魔法少女まどか☆マギカ~心を写す瞳~   作:エントランス

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華麗なるほむら(甘酸っぱい青春)

~夜~

 

──あの後、なんとかマミさんを石化から回復させる事に成功した。

まぁ、その方法というのが単純で、昼休みに皆で屋上に行って弁当を食べよう!と言ったら『もうトイレに行かなくて済むのね( ;∀;)』と泣かれながら感謝されてしまった。…… いや、なんでトイレ?…まぁいいや。雑談が終わった時にはもう辺りは暗くなり、魔女探しは明日にすることになってお茶会はそこで終了した。

 

 

~帰り道~

 

「それにしても、今日は色々な事がありすぎたな。学校まではいつも通りだったのに、ほむらがやって来て皆と仲良くなったり、一緒に帰ったら魔女の結界に捕まって、まどかの正体が魔法少女だったり……流石に疲れた」

 

 

 

「そうだね。ほむらちゃんが来て皆、楽しそうだったよね」

 

「そんな!?私なんて、何の役にも…皆の脚を引っ張ってばかりで…」

 

そんな様子のほむらを見たクロトは、手を振り上げ…

 

「なに言ってんだ、お前は」

ゴスッ!!

「あいたっ!なっなにするの黒崎君!?」

 

ほむらの脳天にチョップした。クロトはそんなほむらに、

 

「お前がどう思ってたか知らんが、クラスの奴等はそんな事思ってねぇーよ。なぁまどか」

 

「うん!私達のクラスには、ほむらちゃんみたいな人居なかったから新鮮で楽しかったよ♪」

 

「───え?」

──私の事……そんな風に見ていてくれたの?足手まといだと思わなかったの?………でも…

 

「……私、勉強出来ないし」

 

「さやかを見てみろ。アイツ今日のほむらがやった問題、教えてやっても出来なかったぞ」

 

「今日、倒れたし」

 

「むしろ、ずっと入院してて急に走ったら、そりゃ倒れない方がおかしいよ?」

 

「…皆に迷惑を…」

 

「アホ、人間ってのは迷惑を掛け合いながら生きてるようなモンだぞ。お前一人位で誰も迷惑だなんて思わねーよ」

 

「………」

 

「まだ何かあるか?」

 

「ううん……あの………ありがとう」

 

ほむらは学校で感じていた心の霧が晴れた気がした。長く病院で生活していたため、人と接する機会が減り、学校で上手くやれるだろうか。勉強に着いていけるだろうか。友達が出来るだろうか。等、そんな不安が二人の言葉で消えていった 。ほむらは二人に微笑み、感謝を込めて御礼を言った…今日一番の自然な笑顔だった。

 

 

 

───そして、この会話が後のほむらにとって、かけがえのない思い出になったことをほむら自身も、クロト達でさえ思いもしなかっただろう。

 

 

 

「うん♪」

 

「……おう///」

 

「あれ?クロ君照れてる?」

 

「───ッ!!まどか、余計な事言うなっ!」

 

「クスッ♪」

 

 

 

~翌朝~

 

──俺はいつも通り鹿目家で知久さんの朝飯を食べ、まどかと一緒にさやかと仁美が待つ通学路を歩いて行く。すると途中で見覚えのある後ろ姿があったので、試しに声をかけてみた。……少々のイタズラ心はあったかもしれないが、まさかあんな事になるとは……

 

「? オイまどか。あれほむらか?」

 

「どれ?…うんそうだね。おさげしてるし」

 

「おいおい頭フラフラしてるぞ。アイツ大丈夫か?」

 

「昨日は色々あったから、興奮して眠れなかったんだよ。きっと」

 

「仕方ねぇなぁ。ちょっとビックリさせて眠気を覚ましてやるか……やるぞ!まどか」

 

「うん♪いつでもいいよ」

 

クロトとまどかは音をたてないように、忍び寄り

 

 

「ほむううらあああ!!」「おっはよう♪」 トン

 

大声で名前を呼び肩を叩いた

 

「うひゃう!!?」ビクッ!!

 

「目が醒めたか?朝から寝るなよ」「授業受けれないよ?」

 

「…………」

 

しかし、ほむらから返事はなく硬直したように、突っ立っている

 

「?どうした?ほむら」「調子悪いの?」

 

そう言ってまどかはほむらの肩に手を置いた。すると、ほむらの体がクロトの方に倒れた

 

「おい!?大丈夫か?」ガクガク

 

「ほむらちゃん!?」

 

「………」チーーン

 

肩を揺すっても返事はなく、首がダラーンとなっている。

そこで二人が出した結論は

 

 

 

「「……………ほむら(ちゃん)が死んだ!!」」

 

「この人でなし!!」

 

「ちょっ!?まどかだってやったじゃねぇーか」

 

ギャーギャー言い争っている二人に、さやかと仁美が呆れた顔をしながらやって来た

 

「あんた達なににしてんの?」

 

「おはようございます。まどかさん、クロト君…あら?ほむほむさん?」

 

「違うんだ仁美!!俺は悪くねぇ、俺は悪くねぇ、悪いのは全部まどかなんだ!」

 

「クロ君!?私に責任を押し付けようとしないでよっ!」

 

そんな喧しい二人を無視して、仁美はほむらの状態を確認すると…

 

「……気絶してますわね。なにかあったんでしょうか」

 

「「へ?」」

 

 

 

 

 

「あんた達、転校生に何してんのよ!!」

 

あの後、なんとか落ち着いたものの気絶したほむらをどうするかと言う話になった

 

「まさか少しビックリさせようとしただけで、気絶するとは思わんだろ」

 

「こっちがビックリしたくらいだよ」

 

「いやまぁそうだけどさ…ハァ、もういいや、それで?転校生どうするの」

 

「どうするもこうするも、運ぶしかないだろ。さやか、仁美手伝ってくれ」

 

「うん」「はい」

 

クロトはそう言ってしゃがみこみさやかと仁美は支えていたほむらをその背に乗せた

 

「よっと、まどかは鞄な」

 

「うん」

 

──昨日も思ったけど、やっぱり軽いな飯食べてるのかコイツ?……てか少しヤバイな仄かにいい匂いがしてくるんだが……

 

「ほほう(☆∀☆)役得ですなぁクロト君!」

 

「絵になってますわよ」

 

──絡んで来やがったコイツら。……メンドクセェ…

 

「うっさい。俺のせいなんだから、運ぶのは当たり前だろうが」

 

「ふふ♪昨日なんかお姫さまだっこしてたよね」

 

「「なん……だと」」

 

「こら!まどか!!」

 

「クロト!あんた転校初日のコイツにナニをした!!」

 

「クロトさん……いったい、いつの間にそんな仲に…不潔です!」

 

──ホント面倒くせぇ、どうするんだよ。これ絶対誤解されてんじゃねぇーか

 

クロトはふとまどかの方を見てみると

 

「ウェヒヒヒヒ」

 

口を手で押さえて笑っていた

 

──こ、コイツわざとか!?見た目は純粋っぽいのに、結構腹黒いな!?

 

ハァ…もういいや、ほっとこう

 

 

 

 

「それにしても、コイツ。これだけ騒いでるのに全然起きないわね」

 

「眠そうにしてたからね。そのせいだよ」

 

「ふむ……よく見ると結構かわいいな。でもなんかオシイ気がする」

 

「そうですわね。少しオシャレするといいかもしれません」

 

「……やる?」「もちろん♪」

 

「おいおい……起こすなよ?」

 

「クロ君も見てみたいんだね」

 

~数分後~

 

「「「「………誰?」」」」

 

そこには、黒髪の美少女がいた。髪はおさげをほどいて、艶のある真っ直ぐなストレートに、顔はメガネを外し、ほんのり化粧をして、唇には薄い紅の口紅が塗られていた。

 

「さやかッ!仁美ッ!誰が別人にしろと言った!!」

 

「わ、私は髪をほどいただけだよ」

 

「私もメガネを外して、軽く化粧を施しただけです。」

 

「ほむらちゃんお人形みたい」

 

「……どうしよう」

 

『キーンコーンカーン♪』

タイミングの悪い時にHR前の鐘が鳴り響く

 

「仕方ないこのまま、ほむらを机にセットするしかない。」

 

「賛成!」「そうですわね」「綺麗だからいいかな」

 

「…………」

 

~HR~

 

~ほむらside~

ユサユサ

──なんだろ?とても温かい感触があって気持ち良かったのに。今はそれが無くなったせいかな?ひどく頭がぼんやりする。それに、なんだか揺すられているような……『ほむら!』ハッ…あれ?教室!?私、登校中の記憶が無いけど…どうゆうこと??

 

「あ、あのー…暁美…さん?ですよね?」

 

──目の前には先生が居たけど様子が変だ。まるで初めて見る人がいて、確認の為に名前を呼んでいるような…取りあえず返事をしなくちゃ

 

「あっはい」

 

「デスヨネェー……くっ…私もこのくらい若ければっ!!」

 

──…なんだか先生から怨念のような視線を感じる。ハッキリ言って怖い…そういえば、視界がボヤける!?

 

「あっあれ?メガネが無い!?」

 

「ほらよ」

 

隣にいたクロトがメガネを手渡してきた

 

「あり、がと…でもなんで黒崎君が?」

 

「あー…何も覚えてないのか?」

 

「うん…登校中だったのは、覚えているんだけど、気付いたら教室で…」

 

「よし!『え?』なんでも無い…ええと、そう!お前な登校中に貧血で倒れたんだよ」

 

「ええぇ!?」

 

「んで、そのままにしとけないから俺が背をって連れて来たんだよ」

 

「そんな事があったんだ…ありがとう」ニッコリ♪

 

「!…まぁな///」

 

その様子を見ていた先生は

 

「うあああぁぁ(´Д⊂)リア充なんて滅べばいいのよぉ」ダッ

 

また逃げ出した

 

~ほむらside out~

 

 

 

~昼休み~

 

──予想はしていたが、朝教室に入ったら大変だった。『その美少女はだれだ』『リア充滅べ』等と、大騒ぎだったなぁほむらだと判ると、また大騒ぎしたけど、まぁ色々あったが───昼休みになると、昨日の約束通りマミさんの約束を守るため、さやかと仁美も呼んで五人で屋上で食べる事にした。

 

「まさか、あんた達があの巴先輩と知り合いだとは思わなかったわ」

 

「本人の前でアレは言うなよ?…泣くぞ。マミさん」

 

「あぁ、あの先輩ですわね 。私が居ても大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫。あの人、常に友達に飢えてるからな」

 

「黒崎君も結構ヒドイね」

 

「でも本当だよ?」

 

五人は屋上に上がる階段を昇りながら、話をしていると屋上の扉が見えた。

 

「じゃあ行くぞ」

ガチャッ

「ティロ・フィナーレ!!」ビシッ

パタン

「…クロ君」「…黒崎君」「…クロト」「…クロト君」

 

「……何も言うな!……忘れろ」

 

──……マミさん。なんで学校で必殺技の発声練習してるんですか?

 

 

 

 

「カッコ悪い所見せちゃったわね♪」

 

「「「「「いえ…べつに…」」」」」

 

その後、何事もなかったようにするマミにそう

言うしか出来なかった五人だった。

 

「あの黒崎君」

 

「どうした?ほむら」

 

「あの…そのお弁当はどうしてるの?」

 

「これか?まどかのお父さんに毎日作って貰っているんだよ」

 

「そう、なんだ。あっあのね明日お弁当作るから食べて…くれないかな?」

 

「おやおや」「まぁまぁ」「ウェヒヒ」「大胆ね♪」

 

「え?」

 

「べっ別に変な意味じゃ…なくて今朝のお礼がしたくて」

 

「うっ」グサッ「どうしたの?」

 

──心が痛いな、まさかビックリさせて気絶したとは言えないし、ここで断るなんて無理だ!!…素直に貰うか

 

「そこまで言われたら断れねぇな。頼むわ」

 

「うん!」

 

こうして、甘酸っぱい青春のような会話をしながら昼休みは終わった

 

 




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