ヒャッハー! 我慢できねー! 早速投稿だー!
※今までのサブタイトルの表記を少し変更させてもらいました。
残暑の暑さが陰り、暖かな日差しが心地よい平日の昼下がり。
写真撮影の現場である教会の控え室で、俺は一人タキシードに身を包んで雑誌を捲りながら待機していた。一緒に来ていた兄貴は次の仕事の打ち合わせがあるからと言って既にここにはいない。……教会自体にあまり近寄りたがっていなかったのは多分気のせいではないだろう。全く、あんな美人三人に言い寄られて一体何が不満なんだか。
コンコン
「はーい。どうぞー」
「し、失礼します!」
何やら緊張した様子の声と共にドアが開かれた。
「本日撮影にご一緒させていただきます! 765プロダクションの菊地真です!」
「三浦あずさです。今日はよろしくお願いします」
部屋に入ってきたのは記憶にも新しい765プロのアイドル、タキシードを着た真ちゃんとウェディングドレスを着たあずささんだった。
「おー、二人が参加者だったんだね。今日はよろしく。そんな固くならなくてもいいよ」
何というか、真ちゃんから戦場へ赴くかの如く気迫を感じる。
「いえ、こういうのはしっかりとしたケジメが大事だと思いまして……」
「そう? まぁ、緊張してたらいい写真が撮れないから、リラックスしてね。無表情の写真は俺のだけで十分だから」
それにしても、あずささん凄いな、おっぱい。清純な純白のドレスから溢れんばかりの母性に、なんか見ているだけで汚れた心が清められるような気がする。現在進行形で心が汚れているとかいうツッコミは無しの方向で。
それに対して真ちゃんは……。
「なんでタキシードなの?」
「それが聞いてくださいよ! 僕も今日はフリフリなドレスが着れるって楽しみにしてたのに、来てみたら新郎役なんですよ! 酷いと思いません!?」
「あぁ……うん。そうだね」
正直俺より似合ってる気がするから、ちょっと深く触れておくのは止めておこう。
「今日は二人だけ?」
「いえ、あと一人……」
「美希の奴、まだ入ってきてなかったの?」
美希ちゃんも来てるの?
開かれたままだった扉の方に視線を向けると、金色の髪がチラチラと見えていた。どうやらまた隠れてしまっているらしい。
「美希、ちゃんと挨拶しないとダメだよ。良太郎さんは先輩なんだから」
「大丈夫よ、美希ちゃん。折角可愛いドレスなんだから、良太郎君にも見せてあげましょう?」
「……うー……」
二人の呼び掛けに、少しずつではあるが美希ちゃんが扉の影から姿を現した。
「……おぉ」
純白のウェディングドレスはあずささんと変わらないが、美希ちゃんのは膝上10cmはある丈の短い今風のウェディングドレスだった。おっぱいも大変素晴らしいが、中学生の生足太ももとか最高だね!
「凄く可愛いよ。美希ちゃんによく似合ってる」
「え……ほ、ホント?」
「ホントホント」
お兄さん、軽口は叩くけど嘘は吐かないよー。なんかこの間ケーキ屋さんのフリした気がするけどキノセイダヨー。
顔はやっぱり少し赤いが、パァッと花が咲くような笑顔になり美希ちゃんはペコリと頭を下げた。
「あ、ありがとうございます! 今日はよろしくお願いしますなの!」
「うん、こちらこそよろしく」
「そろそろお願いしまーす」
遅れて挨拶にやってきた765プロのプロデューサーである
「ん、それじゃお仕事の時間だ。頑張ろうね」
「「はい!」」
「よろしくお願いしますね」
スタッフの後に続き、撮影場所である聖堂へと向かう。
立派な扉を潜り、広い聖堂内へと足を踏み入れたその時である。
「だーれだ?」
ムギュ、という擬音が聞こえてきそうなぐらい柔らかな何かが背中に押し当てられると同時に視界が真っ暗になった。
むむ!? この声と背中に感じる柔らかさ! 俺は、彼女を知っている!
「りん! 貴様、育っているな!?」
「えぇ!? な、何で知ってるの!?」
……なん……だと……!?
視界を覆っていた手が退けられたので振り返ると、そこには顔を真っ赤にして自分の胸を隠すように抱えるりんの姿があった。隠しきれずにはみ出てるおっぱいが大変眼福です!
「え、マジだったの?」
完全にノリで言った冗談だったのに。
「……えっと……春先に比べて、ちょっとだけ……」
まだ……育っているというのか!? 麗華はとっくの昔に成長が止まってしまっているというのに!?(断言)
具体的にどれぐらい大きくなったのか大変興味があったのだが、それ以上に気になることがあったので後回し。
「っていうかりん、その格好」
「あ、えっと……似合う、かな?」
そう言いながらはにかむりんは、いつものツインテールではなく、髪を下ろしてウェディングドレスに身を包んでいた。普段の小悪魔的なイメージで言えば美希ちゃんのようなミニのドレスなのだが、今のりんはあずささんと同じような普通のタイプのウェディングドレス。しかしその清純さがいつものりんとのギャップを生み出していて
オラ、ドキがムネムネしてきたぞ!!
「すげー似合ってる。髪下ろしてるのも大変ポイント高し」
「あ、ありがと。……も、もう、こんな可愛いりんちゃんが間近で見れるなんて、りょーくんは幸せモンだぞ! いひひっ!」
うん、顔は赤いままだけど、いつものりんだな。というか、りんも今日の撮影に参加するのか。知らんかった。
「あ、あの―……」
おっと、美希ちゃん達が置いてきぼりだった。
突然物陰から現れて、りょーたろーさんに後ろから抱き着いた紫髪の女の子。髪形がいつもと違うようだが、彼女を知らないはずがなかった。
「多分みんな知ってるだろうけど、一応紹介するな。1054プロ所属、『魔王エンジェル』の朝比奈りん」
「いひひっ、よろしくねー!」
『魔王エンジェル』。りょーたろーさんと同世代、所謂『覇王世代』を代表するトップアイドルグループ。りょーたろーさんがいなければアイドルの頂点に立っていたのではないかと言われ、駆け出しのアイドルがりょーたろーさんや日高舞の次に憧れるアイドル。
765プロで一番ブレイクしている竜宮小町ですら叶わない存在が、今ミキの目の前で笑っていた。
「えーと、765プロ……だっけ? 竜宮小町の三浦あずさ以外は全然知らないから、自己紹介して欲しいなー?」
「あ、し、失礼しました! 765プロの菊地真です!」
「えっと、同じく三浦あずさです」
「……星井美希、です」
「今日はよろしくー! ま、これから先どうなるか分からないけどー」
「っ……!?」
「りん、あんまり意地悪な言い方するな」
「はーい。ゴメンねー」
「い、いえ……」
随分とりょーたろーさんと仲がいいみたい……自然な動作で抱き付いてたし……今もすっごい近くに立ってて、りょーたろーさんもそれが普通みたいな感じだし……。
むぅ……何か、ちょっとヤな感じ……。
(……ふーん……)
目の前にいる少女達、765プロのアイドル達の姿を見定める。この四年間で調べたりょーくんの好みは、髪が長くて胸の大きな女の子。つまりアタシはドンピシャのはず!
菊地真。えっと、タキシードを着ていて、男の子と見間違えそうになるくらいのイケメンっぷりだが女の子のはずだ。髪は短く胸も小さい……この子は問題ないわね。
三浦あずさ。……ア、アタシ以上にデカイ。写真では見てたけど、こうして間近で見るとその存在感に圧倒される。……だ、大丈夫大丈夫! 髪も短いし、わ、若さでは勝ってるし! りょーくんが年上が好きかどうかは分かんないけど!
問題は、こっちの子だ。
星井美希。先ほどは全然知らないと言ったが、765プロで竜宮小町の次に有名であろうアイドル。顔も可愛くスタイルも抜群……これで中学生とか詐欺過ぎる。胸も大きく髪も長く、りょーくんの好みとも合致する。
りょーくんに近付くアタシを険しい目付きで睨んできているし、少なからずりょーくんに特別な感情を持っている様子。
今注意しなければいけないのはこの子だろう。こんなポッと出の少女に、りょーくんを盗られてたまるか!
周藤良太郎ですが、女の子二人の雰囲気が険悪です。え、いきなり何この状況。美希ちゃんはりんのことを睨んでるし、りんはりんで美希ちゃんを見定めるような目で見てるし。
「……えっと、美希ちゃん、魔王エンジェルが嫌いだったりする……?」
「……いえ、そんなことなかったと思いますけど……」
「りんさんも、美希ちゃんを睨んでるように見えますけど……」
真ちゃんやあずささんと額を合わせて話し合うが、どうにも答えは見えない。何だろう……二人とも虫の居所が悪いのかな?
「あの―……そろそろ……」
おっと、忘れてた。
「りん、美希ちゃん、仕事仕事」
「「はーい!」」
……ちょっとだけ笑顔が怖かった。
おまけ『周藤幸太郎』
「どうもこんにちは、良太郎君。今日はよろしくね」
「あぁ、赤羽根さん、こちらこそよろしくお願いします」
「……えっと、良太郎君は一人で現場に?」
「いや、兄貴の送迎で。当の本人は俺を置いてさっさと逃げちゃいましたけど」
「逃げたって……何で?」
「宗教が違ったんじゃないですかね」
「いや、それは……」
「もしくは神社仏閣関連の場所にいると気分が悪くなったとか」
「そんな、悪魔とかじゃないんだから……」
(悪魔みたいに酷い理由っていう点では間違ってないけど)
「一度、良太郎君のお兄さんとは話してみたかったんだけどね。周藤良太郎をたった一人でここまで成長させた名プロデューサーって、業界では有名みたいだから」
「兄貴のおかげでここまで来れたって言うのは否定しませんよ。まぁ、兄貴のおかげというか、兄貴のせいというか……」
「お兄さんの、せい?」
「俺がアイドルを始めたきっかけは、両親が食事の席で冗談交じりに『良太郎はアイドルに向いている』って言ったからなんです。それを真に受けた兄貴が勝手に俺の写真で俺の書類作っていきなりフリーのコンテストに応募しちまったんですよ」
「そういえばそんなこと雑誌のインタビューで答えてたね」
「んで、初出場の初コンテストで初優勝。色んな事務所からオファーが来て、さあこれからどうしようってなった時に……」
――俺が書類を勝手に送ったことが原因なんだから、俺が責任を持って最後まで面倒を見ようじゃないか!
「んで、現在まで兄貴と二人三脚でフリーアイドルを続けてるってわけです」
「なるほど……お兄さんは前々からそういったことに興味が?」
「いえ、俺のデビューが決まって、大学を卒業してから勉強始めてました」
(……なるほど、方面は違えど、やっぱり兄弟だったってことか……)
(私生活はあんなんだけど……マジどうしてこうなったんだか)
・見ているだけで汚れた心が清められるような気がする。
なんかあずささんの胸は「巨乳」っていうよりも「おおきなおっぱい」っていうイメージ。何だろう、この感じ。
・美希のウェディングドレス
アニメ見て思ったが、ミニ丈とはいえここまでウェディングドレスが似合う15歳って……。
・軽口は叩くけど嘘は吐かないよー。
常に本心が口からだだ漏れなため、嘘を吐く必要がない様子。
・「貴様、育っているな!?」
(言動が常に盛ってる)モンキーなんだよぉぉぉ!!
・「春先に比べて、ちょっとだけ……」
麗華・千早「」ドンッ
・りんのウェディングドレス
みんなすまねぇ、俺の力じゃここまでしか表現できないんだ……でも、みんなならできると信じている! お前たちの妄想力で、りんの純白ウェディングドレス姿を妄想するんだ! さあ目を閉じて! 俺には見えるぞ! 髪を下ろしたりんがウェディングドレスを着てはにかんでいる姿が!!
・「りょーくんは幸せモンだぞ! いひひっ!」
ちなみにりんのCVはアスミス。
・『覇王世代』
アイドル界の世紀末。ちなみにその前には『オーガ世代』があったりする。
・「ま、これから先どうなるか分からないけどー」
原作に近いちょっと黒いりんちゃん。
アイドルに対する嫌悪からではなく、絶対的な自信から来る言動。
・りょーくんの好みは、髪が長くて胸の大きな女の子
まぁ髪はともかく、あれだけおっぱいおっぱい言ってればねぇ?
・おまけ『周藤幸太郎』
両親との会話はLesson01冒頭にて。あの後速やかに書類を作成した幸太郎がコンテストに応募したことがきっかけでアイドル『周藤良太郎』が誕生したので、ある意味生みの親。
原作タイトルである『アイドルマスター』に最も近い人物なのかもしれない。
誰か純白ウェディングドレス姿のりんちゃんを描いてくれる人いないかな~(チラッチラッ)