第八振
例年に比べ、気温の高い日が続いている。今日のような真夏日でも、6月4日なんですよ。
んでもって、今は集会場に全校生徒が集まっている。
理由は、イギリスから転校生がきたのと、新しく創部された部活動の紹介のためだ。
言わずもがな、新しい部というのは、聖剣騎士団私立神琴学院支部─────略して「
しかし、もう一つの理由である転校生………、この時期に転校してくるとかいやな予感しかしない。
そんなことを考えていると、転校生の紹介に入った。
「えぇ、それでは転校生の紹介をします。それでは、こちらへどうぞ」
校長先生に誘導されて、前に立った転校生は女の子だった。
一言で言うならば、綺麗だ。
月並みな表現ではあるが、それ以外に何とも言えない。語彙力の無さが祟るとは。
すると、前に立っていた転校生が自己紹介を始めた。
「皆さん、初めまして。イギリスから転校してきました、シルヴィオン・アーサーです」
彼女が自己紹介をした瞬間、集会場に集まった生徒全員が驚愕の声を上げた。俺もその一人である。
何故なら彼女は、彼のアーサー王の子孫であり、世界最強とされる『聖剣』─────聖王剣『コールブランド』、またの銘を聖剣『エクスカリバー』の所持者である。
そんな彼女が、この学校に転校してきたことも驚きだが、そもそも名前は知っていても彼女の姿を見た者はいないことから、「
会場が静まったことを確認した彼女が、再び自己紹介を始める。
「私がこの学校を訪れた理由は、3つあります。まず一つ目は、聖槍『ロンギヌス』の使い手と手合わせすること」
聖槍『ロンギヌス』─────彼のキリストを処刑するときに使用されたと言われる槍。
この間の事件の時に初めて知ったが、俺のクラスの担任教師、ナナバ先生が聖槍『ロンギヌス』の使い手だ。
ナナバ先生は秘密が多く、理事長以外は詳細を知らないらしい。兄さんや京司さんとも面識はあって、二人も詳細を知っている雰囲気だった。
基本的におっとりした性格だが、こと戦闘に於いてはこの学院最強と言っても過言ではない。
そんな先生との手合わせか………。最強の聖剣と、神殺しの槍………、すっげぇ見たい!!
そうしたら、二つ目の目的を彼女が話し始めた。
「二つ目は、新しく創られる部─────『聖神部』に入ること」
なるほど、この学院に支部ができることは世界中に広まっている。もちろん、俺のこともだけど。
そして、三つ目の理由で会場の空気が凍った。
何故なら、彼女は最後にこう言い放ったのである。
「三つ目は、『魔剣』の所持者、奥斑慎哉をこの世から抹殺すること。二つ目の理由はこの為にあると言っても間違いはありません。魔の使い手は、我々人類の敵である。これは世の常識ですしね」
今日はこの辺で。
また明日も更新できるように頑張ります。