まいづる肉じゃが(仮題)   作:まいちん

141 / 255
第141話 ……全てが終わったら

遠征へと出発して、二日目……。

 

扶桑を旗艦とする遠征艦隊は、現在、金沢港に停泊している。すでにこの港で二日目の夜を迎えていた。二日間という時間をを無為に過ごすことになった理由は、運搬資材の港への搬入が遅れた上に港の運搬機材の故障が重なってしまった為と記録には記載された。しかし、実際には、遠征の出発を早めてしまったために永末との連絡が上手くいかず、ここで待たされるになってしまったのだった。

 

時間が空いてしまったといっても、何もせず時間だけを浪費しているわけにはいかない。扶桑達にとって、時間は貴重である。一秒たりとも無駄になんてできないことは、扶桑自身がよく認識していた。

 

今、なすべき事は、より多くの同志を確保すること。その動きを敵対勢力に感知されないようにすること。この二つの事を常に意識しながら行動をするようにしていた。残された時間は少ないけれど、急いては事をし損じる……まさにその言葉通りだった。安直な思い込みは重大な失態を招いてしまう。慎重かつ大胆な行動が要求されるのだ。……勝利のために。

そんなことを想いながら、離れた場所に停泊している駆逐艦「不知火」を見てしまう。

「ごめんなさいね、不知火」

思わずそんな言葉が出してしまう。

 

彼女には何の罪も無いのに、扶桑が先走った行動に出てしまったため、双方に誤解が発生してしまった。そして、それが原因で不知火の暴走を誘発してしまった。……そしてその結末は、彼女を薬物により封印するしか無いという最悪な結末となった。

 

もはや不知火という駆逐艦は戦力として計算することはできないし、かといってそのまま放置することもできないとうお荷物状態でしか無い。彼女の心を縛り付け、行動の自由を奪い去り、ただ存在するだけの艦娘に貶めてしまった。もう少し、扶桑が慎重に行動できればこんな結末にはならなかったのに。……今更後悔しても、不知火はもうかつての不知火ではいられないのだ。その事実は受け入れなければならない。彼女への謝罪は、すべてを成し遂げてからでも遅くはない……そう自分に言い聞かせる。罪深い自分ではあるけれど、今はその贖罪の時では無い。来るべき時が来れば、自らその全ての罪を償おう。そう思うことで、扶桑は破綻しそうになる罪の意識から逃れることができていたのだ。

 

永末は、「あんな薬物中毒の艦娘でも使い道はある。需要という物は常にどこかにある物だ。だからその時までは、同じ仲間として同行して貰うしかない」と言っていた。その言葉の意味は怖くて聞けなかった。なんとなく想像できたからだ。……上手くいっている間は、たぶん彼女は大丈夫だろう。けれど、状況が悪くなったりしたら、彼女がどんな役目を負わされるのか分かったものじゃない。艦娘としての尊厳を貶めるような事を彼が要求するのであれば、断固それを阻止しないといけない。たとえ、この身を犠牲にしてでも彼女を護ってみせる。

「そんな事にならないよう、なんとかがんばらないといけないわ。みんなが幸せになるために、私達は戦っているのだから。一人でも不幸な子が出ちゃいけない」

自分に言い聞かせるように扶桑は独りごちた。

 

現在の遠征艦隊の艦娘達の状況は、永末から貰った薬品によりほとんどの艦娘達が記憶操作の影響から次第に解放されていっている。徐々に、失ったと思っていた記憶を取り戻している。さらに艦娘同士でその事を話合う内に、連鎖するように更なる記憶が思い出されていくのだった。……隠されていた真実が、少しずつではあるものの、うっすらと見えてきているのだ。それは、まるでかけられた魔法が解けるかのように、忘れていたはずの記憶が蘇って来る事を皆が感じていた。

かつての舞鶴鎮守府指令官、緒沢提督の姿、そして彼との懐かしい思い出。皆がそれらを取り戻しつつあった。それは扶桑を喜ばせる。

 

扶桑も例外では無かった。自分が彼の事をどのように思っていたかを思い出し、その沸き出す感情に戸惑いすら感じてしまったのだ。彼の事をまるで他人事のように忘れていた事が恐ろしく、そして悲しかった。扶桑の中で、緒沢提督は上司たる鎮守府指令官という立場だけでなく、一人の男性として愛おしく思っていたことを。どうして、こんなに想いを寄せていた方の事を忘れてしまっていたのだろうか。大切な、忘れるはずの無い思い出を失ってしまっていたのだろうか。彼は扶桑の事を艦娘として信頼してくれていて、さらに女としても受け入れてくれていたというのに。

 

提督がいかに扶桑を信頼してくれていたか……。その証拠として、他の艦娘達は知らない事があった。彼から直接、扶桑だけに与えられた「使命」についても思い出していたのだ。彼は自らの身に起こる悲劇を予想していたのか、その後の事を考慮していろいろと手を打っていたのだ。その結果として、多くの艦娘達が、敵に記憶を操作されたとしても大切な思い出を一時的に忘れることはあっても、失うことなくいられたのだ。

 

そして、扶桑には敵勢力から逃れ、向かうべき場所も指し示されていたのだ。すべてを扶桑に託していたのだ……。それがどれほどの信頼によるものだったのか。扶桑は胸が熱くなるのを感じていた。それは喜びであるとともに、もう一つ別の感情も生み出していた。緒沢提督の死を思い出し、それが真実であることを認めざるを得ないという悲しみだった。

 

もう、彼は、この世にはいない。

それがどれほどの衝撃を与えるか。……。本当なら悲しみに打ちのめされ、立ち上がることができないのかもしれない。けれど、自分たちに彼から課せられた命題についても思い出していたことが、扶桑を悲しみに打ちひしがれる事を許さなかった。これほどの信頼を向けてくれた緒沢提督のご意志を継ぐためにも泣いてばかりはいられないのだ。

 

目を逸らしたくなるのは事実だけれど、しっかりと現実を見つめ、記憶をさらに正確に取り戻す必要がある。記憶を封印されたことで、あるはずの記憶が曖昧なものへと変質させられいる感覚があり、現実感が薄くなっているのは事実なのだ。本当なら目を覆いたくなるような事実をたくさん思い出さなければならないのかも知れない。本当は、辛いことや悲しいことなんて思い出したくもないし、さっさと忘れて現実から逃れたい。それが少し前の扶桑だった。事実、緒沢提督の死を知ってしまった今となっては、何もかもが無意味で、わざわざ辛い思いをしてまで記憶を取り戻し、提督を意志を継ぐなんて、したくないし嫌だ。辛いのは嫌だ。きっと昔の自分なら逃げ出していたはずだ。けれど、今は違う。この悲しみに耐え、喪失感を埋めることができるものがある。緒沢提督の意志を継ぎ、行動する理由がある。

 

それは、新たな出会いのせいだ……。扶桑の側に立ち、扶桑と共に行動してくれる存在だ。本来なら、こんな感情なんて許されるものじゃないし、許してはいけないのではないか、と思う。そんなこと、分かっている。けれど、動き出した感情は、止められなくなっていたのだ。

あんな事があったというのに、扶桑の中で憎いはずの男が存在感をどんどんと大きくしていっていた。憎しみのはずの感情が、言葉を重ねる度、彼の扶桑への感情を知らされる度に揺り動かされ……それは、いつしか向きを変え、愛情へと変貌していった。

 

緒沢提督への想いを未だ保っているのに、永末との逢瀬を待ち焦がれるという罪悪感に苛まれている。いつの間にか、永末に対しての想いが、かつて緒沢提督によせていた想いと同等のものに近づいているように感じていた。そんな背徳感が余計に扶桑を揺さぶるとともに、激しく混乱させていた。矛盾した感情が心を捕らえ、混乱の中、縋ることを欲していたのだ。一人では歩くことはおろか、立ち上がることさえできない状態まで追い込まれている。

 

逢いたい……。一緒にいたい。

その想いだけが日々強くなっていた。何かに急かされるようにそれは強くなっている。背徳感というものが更にそれを加速させているのだろうか? 理性よりも感情が、感情よりも本能が突き動かしている事を認識していた。

 

そして、彼との再会できる……。

 

時間という概念で言うと、それほど長い時間が経っているわけでは無いのに、ずいぶんと離れていたように感じてしまう。彼の笑顔、優しい瞳、かけてくれるであろう真剣な愛のある言葉……想像するだけでなんだかこそばゆいような、そして、暖かい感覚を覚える。こうして思い出すだけでなんだか嬉しい。始まりは、扶桑の意志を無視した、強引で無理矢理なものだった。しかし、薬のせいで心がぼんやりしていたために、あの時の事はあまり覚えていない。まるで遠い世界の話のようにさえ思えていた。だから、あの時、感じたはずの恐怖や嫌悪もほとんど覚えていない。夢にうなされるようなこともなく、ほとんど思い出すことが無かった。それ故かも知れないけれど、実に簡単に受け入れられてしまうのだ。

 

もちろん、それだけではない。永末は、かつて緒沢提督が健在な頃から舞鶴鎮守府にいて、秘書艦であった扶桑の近くに常にいたはずである。その時から彼が見せる扶桑に対する艦娘に対するものとは違う感情に気付いてはいたけれど、緒沢提督というさらに大きな存在がいたせいで霞んでしまっていたのだ。思い出してみると、あの頃から彼は、他の艦娘に対してより、扶桑に優しかったように思う。好意を寄せてくれているというのは、はっきりと認識はしていた。そして、彼が決して叶うはずの無い想いに、苦しんでいた事も想像はできた。けれど、扶桑にはどうすることもできなかった。ただ、もしも艦娘としてではなく、一人の女として彼と出会っていたなら、と思うことはあった。仮定の話など無意味だと分かっているけれども。

 

そして、今は状況は一変している。大好きだった緒沢提督はいなくなり、永末は側にいる。

過去の記憶が戻るにつれ、想いは混乱するだけだ。永末の優しさに触れる内に、次第に心を開いてしまう自分がいて、戸惑わざるを得なかった。

 

自分の身勝手さ、気の多さ、肉欲への弱さが気持ち悪いし腹が立つのは事実だ。けれど、感情に流されてしまう自分自身を止めることができない。こんな気持ち、弱さだと責める人もいるかもしれないけれど、死んでしまった想い人よりも、今側にいてくれて、自分への想いを寄せてくれる人に気持ちが向かうのはやむを得ないことではないでしょうか? 誰にとなく自己正当化を訴えてしまう自分がいる。失ったあまりにも大きな空白を埋めるために、別の何かを求めてしまう。……それは客観的に見ても仕方の無いことだと思うし、思いたい。そうでなければ、何に縋って生きていけばいいのでしょう。たとえ、それが過ちだとしても、この身を突き動かす衝動のような物を、押さえきれないでいる扶桑だった。

 

今は彼の為に少しでも役に立ちたい。いつしか、そんな想いが強くなって来ている。だからこそ、これからの艦娘への説得について、失敗は許されないのだ。

 

そして扶桑は、祥鳳への説得を試みてみた。

 

今回は慎重に行こう……何度も自分に言い聞かせる。もう、不知火みたいな子をもう二度と見たくないから。

不知火があんなに激しい拒絶をする子だとは思ってもみなかった。普段の態度から冷泉提督の影響を受けておらず、むしろ彼の事を警戒し嫌っているように見えたのだけれど、実はその気持ちをみんなに悟られぬように隠し、冷泉提督に想いを寄せていたなんて……。こんな事に気づくこともできないなんて、あまりにも迂闊だった。そのせいで彼女は、艦娘としては、もう使い物にならないかもしれないくらいに墜ちてしまっているのだから。

 

祥鳳には、そんな事が無いようにしないといけない。だから、それとわからないように、薬品を服用するように念入りに仕向けて、その努力は成功している。

それとなく話題をそちらに持って行ってみると、彼女自身も前から頭の奥の深い部分にもやもや感が常にあったようで、与えた薬を飲むことにより、ずいぶんと調子が良くなることを認識していた。当然だけれど薬の出所は偽っているわけで、艦娘勢力からの新規試験薬品との理由で渡していたのだけれど……。艦娘が長く人間世界に止まると、祥鳳が感じているような様々な弊害が出てくるとの結果が出ている。それを緩和し回復させる効能があると教えている。当然、他の艦娘達にも祥鳳から聞かれた際には同じ事をに言うように徹底してある。

 

こうした下準備をしてやっと、彼女と二人きりで話し始めたわけである。

彼女に緒沢提督の話をしてみると、なんとなく覚えているようだった。慎重に慎重に、これまでの出来事を説明していき、やがて冷泉提督も敵になる可能性があることを軽くではあるが、臭わしてみた。すると、彼女はまるで不知火と同じような反応を示した。それは、恐ろしいまでの既視感だった。

 

「扶桑さん、何を訳の分からないことを突然言うんですか? 冷泉提督が敵になんてなる訳が無いじゃないですか! 」

と迷い無き真剣な表情で断言されてしまう。その声には、明らかに怒りさえ込められている。大切なものを侮辱された……そんな感じが適当だろう。

 

普段、こんな態度を見せることの無い彼女の剣幕に、驚くと共に思わずたじろいでしまう。そして、背筋が寒くなる。この反応には既視感がある。不知火と同じような反応をこの子はしているのだ。敵である冷泉提督を盲信した狂信者の瞳をしている。また同じことを繰り返してしまうのか、と動揺してしまったのだ。

この子も、冷泉提督に心囚われているというのか! 呆れにも似た感情がよぎってしまう。

 

かつて、……扶桑たちの指揮官だった大切な人の事をあろう事か綺麗さっぱりと忘れ、それどころか緒沢提督の仇を、憎い敵勢力の手の内にあるような男を愛するなんて、なんという下劣で愚か者だ。心の底から腹が立った。その怒りが吹き出しそうになる。思い切ってぶつけてしまいたい。いっそのこと、不知火と同じ目にあわせてあげようかしら。……薬漬けになって、おかしくなってしまえばいいのよ! 

 

緒沢提督を思い出すと、どうしても彼の撃たれた惨劇を思い出し、どうしようもなく感情が乱れて暴走してしまう。

いけないいけない。……慌てて必死に感情制御を試みる。大きく何度も深呼吸することで、沸き上がる悪意を追い払う。

 

これでは、同じ過ちの繰り返しだ。扶桑は必死にそんな感情を制御しながら軌道修正を行う。ここで強く出てしまうと、不知火の件の二の舞になってしまう。そんなことになったら、また永末さんに怒られて、そしてそれ以上に彼を悲しませてしまう。

彼の悲しむ顔を見るのは怒鳴られるよりも本当に怖い。彼に嫌われてしまうかもしれないと思うと、全身に寒気が走り、絶望で目の前が真っ暗になりそうだ。しかも、すべてが自分が原因なのだから。そして、それだけではない。こんな不手際を何度も繰り返すと、いくら無能だといっても冷泉提督に知れることになりかねない。もしも、彼に知られてしまったら、あらゆる計画が水泡に帰してしまうのだ。

 

「……そうなのです! 冷泉提督は、利用されているだけなんですよ」

声を大にして否定する。話題を大きく転換する。

「本当の敵は、別にあるのです。そいつ等は加賀や長門を擁し、色仕掛けで冷泉提督の目を欺こうとしているわ。そして、敵の策略はまんまと成功し、提督は利用され、もはや彼等の傀儡になりつつあるわ。現に司令部には加賀と長門がいつも居座るようになり、他の子達は近づきにくい雰囲気ができあがっているじゃあないの。聞いた所によると、加賀達の入れ知恵で新しい艦娘を大量に迎え入れようとしているそうですよ。そうだわ……そもそも、みんな、あの加賀が悪いんじゃないかしら。彼女は、土足でずけずけと鎮守府に踏み込んできて、冷泉提督の同情を引き、その優しさを利用した。おまけに色仕掛けで提督の心を虜にしてしまいました。そうだわ……可哀想な冷泉提督。提督の優しさにつけ込んだ加賀のせいで、あんな体にされてしまって、敵である加賀達に縋るしかない状況に追い込まれているのよ。それだけじゃないわ。彼の精神は体以上にもうボロボロでしょう。このままでは、さすがの冷泉提督ですら駄目になってしまいます。あいつらは、緒沢提督を殺し、さらには冷泉提督までも死以上の絶望に陥れようとしているのです。祥鳳、あなたはそれを許していいのですか? みすみす冷泉提督が不幸になるのを見過ごして、平気なんですか? 」

強く指摘して祥鳳の感情を揺さぶってみる。

 

扶桑は、ずっと前から気づいていたのだ。祥鳳が冷泉提督に想いを寄せているけれど、ライバルが多く、彼女達に気を遣ってしまい、上手くその気持ちを伝えられずにいたことを。彼女はそれを寂しく思っていたものの、舞鶴鎮守府唯一の空母であることから、重用されていた。提督から目をかけられていたのは事実だ。故に、どちらかというとその地位にあぐらをかき、余裕を見せていたことを。

 

しかし、唐突に現れた正規空母加賀。あらゆる点で遙かに優れた能力を持つ彼女の登場に、祥鳳がどれほど衝撃を受け慌てふためいていたかを。自分がいたはずの席を一瞬で奪い去られるどころか、秘書艦の座も手に入れた加賀に対する対抗心、嫉妬心。……そのドロドロとした醜く汚い部分。利用するならそこだと思っていたし、永末からも助言されていたのだ。

 

「加賀の横暴を許してはいけないわ。けれど、今のままでは、彼女を止めることはできないわ。……まあ、そんなことは小さな事でしょうね。今、大事なのは、冷泉提督の目を覚まさせる事よ。そのためにはあなたの力が必要なの。冷泉提督をお救いし、敵のスパイである加賀達を排除しないといけないわ」

その言葉に明らかに動揺し、困惑を見せる祥鳳だった。その姿を見て、扶桑は今回の作戦の成功を確信した。祥鳳の加賀に対する嫉妬心と冷泉提督に対する恋慕を利用し、さらに加賀達へ憎しみの感情を植え付けるのだ。

 

「加賀の暴走を止められるのは同じ【航空母艦】である、あなたしかいないわ。彼女は敵の命を受けて鎮守府に着任した存在なの。同じ艦娘だから言いたくはないけれど、常に冷泉提督の側に、我が物顔で居座る悪女だわ。【航空母艦】であるあなたが提督の目を覚まさせてあげないと……。これは、あなたしかできないのよ」

彼女の両手を取り、真剣な目で訴える。

一瞬の戸惑いを見せたものの、覚悟を決めたように扶桑を見返し、大きく頷いた。

「冷泉提督の目をきっと覚まさせて見せます。私ができることは何でもやります」

その言葉を聞き、扶桑は勝利を確信し微笑んだ。

 

もはや、女の嫉妬と同じにしか思えないが、利用できる物は利用しなければならない。たとえどす黒く汚い嫉妬心であっても、良き目的のためなら利用すべきだ。崇高な目的を達成するためなら、少々の悪事など肯定されるのだから。

 

扶桑は、祥鳳の加賀への嫉妬心を煽ることで取り込む事に成功したのだった。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。