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今回も短い回
第十六話 臨海学校編 やっと……
「海っ! 海が見えたよ!」
トンネルを抜けたバスの中でクラスの女子が声を上げる。
「おー、海何てくるの久しぶりだよなぁ」
窓の外を見ながら一夏が呟く。
「一夏さん」
一夏に声がかかる。
「ん? 何だセシリア?」
声の主はセシリアだった。
「も、もしよろしければ海についた後、私と----」
ドスッ
「うっ!!」
セシリアの横腹に肘が入り、短い悲鳴を上げ、うずくまった。
「ズルいよ、セシリア。一人で抜け駆けなんて!」
「しゃ、シャルロットさん……?
ひ、肘……強すぎです……わ……」
ドサッ
「…………あれ?
ちょ、セシリア!? 大丈夫!?」
倒れたセシリアを慌てて抱き上げるシャルル。
どんだけ力強い肘打ちを食らわせたのだろうか……
「え、えーと、大丈夫か?」
一夏が何ともいえない表情で聞く。
「う、うん! 大丈夫! 大丈夫だよ!」
「そ、そうか」
まぁ、ある意味何時も通りの光景かもしれない。・
・
・
・
「ねぇねぇ、バルバル~
バルバルって泳げるの~?」
のほほんさんがバルバトスに聞く。
もう本当に普通の友達と会話するノリである。
「当然だ」
短いながらもちゃんと答えるバルバトス。
しかし、バルバトスの場合、平然と海の上を走り出しそうで怖い。
「ふ、師匠(せんせい)が泳げない訳がないだろう?」
ラウラが(何故か)得意げに言う。
「それもそっか~」
にへ~と笑うのほほんさん。
そして、バルバトスと平然と話す二人を見て
(やっぱり凄い! のほほんさん凄いよ!)ヒソヒソ
(ボーデヴィッヒさんもある意味凄いよ!)
(やっぱり、私のほほんさんの弟子になるよ!!)
と、女子達がヒソヒソとはなしていた。
クラスの女子の、のほほんさん尊敬度up
と、そんな事もありながらバスは目的地へと走って行く。