真剣に努力で報われなさい!   作:しらたき鍋

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試験も無事終わり、また再開します!一人でも楽しんでいただければ嬉しいです。


03 武神~力~

ハクは島津寮で料理を披露し、みんなで食べた後、島津寮に住んでいないメンバー達は家に帰り、ハクはお風呂へ向かった

 

 

脱衣所でシャツを脱ぎ、下を脱ごうとしたその時だった

 

「さぁーて、お風呂お風呂」

「...っ!?何してんのーーーー!?」

 

男子風呂がある一回の脱衣所に京がさも当たり前のような自然体で入ってきた。

 

 

「何って...私もハクと裸の付き合いを...ぽっ」

「いやいやいや、それはさすがにこの寮じゃ駄目でしょ」

「じゃあ、寮の外だったらいいの?ホテルとか///」

「うーん、いいと思うけど、それは付き合った恋人じゃないとね」

「ククク、それは時間の問題。時は近い...」

「恐ぇよ、そんな予知能力」

「それにしても、ハクの身体、結構鍛えてるね(ペタペタ)」

「まーワン子程じゃないけど、かなり鍛えてるしね」

「かっこいいよ、ハク///」

「ありがとう...そして、ひとつ聞いていいかな?」

「何?ハクだったらなんでも聞いていいよ?(ペタペタ)」

「そっか、それじゃー遠慮なく...」

 

 

 

(ペタペタ)

 

 

 

 

 

 

 

(ペタペタ)

 

 

 

 

「いつまで男子の脱衣所にいる気だーーーーーーーー!!!出て行きなさい!後俺を触りすぎ!」

 

 

 

ペイッ

 

 

 

ハクの怒声と共に脱衣所から追い出される京。夜も相変わらず騒がしい島津寮でした。

 

 

 

 

 

ーーー翌日

 

 

 

 

 

まだ鳥さえも鳴かない早朝、ハクは日課のお陰かゆっくりと意識が覚醒する。

 

「ん...もう朝かぁ...ふあぁあぁぁぁあ」

 

大きくあくびをして起きようとすると、腕が痺れて動かない。ふと腕へ視線を送るとそこには京がハクの腕を枕にして安らかに寝ていた

 

 

「すぅ...すぅ...」

「...まぁ、いつものことだよね。しかし、我ながら良く気がつかないよね」

 

ハクの体質は、一度寝ると余程のことがない限り何がなんでも起きないようになっているのだ。「死んだように寝ている」という言葉は彼が一番ぴったり合うかもしれない。彼の唯一の目覚め方は、自然に起きるか、他人から敵意・悪意・殺気等を感じた場合のみである。京は好意はあっても、彼に害を為す存在ではないため、ハクはたまにこうやって京の添い寝に起きたら付き合ってる羽目になっているわけだ

 

 

「しかしなぁ、京ももうすごい魅力的な女の子なんだから、そろそろ自重しないと俺も我慢がねぇ」

「ハクなら私に自重しないでもいいよ?」

「そうなの?じゃーさっそく...って京、起きてたの?」

「今起きたばっかだよ。おはようハク」

「ん、おはよう京。よく寝れた?」

「ハクのそばで寝たから快眠そのものだよ」

 

 

京はどんどん成長した上に武道を嗜む為、プロポーション抜群の体ときれいに整った容姿になっている。そんな京からの熱烈な誘惑を断り続けるハクもハクだが、日に日に辛くなっていくらしい。これでもハクは健全な男なのだ。しょうがない

 

 

「それはよかった。じゃーそろそろ朝ごはん作りに行くから京も準備して学校行く準備をしなよ?」

「うん、じゃー私がお布団とか畳んでおくよ」

「ありがと。それじゃ後でね」

 

 

京と別れ、キッチンへ足を向けると、昨日フラフラ旅行から帰ってきた翔一の部屋からクッキーの声が聞こえる

 

 

「ほら、マイスターそろそろ起きなよ」

「やだぁ!もう朝なんてだまされないぞ!」

「なんだよ、ちょっとは人の言うことを聞けよお前お仕置きするぞ!」

 

「いや、クッキー人じゃないよね」というハクの心の突っ込みは置いといて、会話は続く

 

「なにぃ!?お仕置きだと?ま、また電気系か?」

「今度は竜巻系だ。大出血間違いなしだよ?」

「わぁーー!起きる、起きるから!」

「(やっぱりキャップがいるとにぎやかだな)」

 

しみじみ思いながら、みんなの朝ごはんを作りにいくハクだった

 

 

 

「いやー食った食った!やっぱりハクのメシは旨いよな!眠気なんてすっ飛んだぜ!」

「そう言ってもらうと作ってる側として幸せだな」

「だな、俺たちの料理長だもんな」

「というか、僕たちの中で料理がまともにできるのってハクだけだよね」

「俺様はいつか年上のセクシーなねーちゃんに料理作ってもらうから男の俺が料理するなんてありえねーな」

「ガクト、料理できる男はモテるぞ。私も料理できる男の方がいいと思う」

「モモ先輩、それマジの話ですか?ハク、今夜から教えてくれ」

「心変わり早いぞガクト!?」

「私はたとえ料理できなくても、ハクだったら好きだよ」

「ぶれないね、京は...」

「それにしても、ワン子はどこだ?俺たち特攻隊長いないとは...誰か笛持ってる?」

「僕持ってるよ」

「俺様も持ってる」

「ブリーダーとして必需品」

「俺も持ってる。面白いよね」

「ククク、しつけはちゃんとしないとね」

「じゃー吹くぜ」

 

大和が笛を吹くと笛の音が周囲に染み渡った

すると遠くからワン子が走ってきた

 

 

 

どどどどどどどどどどど

 

 

「呼んだっー!?」ていうか、おはよー!」

 

笑顔満面で挨拶してくるワン子が現れた!

 

「ようワン子!おはよう」

「あら、変な意味で有名人じゃない」

「俺が?そうなの?」

「あんたのせいで、ハクのお弁当少し損したのよ!この!この!(ゲシっ!ゲシッ!)」

「ハクの弁当を損しただと!それは悪かったな」

「まぁでもいいわ、いつも食べれるし。ね?ハク♪」

「うん、ちゃんと今日の分もあるから心配しないで♪」

「それにしても笛吹くと来る。いい味出してるぞ、ワン子」

「なによぅ!あんた達がこうしたんでしょう?」

「俺様含め、みんなでしつけしてたからな」

「それよりも!ちゃんと来たんだから、サ、ね?」

「キャラメルやるよ」

 

大和がワン子が何か欲しいのを察し、ポケットからキャラメルを渡したんだが...

 

「そんなんじゃ栄養足りないわよ!もっと肉的なのよこしなさいよ!」

「英語で言ってみてくれ」

「...いんぐりっしゅ?」

「プ、プリーズ。ミート イン マイ マウス フロム モーニング」

「お前馬鹿だよなぁ。恥ずかしいヤツだ」

「馬鹿っぽいなぁ」

「実にばか」

「…な、なんだよぉ…イジめるために呼んだの?」

「まーまー、ワン子イジリはこれぐらいにして。はい、肉的なもの。新作だけど、おいしくできたと思う。サケのムニエルサンドイッチ」

「ハークー♪ありがとー!まぐまぐまぐ」

「あーこれ今朝俺達も食べたけど、おいしかったよな」

「朝から少し揚げたやつだけど、重くなかったよね」

「(まぐまぐまぐまぐ...ごっくん)...はぁ~、こちそうさま!おいしかったわハク!」

「おそまつさま」

「よー若者達、今日もおはよう」

「あ、モモ先輩。おはよう」

「なんだ、もうみんな集まっちまったのか、じゃーガッコ行くか!よし、ワン子!先陣を切れ!いくぞみんな!」

「任せなさい!みんなあたしに続けーーー!」

 

 

仲間が揃って、川辺を歩き始める

すると橋から京が視線を感じた

 

 

「ん?橋の上から誰かこっちみてるよ」

「男か...武芸者だな」

「お姉さまの挑戦者かしら?」

「そうだといいな...昨日は物足りなかったもんな」

 

女性陣が話し合っていると、その武芸者が歩み寄ってきた

 

「…貴女が川神百代さん?」

「いかにも」

「私は雲野十三、武の探求者だ」

「川神鉄心どのにお手合わせ願ったのだが、貴女に勝てないと相手してくれないと言われた」

「そういうシステムになってるからな」

「ふ...はーっはっはっは!」

「ん?」

「川神鉄心、それほどまでじゃなかったのか!こんな女子学生を相手だと?ふざけるのも大概n...っ!?」

 

 

彼は最初は侮辱している様な目で百代を見ていたが、それはほんの束の間、仮にも武の探求者と名乗る者だ、ある程度は相手の実力を測る目はもっているだろう

 

「(な、なんだこの女の子は…まるでスキがない!俺には理解できる、圧倒的な実力差が!)た、大変失礼なことを!申し訳ない!」

 

雲野十三はいきなり頭を下げた

 

「貴女は武道家でありました、どうかお手合わせを」

「…承知、ふふふ…」

「お姉様、嬉しそうだね」

「ちゃんと礼儀のある武道家からの挑戦、そしてきちんと相手との実力差を判断できる人だったら、俺も尊敬できるからな」

 

嬉しそうな顔をする百代を見ながら会話するワン子とハク。

試合場所が今この場所と決まり、ギャラリーが集まってくると百代がファミリーの皆に言った。

 

「…今日は正式な試合だ。皆頼む」

「はいはーい。今日は見世物じゃないよー」

「見物はなし。学校行った行った」

「キャップ、ちょっと前にでてくんない?」

「ん?」

「あ、風間クン!昨日テレビ見たよー!」

 

観客がキャップに注目しだしたその隙に百代と武道家が河原で対峙する

 

「ワン子、はじまっちゃうよ」

「おっとぉ。これは絶対見届けないとね。ハクーーーー!始まるわよー!」

「今いく!」

 

モロとワン子とハクは割と近い距離から見物する。

 

 

「キエーェェェ!!!」

 

相手が怪鳥のような声を出してくる

 

「...」

「(目を凝らすほどよく判るが...化け物だ。今までで一番強かった相手すら比較対象にならないほどの...この年で...すばらしい)」

「...構えているが...仕掛けてよろしいか?」

「な?あ、あぁ」

「せい!」

「ぱぎゅら!?」

「勝負あり」

 

 

稲妻が横に走ったと思ったら、相手は10m程吹き飛び、百代はちゃんとした姿勢で礼をする...相手はすでに気絶しているが。そして百代は携帯を取り出し、誰かと話している。きっと川神院に武芸者の面倒を頼んでいるのだろう。あそこでの気を用いた治療は普通の医療技術より優れているところがある

 

「モモ先輩ってやっぱり強いね。どうやったらあそこまで強くなるんだろうね、ワン子、ハk...」

「いいかワン子?あそこまで吹っ飛ばせるのは筋力もあるけど、モモ先輩は気の扱いも上手なんだ。脚に溜めた気を一気に放出させて相手との距離を一瞬で縮めれたんだよ」

「ふんふん」

「そして、その距離を縮めたスピードを殺さす、その速さからくる威力を拳に集中させて相手の中心、体の核に当てるように放つ。そうするとさっきのモモ先輩のような威力がでるんだよ。ワン子はそこまで気が多くないからあれほどの威力はでないけど、ちゃんと吹き飛ばせるはずだよ。でも大切なのは、気を器用に扱えるようになること。わかった」

「ふむふむ、わかったわ!ありがとうハク!」

「どういたしまして、後で一緒に手合わせしようね」

「うん!楽しみだわ!」

「...こうやって努力を惜しまない人たちがモモ先輩みたいに強くなっていくんだろうなぁ。すごいよ...」

 

モロの感嘆の一言は誰の耳に届かず、後処理が終わったのか百代が皆に近づいてくる。そこで大和が声をかける

 

「姉さん、お疲れ様。圧勝だったね」

「...あぁ」

 

大和の一声に、あまり表情が浮かばない顔をする百代。彼女の表情を一言で表せば不満。だが、戦いの大好きな百代が今戦った直後で不満だという考えはファミリーにはなかったので、思いつかなかった

 

「なんだよ姉さん。そんな浮かない顔して。」

「私の気持ちぐらい察せ。今度そうしないとなんか私が笑えるギャグ百回連続で言え」

「なんでこんな理不尽をいつもしなきゃいけないんだ」

「私の舎弟になった時点でアウトだ」

「なんで俺はあの時あんな契約をしたんだろう」

「仕方がないぞ大和。お前はあの時こうなるとは思いもよらなかったからな」

「ハク、俺の重荷を分けてやる」

「んなもんいらん」

「なんだハク、私がお姉さんになるのが嫌なのか?」

「俺はモモ先輩は家族であり、もう姉のようにしたってるよ。だから舎弟じゃなくてもいつでも頼ってもいいんだよ」

「...ありがとうな、ハク」

「モモ先輩?」

 

後ろから腕を回し、頭をハクの首付近に埋めて、何かを無理やり忘れたいようにギュッと腕を強めてハクに抱きつく百代。それもほんの数秒。そろそろ離さないと京の嫉妬のオーラが危ないレベルになる寸前で百代も腕を離す。その後すぐ京がハクに同じようにくっつく。それを百代が苦笑しながら見たが、さっきのような暗い表情はなかった

 

「よし、もう大丈夫だ。さぁ今日はラジオだぞお前達。絶対聴いてくれたまえ」

 

百代の一言で再び登校を始めるファミリー一家。そこで未だにハクにくっついている京が声をかける

 

「ハク、今日は基地よってかない?」

「いいよー」

「ハク、おととい買ったDVD一緒に見ない?」

「いいよー」

「ハク、私達付き合わない?」

「お友達としてなら買い物とか付き合うよー」

「...今回はそれで許してあげる」

「おお、ハクが京を手なずけてるぞ」

「扱いがどんどん上手になっていくな」

「京は脈絡なさすぎだけどね」

「ねーねーハク!私とも一緒に付き合ってよ!」

「え!?ワン子もショッピングとかすきなの?」

「修行に!」

「そっちなの!?ワン子って本当におしゃれとか無縁だよね」

 

 

他愛のない話をしながら、学園に向かう風間ファミリー

 

そこで遥か後ろからじっとこの光景を見つめてる人物が...

 

 

 

「楽しそうですね。松風」

「楽しそうというか、怪しいというか。微妙ならいんじゃね?」

「そんなこと言ってはだめですよ、松風」

「でも本当じゃーん」

「私も同じ寮の人として、仲間に入れないですかね」

「がんばれまゆっち!柔軟な考えでどんどん友達増やそうぜー」

 

 

自分の携帯ストラップとお話している少女がいた

 

 

 




どうも、しらたき鍋です

ゆっくり話しを進めます。こういう日常とかたくさんあってもいいかなぁっと...
要所要所だけ語っても...なんか実がないというか...ええ、ぶっちゃけ少ない言葉で多くを語るほどの文才がないので、どんどん増えちゃうだけなんですけどね!(どーん)


ということで少しでも評価、感想、こうしたらいい、とか何でもいいのでいただけると、今後も意欲がわきます。ありがとうございます。

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