脳内選択肢のせいで何回も死にかけるんですけど   作:七不思議

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爪楊枝って一体何なんだろうな(泣)

学校に着いてから分かったことがある。姫島さんは俺の一つ年上と言うこと。同じクラスにあのイケメン君……確か木馬?いや、違う。木場。そうイケメン君の名前は木場君だ。彼はとても笑顔が眩しかったよ。

 

◇◇◇

 

さて、話をしよう。あれは俺が学校に着いてから職員室に着くまでの間に起こった出来事だ。姫島さんに職員室の場所を聞いた後に直ぐに向かったんだ。向かう途中で床に爪楊枝が落ちているのを見つけた。

 

『選べ

─1「一番いい爪楊枝を頼む。と大声で言い、ドヤ顔する」

─2「何となく投げてみる」』

 

迷いなく投げたよ。まさか、予想とは斜め上にいく結果でね。俺は、窓が空いていたのを確認して外に投げたんだ。そしたら、向かいの廊下の窓も空いていたらしく見事にたまたま通りがかった教師のカツラだけ打ち抜いたよ。

一言だけ言おう。……普通に考えて届く距離じゃないからね!?あんな重さが無いにも等しい木でしかも、速さも尋常じゃなかったから!?

 

『神は言っている、一番良いのは爪楊枝と』

 

知るか!ボケ!!つーか一番良いのは爪楊枝!?んなもん武器にもならないわ!?

すると、突然パチィンという音が鳴った。周りを見渡すと夢に出てきた男───確かルシフェルだったかな。ソイツがいた。そして、最も不可解なのは俺とルシフェル以外が止まっていることだ。

「これ、どうなってんだよ」

 

「何、時を止めたのさ。それより説明がまだだったな」

 

「何の説明だよ!」

 

「勿論、君の爪楊枝のさ」

 

「って言うか爪楊枝以外で一番良いのはなかったの!?」

 

「…………君の爪楊枝は神の知恵により造られたものだ」

 

逃げたよ。今顔逸らしてから爪楊枝の説明に入ったよ。

 

「まあ、神と言っても此方のではないのだがね。ふ、君にはどうでもいい事だ。説明を続けようか。君に渡した爪楊枝は所謂、武器さ」

 

うん、知ってる。渡されたときに言ってたもんね。と言うか戦う力いらなくね?

 

「爪楊枝が君の中に入った瞬間から君は爪楊枝の戦士になってしまったんだよ」

 

「……へぇー」

 

「む、信じていないな。まあいい、後々知ることになるのだから。後、これだけは言っておこう。君は爪楊枝を持っている時は神を超えられる」

 

爪楊枝で神超えられるとか何その冗談。笑えない。そんな事を考えているうちにルシフェルは指を鳴らし、止めていた時を再び動かし始めた。勿論、ルシフェルの姿はなかった。

 

◇◇◇

 

そして放課後。木場君ことイケメン君に連れられ昨日の出来事についての説明をするために旧校舎に行く。

 

旧校舎に着き中に入る。また少し歩き一つの部屋に案内される。オカルト研究部。木場君は戸惑いなく扉を開けた。というか部員だから戸惑いなく開けれるんだろうな。

 

「部長、天野君を連れてきました」

 

「そう。ありがとうね祐斗。そして、ようこそオカルト研究部へ。私達はアナタを歓迎するわ。悪魔として」

 

そう言った矢先俺以外が背中から羽を生やしていた。

 

 

◇◇◇

 

それからは色々と説明された。悪魔のこと。俺が襲われたのははぐれ悪魔というもので主殺しという罪を犯した悪魔。他には堕天使や天使のことについてだ。グレモリーさんからは安全のために部活に入らないかと誘われたが考えさせてくれと返事をした。

 

後、兵藤からは何か睨まれた。というかアイツからは得体の知れないものが感じられた。故に余り見たくない。というか厭らしい。

塔城さんからは何やら避けられている感じがした。やっぱり昨日のことが原因だと思う。俺の記憶が無いことを恨む。一番申し訳ないのは姫島さんだ。勿論、俺が悪い。朝あんな事になったのだ。嫌われても可笑しくない。けど、姫島さんは大丈夫ですと笑って答えてくれた。嫌われてはいない。良かった。

 

「それにしてもどうやって恩を返そうか……」

 

今俺は帰宅しているところだ。明日は、お菓子でも作っていってみよう。オカルト研究部にはなるべく恩返しをしたいと思っている。故にこういった自分の特技で恩を返そうかと考えているのだ。

 

『選べ

─1「何となくそこら辺の家に爪楊枝を投擲する」

─2「全裸でそこら辺の家に玄関から堂々と侵入」』

 

……ふっ、答えは決まっているじゃないか。俺は間もなく沈むであろう夕日を見て選択した。

 

「1番だ。……まだ捕まりたくないからね」

 

すると、空から一本の爪楊枝が落ちてきた。俺は迷いなく爪楊枝を投擲した。そして、同時に思う。中の人に当たりませんように。

やはりといっていいほど爪楊枝は勢いよくコンクリートの壁を見事に風穴を開け、家の中に貫通していった。

可笑しくね?木がコンクリート貫通するとか可笑しいでしょ。

そして家の中から声が聞こえてきたのだ。

 

「いってぇぇ誰々こんなモノ投げてきたクソヤロウは!よくも僕ちんの額に当ててくれたね!?待ってろ今首をぎっちょん死にいってやるからよ!!」

 

や、ヤバい逃げないと。俺は全力で走った。というか額に当たったて言ってたよね。良く無事でいられたよね。それよりも当たったのに生きていてくれて良かった。危うく犯罪者になるところだった。けど、凶器(爪楊枝)を投げ入れた時点で犯罪者の様なする。

 

「…はぁ~」

 

溜め息をつき俺は家に帰ってきた。

 

「にゃぁ~ん」

 

黒がおかえりなさいとでも言うかのように近付き鳴いてきた。俺はそれに答え、頭を優しく撫でた。

 

「ん、ただいま黒。やっぱりお前の毛並みはいつ見ても綺麗だよ」

 

『選べ

─1「俺の心は黒に染まってるんだぜ?と言い猫を抱きしめキスをする」

─2「黒はやっぱり可愛いな。と言い猫を抱きかかえ、乳首を摘む」』

 

猫相手に恥じらいはいるか?否、断じて否。黒は俺の家族であり俺の猫だ。そんなものに躊躇いはないぞ!

 

「俺の心は黒に染まってるんだぜ?」

 

そう言い黒を抱きしめ、キスをした。キスをすると黒は慌てて俺の腕の中から逃げるように何処かに行った。すると、黒が向かった方から人が現れた。

 

「あれ?黒歌さんどうしたんですか?顔を真っ赤にして」

 

現れた人物──黒歌さんだ。ちょっとした出来事……いや、ちょっとしたでは済まない俺にとっては人生の分岐点と言ってもいい出来事の後に俺の家に住むことになった恩人。

 

「……だってエル君にキスされたんだもん」

 

ボソッと黒歌さんは何かを呟いたが聞こえなかった。熱でもあるのかな?俺はそう思い黒歌さんのおでこに手を当てる。

 

「にゃっ、にゃにゃにゃ!?」

 

「熱は無いみたい。けど、何で顔が真っ赤なんだろう」

 

「そっ、それは………むっ!?」

 

突然黒歌さんは俺の胸に顔を近づけてきた。俺は突然のことで驚く。

 

「エル君、知らない女匂いする。……それも悪魔の匂い」

 

そんな事判るのか黒歌さんは。最後に何か呟いてたけどなんだろう。それにしても黒歌さん、まるで、犬みたいだな。それにしても女の人の匂い?思い当たる節は……

 

「ああ、それ多分姫島さんだ」

 

「姫島さん?それってエル君の何なの?それに昨日も夜帰ってこなくて朝帰りだし」

 

「それについて何だけど。昨日は─────」

 

黒歌さんに昨日の出来事を順を追って説明する。はぐれ悪魔に襲われたこと。その時にグレモリーさんに助けて貰ったこと。気絶した俺を介抱してくれたこと。それを話すと黒歌さんは悲しい表情をしていた。

 

 

◇◇◇

あの後黒歌さんは悲しい表情を隠すように俺の事をいじくり回してきた。そして、その結果────

 

「あの。黒歌さん本当に一緒に寝るんですか?」

 

同じベッドに寝ている。俺はあまりの恥ずかしさに黒歌さんに背を向けている。それに対して黒歌さんは背中に抱きついている。その豊満な巨部じゃなく胸部が俺の背中に当たり形を変えているのが感触で判ってしまう。

 

「当たり前だにゃん。エル君はカッコいいし老若男女に優しいんだからモテるんだぞ?だから女の子の匂いがエル君から匂ってくるにゃん。だから、私の匂いが消えるんだにゃん」

 

「いやいや、俺そんなにモテないぞ?それに優しいって………(絶対選択肢がそういう方向に持っていくからなるなんて言えない)後、前々から思うけど黒歌さんって犬みたいな嗅覚なんだね」

 

俺は話を逸らすように思っていることを口に出した。この時、口は災いの元という言葉の意味を直で味わった。

 

「へぇ、私が犬?エル君寝言は寝ていって?それとも私を怒らせて無理矢理襲って欲しいのかな?」

 

だんだんと黒歌さんの抱き締める力が強くなっていく。

 

「ひゃっ!?」

 

情けない声を出した。黒歌さんは首筋を舌で舐めてきたのだ。そして、首筋から段々と上に上がってきて耳をかぷっと甘噛みされた。

「エル君がそんな声出すから悪いんだにゃん。お姉さんの匂いが染み着くまで止めないぞ?」

 

その後、俺は三分間保った。正し、三分後の記憶は無い。

 

 

 

◇◇◇

 

「ありゃ?エル君?寝ちゃったかにゃん?」

エル君からの反応は無い。どうやら意識を飛ばしたようだ。全くエル君はずるいにゃん。私が恥ずかしい思いでやっているのにも関わらず意識を飛ばしたにゃんて……でも、意識してくれたから飛ばしたんだよね。ちょっと嬉しいにゃん。けど、私を犬みたいってのはいただけないにゃん。私は────

 

「エル君の心を染めてる黒猫さんだにゃん」

そう小さくエル君の耳元で囁き、唇を奪う。

「それにしても、悪魔か………」

 

      ・・・

私も同じ悪魔だった。だったというのは後で話すとしよう。けど、これだけは言える。エル君が私を悪魔からただの猫魈に治してくれた。それと同時に命を救ってくれた。

 

話が逸れたにゃん。私が思うことはあまりエル君には危険な目にあって欲しくないにゃん。それに悪魔は信用無い。あっ、でも妹の白音は別だにゃん。……まあ、確かにエル君を助けてくれた事は良いけど、朝帰りで帰ってこさせるのは許せないにゃん。それも女。エル君の事だからどこかでフラグを建ててるにゃん。むぅ、そう考えるとイライラとムラムラが………

 

私はチラリとエル君の寝顔を見る。そして、また唇を奪う。今度は舌を入れて。

 

気が済んだ私は眠りについた。

 

 

 

 




私はこう思いました。
この世にテストなんてモノを作った人はおそらく、人の悩む姿を楽しむような輩ではないかと。どう考えてもドSがテストを作ったに違いない。私はドMなんかじゃないぞ!?どちらかと言えばS方だ。

心の中でぶちまけられない本音を此処でぶちまけた。
見苦しい所を見せてすみません。



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