まいづる肉じゃが(仮題)   作:まいちん

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第61話

そして、翌日。

 

鎮守府の会議室には第一艦隊所属の艦娘たちが集められていた。

戦艦金剛、同じく扶桑。

重巡洋艦高雄、羽黒。

空母祥鳳。

そして、軽巡洋艦神通。

 

そこに加賀の姿は無かった。

冷泉は彼女にも声をかけていたが、予想通り、定刻を過ぎても現れることはなかった。

予想通りの事とはいえ、少し寂しかった。

けれど、今はそんな感傷に浸っている時間は無かった。

 

冷泉は、集まった艦娘達を一度見渡し、今回の出撃メンバーを発表した。

みんなが加賀の不在を予想をしていたためか、特に誰からも異論は出なかった。そして、加賀をどうするかなどと議論するほどの時間が舞鶴鎮守府に残されていない事も理解していた。

現在、鎮守府に課せられた出撃期限が迫っている状況であり、このまま何もせずにいればペナルティが鎮守府に科されることになる。それ相応の戦果を上げていれば、少々のノルマ違反などは無視できるのだが、舞鶴鎮守府においてはそうも言えない状態だった。

それほど実績が上がっていない状態だったのだった。

鎮守府は慰安施設では無い。遊んでばかりでなんら成果を上げないところへ支給するような資材も資金も無いのだ。

すべては貴重な資源なのだから。

企業で言うところの不採算部門は、やがては切り捨てられる。それは海軍でも同じ事。役に立たない部署は廃止され再編成される。

どうやら、冷泉が来る前から何度もそういった類の警告書は来ていたようだ。それを前任の提督が放置していたのか、打つ手が無かったのか。それは冷泉には分析できていない。

しかし、言えることは一つ。

もはや、悠長に加賀の復活を待っているわけにはいかない。

 

今回の艦隊編成は、金剛・扶桑・高雄・祥鳳・羽黒・神通ということになる。

 

神通と羽黒は入渠明けであり、神通に至っては大破しての初の戦場となるため不安要素はある。本来ならば、もう少し休ませてあげたいのだが、大井は入渠中であり今回の領域において代わりになる者は見あたらないのだ。舞鶴鎮守府の現有戦力では、それ以外の選択肢は無かった。

冷泉が思っている以上に、舞鶴鎮守府の状況は良くなかったのだ。

いや、鎮守府だけでなく、冷泉本人の立場も相当に追い込まれている状態だということを知らされた。

 

この会議の少し前に、冷泉は軍令部第一部第一課からの呼び出しを受け、鎮守府内のテレビ会議施設でその担当者と話をすることになった。

加賀の件や今後の作戦の艦娘の選出の検討などで、やるべきことが目白押しだった冷泉は、その話を聞いた途端、即座に断ろうとしたが、秘書艦高雄に窘められた。

「軍令部第一部といえば、海軍の中枢。そこからの呼び出しを無下に断るような事をすることは、決して利口な判断とは言えません。どういった内容かは不明ですが、わざわざ相手を不愉快にさせる事は控えるべきだと私は考えます」

 

「……で、ちなみに相手は誰なんだ? 」

少し邪魔くさそうに冷泉は答える。

軍の組織なんてよく知らないし、あまり知りたくも無かった。本社からいきなり支店に無理難題をふっかけてくるような、どうせろくでもない話に付き合わされるんじゃないのか? そんな程度にかつての社会人経験から考えていた。

 

「東美丘(とみおか)大佐と仰っていましたが……役職は第一課長です」

この忙しい時に、何で階級が下の奴の呼び出しにこんなに忙しい時に対応しなければならないんだ? と一瞬言い返しそうになったが、その言葉は何とか飲み込んだ。

この世界の鎮守府司令官は、多くの艦船を自らの支配下に置き、自らの判断で作戦立案を立て運用できる立場にある。これは第二次大戦中とは大きく異なると思っている。本来の組織であれば、たとえ階級が下の者であろうとも上部組織の者であれば、上部組織の代表として連絡してきているのだから、それ相応の対応は必要なのだろう。けれど、冷泉が今いるこの世界の力関係はそうじゃなさそうだ。だから、上部機関らしい所からの連絡など無視しても問題ないはず……。そんなことを一瞬考えた。どうせ、ろくでもないし、聞くだけ時間の無駄であることは相手の所属部署から推測できた。今は忙しいし、時間も余裕がない。

そんな冷泉の思考を読み取ったのか、彼女の口調はとりあえずはお会いになったほうがいいですよという言い方だった。

わざわざ敵を自分から作るような軽率な行動は慎んで下さい。口には出さないが、明らかにそういう意志が伝わってくる。冷泉の事を心配しての発言なので、それを無視するわけにもいかない。

 

「了解した。……行けばいいんでしょ」

肩を竦めながら冷泉が答えると

「さすが提督です。ご立派です」

と本気で言っているのか分からないが褒めてくれた。

 

テレビ会議室に入り、スイッチを入れる。

通信中の文字が表示され、少し間をおいて一人の男が大型ディスプレイに映し出された。

冷泉と年齢は変わらない感じだ。

「冷泉提督、忙しいところ申し訳ないね」

挨拶も抜きに彼は話し始める。椅子にもたれかかるように腰掛け、机に置いているらしい資料をペラペラとめくる音が聞こえる。

「早速だが……ずいぶんと間、舞鶴の戦果が芳しくないということは認識しているとは思うが、やれやれ、随分と酷いなこれは……さすがにこれ以上こんな状態が続くと、こちらとしても見過ごす訳にもいかなくなってきている。確かに敵との関係もあるが、領域の開放エリアがゼロということはさすがに看過できない問題だと思っている。そして、遠征任務達成回数もこれまた他鎮守府と比較して相当に劣っている。この辺りの事情について、提督はどうお考えか? 」

予想通り舞鶴鎮守府の戦果についてのお小言だ。そんなことは言われなくても認識しているし、そっちだってわざわざ聞くまでもないだろう? おまけにやたらと偉そうな口調に少しイラっとしてしまう。

東美丘という大佐は癖かどうかは分からないが、顎を少し突き上げて相手を見下ろすような感じで話す。それが何か尊大な態度に思えて、ついつい反抗心が芽生えそうになる。

おそらくはこの男は将来を約束された軍の中でもエリート中のエリートなのだろう。この前やっつけた小野寺大佐と同じ臭いがする。階級は同じではあるけれど、東美丘は軍令部の課長という役職についていることからすると、彼の方が出世コースに乗っているのだろうか? その辺りはよく分からない。けれど、冷泉にとっては、どっちもどうでいい連中でしかない。

 

「確かに、それは私も認識している。最大の問題は艦娘の絶対数の不足だ。これが原因で継続的な戦線維持が出来ないし、遠征艦隊も編成できないでいる」

まずは現状を述べてみる。

本当はいろいろと言いたいことがあるが、それら全ては言い訳にしか聞こえないだろう。

 

鎮守府における問題とは、艦娘不足から来ている領域解放のノルマ達成の遅れおよび遠征数の不足による資材資金の不足であった。

資材が少ない故に戦闘で傷ついた艦娘の修理に時間がかかってしまう。また、それにより、出撃できる艦娘の数が少なさに更に拍車がかかり、彼女たちの疲労等を考慮して運用するとどうしても出撃回数や遠征回数が減っていくことになってしまう。それらは、さらなる資材不足を呼ぶというスパイラルにはまり込んでしまっているのだ。それでもだましだましなんとかやりくりしてきたが、それもそろそろ限界点に近づいている。駒不足ゆえに、それほど強敵でもないはずのエリア攻略にいまだ手間取っており、それは即鎮守府提督の能力不足とも判断されるのだった。

 

「ふん」

男は鼻で笑った。その仕草は意識せずに出たようで、慌てたように咳払いをする。

「確かに、舞鶴鎮守府の状況は前任の提督からの継続であるから、あなたにだけの責任を問うのも不公平だとは思う。けれども、それも承知で現在の地位に就かれたわけであるから勘弁して貰いたい」

 

「ああ、もちろんそれは分かっている」

お互いが思ってもいないことを言い合っている。まさに、これこそ時間の無駄だと冷泉は思う。意味のない事務的な前置きほど無駄なものは無い。何が言いたいかよく分からないが、さっさと本題に入って貰いたいものだ。

 

「前任からの負債を解消する能力があると評価されての抜擢だからな。その力を早く発揮して貰いたい。そもそも……」

 

「もちろん継続し努力していくつもりだ。それについては既に伝えているはずだが。……今日はもっと具体な話があるように思うが」

遮るように冷泉が話したため、画面に映った男の顔に曇りが生じた。

 

「コホン……確かに。今日の連絡はその延長線上の話になる。本日の話は、冷泉提督に対する通告という形になる」

そう言うと、手にした用紙を両手で持ち、わざわざ重々しい口調に変えて、男は話し始める。

「舞鶴鎮守府艦隊に対する領域出撃の期限が迫っていることはすでに認識しているだろう。……これまでの間、幾度かの出撃を行っているものの、その回数は規定にある回数に比べても少なく、また、他の鎮守府と比しても明らかに少ない状況である。しかも、領域解放の成果をまったく上げていない状態。他の鎮守府は着実に成果を上げている状況からすると、これは、今日まで領域解放の実績がないまま、ただ日常と資源を浪費し、漫然と過ごしてきたと批判されてもやむを得ない状況である。いかなる理由があろうと、この現状を放置するわけにはいかない。ここにおいて軍令部としての指示を伝える。冷泉提督、数日中に領域への出撃を敢行し、軍令部を納得させるだけの成果を上げよ」

そして、冷泉を見るとニヤリと笑った。

 

「成果とは、どういったものなのか」

 

「当然ながら勝利である。それが叶わずとも、最悪でもその道筋を立てる必要がある」

何か問題でもあるのかといった口調で返してくる軍令部の男。

 

「教えて欲しい」

冷泉は苛立ちを抑えながら問う。現場の現状をこの男は知っているのだろうか? それとも知っていてあえて言っているのだろうか。どちらにしても問題ありなのだが。

 

「何か? 」

 

「もし、私が出撃を出来ない場合はどうなるのか。それから、領域に進軍したとして、敗北し撤退せざるを得なくなった場合はどうなるのか」

 

「ふふふ。どうされたのか、冷泉提督。戦う前からそんな弱気なことを言うとは。大抜擢をされて鎮守府司令官になられたとは思えないな」

 

「常に最悪の事を考えて作戦を立案したいだけのことだよ」

 

「あまり考えすぎるのはよろしくないとは思うが……。まあいい。出撃できなかった場合は当然ながら職務怠慢および命令違反という規定違反となり、ペナルティが冷泉提督および鎮守府に課せられることになるだろう。また、敗北した場合だが、戦いは時の運というものもある。ゆえに鎮守府には特に何も課せられないだろう。しかし……冷泉提督については、その作戦指揮能力や運営能力を問われることになるだろう、ね」

語尾に少しだけ感情がこもっていた。

 

「なるほど、負ければ責任を問われるということか」

 

「一度の敗北で責任を問うわけではない。これまでの鎮守府の運営を含めての総合的な判断となるわけだ」

 

「鎮守府提督の任を解かれるということだな」

 

「最悪は、そうなる」

あっさりと回答される。最悪といいながら、実際にそうなるのだろう。すでにその辺りまでは根回しがなされ、ほぼ決まっているとしか思えないような言い方だ。

「任命責任云々の話もあるかもしれないが、立場が立場だからな。結果が全てといわれても仕方がないのではないか。それだけ、鎮守府司令官という役職は責任が重いのだから。冷泉提督の鎮守府着任は、本来なるべき人物を差し置いての異例の人事だったからな。やはり早急すぎた……ということになるのだろう」

 

「まるで私が負けるという前提で全てが進んでいるような口ぶりだな」

冷泉はあきれたように呟く。

 

「無論、そんなことはない。冷泉提督が出撃し勝利すればいいだけの話ではないか。確実に勝てる準備を整え、勝利し領域を開放すれば、それで全てが解決するだけの話。実にシンプル、何のことはない。ただ、言えることは、これまではまだ新任提督であるという事情を考慮されていたから許されているということを忘れては困るということだ。さすがにそろそろ相応の結果を出さないとな。現在の地位がいつまでも保証されていると安易に思って貰うと困るということだ」

簡単に言うが、その準備がきちんとできないから現在の状況に陥っているのだ。

もっとも、別に責任を取らされてクビなったとしてもそれは仕方ないと今では思えるようになっている。好きでなったわけではないのだから。この重責から解放されるのならば、それはそれでいいのかもしれない。

ただ一つ気になることがあるから、そうですか、と受けるわけにはいけないのだが。

 

「ちなみに、仮に私が任を解かれた場合、後任となるのは小野寺大佐になるのかな」

 

「私は人事権を持たない。故に仮定の話すら権限外事項だ」

東美丘大佐の表情を見ただけ冷泉の考えが正しいことが分かった。

 

それで決心がついた。

 

「大佐、了解だ。近々に出撃し、領域は開放しよう。……それ以外に連絡事項はないかな? 無いなら即準備を始めなければならないので、終わらせて貰いたい」

用件を伝え終えると、相手の答えを待たずに通信を切った。

 

どうやら、もし冷泉が失脚したとしたら、後任は冷泉がこの前やっつけた小野寺になる可能性が高いらしい。噂では少し聞いていたが、彼は軍部だけではなく政府内にもどういうわけかコネがあるようで、鎮守府着任に向けて着々と準備をしているようだ。それがどうやら本格化しているらしい。

これは個人的な感情ではあるが、あんな奴に鎮守府を任せるわけには行かない。艦娘達を預けるわけにはいかない。

となると、少々の無理は覚悟でやるしかないということだ。ここにきて加賀が言うことを効いてくれないのは辛いが、それは嘆いても仕方ない。

彼女には彼女の想いがあるのだろうから、それを自分で消化できない限りは無理だろう。それを待つしかないのだ。

 

この世界においては身よりも知人さえいるかどうか分からない状態の冷泉だ。当然ながら、この世界に何らツテのない冷泉にとって、本当の意味で生きていくために自分の地位を護るも大事なのだが、それ以上に大切な艦娘達をあんな奴のに任せられない。いや、他の誰であっても任せたくない。なんとしても、這い蹲ってでも頑張らなければならないのだ。

彼女たちは自分が護るのだ。

これが良い方法なのかはわからない。しかし、今はやるしかないのだ。

強く冷泉は誓ったのだった。

 

 

 

「さて、前回の出撃で領域の敵編成については、ある程度の推測が立っている」

会議室で第一艦隊の艦娘達を前に冷泉は説明を始めた。

テレビ会議のやり取りは、秘書艦の高雄にしか言っていない。あまりマイナス要素の話を作戦会議の場で話したところで何の意味も無いからだ。

ただ、彼女たちもある程度は鎮守府の現状については、認識しているのだろう。

本来なら参加すべき加賀がいないことについて、誰一人言及しない。

「敵艦隊の編成は空母を含まない艦隊と推測される。よって、祥鳳」

そういって冷泉は軽空母を見る。

 

「はい! 」

急に呼ばれたせいか驚いたような顔でこちらを見る祥鳳。ゲームとは異なり和服をきちんと着ていて肌を露出させてはいない。

 

「お前には可能な限り艦上攻撃機を搭載してもらう。頼むぞ」

 

「がんばります! 」

椅子から立ち上がり、少し大げさなくらいの声をあげ、返答する。

冷泉はそんな彼女を頷きながら見つめた。

 

「神通……」

 

「は、はい」

相変わらずおどおどした態度ではあるが、入渠あけとはいえ元気そうだ。

 

「前回大破したというのに続けて出撃させてすまない。けれど今回の戦いは夜戦が想定される。お前の力を貸して欲しい」

 

「私の命はすでに提督にお預けしています。提督の思うようにお使い下さい。この神通、全力でお応えします」

思い詰めたような表情でこちらを見つめる軽巡洋艦の迫力に少し圧倒されてしまう。本気で彼女は命を冷泉のためなら捨てそうなので、暴走しすぎないように注意しておかないといけない。

 

「うん、ありがとう。だが、絶対に無理はするな」

この前の事を思い出したのか、神通は頬を赤らめて俯いた。

「他のみんなも同様だ。この戦い、勝たなければならない。けれど、誰かの犠牲の上に成り立つ勝利では絶対にあってはならない。帰ってくる時も、全員で帰ってくる。それができなければ、一人でもかけたら、それは敗北と同じだ。それだけは肝に銘じておいてくれ。絶対に命を粗末にするな」

そういうとみんなを顔を見回す。目が合うと皆頷く。

 

その後、戦闘の基本方針を説明した。

基本は充分な索敵により、敵より先に敵を発見する。そして、航空戦力による先制攻撃。砲撃による殲滅。これが基本だ。

敵に航空戦力が無いと思われるので、戦闘機を搭載する分を攻撃機に充てることができるから、軽空母でも十分な攻撃力を発揮できると判断したのだ。

 

夜間における交戦の場合は、軽巡洋艦および重巡洋艦による雷撃戦をしかけ、戦艦による砲撃で殲滅する。ごくごくスタンダードな戦法を執るつもりだった。

 

勝てるかどうか、万全の準備を整えたとしても、それは時の運。

 

けれども一度戦った敵である。前回は撤退を余儀なくされたが、それでも次の戦いへの手応えはあった。そして、戦力的には敵よりも数段上だったのに、何故前回はうまくいかなかったかの反省点はすべて修正をかけている。その中での最大の改善点は、領域戦における武器の調整について、全ての艦において冷泉自らが立ち会ったのだった。

どうしてそんなことをしたかというと、前回の戦闘において戦艦金剛の砲撃の、異常なまでの命中率の低さが気になっていたからだ。あの時、冷泉が直接照準指示をしたら命中率が上昇した事からも違和感を感じていたのだ。帰投後、いろいろと調べた結果、出撃していた他の艦の命中率も標準値より低いことが分かった。データをいろいろ集めた結果、余所の鎮守府の艦隊の命中率と比べても明らかに舞鶴鎮守府の艦隊だけが異様に低いことが分かった。それが練度の低さから来るものかを徹底的に分析したが、どう考えても余所と劣るという理由は見いだせなかった。

そうなると原因は一つしかない。人為的な力が作用した……つまり、整備員の誰かが意図的に命中精度をマイナス方向へ調整したということになる。

まさか味方に足を引っ張られているとは思っていなかったが、そういったマイナス勢力の存在が鎮守府に入り込んでいることを知ることができただけでも良かったと判断するしかない。

けれども、今回は犯人は見つけることはできなかったし、とりあえずは見つけるつもりも無かった。また、時間的な制約もあったから、これは仕方ない。

これについては、帰投後また調査を行えば良い。敵を泳がせておいて、その背後にいる本体を取り押さえる証拠を見つける必要もあるし。

 

それはともかく、作業中、ずっと冷泉が張り付いていたために、そういった作業は出来なかったようだ。あとは艦娘達に監視させておけば手出しはできないだろう。仮に操作をしようと来たらそれで犯人を捕らえられるから効率的ではあるが……。しかし、冷泉が気づいたと知れば、あえて邪魔をするような馬鹿な連中ではないだろう。

 

マイナス要素を取り払うだけでも、勝率を相当上げることができたのではないだろうか?

そして、さらに航空戦力をアップさせていることから、更に勝率は上がっているはず。

負ける要素は相当減っているはずだ。……艦娘達といちゃついてばかりで遊んでいた訳ではないのだ。

 

冷泉は艦娘達に指示をする。

「出撃は、今夜9時。早朝に領域へと突入をかける」

 


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