IS学園に来た最狂の男   作:ゼニア

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この小説はギャグです。
たまにまじめになったりするかもしれませんがギャグです


第一話 最狂の男

「「「………………」」」

 

クラスは沈黙に支配されていた。

 

女子達は全員満場一致でこう思っていた。

 

 

(これはない)

 

何故そう思うのか。

 

一夏に続いて二人目の男がこんなだからか。

 

それともバルバトスの着ている服がまさかのIS学園の一夏も着ている制服だからか、しかも筋肉のせいで超ピチピチである。

 

ちなみに山田先生のように半泣きの女子が多数いる。

 

 

「な、何なのあれ」

 

「織斑くんに続いて二人目の男のIS操縦者らしいけど……」

 

「全然テンション上がんない!」

 

「ていうか、凄く恐い!」

 

 

「え? ち、ちょっと待ってよ! あたしの後ろの席が空いてる!?

そんな……嘘……」

 

 

だんだんと女子達がざわめき出す。

 

「ぶるぁ……」

 

当のバルバトスはクラスメイト一人一人を見渡していた。

 

この時点で失神者多数。

 

ちょっと前まで唯一の男だった一夏も机に頭を置き、現実逃避している。

 

そんな生徒達を見て、ここでやっと一人の人物が口を開く。

 

 

「お前ら、静かにしろ」

 

一夏の姉であり担任の【織斑 千冬】である。

 

「ゲーティア、お前の席はあそこだ、さっさと着け」

 

バルバトスを恐れる事もせず、驚くほど何時も通りに言葉を発する。

 

「貴様ぁ……」

 

しかし、バルバトスは動かず、千冬を睨み付ける。

 

「何だ」

 

千冬も負けず、バルバトスを睨み返している。

 

しばらく睨み合いが続き(生徒達はこの睨み合いが一、二時間続いたように錯覚した、と後に語る。)

 

「ふん、相変わらず見所のある奴だ」

 

バルバトスが口を開きそう言った。

 

そして、自分の席へと歩いて行く。

 

「ふっ……」

 

千冬は何気に満更でもない顔をしていた……

 

 

そして、一夏は改めて姉の凄さが分かった瞬間だった。

 

-----------

場所、アリーナ

 

バルバトスVSセシリア

 

 

「…………」

 

「…………」

 

……………………

 

 

「よし、始めろ」

 

「どういう事ですのおおおぉぉぉ!?」

セシリアは自分の置かれた状況を把握出来ていなかった。

 

何故自分はISを身に纏いここにいるのか。

 

何故転校生、バルバトスと対峙しているのか。

 

そもそも、今は飛行訓練をする授業ではなかったか。

 

「どういう事も何も、お前達もゲーティアの強さを知っておけばいいと思ってな」

 

千冬は淡々と言葉を告げる。

 

「思ってなじゃ、ありませんわ!!

何故わたくしですの!?」

 

「お前は専用機持ちだろう」

 

「一夏さんだって持っていますわよ!?」

 

「何か? 貴様は私の一夏が怪我してもいいと言うのか?」

 

「怪我する事前提!?」

 

一瞬さりげなくブラコンを全開させた千冬を気づく者はいなかった。

 

さらに問答を続ける二人を見てバルバトスがイラついたようにセシリアに喋りかける

 

「貴様ぁ、長々と何をしている?

鼠のように逃げおおせるか、この場で死ぬか、どちらか選べい!!」

 

「ひっ!

そ、そんな……

究極の二択だなんて……」

 

セシリアは考える、正直逃げたい、だが自身のプライドがそれを拒んでいる。

 

しかし、だからと言って死にたくもない

 

どうする……

どうする、セシリア・オルコット

 

「あ、あなた、ISどうしたのですか?」

 

答えが出なかったので時間稼ぎにバルバトスに話かける。

 

そう、バルバトスは何も身に着けず立っているのだ。

 

 

「俺にあのような鉄クズなぞ必要ぬぇい!」

 

じゃあ何でここにいるんだよ、と話を聞く誰もが思った(千冬は除く)が言葉には出さない、恐いから。

 

「さぁ、無駄話は終わりだぁ……」

 

その瞬間、バルバトスから凄まじいオーラが溢れ出る。

 

「ぶるぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そして、雄叫びのような声と同時にバルバトスが光に包まれる。

 

「あ、ああ……」

 

その光が収まると、バルバトスの服装が変わっていた。

 

 

全身群青色のタイツのようなスーツに腰巻き、そして背にはマントがついていた。

 

だが群を抜いて異質なのはその手に持つモノ

 

禍々しい形状をした斧だった。

 

 

唖然。呆然。愕然。

 

皆、一様に声が出せなかった。

 

 

千冬を除いて。

千冬は腕を組ながら何か頷いていた。

 

あんた何者だよ。

 

 

一番ヒドいのはセシリアである、バルバトスの闘気を真っ向から受けているのだ、気絶しないだけセシリアは凄い。

 

 

「あ……あ……

も、もう、もうどうにでもなれですわ!」

 

半ばヤケクソになりながらスターライトmkⅢを展開しバルバトスに撃ち込む。

 

放たれたレーザーは真っ直ぐにバルバトスへと迫る、が

 

「ぬぅん!!」

 

バルバトスは迫り来るレーザーに斧を振り下ろしかき消した。

 

「え……?」

 

驚愕で目を丸くするセシリア。

 

「ぬうう……

この程度かぁ……」

 

バルバトスはつまらなそうに呆れたように言う。

「ま、まだ、まだですわ……」

 

もう完全に戦意喪失しているのが分かる程の顔色をしているが英国淑女のプライドか、蚊の鳴くような声で答える。

 

「い、行きなさい、ブルーティアーズ……!」

 

セシリアのブルー・ティアーズからビット型のファンネルのような武器をバルバトスの周囲へ飛ばす。

 

 

 

しかし---

 

 

それがいけなかった---

 

 

キュピーン!!

 

 

どこからかそんな音が聞こえ……

 

いつの間にかバルバトスがセシリアの背後にいた。

 

 

「え---?」

 

そして……

 

 

「アイテムなんぞ、使ってんじゃ、ぬぇぇぇぇぇい!!!!!!!!」

 

 

(あ、わたくし、死n…………)

 

 

セシリアの意識はここで途切れた。


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