IS学園に来た最狂の男   作:ゼニア

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ラウラがギャグじゃない回


第十一話 学年別トーナメント

ゴオォォォォォ……

 

バルバトスのチープエリミネイトにより土煙があがる。

 

煙のせいでラウラの姿は見えない。

 

 

「ふん、興が冷めた」

 

バルバトスはそう言い残しアリーナから去って行った……

 

「…………」

 

「…………」

 

言葉が出ない鈴とセシリア

ただ呆然とラウラがいた方を見つめる。

 

 

「じ、冗談抜きで死んだんじゃないの……?あれ……」

 

「わたくし達が普段どれほど手加減されてるかよく分かりましたわ……」

改めてバルバトスの恐ろしさを実感した二人。

 

そして土煙が晴れる。

 

そこには---

 

「くっ……」

 

悔しさに顔を歪めているが、健在のラウラがいた。

 

 

説明しよう!

何故ラウラが消し飛ばずに生きていたか!

 

そう、それは単純に瞬時加速《イグニッション・ブースト》でチープエリミネイトを回避したから。

 

かなりの速度で迫るチープエリミネイト(特大)を普通に避けるのは困難だったと、そう言う訳である。

 

「良かった、生きてた……」

 

「流石に目の前で死人が出るのはキツすぎますわ……」

 

ホッと胸を撫で下ろす二人。

 

鈴。撫で下ろしやすい胸で良かったね

 

「あ゛あ゛ん?」

 

サーセン。

 

 

「バルバトス・ゲーティア……

この恨みは必ず晴らしてやるぞ……必ず……!!」

 

電波にキレる鈴やセシリアをガン無視してラウラはバルバトスへの敵意を更に募らせるのだった……

 

 

ちなみに、それから数分後にやって来た一夏とシャルルは何でこんな事になっているのか大いに困惑したそうな

 

-----------

バルバトスの特訓(と言う名の地獄)をする事もなくなったが、自らの特訓をする気にもなれず、一夏達と合流し、なんとなくアリーナから戻った鈴とセシリア。

 

適当にぶらつきながらバルバトスとラウラの事を話していたら一夏とシャルルに大量の女子が殺到した。

 

「織斑くん!!」

 

「デュノアくん!!」

 

 

「な、なんだ、なんだ!?」

 

「み、みんなどうしたの!? ちょ、ちょっと落ち着いて……」

 

 

「「「コレ!!」」」

 

状況の飲み込めない二人に女子一同が出してきたのは学内の緊急告知文が書かれた申込書だった。

 

「え、えっと、なになに……?」

一夏が出された紙を読む。

 

「『今月開催する学年別トーナメントでは、より実戦的に行うため、二人一組での参加を必須とする。

なお、ペアが出来なかった者は抽選により選ばれた生徒同士で組むものとする。締め切りは』―――」

 

「ああ、そこまででいいから!とにかくっ!」

 

女子達が一斉に手を伸ばし

 

「私と組もう、織斑君!」

 

「デュノアくん、私と組もっ!!」

 

突然の学年別トーナメントの仕様変更で、男子と組もうと我先にと男子である一夏とシャルルに迫る女子達。

 

「な、なに言ってんのよ! アンタ達!

一夏と組むのは私よ!」

「いいえ、わたくしですわ!!」

 

そんな女子達を見て慌てて鈴やセシリアも便乗する、が

 

 

「悪いけど、俺はもうシャルルと組んでるぞ」

 

と、一夏がそんな事を言った。

 

「「「えぇぇぇぇ~」」」

 

女子達が落胆したように声を上げる。

 

「あんたらいつの間に……」

 

「残念ですわ……」

 

二人も悔しそうにするが、二人はシャルルを男だと思っているため、それ以上は何も言わなかった。

 

-----------

 

「ほえ~、二人一組かぁ~」

 

廊下を歩くのほほんさんが紙を見ながら呟く。

 

すると視線の先にバルバトスを発見。

 

「あ、バルバル~

コレ、一緒に組まない~?」

 

と、もう普通に友達のようなノリで言うのほほんさん

 

流石である。

 

「布仏。残念だがそれは無理だ」

 

すると後ろから千冬の声。

 

「あ、先生~

どうしてですか?」

 

のほほんさんが頭に?を浮かべ首を傾げる。

 

「ゲーティアは今まで見た通り、アレだからな

ハンデとして1人で参加する事になった」

 

まぁ、その程度でハンデになるかは分からんがな、と微笑みながら言う。

 

「それでも構わんのだろう? ゲーティア」

 

「戦えるのであれば、俺は何でも構わん」

 

千冬の言葉にバルバトスは答える。

 

ちなみにバルバトスは基本的に1人で戦うが共闘戦と言うのも出来る。

 

ただバルバトスと共闘できるほどの強さを持つ者がいないだけである。

 

「そっかぁ~

じゃ、他を当たってみるよー

じゃあねぇ、バルバル~」

 

のほほんと手を振りながらのほほんさんは去って言った。

 

 

「ゲーティア」

 

のほほんさんが視界から消えた後、千冬はバルバトスへ話しかける。

 

「何だ」

 

「ラウラの事だが……

遠慮なくやってくれて構わん」

 

と千冬はそんな事を言った。

 

「ほう?」

 

「アイツは何を勘違いしているのか、お前が消えれば私がドイツへと帰ってくると思っているらしくてな

アイツは少し頭を冷やした方がいい」

 

「ふん、いいだろう」

 

千冬の言葉を聞いて、バルバトスはそれだけ言って、千冬に背を向けて歩きだした。

 

 

「一つ言っておくが、殺したりはするなよ?

アレでも私の大切な教え子だからな」

 

千冬は去って行くバルバトスの背中にそう言葉を投げかけた。


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