アイドルの世界に転生したようです。   作:朝霞リョウマ

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結構定期的に更新ができてる気がする。

今さらながら、いつも皆さんご感想ありがとうございます。
寝る前に更新し、朝起きてから皆さんの感想に返事を書くのが毎朝の楽しみです。
「こんなネタ思いついた!」「ここ何か変じゃない?」といったご意見も大変参考になっております。
これからもご意見ご感想お待ちしております。


Lesson09 結婚狂詩曲 3

 

 

 

 という訳でようやく始まった写真撮影。とりあえず個人の撮影から始まった。

 

「ではまずは良太郎君からお願いします」

 

「やっぱりメインの据え所間違ってる気が……」

 

 不満というか釈然としないものを感じたまま、俺の撮影を開始。

 

 写真のモデル自体は既に数多くこなしてきているので問題はない。とりあえずポーズを変え続け、同じポーズを取らなければいい。俺の場合は表情が一切無いが、ポーズ自体は何も考えなくても自然と取れる。多分神様の特典のお陰だろう。

 

 今回は新郎役なのであまり大きな動作はせず、服装をチェックするような動きと新婦に向かって手を伸ばす動きを数パターン撮影する。

 

「はい! オッケーです! 流石良太郎君! バッチリでしたよ!」

 

「どもっす」

 

 てな訳で、特に問題もなく撮影終了。短い? いやいや、描写してないだけで結構撮ってたから。ヤローの撮影の描写しても面白くないでしょ。

 

「それじゃあ次も新郎役で真ちゃん!」

 

「あ、はい!」

 

 入れ替わりで撮影を行うのは、同じくタキシードに身を包んだ真ちゃん。彼女も俺と同じく新郎役なので、やはり大きな動作はない。しかし彼女の場合は表情があり、幸せに満ちた結婚式の様子がイメージ出来る。……これ、やっぱり俺はいらなかったんじゃないかな。

 

「りょーくんの新郎姿、格好良かったよ」

 

 ススッと横に寄ってきたりんが顔を覗きこんできた。

 

「ん、ありがと」

 

 何かいつもより距離が近いような気がするが、まぁ間近で大乳が拝めるし問題ないか。

 

「はい! 真ちゃんもオッケーです! 次はじゃあ……あずさちゃん、行ってみましょうか!」

 

「はい。では、お先に失礼しますね」

 

 あずささんはりんに向かって頭を下げてから真ちゃんと撮影を入れ替わった。ウェディングドレスということもあり、大きな動きは取ることが出来ない。しかしお淑やかな雰囲気があずささんの大人っぽい美しさと色気を醸し出している。あれで俺と三つしか違わないとは。性別は違えど、俺はあずささんと同じ年齢になってもあそこまで大人っぽくなれるとは到底思わない。まぁ自重はしないけどね! 折角の二度目の人生なんだから楽しまないと!

 

「やっぱりあずささん綺麗だなぁ」

 

「……りょーくんは、ああいう大人な女性が好み?」

 

 ん? どうしたんだろうかいきなり。

 

「まぁ好みというか、男だったら一度はああいうお姉さんっていう存在に憧れたりするもんなんだよ(キリッ)」

 

「そ、そう……」

 

 逆に男の八割はロリコンだって言ってる人もいるが……まぁ、結局人の好みによりけりなんだけどね。俺の場合はどっちかと言うと同年代でプラスマイナス二歳ぐらいがベストかな。

 

(……と、年の差はどうしようもないし……大人っぽく? 普段から髪を下す? でも勝手に髪型変えると麗華が怒るし……)

 

 何やらりんが悩んでいるみたいだ。こういう時はそっとしておいてあげよう。

 

「あずさちゃんもオッケーです!」

 

 そうこうしている間にあずささんの撮影も終わった。

 

「それじゃあ、次は美希ちゃん!」

 

「……はいなの!」

 

 美希ちゃんはこちらを一瞥してから、意気込んだ様子で撮影に向かった。

 

「……おぉ」

 

 おしとやかな新婦さんではなく、天真爛漫な新婦さん。少女の様に大きく動き、新婦でありながら少女というミスマッチ感がいいね。元々ファッション雑誌のモデルとしての活動を多くしていただけあって、だいぶ撮影慣れしているみたいだ。

 

 飛んだり跳ねたりすると中学生とは思えないおっぱいが揺れて、さらに丈が短いので太ももがさらにチラチラと……。

 

「子供っぽいっていうとちょっとアレかもしれないけど、美希ちゃんらしいね」

 

「……ふーん」

 

 りんは先ほどの険のあるような表情ではなく、純粋に感心したような表情だった。

 

「はい、オッケーです! 美希ちゃんも凄い良かったよー!」

 

 ん、終わったみたい。撮影する方も乗っていたみたいで、結構撮ってたな。

 

「じゃあ、別々に撮るのはこれで最後かな。りんちゃん、お願いします!」

 

「はーい。それじゃ、行ってくるね。ちゃんと見ててよー」

 

「そりゃあもう」

 

 穴が開くぐらい見させていただきましょう。

 

 撮影に向かうりんと入れ替わりで美希ちゃんが近付いてくる。

 

「りょーたろーさん! ミキ、どうだった!?」

 

「凄い可愛かったよ。思わず見惚れちゃった」

 

「ほ、ホント? え、えへへ……!」

 

 ……こう、頭を撫でたい衝動に駆られるが、女の子の頭は軽々しく触っちゃいけないって前にりんに言われたしなぁ。その後「アタシならいいけど」とも言われたけど。何かしらの条件があるのかな?

 

 そうこうしている間にりんの撮影が始まっていた。

 

 なんと言うか……凄かった。

 

 普段のりんは小悪魔みたいな笑みで周りを魅了するタイプなんだが、今日のりんからはそれが一切感じられない。代わりに感じるのは、少女が愛する男性と結ばれることに対して幸せを噛み締めている、そんな幸せそうな雰囲気。見てるこっちが幸せな気分になる、そんな微笑みだった。

 

 こういうのを見るとやっぱり笑顔ってのは大事なんだなぁ、と思う。女の子の笑顔はそれだけで人類の宝だ。

 

 やっぱり俺もアイドルとして笑顔の練習するべきかな……。いや、今更笑うようになっても逆に無表情キャラが無くなるだけか。

 

 いや、それにしても凄いなぁ……おっぱいも。まだでかくなってるって言ってたが……将来的にはあずささんクラスになるのだろうか。美希ちゃんもまだまだ成長期だろうし、ホント将来が楽しみだ! 大変胸が熱くなってくるね! 胸が厚くなるだけに!

 

 

 

 

 

 

(……凄い)

 

 素直にそう感じざるを得なかった。

 

 朝比奈りん。いつもは蠱惑的な笑みでファンを虜にする彼女だが、今日はそのイメージとは一切違った。女であるミキが見ても綺麗だと感じる幸せそうな微笑み。恋に恋する純粋な乙女。こうなれたら幸せなんだろうな、と羨ましく思ってしまう。

 

「………………」

 

 りん……さんの撮影が始まってから、りょーたろーさんはいつもと変わらぬ表情でりんさんの撮影を眺めていた。

 

 今、りんさんの撮影を見て、りょーたろーさんは一体何を思っているのだろう。やっぱり、綺麗だと思っているのだろうか。

 

 そして……ミキの撮影をどう思っていたのだろうか。

 

 りょーたろーさんは凄く可愛くて見惚れてしまったと言ってくれた。その言葉は凄い嬉しかったし、疑いたくもない。けれど、今のりんさんと比べられてしまうと自信がない。既に先程のミキの撮影なんか忘れられてしまっているのではないかと不安になってしまう。

 

(………………)

 

 今のミキは、キラキラ輝いていない。

 

 でも竜宮小町なら。今一番765プロで輝いている竜宮小町なら、キラキラ輝ける。少しでもりんさんに追い付くことが出来るはず。プロデューサーは、頑張れば竜宮小町に入れてくれると言ってくれた。なら、今は竜宮小町に入れるように頑張ろう。

 

 そしていつか、りょーたろーさんと同じステージに……。

 

 

 

 

 

 

「はい、オッケーです!」

 

 おっと、心の中でニヤニヤとしてたら撮影が終わっていた。もちろん撮影はちゃんと見てたよ。

 

「これで個人撮影は終了です! 一旦休憩に入ります!」

 

 休憩か。個人撮影終了ってことは、休憩の後はペアでの撮影かな。

 

 ……今更ながら、男女比2対3(本当は1対4だけど)でどうやってペアを組むつもりなんだろうか。同じ新郎役に別の新婦役の写真だと色々と問題があるような気がするし。

 

 まぁ、その辺はスタッフがちゃんと考えてあるだろうし、問題ないか。

 

「りょーくん、アタシに見惚れちゃったりしてなかったー?」

 

「そりゃあもう、バッチリ見惚れてた。流石りんだな」

 

 帰ってきたりんを素直に誉めると、それまで自信満々だった表情が急に赤くなった。

 

「……やっぱりここまでストレートに誉められるのは、いつまでたっても慣れない……」

 

「どうかしたか?」

 

「な、何でもないよ? それじゃ、休憩行こっか」

 

「だな。美希ちゃんも」

 

「………………」

 

「美希ちゃん?」

 

「……え? あ、はいなの!」

 

 何やらボーッとしてたみたいだけど……まさか美希ちゃんもりんに見惚れてたとか? 女の子まで魅了するとは……りん、恐ろしい子!

 

 全員でそれぞれの事務所ごとの楽屋へと向かう。まぁ俺は無所属なんだが。

 

 しばしの休憩の後、再び撮影が始まる。

 

 

 

 ……と、思っていた時期が俺にもありました。

 

「あずささんが行方不明?」

 

 休憩も終わり、さぁ撮影再開だと意気込んだ矢先の出来事である。

 

「うん。真クンとプロデューサーもあずさを探しに行っちゃって……」

 

「それで765プロは美希ちゃん一人になっちゃった訳だ」

 

 ふむ、何があったのだろうか。アイドルが行方不明とかただ事じゃないぞ。

 

「あずさ、凄い方向音痴だから……」

 

「え、そんな理由なの?」

 

 なんというか、ただ事だった。ならそんなに心配する必要ない……のかな?

 

「それより、撮影すっぽかす方が問題だと思うけどー」

 

「だからりん、あんまりトゲのある言い方するなって」

 

「りょーくん、ジュピターが撮影すっぽかしたらどうする?」

 

「ねちねちと弄る」

 

 だって男だし。これは差別ではありません、区別です。(キリッ)

 

「あれだ、男女区別ってやつ」

 

「初めて聞いたけど……」

 

 それはともかく、どうしたものか。このまま三人だけで撮影を続けるべきなんだろうけど……。

 

 果たして何処で何をしているやら。

 

 

 

 一方その頃の真ちゃん。

 

「これが僕のッ! 殺劇舞荒拳(さつげきぶこうけん)!!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 とりあえず、あずささんと真ちゃんは赤羽根さんに任せておいて、俺達三人だけで撮影を再開することに。

 

「で、俺は結局どっちと一緒に写真を撮りゃいいんですかね?」

 

 新郎一人に対して新婦二人である。さっきも言ったが、同じ新郎役に別の新婦役っていうのは色々とアレだと思う。そう考えると、ペアの写真を撮るのは一人だけだ。

 

 んで、そのことをボソリと呟いた途端。

 

 

 

「「………………」」

 

 

 

 りんと美希ちゃんの静かな睨み合いパート2である。いや、アイドルである以上、より多く写りたいと思うのは分かるけど……ここまで険悪になる必要はないんじゃないかい?

 

「ねー、美希ちゃん。ここは先輩を立てて自分は引くところじゃないかなーって思うんだけどー?」

 

「あは、同世代のりんさんとりょーたろーさんが一緒に写るより、新人アイドルのミキと一緒の方が新しさがあるとミキは思うなー」

 

 え、ナニコレ怖い。二人共スッゴい可愛い笑顔なのが余計に怖い。

 

 ちょ、スタッフ!? 俺の影に隠れるな! グイグイと背中を押すな! 俺が何とかしろってか!?

 

「……えっと、それじゃあさ、とりあえず二人と一緒に撮って、良く撮れた方を採用してもらう……って形でどうかな?」

 

 振り向いてスタッフに確認すると、スタッフ側もそれでオッケーらしい。よし、これで丸く収まっ……。

 

「りょーくん、今はそんな問題じゃないの」

 

「りょーたろーさんが、りんさんとミキのどっちを選ぶかが問題なの」

 

 あるぇー!? 収まってないどころかこっちに飛び火してきたぞ!?

 

 だからスタッフ押すんじゃない! これフリじゃねーから! 『押すなよ? 絶対押すなよ?』ってやつじゃねーから!

 

「りょーくん?」

「りょーたろーさん?」

 

 あ、無理ポ……。

 

 

 

 一方その頃の真ちゃん。

 

「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ! 光になれぇぇぇ!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 




・ヤローの撮影の描写しても面白くないでしょ。
そもそもこの作者が描写が苦手という説もある。

・あれで俺と三つしか違わないとは。
これでこの人普通だったら大学三年生ですよ? 皆さんの大学構内にこんな素敵な女性歩いてますかね? 少なくとも作者の大学にはいない。

・ああいうお姉さんっていう存在に憧れたりするもんなんだよ(キリッ)
完全に作者の持論。シスコンですが何か。

・「アタシならいいけど」
りんさんがちゃくちゃくと主人公攻略を進めているようです。

・無表情キャラが無くなるだけか。
残るのは爽やかおっぱいキャラ……あれ、十分濃い?

・ホント将来が楽しみだ!
あずささんクラスのりんと美希……色んな意味でもう誰も勝てないような気がする。

・りょーたろーさんは一体何を思っているのだろう。
女の子のおっぱいのことを考えて内心ニヤニヤ。この作品の「勘違い」タグはほとんどこんなことにばかり使われる模様。

・男女区別
男は萌えないゴミ。女の子は萌える宝。
男の娘? ウチの地域じゃ回収してないんだ。

・殺劇舞荒拳
テイルズシリーズにおける代表的な奥義。真はダンスをやってるからな。
「剣」は男キャラで「拳」は女キャラが使うイメージが強い。今回はTOHよりコハクverを使用。

・『押すなよ? 絶対押すなよ?』
誰もが認める伝統芸。金爆みたいに、今の若手はもっと見習うべき。

・「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ! 光になれぇぇぇ!!」
勇者王マコト。
マママッ マママッ マッコマッコリーン!
マママッ ママママッ マッコマッコリーン!



話を書くために本編を見直しているのだが、やっぱり響と美希は可愛かった。

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