IS学園に来た最狂の男   作:ゼニア

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ラウラどうしてこうなった回


第十三話 もはやお前誰だよ

バルバトスの一撃により異形ISは崩壊していく……

 

バルバトスは形が崩れていく異形ISの中にいるラウラの首を掴み、引きずり出し

 

 

「小娘、この俺を倒したいのであれば、借り物の力なぞ使わず自らの力でかかって来るがいい」

 

そう言った。

 

「うぅ……」

 

(バルバトス……ゲーティア……お前は……なんて……)

 

そこまで思い、ラウラの意識は完全になくなった。

 

 

そしてバルバトス近くにいる箒(実はずっといた)にラウラを投げ渡し、バルバトスはアリーナから出て行った。

 

 

「末恐ろしい男だな……」

 

ラウラを抱き、箒はそんな事を呟いた。

 

-----------

バルバトスが一瞬で片付けてしまったため、さほど騒ぎにはならなかったが、ラウラの異変は誰が見ても異常事態だったために、トーナメントは一時中止になった。

 

後日に一回戦だけでもやるらしい。

 

 

とまぁ、それは置いておき

 

「げ、ゲーティアさーん」

 

廊下を歩くバルバトスに声がかかる。

 

声の主は山田先生である。

 

「何だぁ」

 

「ひぅ! え、えと、その……

き、今日から男子の大浴場が使用出来るようになりました……!」

 

山田先生はまだバルバトスが怖いようだ

 

まぁ、学園の殆どがバルバトスを恐れているだろうが。

 

「そうか」

 

山田先生の言葉に短く返答する。

 

「そ、それだけです!

それでは!」

 

そう言い山田先生はパタパタと去って行った。

 

「風呂か……」

 

バルバトスはそう呟き、歩いて行った。

 

 

それから数分後

 

大浴場で斧を一振りして浴槽の湯を消滅させているバルバトスが一夏により目撃された。

 

何にしてんだ。

 

-----------

さて、翌日のホームルーム。

 

 

「み、みなさん、おはようございます」

 

山田先生がやってくる、が、何故かフラフラしている。

 

「今日はですね……

みなさんに転校生を紹介します。

転校生といいますが、すでに紹介は済んでいるといいますか、ええと……」

 

山田先生の話にクラスのみんなは一斉に騒がしくなる。

 

「じゃあ、入ってください」

 

「失礼します」

 

山田先生に呼ばれ、入って来たのは……

 

「シャルロット・デュノアです。

皆さん、改めてよろしくお願いします」

 

スカート姿のシャルルだった。

 

ポカンとする、クラス一同、まぁもちろんの事バルバトスは平然としているが。

 

「ええと、デュノア君はデュノアさんでした、ということです。

はぁ……また寮の部屋割りを組み立て直す作業が始まります……」

 

溜め息を吐く山田先生。

ご愁傷様です。

 

「え?デュノア君って女……?」

 

「おかしいと思った!美少年じゃなくて美少女だったわけね」

 

「あぁ~、やっぱり女の子だったんだぁ」

 

ザワザワと騒がしくなる教室

 

その中でのほほんさんはやっぱり、と言うような表情をしていた。

 

「一夏……?

これは一体どういうことだ?」

 

箒がスラッと刀を抜き一夏に聞き

 

「一夏さん……?」

 

セシリアがあの時のようにハイライトの無くした目で一夏に迫る。

 

ちなみに一夏はシャルルと同室だった。

 

「こ、怖っ!?

お、落ち着け、箒、セシリア!!」

 

チュドーン!!

 

「い~ち~かぁ~!!」

 

次に壁をぶち破って鈴が来た。

 

ISを展開して。

 

教室で展開してんじゃねぇよ。

 

怒り浸透の鈴は一夏へ向けて、衝撃砲を撃とうとする

 

 

その瞬間!

 

 

ピシャーン!!

 

教室の扉が勢いよく開かれる。

 

その音で皆が皆、入り口に注目する。

 

そこにいたのは……!

 

「ぼ、ボーデヴィッヒさん? 遅刻ですよー?」

 

そうラウラだった。

 

ラウラは山田先生の言葉を無視し、一直線にバルバトスの元に行く

 

そしてバルバトスの席の前に立ち止まった。

 

教室は静まり返る、まさかこんな所で再び戦いを始める気か、というような緊張が走る。

 

 

「私を……」

 

 

皆が固唾を飲み見守る中、先に動いたのはラウラだった

 

ラウラは何か決意に溢れた目で

 

 

 

 

 

 

 

「私を弟子にしてください!!」

 

そんな事をのたまった。

教室が先ほどとは別の意味で静まり返る。

 

 

「何?」

 

バルバトスが怪訝な表情で聞き返す。

 

 

「変質してしまった私を倒したあの力……

私はあなたの途方もなく絶大な力に心を奪われてしまいました……

だからお願いします!

私を、私を弟子にしてください、バルバトス師匠(せんせい)!!」

 

もはやお前誰だよ。

 

ラウラの言葉を聞いた皆が皆、微妙な顔で汗を流していた。

 

 

「お、お前、この男を恨んでいたのでは無いのか……?」

 

箒がラウラに聞く。

 

「ふん、何を言っている?

そんな昔の事、忘れた」

 

「「「昨日だよ!!」」」

 

とうとう我慢出来なくなったのか、皆がツッコむ

 

「ふ、昨日は昔だ、一秒前だって昔だ」

 

どこか『してやったり』、というような表情をするラウラ。

 

「うん、ちょっと今からアンタをボコる」

 

鈴が怒りマークを浮かべ口をひくつかせながら言う。

 

「くく……

貴様が私を?

師匠(せんせい)の一番弟子である私が貴様なんぞに負けるはずがなかろう?」

 

いつの間にか弟子になっているラウラ。

 

「ふ、ふふふふ……

いいわ、表にでなさい」

なんかもう色々とカオスになっていく。

 

「あわわわわ、ど、どうしましょう……」

 

山田先生が慌てふためく。

 

その混沌とした中に、1人の救世主が現れた……!

 

 

「おい、お前ら」

 

凜、とした声が響く。

 

「な、お、織斑先生……?」

 

「き、教官?」

 

千冬だった。

 

「鳳 鈴音、ラウラ・ボーデヴィッヒ

反省分1万枚」

 

そして二人に途方もない罰が下された。

 

 

 

 

 

 

 

「僕のインパクトが一瞬でかき消されちゃった……」

 

シャルロットの呆然とした呟きは誰の耳にも入る事はなかった……

 

 

 

 

そしてどうでもいい事だが、バルバトスの一番弟子はもしかしたら一夏かもしれない。


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