シャルル、殺害されかけた回
バルバトスはごまかせないのさ・・・
アレから、バルバトスの最後の一撃でアリーナが空襲のあったような状態になり、異形ISもバッキバキのズタボログシャベコになっていた。
そしてバルバトスが最後に「今日の俺は紳士的だ」などと抜かしていたが彼が本気だときっと跡形も残る事なく消滅していただろう……
あとは千冬達がISだったモノから奇跡的に無事だったコアを取り出したりしていたがバルバトス的には別にどうでもいいことなので割愛。
そして、クラス対抗戦も終えいつも通りの日常に戻っていた。
「バルバルが睨んで、みんなが怯えて、おりむーがぼっこんぼっこんにされちゃう……
コレって日常だねぇ」
「嫌だ!!
そんな日常嫌だぁぁぁ!!」
のほほんさんの言葉に一夏が叫ぶ。
なんということでしょう、バルバトスの特訓はクラス対抗戦までで終わりかと思えばまだ続いているのです。
その事を知った時の一夏の顔は絶望に染まっていたと言う。
しかし今はちょっとでも楽にする為にか、セシリアや箒、鈴を巻き込んで特訓している。
とまぁ、なんやかんやあって千冬と山田先生が教室へとやって来た。
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「皆さん、おはようございます
今日は転入生を紹介しますよー
しかも二名です!」
と朝から早々、驚きの発言。
「「「ええええええええ!?」」」
ついこの間バルバトスが転入して来た上に二組にも鈴が転入して来たと言うのにまた来たのかと言う驚きとまたバルバトスみたいなのじゃないよね? と言う不安が合わさったような声だった。
「それでは入って来てください」
山田先生が呼び、教室の扉が開く。
「失礼します」
「……………」
ざわめいていた教室が静まる。
入って来た二人の内一人が男だったから。
「【シャルル・デュノア】です、フランスから来ました。
この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」
転校生の一人、シャルルがにこやかな顔で自己紹介をする。
「お……男?」
誰かが呟く。
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を---」
そこまで喋った所で
「きゃ……」
女子がやっとまともな男で綺麗な顔立ちに歓喜の声を上げ……かけた所で
キュピーン!!
何故かあの破滅への音が聞こえ
「ぶるぁぁぁぁぁ!!」
バルバトスがディアボリックファングを持ち、シャルルに飛びかかる。
「貴様に男は騙らせねぇ!!」
そして、振り下ろす。
ガキン!
が、それは千冬によって阻まれた。
千冬がどこからともなく取り出した剣で斧を受ける。
「教室で暴れるなゲーティア」
「ふん、貴様が相手でもいいんだぜぇ……?」
バルバトスが斧だけでなく服装も完全に変わり千冬に殺気を向ける。
「ふ、いいだろう、ついて来い」
と言い、千冬とバルバトスは教室を出て行きどこかへ行ってしまった。
「……………え?」
山田先生が混乱する。
一夏は額に手を当てため息を吐く。
教室は皆、呆然としていた。
(男を騙らせねーってバルバルが言ってたけど……
もしかしてあの転入生……うむむ)
一人のほほんさんだけが珍しく鋭く考えていた。
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「え、えと、えと……
そ、それじゃぁ、あなたも自己紹介してくれる?」
皆が呆然としてる中やっとの思いで山田先生がもう一人の転入生に言う。
「…………」
しかし転入生は黙り千冬達が出て行った扉を見つめていた。
「あ、あの~」
(教……官?
あの楽しそうな顔は……あの男は一体誰なのですか!?)
などと考えており、山田先生の声が聞こえていなかった。
ちなみにこの少女、名を【ラウラ・ボーデヴィッヒ】と言う。