IS学園に来た最狂の男   作:ゼニア

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ラウラがんばった回およびバルバトスが理不尽回


ちなみに最後のは小型ワールドデストロイヤーを叩きつけてるイメージ。


第十二話 無茶しやがって・・・

学年別トーナメント開催日。

 

 

 

「す、すごいな、こりゃ……」

 

一夏が更衣室のモニターを見ながら驚く。

 

映っているのは観客席で、そこには各国政府関係者、研究所員、企業エージェント、その他諸々の顔ぶれが一堂に会いしていた。

 

「三年にはスカウト、二年には一年間の成果の確認にそれぞれ人が来ているからね。

一年には今のところ関係ないみたいだけど、それでもトーナメント上位入賞者にはさっそくチェックが入ると思うよ」

 

「ふーん、ご苦労なことだ」

 

そんなに興味がないのかシャルルの説明に適当に返答する一夏。

 

「ていうか、バルバトスを見たらどう思うんだろうな」

 

一夏が言う。

 

あんな理不尽と出鱈目の塊をみれば10人が10人度肝を抜かれるんじゃなかろうか。

 

 

のほほんさんのような者がいれば話は別だが

 

「あははは……」

 

シャルルが微妙な笑いを上げる。

 

断じて症候群が発症したわけではない。

 

-----------

対戦表が決まる。

 

「な……

一回戦目からなのか……」

 

「た、大変だね」

 

一夏とシャルルが驚く。

 

二人が驚く対戦表、第一回戦は……!

 

 

【ラウラ・ボーデヴィッヒ 篠ノ之 箒ペア】

 

VS

 

【バルバトス・ゲーティア】

 

 

なんと、一夏&シャルルペアではなくバルバトスだった!

 

 

「俺、一回戦じゃなくてよかった……」

 

「でも、あの人が勝ったらいずれ戦う事になるけど……」

 

一回戦から波乱の予感。

-----------

「くく………」

 

ラウラが笑う。

 

一回戦目からバルバトスと戦える事が嬉しいのだ。

 

まぁ、嬉しいと言っても爽やかな感じじゃなく、むしろドロドロとしてるのだが……

 

しかし、ラウラが段々と狂気に染まっていっている。

 

歪んだ笑みを浮かべながらラウラはアリーナへ出る。

 

-----------

バルバトスとラウラ&箒が向き合う。

 

「この間のようにはいかんぞ

貴様はここで終わりだ」

ラウラが言い

 

「ふん、出来るものならやってみろぉ……」

 

バルバトスが答える。

 

両者睨み合い、そして箒は空気だった……

 

試合開始、5秒前

 

 

4

 

 

3

 

 

2

 

 

1

 

 

試合開始。

 

 

「貴様は俺と戦う資格はねぇぇぇ!!」

 

開始直後にバルバトスの斧から光線が発射される。

 

箒に向けて。

 

 

「なっ!?」

 

光線は回避をしようとする箒を無情にも飲み込んで行った……

 

 

箒、退場。

「くっ……

久しぶりの出番だと言うのに……こんな終わり方……!!」

 

箒の悲痛な呟きはアリーナにいる人達の声にかき消されていった……

 

 

「あとは、貴様だぁ……」

 

バルバトスがラウラに言う。

 

「ふ、アイツを倒した所で私が不利になるような事は何もない、行くぞ!!」

 

ラウラがバルバトスへと近づき、プラズマ手刀による斬撃を繰り出す。

 

「甘いわ!!」

 

バルバトスはその手刀を素手で掴み、ラウラを上空に放り投げる。

 

そしてラウラへ向けてチープエリミネイトを発射する。

 

「ふっ」

 

ラウラは瞬時加速を行い、避ける

 

そしてバルバトスの腕へとワイヤーブレードを巻き付かせ

 

「何ぃ!」

 

バルバトスをアリーナの壁へと叩きつけ

 

「くらうがいい!!」

 

レールカノンを発射した。

 

発射された弾はバルバトスへと直撃する、が

 

 

「ぶるぁぁぁぁぁ!!」

 

やはりバルバトスにはそんなにダメージはない。

バルバトスはラウラへと接近し、斧を振るう。

 

 

「ふん……」

 

ラウラが右手を突き出す

「ぬぅ……」

 

するとバルバトスの斧はラウラに当たる事なく止まる。

 

 

ラウラのIS、シュヴァルツェア・レーゲンの第三世代型兵器『AIC』

 

慣性停止能力である。

 

 

「貰った!!」

 

止まったバルバトスへとレールカノンをほぼ零距離で撃つ

 

「ぬっ!」

 

吹き飛ぶバルバトス、しかしすぐに空中で体制を立て直し、着地する。

 

「ほう、なかなかやるな小娘」

 

バルバトスが喋る。

 

「ほざけ、貴様はここで終わりだ!!」

 

ラウラは再びワイヤーブレードを発射し、バルバトスの両手足に巻き付け、拘束し、バルバトスを引き寄せ……ずに自らバルバトスへと近づく

 

(こいつの強さは計り知れんからな、下手に引き寄せようものなら逆に振り回されかねん)

 

そしてプラズマ手刀をバルバトスへ叩き込む、続けて蹴りを入れ、更に殴り、再び蹴りを入れ、また殴りつける。

 

 

バルバトスに反撃を許さず、凄まじい連打を重ねる。

 

 

しかし、相手はバルバトスである。

 

このまま攻撃を受け続けるはずがない。

 

 

「ぶるぁぁぁぁぁ!!」

 

「何っ!?」

 

バルバトスはワイヤーブレードを力ずくで引きちぎり

 

「虫けらが!!」

 

ラウラの首を掴み

 

「這いつくばれぃ!!」

 

地面へと叩きつける。

 

「ぐっ……」

 

 

叩きつけたラウラを更に追撃する

 

「貴様に朝日は拝ませねぇ!!」

 

バルバトスが地面を殴りつけるとバルバトスを中心に紫色の巨大な衝撃波が発生しラウラを吹き飛ばす。

 

「くぅぅ……!!」

 

吹き飛ぶラウラに更なる追撃を繰り出す。

 

「引き裂いてやるわぁ……」

 

バルバトスが斧を振るうとラウラへ向かって衝撃波が飛び出す。

 

「く、この、程度ぉ!!」

 

ラウラが殆ど気合いのようなモノで体制を立て直し、衝撃波を避ける。

 

「これで、勝ったと思うなぁ!!」

 

そう叫び、レールカノンをバルバトスへと放つ。

「ぬん!!」

 

それを斧で弾き、バルバトスはラウラへと突っ込み、斧を振り下ろす。

 

「無駄だぁ!!」

 

ラウラはAICを発動し、バルバトスを止める、が

 

「術に頼るか、この屑がっ!!」

 

みんな大好き、カウンターが発動、斧から赤い炎の弾が32発飛び出し、追尾機能によりラウラの背後へと回り命中する。

 

「がっ……」

 

「コレで終わりだぁ……」

 

ヘルヒートの命中によりAICの切れたラウラへと斧を突き出し

 

 

「微塵に砕けろぉ!!」

 

ジェノサイドブレイバー発射した。

 

-----------

「う、うわぁ……」

 

「お、恐ろしいですわね……」

 

バルバトス達の戦闘を見ていた鈴&セシリアが冷や汗を流しながら呟く。

 

「分かってはいたけど、これは完全に……」

 

「ゲーティアさんの勝ち、ですわね」

 

 

二人はジェノサイドブレイバーにより吹き飛んだラウラを見て、そう言った。

 

 

次の瞬間---

 

 

「なっ!?」

 

「なんですの……あれは?」

 

-----------

(何故……)

 

ラウラは思う。

 

(何故だ……何故、勝てない……)

 

その思いは次第に巨大な増悪へと変わっていく。

(バルバトス・ゲーティア……

奴を倒したい、倒し、そして教官を……)

 

バルバトスへの果てしない増悪の中、ラウラはただ一つの事を願う。

 

(力が……欲しい)

 

 

ドクン……

 

 

『―――願うか……?

汝、自らの変革を望むか……?

より強い力を欲するか……?』

 

ラウラの頭に声が響く、今のラウラにそれを拒否するような考えなど何処にもない、ラウラは迷う事無く力を欲した---

 

-----------

 

「あああああっ!!!」

 

突然、ラウラが身を裂かんばかりの絶叫を発する。

 

それと同時にシュヴァルツェア・レーゲンから激しい電撃が放たれる。

 

 

「む……? なんだ?」

 

そのような奇妙で尋常じゃないラウラをバルバトスは凝視する。

 

アリーナの皆が目を疑う。

 

ラウラのISが変形、というより、黒く濁ったナニカがラウラを飲み込んで行く。

 

「……あれは」

 

それを見るバルバトスが何か気づいたように目を細めていた。

 

 

シュヴァルツェア・レーゲンだったものはラウラの全身を包み込むと、その表面を流動させながら、ゆっくりと地面へと降りると

 

高速で全身を変化、成形させていく。

 

そしてそこに立っていたのは、黒い全身装甲のISに似たナニカ。

 

 

そして、その異形ISの手には雪片が握られていた。

 

「貴様ぁ……」

 

バルバトスが異形ISを睨みつける。

 

異形ISは常人ならば気絶する程の殺気を当てられても怯むようすはまるでなくバルバトスへと迫り、雪片を振るう。

 

 

キンッ!!

 

振るった雪片はバルバトスへと当たるが、弾かれた。

 

 

バルバトスさん、本気入りましたー

 

そう、みんなご存知、鋼体である。

 

 

異形ISは感情があるのか、無いのか、それは分からないが弾かれたのを見ても動揺する様子もなく、更に攻撃を繰り出す。

 

キンッ!キンキン!!

キンキンキンッ!!

 

攻撃はことごとく弾かれ、バルバトスには意味をなさない。

 

だが次の瞬間。

 

 

キュピーン!!

 

破滅の音がどこからともなく聞こえ、バルバトスが異形ISの前から姿を消す。

 

そして---

 

 

「他人の力に……」

 

ディアボリックファンに恐ろしいほど濃縮された禍々しいオーラを纏わせ異形ISのすぐ背後へと現れ

 

「頼ってんじゃ、ぬぇぇぇぇぇい!!!!」

 

 

最強の一撃を繰り出した。

 

 


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