偽から出た真   作:白雪桜

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第五十三話 再会の“鬼事”

 

「――夜姉様。お久しぶりです」

 

 育ての母であり姉と呼んだ恩師、四楓院夜一。

 百年前と変わらぬ呼び名を口にすれば、微笑みを見せてくれた。

 

「それを聞くのも久しいのう。懐かしいものじゃ」

 

 その口調も、変わらない。

 一本の長い橋の上で朔良から見て左手の方、懺罪宮やルキア達を背にして立っているのが黒崎一護と名乗った少年。反対側に居るのが夜一。状況だけを見るなら挟み打ち状態だが、危機感は感じていなかった。

 これ以上は必要ないと判断し、指を鳴らして黒崎の刀の動きを封じている縛道を外す。

 

「姉様……って、どういうことだよ夜一さん! 知り合いって言ってたけど、まさか姉妹だったのかよ!?」

 

 喚いているのは斬魄刀の拘束を解かれた黒崎だ。どうやら彼等に朔良についての詳細は教えていなかったらしい。

 たんと跳躍した夜一は朔良の上を飛び越え、黒崎のすぐ傍に降り立ち口を開いた。

 

「姉妹ではない。朔良は儂が育てた拾い子であり、儂を姉と呼ばせた愛弟子じゃ」

「はあ? 何だよそれ?」

「そんなことより、一護。お主は何故朔良と戦っておる?」

「え? いや……」

「儂は、此奴とは、絶対に戦うな――と言った筈じゃがのう?」

「あー……いや」

「仕掛けたのは私の方ですよ」

 

 夜一の凄みにたじろぐ彼が不憫に思えてフォローを入れる。一応彼は戦わないという姿勢を見せてはいた。こちらが構えたらあっさり戦闘態勢に入ったけれども。

 しかし朔良から仕掛けたというのは、夜一にとって意外だったらしい。

 

「お主がか?」

「はい」

「……何を企んでおる?」

「……貴女の中で私はどういう人物像になってるんですか」

「何じゃ、案外まともな受け答えではないか。つまらんのう。昔ならここで天然をかましておったじゃろう」

「……今天然を求めないで頂きたいのですが……」

「良いではないか。あの愛らしい抜けっぷりを見たいものじゃ」

「と言われましても、そんな自分からできるものでは」

「いやコレ何の話だよ!?」

 

 いけない、言った傍から思いっきりかましていた。

 黒崎のつっこみを機に脱線した話を戻す。

 

「さて、お主の天然も変わっていないと判った所で」

「検証してたんですか……」

「何故一護に戦いを挑んだのじゃ? お主ならば今の此奴に勝てるかどうか、会っただけで判るじゃろう。わざわざ戦闘に入るまでもないこともな」

「なっ、夜一さ……」

「お主は儂と喜助と砕蜂が仕込んだ、元隠密機動じゃからのう」

 

 相手の隙を突き、裏を掻き、後ろから刺す。それが隠密機動だ。

 そして幼少の頃からその手の達人(スペシャリスト)に鍛えられ、部隊にも所属した経験のある朔良にはそれができる。……本当に暗殺するかどうかはともかくとして。

 黒崎と相対した時、戦う姿勢など見せずに速攻で決めれば終わりだった。決められなかったとしても、わざわざこちらから(・・・・・・・・・)戦闘を仕掛ける理由などなかった筈なのだ。

 しかしそれはあくまでも、彼が“ただの旅禍”であった場合である。

 

「……その黒崎という少年、きーに……ごほん、喜助兄様が鍛えたんでしょう? 聞きましたよ。興味が湧いたんです」

「……成る程のう。じゃが――」

 

 ――刹那の出来事だった。

 夜一の手刀が、黒崎の腹部に文字通り突き刺さったのは。

 

「――今、お主とこやつを戦わせる訳にはいかぬのでな」

 

 四深牢の前に居るルキアと花太郎が驚愕に目を見開いたのが判った。しかしそれには目もくれず、力を失くした黒崎の身体を肩に担ぎ、身の丈ほどもある斬魄刀を背負った夜一が肩越しに朔良へ告げてくる。彼の意識の失い方と僅かに見えた彼女が握っていた物から考えると、強力な麻酔を内臓に直接叩き込んだのだろう。確実ではあるが、随分と荒療治だ。

それほどまでに。

 

「……私と戦わせるのが、嫌ですか」

「ああ。色んな意味でな」

 

 色んな意味って何だ。

 

「それにうっかりすると、近くに居るあの“坊”も来ないとも限らんからのう。まだ来ていないのを見る限り、あの“坊”のお主に対する信頼は相当なもののようじゃな」

「……否定はしません。しかしながら、私も貴方がたを無視する訳にはいかないのですが」

「師弟のよしみじゃ、見逃してくれんかのう?」

「私だって護廷十三隊の席官です。そんなあっさり承諾できませんよ」

「そうか……ならば仕方あるまい」

 

 その言葉を合図に、夜一が瞬時に移動した。ルキアと花太郎には掻き消えたように見えたに違いない。だが朔良にはその動きが、瞬歩が見えていた。

 久方ぶりの夜一との鬼事。

 即座にこちらも瞬歩を使い、追いかける。移動距離はそこそこな朔良の瞬歩は、その分速さに定評がある。しかし“瞬神”と謳われた夜一のそれにはまだ及ばない。しかも今はかなりの霊圧を封じている状態にある。

 だが霊圧感知能力では朔良の方が遥かに上、差は感知速度で補う。範囲を狭め精度を上げ、動きを“感覚”で見極め進路を先読みする。

 細かな瞬歩を繰り返す彼女と同様にこちらも連用。頭上を越え背後へと回り込む気配を察知し、振り向く。捉えようと伸ばした腕はしかし、掠めることもできず擦れ違った。

 勢いはそのままに片足を軸にくるりと回転し、止まることなく再度追う。夜一は上を跳び越え後ろへ――だがその行動は先程と同じだ。もう“知っている”。

 彼女の足先が地についた時点で、朔良は指を向けていた。

 

 流石に今回のこの状況、ただの鬼事で済ませられると思ってはいない。近くに“彼”も居ることだ。状況を上手く転ばせる為には(・・・・・・・・・・)、結果以上に“どう行動したか”が重要になってくる。

 だからこそ、戦闘は必須なのだ。

 

「破道の四、“白雷”!」

 

 指先から迸った青白い光が、飛び退いた夜一の足元を焦がし橋を貫く。

 今度は彼女の指先がこちらを指した。

 

「縛道の六十一、“六杖光牢”!」

 

 三本の光の帯が朔良の身体に傷を負わせることなく突き刺さり、拘束具と化す。すぐさま霊圧を流し同調し、霊子の結合を狂わせる。

 

「“鬼相転外”っ!」

 

 パンッと、弾けるようにして消滅した縛道に、夜一が目を剥いた。

 驚くのも当然だ。この“鬼相転外”は彼女達が尸魂界を出た後に、朔良が独自に編み出した技。高度な霊圧知覚で正確かつ瞬時に鬼道の霊圧を計測でき、尚その計測した霊圧に自らのそれを素早く合わせられるだけの精密な霊圧コントロールを備えた朔良だからこそ、実行可能なものである。

 僅かにできた隙を逃さず、確実に当てるべく一気に接近した。“紅姫”のままの“珠水”を頭上で構え、霊力を収束させて縦に薙ぐ――

 

「縛り――っ!?」

 

 “縛り紅姫”と、最後まで言い切れなかった。

 

 夜一の手から落ちた玉から突然上がった煙――視界を埋め尽くすほどの濛々とした煙に驚いたから、ではない。

 咄嗟に口元を袖で覆ったが、そんな朔良の反応を嘲笑うように白煙は牙を剥く。

 わん、と耳鳴りがした。

 唐突な眩暈に襲われ、たたらを踏む。

 

 (何……っ)

 

 膝をつき、周囲を探ろうとするも、自らの知覚能力がまるで働いていないことに愕然とする。

 その煙は、微細な粒子がそれぞれ異なる霊圧を纏っていた。

 ただ高い霊圧を受けるのとは違い、幾多の小さな霊圧が全身に絡みついてくるような不快感。当然、知覚を研ぎ澄ませていた朔良にとっては堪ったものではない。鈍痛が頭に響き、吐き気まで込み上げてきた。視界を晴らす目的も兼ね、空に向かって風の鬼道“闐嵐(てんらん)”を放つ。

 煙が吹き飛び周囲に舞い散り――

 

「つ、ぅ――――っ!?」

 

 ――肌という肌が針で刺されたかの如き感覚が身体中に駆け巡った。それぞれは小さくとも、全身となれば激痛と化す。

 まるで予想していなかった突然の痛みに立っていられず、うつ伏せに倒れ込んだ。

 

「……この煙の粒は爆破直後の密集した状態では高密度の霊圧を纏っておるが、一たび拡散すると周囲の霊圧を乱反射させる性質を持っておる」

「……霊圧、を……乱……反射……!?」

 

 落ちてくる声にやっとのことで顔を動かす。視界の端に夜一の姿を何とか捉え、全身の痛みに耐えつつ復唱する。

 

「名を“掻乱煙(かくらんえん)”。……万が一お主と敵対することになった時の為に、喜助が開発したものじゃ。霊圧知覚が異常なまでに高いお主じゃからこそ有効な……のう」

 

 彼女の声は、何処か苦しげに聞こえて。これを使うのは気が進まなかったのだということが伝わってくる。

 だが今の話で理解した。

 常人の霊圧知覚が剥き出しになっている状態が、朔良にとっての通常だ。それは利点だが一方で弊害もある。

 霊圧を感じ易いということは、当てられ易いということ。もっとも成長した今は朔良自身の霊圧が上がっているので、高いだけなら大した問題ではない。先刻の剣八のように、爆発的な霊圧同士がぶつかった際もぴりぴりと痛みは感じるものの、慣れてしまえばどうということはない。

 厄介なのは澱んだもの、ゆらゆらと定まらない不安定なものなどだ。これらは傍に居るだけで不快を感じ、悪化すると頭痛や嘔吐感といった体調不良まで表れる。言うなれば“霊圧酔い”を起こすのだ。対処法として限界まで感知能力の精度を落とすことで、幾分かマシにはなる。

 だが戦闘時は反応速度を上げる為格段に精密性を上げる。無論先程も夜一の足について行こうと上昇させていた。違う霊圧が細かな粒となって空中を流れる様は“不安定なもの”でしかなかった。更に煙は身体を覆い尽くし、直に触れている。吹き飛ばしたくなるのも当然だ。

 けれど拡散した粒は放った鬼道の霊圧を乱反射させ、無数の見えない針となって朔良の全身に突き刺さったのである。多少ならまだしも全方位からでは多過ぎる、激痛にもなるだろう。

 霊圧知覚が極端に鋭敏であるが故突かれた穴だった。

 

「許せ。お主に怪我をさせんようにするには、この方法が最も効果的じゃった」

「……っ……」

「良いか、三日じゃ。三日でこやつを今より五倍から十倍強くする。それまで勝手じゃが、一時休戦とさせてもらうぞ。厄介な奴が迫っておることじゃしの」

「……な、んの……なんの……ために……」

「……朽木ルキアを助け出す為」

「!」

「済まぬな、朔良」

 

 その一言を最後に、彼女の姿は消えた。

 頭の中を巡るのは先程の言葉。

 

 “三日で”

 “五倍から十倍強く”

 

(……あの方法を試す気なのか)

 

 転身体を使った卍解の修行。喜助はあれを使い三日で習得したらしいが、危険を伴うとも聞いている。確実に卍解へ到達できるとは限らないということも。

 

「朔良殿!」

「朔良さんっ!」

 

 そこまで思考が回ったところで、駆け寄ってきた花太郎に抱え起こされた。傍には膝をついてこちらを窺うルキアがいる。

 

「しっかりして下さい!」

「大丈夫ですか朔良殿!?」

「……大丈夫……って言うか耳元でそんな大声出さないで……頭に響くから……」

 

 幾分かまともに口がきけるようになってきたのでそう告げれば、二人とも安堵の表情を見せた。

 そんな折、朔良を呼ぶ声がもう一人分聞こえてくる。

 

「どうした朔良! 大丈夫か!」

「浮竹隊長……!」

 

 突如として現れたのは二人居る兄弟子の片割れ。彼は傍らのルキアの頭をぽんと撫でてから、彼女と同様に朔良の顔を覗き込んできた。

 

「何が……」

「……夜一姉様に逃げられました」

 

 訊かれる前に、告げる。案の定目を見開いた。

 

「……何だって?」

「だから夜一姉様ですよ……」

「……会ったのか?」

「そう言っているでしょう……」

 

 片手で前髪をくしゃりと掴む。絶不調も相まって何処か投げやりな言い方になってしまったが、その動作と口調には彼の言及を止める効果があったらしい。「そうか……」と呟いて、すぐには根掘り葉掘り問い詰めてこなかった。

 

「……ん、もういいよ花太郎。起きられる」

「え、で、でも……」

 

 髪を掴んだ手でそのまま掻き上げ、身体を起こす。正直かなりだるいが、いつまでも寝そべってはいられない。立ち上がってパタパタと着物を叩く。

 

「大丈夫だ。ただ頭がガンガン、胸がムカムカ、肌がジンジンするだけだ。怪我はない」

「それって全然大丈夫じゃないですよね!? って言うか最後のとこは胃がキリキリじゃ!?」

「そう言われてもな」

「一体何されたんだお前……」

「弱点を突かれた、とだけ言っておきます。それより花太郎、きみは自分達の心配をした方がいい」

「え。……あ」

 

 

 ――その後は浮竹に隠れてついてきていた二人の三席が呼び出され、場の収拾に動いた。ルキアをもう一度牢に入れる役は仙太郎が、四番隊への連絡には清音が走る。

 朔良はと言えば欄干に寄り掛かって体調回復を待ちつつ、少しばかり遅らせていた状況報告を始めた。今や直属の上官ではないにしろ、現場に居る隊長に対しては報告義務がある。とは言え朔良も先程来たばかり。伝えるべきことは多くない。

 

「……朔良、夜一は……」

「旅禍と思われる少年に加担している様子で、目的は此処に居るルキアの救出です」

「! ……現在の行き先は?」

「……残念ながら」

「……そうか……」

「……浮竹隊長は何故こちらに?」

「ああ、さっき藍染が殺されたという話を聞いて起きてきたんだ。朽木のことも気になったし、四深牢の方を探ってみたらお前の霊圧があって驚いたよ。それでそのままこっちに来たって訳だ。……お前はどうしてだ?」

 

 ちらりと懺罪宮――ルキアの居る場所を見やり、訊ねてくる。

 言外に朔良が隠れて彼女を逃がそうとしたのではないか、と。だがその予想は杞憂だ。

 

「浮竹隊長、私も席官です。こっそり牢から逃がしたりなんてしませんよ。ここに来たのは、四深牢への微弱な霊圧の移動を感じたからです。何かあってからでは遅いので。……朽木隊長のことも含めて」

 

 結局、彼は姿を見せなかった。今はまだ全身が痺れるような微かな痛みがあり感知が使えないので居場所は判らないが、後で少し話をしに行こうとは思う。

 

「……朔良」

 

 会ったら何から話そうか――思考を遮るように改めて名を呼ばれ、伏せていた目線を上げる。

 この流れで、浮竹が何を言いたいかなどすぐに察せる。

 

「お前から白哉に話してくれないか」

 

 ――果たして、彼の名が出た。

 

「お前にとっては辛い話かもしれないが、白哉は朽木を助ける気が無いんだ。俺一人で上に話を通しても受け入れられるかは難しい。だがあいつもいれば可能性は上がる」

 

 四十六室の構成員はほぼ貴族だ。護廷隊の隊長というだけでなく、四大貴族朽木家の現当主である白哉の発言力は大きい。確実ではないけれど、確かに一人よりは良いだろう。

 

「白哉もお前の説得になら……お前の言葉になら耳を貸すかもしれない。お前だって朽木を見殺しになんてしたくないだろう。だから朔良」

「浮竹隊長」

 

 ――だがそれは、“通常であれば”だ。

 

「そのお話は承諾できかねます」

「なっ……!?」

 

 まさか断られるとは思いもしなかったのであろう、狼狽えている。

 

「私は総隊長から直々に、藍染殿の事件を調べるよう命を受けています。そちらの案件にまで全面的に係わっている暇はありません。こちらに来たのは旅禍に接触できるかもしれないという考えもあってのことです」

「藍染の事件を……お前が……!?」

「はい。ですので、申し訳ありませんがそろそろ失礼させていただきます」

「っ待て!」

 

 咄嗟に肩を掴まれた、が、振り返らない。

 今は彼の顔を見たくなかった。

 

「……本気で言っているのか?」

 

 苦いものを飲み下したかの如き声に、気付かれないよう拳を握る。

 

「……私が何か言ったところで決断を変える程」

 

 そして、告げるのだ。

 

「“朽木隊長”の覚悟は甘いものではないでしょう」

 

 “幼馴染みを説得する気はない”と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……損な性格ですね』

『一応、自覚してる』

 

 茫然とする浮竹の前から逃げるように去り、朔良はくらくらする頭を振りつつ珠水の言葉に声を出さず応えていた。

 

『これからどうするのですか?』

『情報収集の続き』

『何か心当たりでも?』

『色々知っていそうな人に会ったじゃないか、ついさっき』

 

 思い浮かぶは色黒の彼女。

 

『……ああ成る程。“あっさり承諾できない”とか“全面的に係わっている暇はない”とか言ってましたね。あとは“残念ながら”としか』

『ああ』

 

 完全に“承諾できない”とも“係れない”とも“行き先が判らない”とも言っていない。つまりはそういうこと、だ。

 

『あの人なら逃げ切ってくれると思っていたけどな。まさかあそこまで動けなくなる策を用意してくるとは思わなかった』

『しかし思いも寄らぬ落とし穴ですね。何かしら対策を講じなくては』

『確かにそうだな。だがひとまずは夜姉様にもこちらの真意は伝わったと見ていいだろう』

 

 彼女は最後に“済まぬ”と言った。これは“面倒なことを押し付けて済まない”という意味で間違いないと思う。

 

『黒崎のことも気になるし、少し間を置いて見に行くとしよう。私の身体もまだ調子が戻っていないしな』

『ではその前に、彼の所へ行きますか?』

『……そうするか』

 

 今はろくに戦えもしないのだし、早い方がいい。知覚も戻ってきた。

 珠水との相談の末“彼”――白哉に会うべく足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雲居さん! ただ今戻りましたっ!」

「え? 大前田? ………………………………ああそうか、そういえば頼んでた仕事があったけな。忘れてた」

「ええええ!? っつーか間ぁ長っ! せっかく情報仕入れてきたんすよ俺!?」

「ああでも、もうその情報必要なくなったから」

「はいぃぃ!?」

「ってか、もう帰っていいぞ」

「いっそ清々しいくらいえげつないっすね!?」

「あーでもそうだな……肉壁として最後に使うくらいしておくか」

「失礼しましたーーっ!」

 

 

 

 


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