「乱華を学校に行かせる?」
「うむ。乱馬の記憶を継承しているから日常生活に問題ないにしても年頃の娘を学校に行かさないのは不自然じゃからのぅ」
リンスを小学校に見送った後、朝の仕込みをしている最中に婆さんからそんな話をされた。俺やシャンプーは働いているから良いけど乱華は乱馬の双子と言う設定にしているからそうもいかない。ご近所さんにも『何故、双子の妹を学校に通わせない?』と言う目で見られかねないからだ。そりゃ天道道場の中で暮らすだけなら問題ないだろうが、鳥籠みたいな暮らしをさせる訳にもいかないだろう。
「戸籍の方はワシの方で手配しておいたから問題ないじゃろ。後は転入に際して編入試験を合格出来るかじゃな」
「それは問題ないだろ。それこそ乱馬も……合格してたみたいだし」
婆さんとの会話でふと思う。中学生の頃ならまだしも高校に転校と言うか編入なら編入試験を受けて合格しなきゃならない。乱馬が平然と風林館高校に通ってるという事は編入試験をクリアしたと言う事なのだろう。乱馬って馬鹿なイメージはあるけど編入試験に合格出来る学力はあると見るべきなんだろうか?いや、しかし幼い頃から玄馬さんと修行の旅に出ていて勉強はいつしていたのだろうか?そもそも玄馬さんも頭が良いとは言えなさそうだが……でも乱馬は良牙と中学時代は同じ中学に通っていたんだよなぁ。うーん、わからん。
「ふむ……なら問題なさそうじゃの。乱華には自主的に勉強する様に言っておくか」
「あかねにも頼んでおくか。寧ろ……編入するよりも編入してからの方が大変だとは思うが」
編入試験は問題ないとしても問題なのは学校生活の方が心配だ。なんせトラブルが目白押しの学校だからな。教師から生徒まで問題だらけだからな。
しかし、学校か……俺もシャンプーも女傑族の村で育ったから学校って行った事がないんだよな。私塾みたいな所で勉学に励んでいた。前の人生の時なら兎も角、今はもう働いているだけになんともなぁ。
「ホッホッホッ、お主も学校に行ってみたいか?」
「心を読むなよ、妖怪婆さん。俺やシャンプーが行けなかった分はリンスが行ってくれるからいーよ」
サラリと俺の考えを読んだ妖怪婆さんはさておき、今後は乱華も風林館高校の話に関わるか……らんま1/2のストーリー、特にギャグパートの時は大半が学校絡みだ(しかも学校での事は九能兄か校長がトラブルの元)
そっちのフォローは難しいんだよなぁ。戦闘方面ならムースも関わる事が多かった訳だし。
ま、なるようにしかならんわな。
「ただいまムース、曾婆ちゃん。商店街で面白い物貰ったネ」
「おかえり、シャンプー」
「おお、おかえりシャンプー。何を貰って来たんじゃ?」
そんな風に思っていたらシャンプーが買い出しから帰って来た。手には商店街で貰ったチケットらしき物が。
「何々……絶凶温泉郷村おこし温泉アスレチック競争ペア参加券?」
「ムース、私と参加するネ!優勝者はペアで温泉旅行ヨ!」
「色々とツッコミを入れたい村おこしの名前だな。でも、シャンプーと参加するなら面白いかもな」
もう、このイベントの頃かぁ……