現状ではどちらも防ぐ手段がない。当たらないように注意してくれ」

「簡単に言ってくれやはる」

 

 おしるこをズズっとすすりながら月子がぼやく。ロキはかまわず続けた。

 

「そして、最も厄介まのは、こいつの装甲だ。こいつの鱗は一枚一枚が《アクア・クリスタル》と同じ機能を持っていると言っていい。実弾をダイダランシ―効果で弾き、(エネルギー)をプリズム効果で屈折させ、跳ね返す」

 

 ならばと巡航ミサイルでの爆撃を慣行したが、結果は知ってのとおりだ。

 

「では、そんな相手にどう立ち向かえと? 核でもないと倒せる気がしませんが」

「大佐がいなくなったいま、発射権限は愛人だったオレにあるよ」

 

 当然ながら誰一人賛成するものはいなかった。核の炎で<レヴィアタン>を葬り去っても、その代償はあまり高くつく。現実的な策じゃない。言った私も、乗ったソフィアも本気じゃない。

 

「あいにくその必要はない。核を使いたがるのは、想像力に乏しいバカのすることだ。だろ、ロリーナ・リデル。俺たちはそんなもの頼らずとも、ココを使って切り抜けられる」

 

 ロキは自分のこめかみをつっついた。

 暴力ではなく、知力が未来を切り開く。そう言って見せた彼は、懐から木の実を取り出した。

 

「こいつは<ミストルティンの槍>だ。――結局のところ、氷を操る<レヴィアタン>のテクノロジーも、根幹は<霧纏の淑女>と同じ、ナノマシンを使った水の位相制御だ。そして<フェンリル>には、そのナノマシンネットワークに侵入して制御を奪う能力がある」

 

 ロキの言葉をソフィアが引きつぐ。

 

「だが、すべてのナノマシンネットワークに対して有効なわけじゃない。基幹技術は同じでも、<レヴィアタン>と<フェンリル>では規格(スタンダード)が異なるため、うまく機能する可能性が低いんだ」

「その規格の壁を越えるための<ミストルティンの槍>?」

 

 そうだ、とロキは楯無に頷いて見せた

 早い話、<ミストルティン槍>を使えば、レヴィアタンの防御機能を無力化できるってわけか。

 

「ズルズルズル~。(そんなものあるなら最初から貸しなさいよ)」

 

 麺をすすりながら、箸を突きつけてきた鈴に、ロキはこう答えた。

 

「まだ完成していないんだ。<レヴィアタン>の防御システムに侵入はできるが、それだけだ」

「つまり、ハッキングはできても、クラッキングはできないってこと?」

「それじゃ意味ないよ」「意味ないね!」

 

 うどんのおあげを分け合う陰陽姉妹に、「そこでだ――」とロキがロリーナに視線をやる。

 ロリーナは楯無を見て言った。

 

「楯無ちゃん、わたしが渡したお守り持ってる?」

「はい」

 

 会長は胸にかけていたお守り袋を外した。確か中身は《アクア・ナノマシン》の性能を最大限発揮するパッチプログラムだったはず。――あ、そういうことか。

 

「もしかして<レヴィアタン>を<スカーレッド・レイディ>に?」

 

 つまり、<ミストルティンの槍>を使って<レヴィアタン>の防御システムをハッキングし、<スカーレット・レイディ>のプログラムを使って、強制オーバーロードさせる。結果、消耗した装甲は使い物にならなくなるってわけか。

 

「で、組み込む作業は、どれくらいかかりそうなんですか?」

「一時間と言ったところだ。キミたちにはそれまで<レヴィアタン>を抑え込んでもらいたい」

 

 一同は「簡単に言うな」とぼやいた。

 あれだけの巨体だ。動き始めたら10分だって厳しい。

 

「あ、でも、いまは<フェンリル>ってISの能力(ちから)で動けないんだし、案外楽勝じゃない?」

「いや、<フェンリル>の<ラグナロクモード>でも一時間が限度だ。楽観視しない方がいい」

「それにアリーシャが必ず暗躍してくるでしょう」

「アリーシャ、アリーシャ・ジョゼスターフのことか? 彼女が今回の件に関与を?」

 

 アリーシャと同じくIS界の古株であるフーさんが表情をひそめて訊いた。

 

「関与もなにも。今回の事態を引き起こした張本人だよ」

 

 そう吐き捨てたのは、視聴覚室のうしろで腕を組んでいたダリルだ。

 

「なぜ、彼女がこんなことを?」

「彼女自身の意思によるものではなく、所属する組織の意向でしょう」

「組織? イタリア政府か?」

「いえ、<リリス>と呼ばれる組織です」

 

 聞き及ばない名を耳にして、大多数が首を傾げた。

 私だってその名称を知ったのは一か月ほど前だ。ここの職員たちが知らないのも無理はない。

 

「<リリス>とは、といまある<女尊男卑>時代の元凶とされる政治結社です。彼女たちはいろんな方面に働きかけをしてきました。<モンド・グロッソ>の開催も、そのひとつです」

「ISの世界大会が?」

「そうです、月子。女性優位の象徴であるISの印象付けと、国民の政治的関心をそらすため、人々が熱狂する斬新な娯楽として考案されたもの。かつて古代ローマで民衆の不満をそらすために行われていたコロッセォの現代版。それが<モンド・グロッソ>です」

「国家代表や国家代表候補性は現代のグラディエーターといったところか」

「言い得て妙ですね、フー。麗しい美女が武器を取って戦う姿は、男性を魅了し、女性に憧憬の感情を抱かせました。結果、女性の機運は高まり、男性は盲目となっていきました」

「ISの立場をゆるぎないものにし、女性の機運を上げ、男性を愚民化する。<モンド・グロッソ>にそういう政治的意図があったとすれば、一体なんのためにそんなことを?」

「各国である法案を通すためです」

「女性優遇制度か」

 

 中国代表にローズマリーは頷いて見せた。

 

「この法案は、差別的な内容を含んでいました。通常なら廃案は必至。しかし、女性機運の高まりが追い風となり、また向かい風となるはずの男性の関心が“女のおしり(モンド・グロッソ)“に向いていたことで、法案はあっさり採決され、施行されることになりました。この一連の政策を画策し、指導した女性こそがアリーシャ・ジョセスターフの母親、ジェラルディーナ・ジョセスターフです」

「だが、その彼女はもういない。アーリィの母は爆破テロに巻き込まれて亡くなったと聞いた」

 

 ジェラルディーナは女性解放運動家として、さまざまな場所で公演を開いていた。悲劇が起こったのはその公演のさなかだった。死傷者は50名にものぼり、居合わせた娘のアリーシャも、このときに右腕を失った。

 

「アリーシャは、亡き母の意思を継いでいると思われます。だから、ここに現れた」

「それは理由になっていない。女尊男卑を謳う政治結社がなぜIS学園を」

「俺か……」

「あるいは私たちか……」

 

 アリーシャが現れた理由。おそらくは一夏の抹殺。

 そして、私たち姉妹の確保。そんなところだろう。

 

「じゃあ、彼を差し出せば……」

 

 どこからともなく、教師陣の中からそんな言葉が飛び出す。

 相手は<レヴィアタン>という強大なISに、<ヴァルキリー>だ。後ろ盾には強大な組織。巻き込まれただけの彼女にすれば、人身御供で事を早期に終わらせたい気持ちはわからないでもない。千冬さんもその気持ちを組み、非難するような行為はしなかった。私も姉を前に勇気ある発言だと思う。ただし、賛成できるかは別の話だ。

 

「それも事態を収束させる一つの方法だ。おそらく中には同意しているものもいるだろう。だが、戦うことを投げ、楽な方向に逃げたからこそ、世の中は狂ってしまったのではないか?」

 

 民主主義という武器を与えられ、何千万という数を有しながらも、女性ひとりの思惑も阻止できなかったのは、みんなが考えることをやめ、楽な方向に逃げたからだ。

 

「人は他力本願で、目先の欲望に弱い。自分がやらなくても誰かがやってくれると思っている。<リリス>という連中はそういう人間の心理を利用して、いまの世界を作り上げた。だからこそ、われわれは、我々の意思を持ち、主体性を以て行動を示さなければならない」

 

 つまりは、恫喝や暴力に屈せず、自分たちの未来は自分たちで決めるということ。

 

「意思を突き通すことは容易いことじゃないが、ここにいるみんなが力を合わせれば不可能なことじゃない。世界を変えるのは大きな一人の力じゃなく、儚く弱い小さな力の集合体だ。大事なのは、自分と仲間を信じること。その結束が未来を変える」

 

 先生は無言で意見を取り下げた。そんな先生の肩を別の先生が叩いて慰める。

 

「よし、では具体的な説明に入る。まず楯無を筆頭に鈴、ソフィア、フー、太阳、月亮は<レヴィアタン>の警戒に当たれ。アリス、箒、ローズマリーは、アリーシャの警戒を。月子と教師班は、<撃鉄>を装備した打鉄で、後方から楯無を援護だ。ロリーナとロキは<ミストルティンの槍>の完成を急げ。残りの者は後方支援だ。では、持ち場につけ」

 

 千冬さんの号令で一同に席を立つ。

 体もあったまったことだし、さあ、第二回戦の始まりだ。

 


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