Infinite possibility world ~ ver Servant of zero 旧版   作:花極四季

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第十三話

フリッグの舞踏会を終え、ルイズさんの部屋へと戻った僕達。

正直、気疲れしてヤバイ。

まさに貴族の社交場と言わんばかりの豪華絢爛な雰囲気に、一般人Aでしかない僕の精神では、いかにゲームとはいえ萎縮してしまうのも当然だった。

まさに場違い。格好も貴族が着ているような如何にもな服もないし、あの輪に入っても目立つだけ。

結局、バルコニーで大人しくしているしかなかったんだけど………ルイズさん達が何かと僕を気にして料理やら踊りに誘ってくれたりもしてくれた。

キュルケさんの情熱的なまでの踊りへの執着はなんなんだと思ったね。

まぁ、服がないから全力でお断りしたけどね。

特にルイズさんは、登場からずっと僕の傍にいてくれた。

僕のぼっちオーラに気が付いたのだろう。片時も僕から離れようとせず、会話に付き合ってくれた。

或いは、ルイズさんもあの雰囲気に萎縮していたのかもしれない。

折角綺麗なドレスを装備していたのに勿体ない気もしたけれど、無理強いは出来ないし、何よりも僕自身が離れて欲しくなかったから、言い出せなかったんだけなんだけどねー。

それにしても気のせいか、フリッグの舞踏会からルイズさんとの距離が縮まった気がする。

なんて言うか、前に比べて僕との会話が弾んでいる気がするんだよね。

自惚れかもしれないけど、ルイズさんが僕に悩みを打ち明けたことで、遠慮が薄れたのかもしれない。

そもそも、なんであんな事を言い出したんだろう。

パートナーとして、彼女の戦力把握は確かに重要だ。

だけど、まさか見捨てないでとは………そんなに魔法が使えないことが彼女を追い詰めていたというのか。

うーん、魔法職じゃないからアドバイスは出来ないんだよなぁ。

でも、あの爆発自体は結構強そうな気がする。

それに、失敗=爆発っておかしいんじゃないかな。

失敗したところで、"じゅもんがちがいます"で終わるのが普通じゃなかろうか。

少なくとも、暴発にしか見えないあの爆発は、僕からすれば成功しているようにしか思えない。

恐らく、無意識にスキルイメージアウトの効果が魔法に反映され、どんな魔法も爆発のイメージで処理されているんじゃないだろうか。

その推測を口に出そうと思って顔を上げると、既にルイズさんはベッドでおねむだった。

仕方ないから、僕も寝よう。

 

「―――ここに来て、もう何日経ったのか」

 

自然と、口から言葉が溢れていた。

寝る前の静寂に身を寄せていると、いつもそんな事を考えるようになる。

未だ、ログアウトの方法は不明。

この世界も確かに悪くないけど、我が家に帰れないということがこんなに辛いことだとは思わなかった。

つまり、ホームシックという奴だ。

ゲームの中ではイケメンでも、中身はまだCERO-Zのゲームをプレイできない年齢の子供だ。

当然のようにゲームでログアウトできると思っていたからこそ、何の不安もなくここに来ることが出来た訳で、そうでなければ流石にね………。

人生に疲れた人ならそれもバッチこいなのかもしれないけど、そこまで落ちてはいないつもりだ。

はぁ………帰りたいなぁ………。

解決策が見出せないやるせなさを抱きながら、今日も眠りにつく。

 

 

 

 

疎遠だった電子音が暗黒の世界に響く。

駆動音に連動するように、瞼を開いていく。

そこには、ゲームの世界に到る直前の世界が拡がっていた。

 

「あ、れ―――」

 

呟く声は、凛々しさの欠片もない中性的なもの。

思考が混濁していて尚無意識に身体が動くのは、肉体が漠然とながら現状を理解しているということなのか。

寝台から起き上がり、ようやく意識が鮮明になってくる。

そして、ようやく気が付いた。

 

「帰って―――きてる?」

 

その事実を呑み込むより早く、身体が動き出していた。

自室から飛び出し、周囲を見回す。

二階に部屋を構えている為、一階へ下りる階段との吹き抜けから余すところ無く見渡せる。

見た限り、どこも記憶通りの我が家だ。

ということはやはり、戻ってこられたのか。

何故?どうやって?

疑問は尽きないが、最後の記憶では僕は眠りについていた。

睡眠がキーになっている?それならどうしてそれ以前には成功していなかった?

検証するのもいいが、睡眠=ログアウトに繋がるのは間違いないだろうし、あまり深刻にならなくてもいいだろう。

でも、一応説明書は見直そう。

 

「………あれ?」

 

床に放置していた説明書と思わしきものを拾う。

何故思わしきとつくかというと、その説明書、白紙なのである。

外も中も真っ白。

確かに文字は書いていたし、厚さもだいたいこんな感じだった。

床にある読み物の類はこれしかなかった筈。これでも基本的には綺麗好きだからね。

外は明るい。

気にしていた訳ではないけど、ゲームを始めてからあまり時間は経っていないのかな?

日めくりカレンダーも、次の日を示してはいない。丸々一日以上眠っていたという様子はなさそうだ。

むしろ丸一日ずっとゲームに籠もっていたら、家族が何かしらの対処をしていて然るべきだし、ゲーム内の時間と現実では大幅な齟齬があると見ていいだろう。

 

「ただいま~」

 

ホッと胸を撫で下ろしていると、妙齢の女性の帰宅を告げる声が聞こえた。

慌てて一階へ降りると、見慣れた母親の姿が視界に映った。

 

「あら、どうしたの?そんなに慌てちゃって」

 

ニコニコとした笑顔でそう問いかけてくる。

母さんにとっては一日にも満たない離別だけど、僕にとっては一週間ほどの再開なのだ。

いきなりの離別からの再開。あらゆる安心感から、思わず母さんの身体に顔を埋めてしまう。

 

「あらあら。甘えんぼうね」

 

そんな突発的な行動を前にしても、母さんは優しく頭を撫でるだけで何も言わなかった。

その大人な慰め方が、今はとても有り難く感じた。

 

 

………

 

 

「いただきまーす」

 

間延びした母さんの挨拶と共に、夕食が始まる。

食卓には、僕の大好物の肉じゃがが並んでいる。

僕の様子を察して、このチョイスをしてくれたのだろう。つくづく感謝せずにはいられない。

久しぶりのお袋の味は、涙腺を緩ませる。

とはいえ、これ以上情けない姿は晒せないと、必死に堪えたけど。

 

食事を終え、部屋に戻る。

つけっぱなしだったゲーム端末を見つめる。

取り敢えず、ログアウトは出来たのは良かった。

ゲーム内の体感時間で一週間でおよそ一時間の経過と推測すると、今から寝るまでの時間の間でだいぶプレイができる。

………どういう理屈でそこまで差が出来ているのかは知らないけど、これはゲーム内に永住するって考える人が出てきそうな気がする。

というか、これを利用すればテスト前にゲームに引きこもって勉強とか出来るんじゃないかな?

まぁ、テストはまだまだ先だからいいんだけどね。

 

再びカプセルの中に身体を預ける。

未だにログアウトの方法が確信できていないけど、いきなりルイズさんをおいてけぼりにしちゃったし、このまま放置はマズイから戻らないと。

空気の抜けるような音と共に、視界が暗転していく。

あれ―――なんか、視界がしろ、く―――。

 

 

 

 

 

朝日の眩しさと共に目が覚める。

フリッグの舞踏会で軽く羽目を外していたせいか、身体は未だ気怠い。

舞踏会では結局一度も踊らなかったけど、ヴァルディと一緒にいられただけでも満足だった。

ふと、ヴァルディの姿を盗み見る。

壁にもたれ掛かり寝るその姿さえ様になっている。

間に合わせの毛布だけではマズイし、そろそろ打開策を考えないと。

………一緒の布団で寝るように言う?

いや、ダメダメ!それはダメ!

ヴァルディは従ってくれるかもしれないけれど、そうなると今度は私が寝られなくなってしまう。

ベッドから静かに立ち上がり、ヴァルディに近づく。

寝顔は普段の凛々しさからは想像もできないほど幼い雰囲気を感じさせつつも、その美麗さは損なわれていない。

他者を惹きつける美貌は、まさに魔性。

本人にその自覚はないんだろうけど、それが余計に質が悪い。

こんなにも貴方に惹かれているというのに、貴方はそれに気付いた様子もない。

いや、気付いていてもそれが親愛から来るものぐらいの認識でしかないのだろう。

或いは、知りながらはぐらかしているのか。

何にせよ、罪な人であることに違いはない。

寝顔に吸い込まれるように、私の顔との距離が縮まる。

吐息が届くほどの距離。

あと少しで、肌同士が接触してしまうだろう。

 

「――――――え?」

 

そんな熱に浮かされた行為は、ヴァルディの異変によって急激に冷めていく。

目尻が滲んだかと思うと、滴が頬を伝う。

それが涙だと気付くのに、幾ばくかの時間を要した。

信じられなかった。

あの凛々しく整然として、どこか掴み所のない彼が、涙を流すなどと誰が思いつくだろうか。

思わず、頬を撫でるように彼に触れる。

再び、思い出す。

私は、彼のことを何一つ知らないことに。

召還に応じる前は何をしていたのか。

何故エルフの特徴とも言える先住魔法が使えないのか。

彼の強さの根幹を成すもの。

何もかもがわからない。

彼の涙の理由も、未だ知らない彼の真実に近づけばわかるのだろうか。

 

「―――でも、教えてはくれないんでしょうね」

 

私は彼に秘密を、恥部を晒した。

しかし、その逆は成立していない。

それは私達の関係が対等ではないから。

背中合わせに戦い、信頼できるほどの価値がないと暗に示しているようなもの。

それはそうだ。

彼は強い。強すぎる。

今の私は、所詮護られるだけのお姫様。

手を取り合い、彼の窮地を助ける実力は欠片も持ち合わせていない。

故に、本当の意味での信頼は成立していないと認識する。

少し強引な理屈だけど、対等でないということは曲げようのない事実。

この涙の理由を聞かせてくれるようになるぐらいの信頼が欲しい。

その為には、心身ともに強くならなければならない。

結果が得られるのならば、なんだってやってやろう。

その覚悟が、私にはある。

 

「ん―――、主?」

 

突然、ヴァルディが目覚める。

もう一度整理してみよう。

私達の顔と顔の距離は、目と鼻の先なんてレベルじゃない程近い。

当然、寝ていた彼が動くのは有り得ないので、必然的にこの状態に発展した原因は絞られていく。

 

「あ―――あ、あの、あ、あ、あ、ちが、その、」

 

顔が異常に熱い。

頭もまともに働かない。

それでも取り繕おうとするのは、何故なのだろう。

外面とは打って変わって冷静な思考が、そんな無駄なことに疑問を抱く。

 

「―――すまない、心配を掛けた」

 

「あ―――そ、そうよ!心配したんだから!」

 

嘘は言っていない。

そこに邪な感情が挟まる余地があった気がするが、それは気にしなくていい。

本来なら、こんな状況でも眉一つ動かさないヴァルディに不満を漏らすのだが、羞恥のせいでそうはならなかった。

 

「それより、朝食に行くわよ。急がないと間に合わないわよ」

 

「………いや、私はいい。今はそういう気分ではないんだ」

 

どこか細い声色でそう告げるヴァルディを前に、無理強いはできなかった。

 

「そう。なら私だけで行くわ」

 

簡潔に告げ、静かに部屋から出る。

私の前に初めて晒してくれた彼の弱さと呼べる何か。

でも、それはズルをして得たものであり、信頼の証とは程遠い。

そんな卑怯による結果でも、恐らく私一人しか知らないであろう彼の弱さを知ることが出来たという充足感には逆らえない。

食堂に到るまでの間、頬を緩ませた私の姿が周囲に晒され、それを種にツェルプストーにからかわれるのだが、それは別の話。

 

 

 

 

 

ログインした瞬間、ルイズさんの顔が目の前まで近づいていたのはびっくりした。

心配していた、と彼女も言っていたところから、突然ログアウトした僕の身を案じていてくれていたのだろう。

申し訳ないと思うと同時に、現実世界でご飯を食べたばかりなのでお腹が空いていないという理由もあり、食事の誘いも断ってしまった。

せめてついていくだけでもすればよかった、と後になって後悔する。

………まぁ、それはいい。

再びゲームに参加したのだから、取り敢えずは行動を起こさないと。

取り敢えず、やろうと思っていたことを整理する。

図らずもフーケの討伐によって得た破壊の剣飾こと、R○VE。

そしてこれは、シュペー卿とやらがオスマンさんに譲った代物らしい。

時系列がいまいち分からないけど、版権作品のアイテムがゲーム上の報酬として扱われるのはおかしいし、シュペー卿とやらは恐らくPCだ。

同じ世界観でも、僕が知らなかっただけでもしかすると違う時代でゲームスタート出来たのかもしれないし、別に不思議なことではない。

こんなリアルワールドを作れるのだ。ちょっとやそっとの追加システムで驚くことはない。

取り敢えず、シュペー卿のいるゲルマニア?だったかに行ってみたいとルイズさんに進言してみよう。

 

 

………

 

 

「ちょっとツェルプストー!、ヴァルディに近づきすぎよ!」

 

「仕方ないじゃない。幾らシルフィードの背中の上といっても、下手に拡がれば落ちちゃうかもしれないじゃない」

 

「それにしたって過剰よ!はーなーれーろー!」

 

「………………」

 

僕の腕に抱きつくような姿勢のキュルケさんと、それを引っぺがそうとするルイズさん。そして我関せずを貫くかのように本を読むタバサちゃん。

今、僕達はシルフィードの背に乗り、ゲルマニアに向かっている。

ルイズさんに意思を伝えたところ、二つ返事で了解してくれた。

魔法の授業を休まざるを得ない為、オスマンさんに休学の許可を得ようと院長室に向かっていた時、二人と遭遇。

キュルケさんが何しているのかと聞いてきたので素直に教えたところ、何故か二人もついていくという話になっていた。

ルイズさんがムスッとしていた理由は分からないけど、正直タバサちゃんがついてくる=シルフィードに乗れるという符号が僕の中では成り立っているので、渡りに船だった。

ゲルマニアはトリステインと同様に国として君臨している以上、土地が分断されているのは当たり前。

加えて国として成立しているならば、土地も広大と考えるのも当然。

少なくとも魔法学院の場所次第では、馬で丸一日移動していたとして辿り着けるかすら怪しい。

恐らくオスマンさんも、それを見越して一日以上の猶予期間を与えてくれたのだろう。流石である。

こういうとき、地図がないというのが不便極まりない。

出発してからルイズさんが地図を持っていたという話を知ったが、結構な大きさで持ち運びするのは無理な為、部屋に置きっぱなしだったらしい。

でも、キュルケさんの話ではシルフィードなら半日あれば辿り着けるらしい。

とはいえ、その時点で日は暮れているだろうし、シュペー卿探しは次の日からになるだろう。

 

「それよりも、シュペー卿がマジックアイテムを作れるなんて、信じられないわね。そうじゃなきゃ、もっと別の形で名が知られて然るべきでしょうし」

 

「別に彼が作ったとは限らないんじゃないの?オールド・オスマンは譲り受けただけで、その辺りについてはわかっていないって言ってたじゃない。むしろどこかで手に入れた、と考えるのが自然じゃない?」

 

「―――いや、シュペー卿とやらが作っていてもおかしくはない」

 

ルイズさん達の問答につい割って入ってしまう。

二人とも目をぱちくりさせながら、こっちに視線を向けてくる。

 

「どうしてそんなことが言えるの?まさか何か心当たりがあるの?」

 

「心当たりも何も、これを識る者ならば誰であろうと作ることは不可能ではない。それこそ主、君にもキュルケにだってな」

 

「嘘―――いえ、それよりもこれを識る者なら作れるって、これは模造品なの?こんな凄い者が、量産出来るというの?」

 

「これが本物か偽物かの議論は無意味だな。まだ本来の扱い方をしていない以上、それを確かめるのは早計だ。量産できるかどうかは、これを如何に識っているか次第だな」

 

ポケットに入れておいたRA○Eを掌で弄ぶ。

これがあるということは、シュペー卿の下には恐らくアレもある。

これを手にしている以上、アレを手に入れなければ宝の持ち腐れだ。

それを前提とした上で、オスマンさんを通じてこれを知る者の手に渡すように仕向けたのなら、それを扱うそれも未だ彼の手元にあると考えても間違いではない筈。いや、絶対にある。

 

「あ、見えてきたわよ。―――ほら、あれがゲルマニアよ」

 

キュルケさんが指さした先には、広大な大地に圧倒的なまでの領土を展開している、大規模都市があった。

ゲルマニアは魔法を尊ぶのではなく、あらゆる技術に対し平等な価値を見出しそれにより規模を拡大させてきた国家だという。

いわば工業都市、いや国家なのだ。

先進国の体現とも言える世界は、トリステインと比べてあらゆる技術が進んでいることが遠目からも理解できる程賑わっている。

トリステインがウィ○ダスなら、ゲルマニアはバス○ゥークだ。

と言うことは、サン○リアやジュノ、カ○ムみたいな国があっても不思議ではない。

別に丸パクリだとかそういうことを気にしているのではない。むしろこれぐらいなら王道だろうし、いちいち目くじら立てるのは流石にね。

ただ、他のゲームの知識から世界観を推測できるのは有利だよねって話。

 

「相変わらずごてごてした国なのね。いずれブリミル信仰すら踏みにじって技術だけの国になるんじゃないの?そうしたら間違いなく異端として扱われて潰されるでしょうけれど」

 

「流石にそうはならない―――とまでは言い切れないけど、それでもそうなるのは遙か先の話でしょうね。それこそ指折りで数え切れないぐらいの代を重ねないと無理よ」

 

「むぅ………」

 

「揚げ足取るのは結構だけど、考え無しな中傷は赤っ恥掻くだけよ」

 

悔しい、と言わんばかりに顔を歪めるルイズさん。

一瞬、視線が交差する。

だが、ルイズさんは恥ずかしそうに力強く顔を背けてしまう。

 

「気にすることはない。主は主なりに考察し、結論を出した。結果的を外した内容だったとしても、それは間違いなく経験となり、糧となる。恥と思うのは、同じ過ちを繰り返した時でも遅くはない」

 

なーんて、偉そうに説教しているけど、何様だよ自分。

こちとら人生経験浅すぎて足首にすら海水浸からないレベルだってのに。

漫画やゲームから倣ったことを我が物顔で語るなんて、それこそ恥じゃないか。

幸か不幸か、キャラ設定のお陰でまともな形で言語化出来ているけど、素ならもう色々とヤバイ。想像したくない。

 

「―――うん、そうね」

 

ルイズさんは僕の言葉に同意してくれた。

なんだかんだで彼女の身になったのなら、それはそれでいいのかもしれない。

これもまた、恥からの経験ってことなのかな。

壁打ちしていたボールが顔面に跳ね返ってきたテニスプレイヤーの気分だよ。

 

そんなこんなで、僕達はゲルマニアの喧噪の中に沈んでいく。

折角来たんだから観光もしたいけど、時間あればいいなぁ。

 


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