良太郎:一人称俺。基本的に軽口。
麗華:一人称私。基本的に辛辣。「~わね」「~わ」
春香:一人称私。基本的に敬語。恵美と凛にはため口。
恵美:一人称アタシ。凛にはため口。他は敬語。言葉を伸ばす。「リョータローさん」
凛:一人称私。敬語も使うが割と砕けた口調。「~だよ」「~だね」
これは、あり得るかもしれない可能性の話。
『あいてんっ!』
「喧嘩しているように見えますが、アイ転の共演者たちはみんな仲良しです」
「とりあえず良太郎さんが一番三周年を喜んでるってことだけは分かったよ」
「ふんっ」
「け、結局CM中に湯呑の一撃が良太郎さんの頭に綺麗に決まって麗華さんの溜飲が下がってくれたようで何よりです……」
「リョータローさん、大丈夫?」
「急所は外れてるから平気平気」
「まず何かあったら真っ先に守るべき急所が頭だと思うんですけど……」
「どうせ頭の中が空っぽだからダメージが脳にまで届かなかったんでしょ」
「わかるわー」
「本人が同意してどうするんですか!?」
「えっと、次は私がお便りを読ませてもらうね」
「凛よろしくー!」
HN『ヒマラヤの上でパイを叫ぶ』
恵美さん、しぶりん、麗華様、春閣下こんばんは!そして同志良太郎さん。ぷるるんわ!
ついにアイドルの世界に転生したようです。のドラマが三周年ということでいつもの如く送らせていただきました!
ラジオでは良太郎さんを同志と呼べるようになって、もう一年以上経つんですね……実に感慨深いです。
そしてやはりこの作品の魅力と言ったら……やっぱりパイでしょう!良太郎さんが実に我ら目線に立っているかがよくわかる作品!これはBlu-rayとDVDで三周年特別ボックスみたいなものを作ってくれることを期待して自分はお金を貯めておきます。毎度の長文でしたが、これからも作品をガンガン応援して行くのでよろしくお願いします!
「………………」
「え、映像が無いからリスナーのみんなは分からないだろうけど、さっきと比べ物にならないぐらい凛の顔が真っ赤になってる……」
「うわっちゃあ、お便りボックスの中からランダムに選ぶとはいえ、よりにもよってヒマラヤさんのお便り選んじゃうか……」
「ほんっとアンタが出演する番組は碌な内容のお便りが来ないわね」
「麗華さんそれはどちらかというと送ってくださった方に失礼ですから!?」
「もうヤダしぶりんおうちかえるぅ……」
「麗華さんが戻ってきたと思ったら今度は凛ちゃんが……」
「何で俺が出演する番組はこんなにも殺伐としているのだろうか」
「アンタの普段の言動や態度のせいでしょうが」
「そして実は三周年を記念したDVDボックスには本当に『周藤良太郎と棟方愛海の最胸討論会~アイドルと乳と宇宙と未来~』が巻末特典として収録されて――」
「嘘ですよ!? 巻末特典は撮影現場の舞台裏を描いたメイキング映像ですからね!?」
「ついでにここで宣伝しとくと、初回特典として直筆メッセージ付きの完全オリジナル写真集が当たる抽選の応募ハガキが入ってるんだけど、本当にこれみんな欲しいの? 一冊一冊に書くのすげぇ大変だったんだけど」
「トップアイドルが自分の影響力軽視するのやめましょーよー……」
「少なくともウチの事務所だと美希と真美が血走った眼で初回限定版予約してましたよ」
「ウチだとりんと、あと当たったら転売するってともみが」
「公共の電波に乗せて堂々と転売宣言やめーや」
「え、えっと、お便りの続きは凛からアタシにバトンタッチしまーす。そんなヒマラヤさんが選んでくれた『一番印象に残ったor面白かったというお話』はこちら!」
――……何言ってるのよ。これがプロなんでしょ?
――もしかしてなんですけど……志保って、123プロダクションのオーディションを受けてたりします?
――やっぱりアンタかあぁぁぁ! 良太郎おぉぉぉ!
「Lesson88から95の間に放送された『合宿スタート!』『良太郎、襲来ス』の、合宿編前半になりまーす!」
「その辺りから恵美ちゃんやまゆちゃんを含めたバックダンサー組が本格的に動き出したんだっけ」
「私たち765組が合流してから良太郎さんと冬馬さんがレッスンに参加するまでのお話だね」
「『北沢志保ちゃんとの確執が徐々に露わになって行くのと同時に改めて主人公の才能すげえと再確認させられた』だって」
「……俺何かしたっけ?」
「あの私たちの振付を僅かな時間で覚えちゃったあれですよ」
「あぁ、あれか」
「あれ本当に理不尽というか無茶苦茶よね。何であんな短時間で自分より長く練習してた奴らにレッスン出来るレベルになれるのよ」
「麗華も試しに休憩無しでやってみれば意外といけるぜ」
「出来るわけないでしょ体力お化け」
「寧ろその体力お化けに仕立て上げた高町家の方が無茶苦茶なのでは……?」
「あと『何より志保ちゃんが可愛い。あの必死すぎる感じが実に保護欲が……(笑)』とも書いてありました」
「禿同」
「良太郎さんも劇中で言ってましたけど人に懐かない黒猫みたいな雰囲気で、あの頃はあの頃で可愛かったですよねぇ、志保ちゃん」
「撮影の時は既に和解した後だったから、合宿編撮影中の志保ちゃんずっと申し訳なさそうな雰囲気で可愛かったよ。特にあの手を叩いちゃうシーン。最初の方とか遠慮しちゃって全然迫力無くて、リテイクするたびに『ご、ごめんなさい……』って」
「あの時の志保ってばチョー可愛かったですよねー!」
「多分その辺もDVDボックスの巻末特典に収録されてるはずだから、気丈な態度を保とうとしつつも若干シュンとなってる志保ちゃんを見たい人は是非買ってくれ」
「露骨な宣伝ではありますけど、志保ちゃんファンの方は購買意欲120%増し間違いなしですね」
「今頃この放送聞きながら志保も真っ赤になってるんだろうなぁ」
「身内を赤面させることに定評のある番組だな」
「フレンドリーファイアとも言うわね」
『あいてんっ!』
「凛ちゃんお帰り」
「このまま本当に帰りたい……」
「まぁまぁ、あとチョイだからガンバローよ」
「出演者が帰りたがるラジオって……」
「今さらよ、天海春香」
「んじゃ、次は俺がお便りを読むかな」
HN『
皆様初めまして。ペコリm(__)m
この度は選んでいただき、ありがとうございます。
早速ですが、天海春香さんと東豪寺麗華さんに質問です。新しく出てきた後輩の、所恵美さんと渋谷凛さんのことをどう思っていますか?この二人については物語の中でも触れていなかったように思ったので質問しました!
お二人のお答えをラジオの前で楽しみにしております!
「はい、銀色さんありがとー」
「……ねぇ、今アンタ顔文字の部分どうやって発音した?」
「え、だからm(__)mって」
「止めましょう麗華さん、多分これ触れちゃいけないところです」
「それで、今回は麗華と春香ちゃんの二人への質問だよ」
「そういえば劇中で私と恵美ちゃんのシーンは多少あったけど、凛ちゃんとはないんだよね」
「私に至っては所恵美とのシーンが無い上に、第四章から海外に行ってる設定でそもそも登場してないから渋谷凛とのシーンがあるはずないのよね」
「そーいえばそーですね」
「撮影の現場でも基本的に一緒になることないですしね」
「それじゃあ順番に春香ちゃんから聞いてみようかな。恵美ちゃんと凛ちゃんへの第一印象と、今現在の印象は?」
「えっと、そうですね……恵美ちゃんは劇中でも触れたけど、美希みたいで快活で人懐っこそうだなぁっていうのが第一印象かな。今もその印象は変わらないけど、それ以上に友達や仲間のことを心から想うことが出来る良い子だと思ってます」
「えへへ……ありがとーございます! 春香さん!」
「恵美ちゃんの仲間想いには定評があるからね。Lesson107の志保ちゃんの独白のシーンとか、Lesson109のアリーナでのシーンとか恵美ちゃんガチ泣きしてて大変だったからね」
「わわわっ、そ、そういうのは黙っててくださいよ!?」
「まぁ黙ってたところで巻末特典にはなってるはずだし……」
「うわーん!?」
「あははっ。あとは凛ちゃんだよね? 初めはなのはちゃんに続く良太郎さんの妹分の女の子なんだなぁって思ってたのに、いつの間にかアイドルになってメインキャストに仲間入りしててビックリした、っていうのが本音かな。歌がすごく上手で、これからにも期待してるよ」
「あ、ありがとうございます」
「あと、第四章での主なツッコミ役として!」
「それはお返ししますので帰ってきてください春香さん」
「それじゃあ、次は麗華かな」
「そうね……所恵美は良太郎と幸太郎さんがスカウトしてきた新人ってことでちょっと気になってたわ。でも確かにセンスはあるけど二人に見初められるほどの実力があるとは到底思ってなかった」
「うっ」
「でもまぁ最近は実力も伸びて色々と『アイドル』らしくなってきて、少なくとも『周藤良太郎と周藤幸太郎の事務所のアイドル』っていう肩書を背負っても恥ずかしくはないんじゃないかしら」
「あ、ありがとーございます!」
「渋谷凛は……私も、天海春香と同じであの時の子がアイドルになるとは思ってなかったわ。でも周藤良太郎に影響を受けたアイドルの中でも、その影響の受け方が少し違う点に興味があるわね。幼い頃から周藤良太郎を見てきたアナタがどういうアイドルになっていくのか、楽しみにしてるわ」
「あ、ありがとうございます」
「麗華にしてはべた褒めで普通に驚いてるんだが」
「アタシだって評価すべき相手にはちゃんとした評価をするわよ」
「それと、凛ちゃんへの評価の中に若干観察対象的な意味合いが含まれてなかったか?」
「アンタのことは嫌いだけど、アイドル『周藤良太郎』が周囲に与える影響には興味あるからね」
「随分とひでぇ言い草……。さて、そんな銀色さんが選んでくれた『一番印象に残ったor面白かったというお話』はこれだ」
――してるしてる。ちょーしてる。今の国会と同じぐらい期待してる。
――自分、それについてコメントしたら色々と不味い気がするぞ……。
――ヤダナーチョーキタイシテルヨーメッチャキタイシテルヨー。ハヤクハツデンショナントカナンナイカナー。
「プロローグ的なLesson01と02が終わり、本格的に物語が始まったLesson03の『765プロ』だ。中でも今流れた俺と響ちゃんとの会話がお気に入りだそうだ」
「これ今触れても危ない話題だよね」
「ここの撮影した時、色々とアレだったからなぁ」
「この作品って割と時事ネタ多かったりしますよね」
「今だとそうだなぁ……栗きんとんさんがトランプで負けて海の向こうオワタとか――」
「色々とヤメテエエエェェェ!?」
「栗きんとんって人がトランプゲームに負けたってだけの話ですよナニヲソンナニアワテテルノカナー」
「三周年記念のラジオでどうしてこんな綱渡りしてるんでしょうか……」
「相変わらず三大タブー(政治・野球・宗教)に平然と切り込むドラマで胃が痛いわ……」
『あいてんっ!』
「さて、あっという間にエンディングの時間だ」
「他にもお便りを送って来てくださった方、全て読むことが出来ずに申し訳ありませんでした」
「最後は一人ずつ、リスナーへのメッセージで締めくくろうか。それじゃあ凛ちゃんから順番に」
「わ、私から? えっと、私が出演する第四章は現在進行形で放送中だから多くは話せないけど、私たちシンデレラプロジェクトの物語をどうか最後まで見守ってくれたら嬉しいな。あと、私の新曲『AnemoneStar』が収録された『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 01 Snow Wings』は絶賛発売中だよ。次は恵美さん」
「おっ!? そーゆー宣伝ありなんだ! えっと、アタシとまゆがメインな第三章はもう終わっちゃったけど、第四章ではリョータローさんや冬馬さんみたいに導く側として未央とのやり取りがあるから、そっちにご期待アレ! あと765プロのジュリアとのデュエット曲『エスケープ』が収録された『THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 02』は絶賛発売チュー! はい、春香さん!」
「はいっ! 私たち765プロのお話は第一章・第二章・第三章で一旦お休みとなりますが、第四章でも少し顔を出しますし今後放送予定の特別編もありますので、これからも今しばらく私たち765プロのアイドルをよろしくお願いします! あと私と真と伊織、そして亜美真美の五人のユニット曲『Miracle Night』が収録された『THE IDOLM@STER PLATINUM MASTER 01 Miracle Night』は絶賛発売中です! 麗華さんお願いします!」
「そうね、私たち魔王エンジェルは割と重要なポジションだった癖に第四章での出番は一切ないけど、第五章からまた復活予定だからそれまで待ってなさい。それまで私たちのこと、忘れんじゃないわよ。良太郎、締めなさい」
「宣伝はいいのか?」
「私たちはいいわ」
「了解。さて、俺たちの作品『アイドルの世界に転生したようです。』は無事に三周年を迎えることが出来ました。こんな趣味が突っ走ったような作品が長らく続いてきてしまったのは、間違いなく皆様からの暖かい応援のおかげです。これからも出演者並びにスタッフ一同ともに励んでいきますので、今後ともよろしくお願いします」
「最後は真面目に締めたわね」
「そりゃ俺だって年がら年中アッパラパーなわけじゃないって」
「普段がアッパラパーな自覚があるわけですか……」
「ほら、最後は全員で終わらせましょー!」
「ビシッとね」
「よし、それじゃあせーの」
『これからもよろしくお願いします!』
『次回は、四周年記念放送でお会いしましょー!』
・「急所は外れてるから平気平気」
作者的元ネタは憎めない常務。
・「もうヤダしぶりんおうちかえるぅ……」
「エリチカ、おうちに帰る!」
・「身内を赤面させることに定評のある番組だな」
ちょっと強気な女の子を赤面させることが大好きな作者(にっこり)
・栗きんとんさんがトランプで負けて海の向こうオワタ
※この物語はフィクションで実在の人物や団体とは関係ありません
・『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 01 Snow Wings』
・『THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 02』
・『THE IDOLM@STER PLATINUM MASTER 01 Miracle Night』
絶賛発売中!(露骨な宣伝)
改めて、今回お便り及びアンケートにご協力いただきありがとうございました。お陰で作者自身書いていて楽しいお話に仕上がりました。
この『アイドルの世界に転生したようです。』はアイドルマスターというコンテンツが続く限り続けていきたいので、これからも暖かい目で見守っていただけると幸いです。
これからも、作者および周藤良太郎をよろしくお願いします。
次回からは本編に戻り、凸レーション編です。