博麗さん家と俺   作:doll

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第20話  昨日の敵は今日の友

赤霧異変が終わり、博麗神社ではそれを祝う宴会が行われていた

 

「グダグダ言うのも面倒だから、乾杯!」

 

「「「「乾杯!!」」」

霊夢が適当な乾杯の挨拶を言うとともに、一気に会場は盛り上がる

 

「いやー、本当死ぬかと思ったぜ」

 

「俺がな。」

 

魔理沙がケラケラと笑うなか、包帯を巻いた零斗がジト目で魔理沙を睨む

 

「あら?まだ安静だからお酒はほどほどにね」

 

霊夢が零斗の隣にちゃっかり座る

 

「あ!霊夢さん。ちょっと今から零斗に取材するんですから!どいてください」

 

そこに文がぐいぐいと割り込んでくる

 

「はぁ!?こういうのは早いもん勝ちよ!取材なんか魔理沙かレミリアあたりにしなさいよ!」

 

「異変解決側に聞かないと意味がないんですよ!」

 

「どうせいっぱい飾り付けるくせに!」

 

「何ですと!?ちょっと霊夢さん裏いきましょうか?」

 

「へぇ?やってやろうじゃない。ついでに零斗に近づけないようにしてやるわ」

 

霊夢と文がドス黒いオーラを出して、外へ出て行く。多分弾幕ゴッコだろうけど

 

「隣、いいかしら?」

 

「ん?」

 

俺の隣にきたのは、今回の異変の首謀者だったレミリアだった

 

「まったく、この世界は不思議ね。全然知らない妖怪がまじっていても驚きやしない。」

 

「それが幻想郷だからな。お酒があればもうなんでもありって感じだ」

 

レミリアがワインを一気に煽る

 

「……なら、フランもなじめるのかしら」

 

「?」

 

「フランは小さな時から下の地下室に閉じ込められてたの。いや、閉じ込めてたのほうが正しいわね」

 

レミリアが顔をうつむかせて話し出す

 

もともとフランは素直なやさしい子だった

フランは生まれてから、父親に幾度なく暴力、暴言、悪態をつかれていた。

日々をかさねるごとに、彼女の狂気は大きくなっていった。狂わないほうがおかしいだろう

 

そして、ある日父親が博麗の巫女に滅ぼされた。

これでやっとフランは救われると、幸せな生活に戻れるとそう思っていた。

だけど、フランの狂気は消えなかった。それどころかさらに大きくなっていった。

 

「だから閉じ込めた」

 

彼女はすべてを破壊する、それがもし素直なフランがそれを見たらどうなってしまうだろうか?

きっと彼女の精神は壊れていってしまう。

 

「それが……怖くて閉じ込めたんだ。私は、たった一人の家族を」

 

レミリアはワイングラスをカタカタと震わせながらうめく

 

「でも、それはフランのためだったんだろう?」

 

「え?」

 

「フランが、素直な子に戻ったときに自分が何をしてしまったか思い出してしまえば、自分の罪にたえられなくなる。それがいやで閉じ込めたんだろう?フランのためだと思ってやったことなんだろ」

 

「だけど……」

 

「確かに閉じ込めたのは間違いだ。良い方法とは思えない。」

 

「……」

 

「だけど、君は本当にいいおねえちゃんだよ」

 

「え?」

 

「そこまで妹のためにする姉なんて俺は見たことがない。」

 

「……」

 

「一度、君の気持ち全部伝えてみな。きっと届くさ」

 

そういってニカッとレミリアに笑いかける

 

「おかしな人」

 

レミリアは少しだけ笑みをうかべて

 

「……ありがとう」

 

「いや、お礼を言われるほどのことはしてないね。御礼を言うぐらいなら一度フランと話させてもらいたいね」

 

「今に見てなさい。とびきり可愛いフランにあわせてやるんだから」

 

「それは楽しみだねぇ」

 

しばらく談笑していると、霊夢と文がゼェゼェいいながら帰ってくる

 

「なっ、中々やるわね……」

 

「貴方こそ……私のスピードについてこれるとは…」

 

どうやら引き分けだったみたいだ。

 

ちなみに魔理沙はアリスに絡みにいった。

 

 

「レミリア!あんたいつのまに零斗の横に!」

 

「あらあら、早い者勝ちなんでしょう?」

 

「まさか!あんたまで……」

 

「いいえ、大丈夫よ。でも」

 

レミリアがこちらへ向き直る

 

「良い友達にはなれそうね」

 

スッと手を差し伸べる

 

「……おう!」

 

その手をガッとつかんで、とびきりの笑顔を向ける

 

 

宴会はまだまだ続く。




レミリアおぜう様回でした!

零「フランとはいつ話せるかね」
レ「でもあの戦いで結構おとなしくなったから、すぐだと思うわ」
そうですね、私は結構甘えるフランちゃんが好きですから
零「あれだな『お姉さまー!』ってくるフランだな」
レ「…いいわね…」
ちなみにまたカリスマブレイクしますから
レ「何ですって!?」
ふふふふふふふ…
レ「うー…咲夜ぁ」
咲「お嬢様、気を確かに…ブハァ!」
零「お前がな」

それでは次回も!
全「お楽しみにー!」レ「見なさいよ!」

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