○月×日
女傑族の村から沢山の御中元が届いたので天道道場にお裾分けをする事に。シャンプー、リンス、婆さんと共に行くとミノムシみたいな髭と髪の爺さんが八宝斎の爺さんと酒を飲みながら笑っていた。
何処かで見た事あるなー、ってたら姿が急に消えてビビった。驚いていたら背後に突如として現れたのでマジで驚いた。そして今の技で思い出した。この爺さん、アニメオリジナルの『珍玄斎』だ。
この爺さんは中華忍法の達人で全身消滅の術を得意とする妖怪ジジイ。
確か、八宝斎の爺さんや婆さんとも親友って設定で、実力も2人に並びかなりの達人だったな。
確かアニメじゃ家出中の早雲さんと玄馬さんが弟子になって八宝斎の爺さんに反旗を翻したんだっけ。それで結局、敵わずに迷惑な師匠が増えただけなんだっけ。
早雲さんと玄馬さんも家出してなかったみたいだし、ストーリー変わってないか?
ちゅーか、爺さんの知り合いって言うから楽京斎の爺さんかと思ったけど違ったらしい。
○月△日
本日は猫飯店に現れた珍玄斎の爺さん。満足そうに猫飯店のラーメンを食べながら婆さんとの昔話に花を咲かせていた。会話を聞くとなんでも数十年、行方不明だった八宝斎の爺さんの噂話を聞いて手紙を出して本人と確認したらしい。そして再会を果たした八宝斎の爺さんと珍玄斎の爺さんは朝から酒を飲み宴会に興じていたとの事。そして今日は帰るつもりだったが最後に婆さんにも挨拶って事で猫飯店に寄ったらしい。欲と女が絡んでないとマトモな老人なのだから意外なもんだ。
婆さんは珍玄斎の爺さんに八宝斎の爺さんの事をからかわれていた。若い頃から付き合いがあるだけに二人の恋愛話も知ってたのか。色恋話で慌てる婆さんってのも珍しいもんだ。
ま、後は年寄りに任せて俺は出前に行くとしよう。
出前に出てから、珍玄斎の爺さんが居るって事は『闇の鬼祭り』が開催されるって事か?一応、覚えておこう。
○月◇日
小太刀が猫飯店に来て「どうしたら乱馬様との仲を深める事が出来ますか?」と聞いて来た。何故、それを俺に聞く。
小太刀から見れば乱馬と一番仲が良い友人が俺に見えるのだと言う。それは嬉しいが乱馬と小太刀との仲を進めれば、あかねと右京を裏切る事になるんだよなぁ。しかし尊敬と信頼の眼差しで見られると断りづらい……仕方ない、折衷案を取るとするか。
○月◆日
小太刀に乱馬との仲を取り持つ様に頼まれてから数日後。猫飯店に乱馬、あかね、右京、小太刀を招いた。理由としてはリンスが料理を覚え始めたので試食をお願いしたいって事で呼び寄せた。乱馬とあかねはリンスと良く遊んでくれるし、右京はジャンルは違うが料理人。小太刀も料理上手だから集める理由としては充分だろう。
席順は右京、あかね、乱馬、小太刀の順で座らせた。乱馬の隣に座れた事で喜ぶ小太刀。頼むから余計な事はするなよってね。
俺は調理場でシャンプーと婆さんと共にリンスの調理を見守った。そして出来た料理に全員で舌鼓を打った。リンスが作った料理は普通に美味く、その上達ぶりに皆が驚いたくらいだ。
その感想を皆がリンスに伝えると、リンスはとても嬉しそうにしていた。料理人の右京や料理上手の小太刀からも褒められて嬉しそうにしていた。
俺が考えたのは乱馬と直接仲を深めるのではなく、リンスを通してコミュニケーションを取る事を考えたのだ。そうすれば自然と会話の機会も増えるだろうから。小太刀には余計な事をしない様にと念を押したし、素直にリンスを褒めるコメントをしていたから乱馬からの印象も多少は良くなった……と思いたい。
○月○日
先日の事で小太刀から改めて礼を言われた。本当に小太刀って余計な思考が絡まなければマトモ……いや、原作とかアニメじゃ考えらんない状態だし、変わって来ているんだろうと思いたい。
○月□日
天道道場に呼ばれたのでシャンプー、リンス、婆さんを連れて行ってみると乱馬が二人居た。正確には男の乱馬と女の乱馬が揃って座っている。
いや、どう言う事!?