IS学園に来た最狂の男   作:ゼニア

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最後グダグダ回。


第十五話 臨海学校編 だがやはりまだ行かない。

週末の日曜日。

 

決して終末ではない。

 

 

みんなが喜ぶ日曜日、一夏とシャルルは街に来ていた。

 

理由は臨海学校用の水着を買いに。

 

 

そして一夏は何時も通り、上条さんバリの鈍感さを発揮しており、別に何かを気にする事もなく、平然とシャルルと手を繋いでいた。

 

てかいつの間にシャルルとフラグ立ててたんだ。

 

そして、そんな二人を物陰から見つめる者がいた。

 

「ねぇ……」

 

「なんですの……?」

 

毎度お馴染み、鈴&セシリアである。

 

「あれって、手握ってない……?」

 

「握ってますわね……」

そんな事を話す二人の瞳に光は灯っていなかった。

 

もしかしたらこの二人は今から一夏を背後から包丁で刺すのかもしれない。

 

「そっかぁ、見間違いでも白昼夢でもなく、やっぱりそっか……」

 

鈴が笑う。

しかし、目は笑っていない。

 

「ふふ……

よし! 殺そう!!」

 

と、ISを部分展開し言う、身体から赤いオーラが出ていた。

 

もっとキレたらバルバトスのようなオーラが出せるかもしれない。

 

「ほう、楽しそうだな」

そんな二人に背後からかかる声。

 

「!! ラウラさん!」

 

ラウラも来ていた。

 

「あんた、何しに来たのよ」

 

鈴が問う。

 

「師匠(せんせい)が街に出ると言ってな、ついて来たのだ」

 

ラウラが答える。

 

「げ、ゲーティアさんが? 珍しいですわね……」

 

セシリアが驚く

 

暇な時はいつもアリーナにいるバルバトスが、街に来たと言うのは結構衝撃なのかもしれない。

 

「で、どこにいるのよ? 見当たらないけど……」

 

鈴がキョロキョロと辺りを見回す。

 

「ああ、見失った!!」

 

ラウラが笑顔で言い切った。

 

「「ええ!?」」

 

当然驚く二人。

 

「いや、つい先ほどまで私の目の前にいたというのに、まばたきをした瞬間いなくなってな。

やはり流石だ……」

 

何故か嬉しそうに言うラウラ。

 

しかし“目の前”?

つまりラウラはバルバトスの後ろにいたと言うこと……

 

よく無事だったな。

 

 

「あんな歩く核兵器みたいなのを見失うんじゃないわよ!!」

 

鈴がキレる。

 

「貴様……師匠を侮辱する気か!!

師匠が核程度で収まるものか!!」

 

「そっちですの!?」

 

ラウラの言葉にセシリアがツッコむ、最近セシリアは順調にツッコミキャラが定着しつつある。

 

「ま、まぁ、いいわ……

とにかく今は一夏達を……!

ってどこ行ったの?」

 

鈴が一夏達がいた方に振り返るが、二人はもういなかった。

「ああ、あの二人なら先ほどそこを降りていったが」

 

ラウラが指をさし言った。

 

「っ!! 行くわよ、セシリア!!」

 

「ま、待ってください鈴さん!!」

 

二人はラウラの示した方へと走りだした。

 

「ふん、慌ただしい奴らだ。

さて、私は師匠を探すか……」

 

そう言い、ラウラは歩きだした。

 

-----------

その頃の一夏はシャルルに二人の間だけの呼び方を決めていた。

 

結果。

シャルになった。

 

ぶっちゃけシャルルから一文字減っただけである。

 

だがそれでもシャルルは大喜びしていた。

 

「そんじゃ、行くか」

 

「うん!!」

 

と、二人はまた店に向かい歩きだした。

 

-----------

「あっ、いた!!」

 

「よかった、無事見つかりましたわ……」

 

鈴とセシリアである。

 

一夏達を何とか見つけたようだ。

 

「…………ねぇ、シャルロットがさっきより嬉しそうな顔してるんだけど」

 

「くっ、私達がいない間に何が……!!」

 

ギリギリと歯を食いしばる二人。

 

しかしこの二人結構シンクロしている。

 

そんな二人の怒気が伝わったのかシャルルが不意に二人の方に振り向いた。

 

「「あ……」」

 

シャルルは二人の姿を捉えた瞬間、一夏の腕を引き凄いスピードで走っていった。

 

「しまった! 追うわよ!」

 

「はい!」

 

二人は一夏達の後を追いかける。

 

------------水着店-

 

「くっ、アイツらどこに行ったの?!」

 

「また見失いましたわ……!」

 

二人は店の中を見回しながら歩く。

 

ちなみに一夏達は更衣室に隠れていたりする。

 

「ほう、ここにある物全て水着なのか」

 

二人の背後からそんな声が聞こえてきた。

 

「ラウラ! あんたいつの間に!?」

 

「む? お前達がこの店に入る時からいたぞ?」

鈴が驚き、ラウラは平然としている。

 

「ラウラさんは何をしてらっしゃるの?」

 

セシリアが聞く。

 

「うむ、師匠を探している所なんだが……

ここにはいないな」

 

「女の子の水着売ってる場所にいたら逆に凄いけどね……」

 

鈴が呆れたように言う。

 

バルバトスは一体どこに行ったのだろうか……

 

 

「お前達は何をしているのだ?」

 

ラウラが二人に問う。

 

「あ! そうよ、一夏達を探してるんだった!」

 

鈴が思い出したように声を上げる。

 

 

「む……

一夏とシャルロットならば、あそこで説教を受けているぞ」

 

ラウラが指をさす。

 

二人がラウラが示した方に視線を移すと、山田先生に怒られている一夏とシャルロットがいた。

 

千冬も一緒にいる。

 

「な……、先生達も来てたの……!?」

 

「どうしましょう……」

「? 合流すればいいではないか」

 

うろたえる二人を置いてラウラは一夏達に近づく。

 

「あっ! ら、ラウラもいたの!?」

 

ラウラを見て驚くシャルル。

 

「ラウラも水着を買いにきたのか?」

 

一夏が聞く。

 

「いや、師匠を探しているのだ」

 

「師匠……、ゲーティアもいるのか……」

 

「はい、教官

しかし、見失ってしまいました」

 

千冬の呟きにラウラが答える。

 

「街にバルバトスがいるって、な、何か怖いな……」

 

一夏が冷や汗を流す。

 

 

そして----

 

オオォォォン……

 

店内に何かいいようのない空気が広がる。

 

「ん……? 何か空気が重くなったような……?」

 

一夏が辺りを見回しながら言った、その時

 

 

「----貴様ら、こんな所で長々と何をしている?」

 

奴の声が響く。

 

そして、一夏達の目の前に大きな人影が現れる。

そう、それは……

 

「鼠のように逃げおおせるか、この場で死ぬか、どちらか選べい!!」

 

バルバトスだった。

 

格好が完全に戦闘モードである。

 

実はバルバトスは、ラウラと箒だけだと物足りないから街にいった一夏、シャルル、鈴、セシリアを連れ戻しに来たのだった。

 

ちなみに箒はラウラと一緒にバルバトスにボコられて心身ともに疲れたので学園に残った。

 

何故一緒にボコられたラウラはこんなに元気なのか謎である。

 

症候群が発症しない……だと?

 

「師匠!」

 

「ゲーティア……、こんな所で殺気を出すな」

 

ラウラが声を上げ、千冬が呆れ気味に注意する。

「行くぞぉ……」

 

バルバトスは一夏とシャルルの襟首を掴み連行していく

 

「は? え!? ちょ、ちょっと!?」

 

「うわわわわ!!」

 

ジタバタとする二人。

 

「ああ、ゲーティア

一夏は置いて行ってくれないか? 少し用がある」

 

千冬がバルバトスに言う。

 

「他は連れ帰っても構わん」

 

「「「え!?」」」

 

一夏、ラウラ、山田先生以外が驚く。

 

「いいだろう……」

 

バルバトスは千冬の申し出に了承すると、一夏を離し、残りを連れていった。

 

「ちょっ! 助け……!」

 

「嫌ですわ! せっかく街に来たのに!」

 

「うわあああん、一夏ぁ!!」

 

一夏はみんなの叫びをただ聞く事しか出来なかった。

 

「すまん……!みんな……!!」

 

「それでは教官、また学園で。

師匠! 待ってください!」

 

千冬に頭を下げ、ラウラもバルバトスを追って行った。

 

「ふむ、では行くか」

 

「ああ……、でも何するんだ?」

 

「なに、お前に私の水着を選んでもらおうと思ってな」

 

バルバトス達を見送り、二人はそんな話をしながら歩いていった……

 

 

「あ、あの! 私もいますよー!?」

 

山田先生も慌てて二人を追っていった。


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