ムース1/2   作:残月

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ムースの日記22

 

 

 

△月○日

 

 

絶凶温泉郷村おこし温泉アスレチック。それは寂れた温泉街で行われた村おこしで、おおよそ村おこしする気がないイベントである。結構ハードな内容だった気がする。

あの話って本来は、あかねが乱馬を誘おうとするんだけど様々な邪魔が入り、乱馬はシャンプーと組み、ムースはあかねと組み、良牙は右京と組む。

でも現状で言えば俺とシャンプー、乱馬とあかね、良牙と右京が組む形になるだろう。

 

この世界は良い意味でも悪い意味でも予想外の事が起きるから何か起きると覚悟しておいた方が良いだろう。

チケットの日付を見たら、まだ開催まで日にちがあるから様子を見た方が良いな。

 

 

△月△日

 

 

あかねが道場破りの女の子に負けたと乱馬から聞いた。何事かと事情を聞くと下町流格闘術と言う流派に負けて看板も取られてしまったのだとか。

聞いた覚えがあるけどなんだったっけ?後で確認しよう。

 

え、俺に試合の立会人になれって?いや、いいけどさ。

 

 

△月◇日

 

 

『1/2知識』で確認した所、下町流格闘術の話はアニメオリジナルの話だった。下町流格闘術の後継である雷門てまりとあかねの対戦。

下町流格闘術とは武士以外が刀を持つ事を禁じられた時代に血の気の多い下町っ子がオモチャを武器に戦い、格闘術にまで高めた武術。

その廃れた下町流格闘術を盛り返そうと雷門てまりと祖父と門下二人が様々な道場破りをして、天道道場の看板を奪っていったんだ。そしてその看板を取り返す為に再戦を申し込んだ乱馬と良牙。そして、その翌日に再戦が決まり……本来はムースは関わらないのだが第三者の立ち会いの下で正式に決闘という形にしたかったらしい。

 

俺が立会人になり、あかねと雷門てまりの対決はあかねの勝利で幕を閉じた。その後、雷門てまりは年齢が近い事もありリンスと友達になった。良かった良かった。

 

 

 

△月◆日

 

 

竜の髭とはなんですかな?と玄馬さんが訪ねてきた。ああ、そういやこの話あったわ。

竜の髭とは超強力な養毛剤であり、男が食えば異常な程に髪が伸びるが、女が食べれば唯の粥という摩訶不思議な粥の材料である。

 

竜の髭を巡って馬鹿馬鹿しくも醜い争いが巻き起こるんだよなぁ。

 

 

△月□日

 

 

翌日になり、婆さんが乱馬の様子を見に行くから店を頼むと言われた。見に行きたかったが仕方ないか。爺さんや玄馬さん、肉まん染みた連中が乱馬から竜の髭を強奪し、粥を作って欲しいと雪崩れ込んできた。シャンプーが薬菜館に電話して竜の髭の粥の作り方を聞いて粥を作っていた。

しかし、竜の髭の効果が効き目を発するのは四千年の間だけで、それを過ぎたら効果が出ないという。その賞味期限は昨日で切れていたのだ。乱馬の髪は竜の髭の効果も切れていたのだが、効果が多少残っていたらしく髪がまだ伸びた……という事だった。

その事を知らない爺さん、玄馬さん、肉まん染みた四人組は髪がいつ生えるかそわそわしていたが、残念ながら生えないんだよ。その事に気付くまで黙っているべきか指摘するべきか非常に悩まされた。

 

因みに髪が生えない事を悟った爺さん、玄馬さん、肉まん染みた四人組は猫飯店でヤケ酒を浴びていた。今日は飲んでくださいな。

酔い潰れた爺さん、玄馬さん、肉まん染みた四人組は店で寝てしまった。

婆さんから今日は寝かせてやれと言うので店に放置する事に。

 

 

 

△月×日

 

一夜明けて爺さん、玄馬さん、肉まん染みた四人組は二日酔いになりながらも帰って行った。帰っていく爺さん、玄馬さん、肉まん染みた四人組の背中に哀愁が漂っていた。

俺も将来、この事で悩むのかと思うと他人事とは思えなかった。

 

さて、そろそろ温泉アスレチックの日が近づいてきてるし誰とペアになるか気に掛けておくべきだな。普通にシャンプーと組みたいもんだ。


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