家のメイドが人外過ぎて地球がヤバイ   作:ちゅーに菌

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Acta est fabula

 

数日前、人間界で壮絶な力同士の衝突が観測されました。

 

片方は全ての神魔霊獣において"3位"の実力を持ち、現在は水面下のテロ組織禍の団の首領である無限の龍神。

 

ですがもう片方は全くの正体不明。

 

1つ言えることは正体不明の力は無限の龍神をも遥かに越え、数値上は"無限と夢幻"を足しても遠く及ばないほど莫大で未知のエネルギーを持つ生命体が観測されたということです。

 

2つの最上位生命体は壮絶な衝突を起こし、徐々に無限の龍神の力が弱まり、最期に無限の龍神の力の波動が完全に消滅したと思えば、再び最初に観測されたほどの大きな力で無限の龍神の力が観測されました。

 

そして、無限の龍神は次元の狭間に帰ったのかそれ以降観測されませんでしたが。

 

妙なのが謎の莫大な波動が完全に消滅し、それ以降観測出来なくなった事です。

 

計器の異常かとも思われましたがアジュカ様がそれはあり得ないと断言されたのでそれは無いのでしょう。

 

ならばこの世界最強の存在を遥かに越える存在は無限の龍神に倒された。或いは逃げたのか。

 

少なくともこの事実は悪魔、堕天使、天使の三陣営全てを震撼させたでしょう。

 

最もそれを知るものは一部の上層だけですが…もしこれが一般に露呈すれば大混乱に陥ることは間違えありません。

 

サーゼクス様は冗談半分で宇宙怪獣でも来たんじゃないかなどと妄言を吐いていましたが事は一刻を争います。

 

無限や夢幻と違いそれが好戦的なら直接的な被害が出る可能性も視野にあるのですから。

 

もしあのような莫大な力を持つ生命体が冥界に現れたのなら……考えたくもありません…。

 

早急に正体不明の存在を調査し、対策を練る必要があります。

 

ですがその前に。

 

"人間界にいる私たちの息子"が気掛かりです。

 

観測区域と離れていたとしても息子が心配です。

 

丁度リアス様と同い年であり、私とサーゼクス様の第一子。

 

初代ルキフグスが"あのお方"より賜り、代々ルキフグス家に受け継がれし力を最も色濃く強く持って生まれた子。

 

ルキフグス家において現在、過去、未来永劫最高の素質を持ち。

 

あのお方に唯一直接抱かれ命名された子。

 

もうまもなくあのお方の15年間の封印も解け、最低限以外禁じられている悪魔との接触も解除される時です。

 

待っていてください。

 

母は直ぐに会いに行きます。

 

 

 

私の子"エヌオー・ルキフグス"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、息巻いて息子のいる別荘に帰ってきたのですが……。

 

「犬や猫……でしたよね?」

 

「ごめんなさい母さん………宇宙人としんりゅうなんだ…」

 

「どうもどうも~お母様! 私ジェノバと申します! 特技は……分裂でーす」

 

「我、オーフィス。今、無限の龍神」

 

私の思考の一切が及ばない事になっていました。

 

「………………」

 

私は頭を抱えるしかありませんでした。

 

片方は容姿、感じる力共に疑いようもなく無限の龍神。

 

もう片方の青いメイドのような何かの触手がトカゲの尻尾のように切れると、触手が4体の青いメイドのような何かになりました。

 

以上現象は兎も角、感じる莫大な力は観測された力と似通っています。

 

それらをエヌオーを護る為に張られている家の結界が上手く隠しているとは夢にも思いませんでした…。

 

いつからこの家は発展途上で封印中のエヌオーも含めて世界最高戦力が集まる魔境になったのでしょう?

 

この前帰ってきた時は私の癒しの場であったハズなのですが…。

 

「ライチ…」

 

「はい! なんでありますか!」

 

「私が居ない間に何があったか説明してもらいますよ?」

 

「はい……では手っ取り早く三行で…

 

ジェノバさんが宇宙から家の庭に落ちてきてメイドを始める。

 

ジェノバさんがオーフィスちゃんを食料目的で連れてきてなんやかんやでラグナロクがインテリアに。

 

母さんがランダムエンカウント。

 

マジ★心的疲弊的損壊♪

 

…と、言うこと」

 

「あなたはバカですか!?」

 

私はハリセンでエヌオーを叩きました。

 

チャランポランといいますかざっくばらんといいますか…。

 

なんでそんなところは特に父親似なんでしょうか…。

 

なんとなく流石は我が息子だ!などと言いながら両手を広げているサーゼクス様が浮かびました。

 

「あのお母様」

 

いつの間にか1体に戻っていたジェノバという名らしい私のメイド服を無断で使用している何かが声を掛けてきました。

 

それ以前にあなたにお母様と言われる筋合いは無いのですが…。

 

「目を見ればなんとなくわかると思いますが、シンラ様は現在、心ここにあらずといった様子なので私から話しましょう」

 

エヌオーの目を見ると死んだ魚のようにな目をしており譫言をぶつぶつと呟いていました。

 

………………………ダメだこりゃ。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

オーフィスはもきゅもきゅと夕飯を食べながらくシンラとシンラの母親を見た。

 

親子よく似るというが本当によく似ているとオーフィスは思った。

 

シンラを女性にすれば丁度あんな感じになるであろう。

 

そんな事を考えているとオーフィスの頭に声が響いた。

 

『オーフィス! 返事をしろ! オーフィス!』

 

「グレートレッド?」

 

そのオーフィスだけに聞こえた声は次元の狭間に住まう"オーフィスの友人"であり夢幻を司り真なる赤龍神帝として知られる龍だった。

 

様子から察するに暫く交信を試みていたのだろう。

 

オーフィスが現在、無限の龍神に戻っている事でやっとグレートレッドの声が聞こえたようだ。

 

『"奴"がまた現れた! 今は我だけで相手をしているがいつまで…グォォォォ!? ぐっ…いつまで持つかわからん!』

 

「ッ!? わかった。すぐ行く」

 

オーフィスはジェノバの前以外で中々見せることのない驚愕の表情を浮かべると椅子から立ち上がった。

 

その様子に残りの1人は身構え、1人はただ視線を移し、1体は面白そうな表情を浮かべた。

 

オーフィスはカクカクとぎこちない動きでジェノバの前まで行くと話始めた。

 

「ジェノバ…さん。手伝ってほしい、アレがまた動き出した。アレは壊す度に強くなって復活する。今度は我とグレートレッドでも破壊出来るかわからない…」

 

オーフィスは意を決してジェノバを見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"ヴェグナガン"を葬って欲しい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その発言に人一倍シンラが驚愕の声を上げたのは言うまでもない。

 

 

 




この世界の次元の狭間は人外魔境です。

さて、間もなく擬人化のタグが生きる時だ…。

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