博麗さん家と俺   作:doll

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第19話 狂気の少女

爆発と共に現れた少女は、顔を上げ、無邪気な笑顔をこちらにむける

 

「アハハハ♪お姉さまだけ遊ぶなんてずるいよ?」

 

しかしその笑顔は狂気と歓喜にまみれた、ゾクリとするような笑顔だった

 

「フラン!早く部屋に戻りなさい!」

 

レミリアが声を荒げてフランに叫ぶ

 

「……うるさいなぁ……ぎゅっとしてぇ、どかーん!!」

 

フランが手をぎゅっと握り締めると、レミリアの右手が突然破裂し、血があふれ出す

 

「ッ!?」

 

「お嬢様!!!」

 

すぐ咲夜がレミリアのもとへ飛び出す

 

「な……何がおきたのよ…?今…」

 

霊夢も何がおきたのかわからず、そのまま空中で立ち尽くしていた

 

「こ…これぐらい!」

 

レミリアが腕を再生するが

 

「アハハ!もう一回!ぎゅっとして、ドカーン!」

 

今度は左腕と足を破裂させる

 

「ギッ!?」

 

レミリアは痛みに顔をゆがめる

 

俺はフランの顔をバッと見ると、その顔はまるでおもちゃと遊ぶ子供のような無邪気な顔だった

 

「おやめください!妹様!」

 

咲夜が悲痛な叫び声でフランを制するが

 

「…嫌。だってお姉さまは皆に囲まれて楽しく笑ってるのに、私はいつも一人ぼっち。

遊びたいのに誰も遊んでくれない!皆、皆すぐ壊れてきえちゃうもん!!」

 

最初は小さな呟き声だったが、最後には涙を流しながらフランは叫んでいた

 

 

「咲夜は簡単にこわれないよね?」

 

「!?」

 

「や、やめて!やめなさい!フラン」

 

フランがまた手のひらをギュッとしようと構える

 

「ギュッとして~ど!?」

 

フランの背後から星型、お札、青色の弾幕が飛び交う

 

「これぐらい!」

 

フランがその弾幕の海をかいくぐり、こちらのニィッと笑みを浮かべる

 

「あはは!次は私だよー?禁忌『クランベリートラップ』」

 

「!?散るぞ!霊夢、魔理沙!」

 

「おう!(えぇ!)」

 

一斉に3手にわかれフランの弾幕をよける。

 

「ちょっとまだ弾幕勝負になれてない俺にはきついかな!」

 

目の前に飛んでくる弾幕はどう考えても殺傷能力がある。あたればひとたまりもないだろう

 

「零斗大丈夫!?…危なっ!」

 

霊夢もどうやらいっぱいいっぱいか。

 

「くっ、これはきついぜ」

 

魔理沙もなかなか危ない回避をしているな

 

「くっ、霊夢!魔理沙!下へ行け!」

 

「えっ!?」

 

「わかったぜ!」

 

霊夢と魔理沙がしたへいくのを確認すると

 

「さて、多分俺も巻き添えくうだろうけど…仕方ない!爆符『パンドラボム』」

 

赤色の弾幕を展開するが周りのフランの弾幕に拒まれ、俺の周りで爆発していく。

 

腕に痛みを感じながらも、少しずつフランのほうへ弾幕を放つ

 

「わぁ!花火?すごいねぇ!」

とたまに飛んでくる俺の弾幕をよけながらフランは呟く

 

フランはどうやらこれを花火と勘違いしているらしい

 

「もう少し!」

 

もう少しでフランの弾幕は全部消えるだろう。これで霊夢達も反撃できる!

 

……よし!

 

「霊夢!魔理沙!いけ!」

 

俺が叫ぶと霊夢と魔理沙が煙の中からバッと出てくる

 

「ずいぶん遅いボムね!霊符『夢想封印』!」

 

「サンキューな!零斗!恋符『マスタースパーク』!」

 

「!?」

 

煙のせいもあってか、反応できずにフランは弾幕に飲み込まれていった

 

「やったのか?」

 

魔理沙が呟く

 

「いいえ……まだよ!」

 

そう霊夢が言った瞬間、熱風が俺達を襲う

 

「あつっ!!」

 

俺がその熱風のきた方向を見ると……

 

「これは鬼畜すぎないか?」

 

思わず肩をすくめる

 

その視線の先は…

 

「「「「サァ、鬼ごっこの始まりだよ?」」」」

 

4人のフランが全員レーヴァテインを持ってるとかどう反応すればいいの?

 

「「「「いくよー!そぉれ!」」」」

 

全員が一気にレーヴァテインをふりおろす

 

「こんなの横によければ…ガッ!?」

 

「魔理沙!!」

 

魔理沙が横によけた瞬間、なんとそこから弾幕が放たれた

 

「フェイクか…」

 

そう、全員が振り下ろしたわけじゃない、一人だけ振り下ろしてなかったんだ。

 

「ならこっちも剣で対抗してやるよ!水符『水蛇の大鎌』!」

 

俺の手に透き通る水で出来た鎌が現れる。

 

「おらぁ!!」

 

俺が振り下ろすと、そこから水色の弾幕とともに、大きな水の大蛇がフランに襲い掛かる

 

「うわぁ!大きな蛇!」

 

そのフランの無邪気な声とともに大蛇はフランの分身を消していく

 

「もう一発!」

 

俺がフランのほうへ大蛇を動かすが……

 

「でももう飽きちゃった。」

 

フランが手のひらをぎゅっと握ると大蛇は、パァン!という音とともにはじけ飛ぶ。

 

「あちゃー、ブレイクされたか」

 

「もう皆壊れていいよ?」

 

フランがそう呟いた

 

「!!霊夢!すぐ下へ下がれ!」

 

霊夢が少し下がった瞬間、先ほど霊夢がいた場所で爆発がおきる

 

「なっ……」

 

霊夢も顔を青ざめさせる

あと少し反応におくれていたら、霊夢は死んでいただろう

 

しかしその霊夢が同様している隙にフランはレーヴァテインを手に霊夢へふりおろす

 

霊夢side

 

「まずは一人目!」

 

「なっ!?」

 

私の前に炎をまとった剣が遅い来る

 

 

ザシュ!

 

目の前に血が飛び散る、だけどそれは私の血じゃない。

 

私の前に移るのは……

 

「れ…零斗…!?」

 

私をかばって血を流す零斗だった。

 

「うわぁ!やるね。私に弾幕をぶつけて軌道をずらすなんて!でも結構きいたでしょ」

 

「きくどころか、もう意識を保つのが精一杯だよコノヤロー」

 

苦笑いを浮かべながらフランに言い返す零斗

 

そう、血を流しすぎてるのだ。零斗は霊力をたくさんもっていたとしても人間には違いない

 

「零斗!」

 

「あ、やべっ。もう無理っぽいわ」

 

そのまま落ちていく零斗を慌てておいかけて受け止める

 

そしてそのまま地面まで降り立つ

 

「零斗!零斗!」

私は零斗を揺さぶる

零斗は顔を青ざめたままで何も言葉を発しない

 

「零・・・」

 

その瞬間私にまた恐怖が襲い掛かる。

 

「いや……」

 

私が小さいころ味わった恐怖。

 

「もういや…お母さんと一緒で…零斗まで私をおいていかないで」

 

そのまま自分を抱きしめて、フルフルと震えだす

 

「……しっかりしやがれ!博麗 霊夢!」

 

「!?」

 

上から魔理沙の叫ぶ声が響く

 

「まだ零斗は死んじゃいねーぜ!それにお前が零斗守らなくてどうするんだ!さっきお前をかばって怪我を負った零斗にお前は震えて、おびえて、そんななさけない顔で目が覚めた零斗に会うのか!?」

 

「……」

 

「まだ異変は終わっちゃいねぇ!お前は博麗の巫女だろう?お前がやらなくて誰がやるんだ!」

 

「……言ってくれるじゃない」

 

霊夢は一気にフランの前に飛び出す。

 

「魔理沙!どうにかこいつの動きを少しでも止めれる?」

 

「立ち直りが早いことで。あぁ、何とかしてみるぜ」

 

魔理沙が八卦路を構える

 

「少しおとなしくしてな!魔砲『ファイナルマスタースパーク』!!」

 

魔理沙が光線を放つとフランはレーヴァテインで抵抗する

 

「!!押されてきたぜ・・霊夢!どうだ!」

 

「駄目!確実に当てないともう終わりよ!」

 

魔理沙の光線が消えると同時にフランがこちらへ反撃しようとカードを構える

 

その瞬間

 

「圧符『グラビドン・スタンプ』」

 

「ガッ!?」

 

フランに圧力がかかり動きが鈍くなると同時にカードは落ちていく

 

「零斗!?」

 

霊夢がふりかえると零斗はニィっと笑って

 

「さぁ、あのイタズラっ子におしおきをしてやれ」

 

「了解よ、霊符『夢想封印 集』!!」

 

カラフルな弾幕がフランに襲い掛かると同時に上からも弾幕がおそいかかる

 

そして、砂煙がはれるとそこには、ボロボロになって地面で倒れているフランの姿があった

 

こうして、赤霧異変は幕を閉じる

 

紅魔館の外ではそれを見守っていた二人の影が……

 

「貴方、しくんだでしょ?」

 

狐の面をかぶり、黒のフードに身を隠した女性が紫にたずねる

 

「何のことでしょう?」

 

「まぁあなたのことだからね。どうせスペルカードルールを広めるためでしょうけど」

 

「あたり。それより貴方はあの子たちにあっていかないの?」

 

「……まだ会うときじゃないの。秕、瑠璃、偵察はもういいわ。いくわよ」

 

そう言葉を発するとともに黒い制服をみにまとい、犬耳を生やした少女と白い和服と洋服をまぜたような服と猫耳を生やした少女が現れる

 

「はい」

 

「じゃあね、零斗、霊夢。また会いましょう」

 

そういって女性は紫の前から消える

 

「それはいつになるのかしらね」

 

その紫の呟きは誰に届くこともなく。むなしく赤い霧がはれつつある空にきえていった。




わ~、3000超えました。(文字数)

零「今回は疲れ果ててるので特にないんだ。ごめんな」

それでは次回も!

全「お楽しみに~」零「また見てくれよ」

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