魔法少女まどか☆マギカ~心を写す瞳~   作:エントランス

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評価に0を入れられていたのでビックリしました。
一の評価の時………私、何かしましたっけ?
っと、まぁそんな感じで、少し凹んでいます。


ですが、そんな事にめげないよう頑張るので、応援よろしくお願いします。

長く愚痴を言ってしまいましたが、それではドウゾ


定春という存在

~通学路・登校~

 

昨日の雨が嘘の様に晴れ渡り、所々に溜まった水溜まりが太陽の光を木々に反射させてキラキラ光輝く場所で、さやかと仁美は何時も通り雑談をしながらクロトとまどかを待っていた。

 

「え?まどかの奴、仁美にそんな事を聞いたの?」

 

二人を待っている間、仁美と話していたさやかは、仁美から昨日まどかから電話があった事を聞く。

その内容は仁美の実家で犬のペットフードを扱ってないか?というものだった。

 

「ええ。幸い私の財閥では、そういった物も扱っていたので、『ありますが』と伝えたら

まどかさん『一杯買うから安く出来ない?』と申されて…」

 

「犬ねぇ……。アイツん家って犬、居なかったよね?」

 

「以前、私がまどかさんの家に遊びにお邪魔した時には。

……拾われたのでしょうか?」

 

「少し気になるけど……まぁいいや。それで?なんて答えたの?」

 

「『お友達からお金は受け取れません!差し上げます』と言って、

 まどかさんの御自宅に、最高級ドッグフードを1000袋ほど送っておきましたわ」

 

「うわぁーさすが金持ち。気前の良さのスケールが違うわぁ」

 

さやかは仁美の気前の良さに頬を引き吊らせながら、まどかの犬について考えてみた。

 

「でもさ『一杯買う』って……犬ってそんなにドッグフードいるの?」

 

「さぁ?何分、私もノリと勢いで1000袋送ってしまったのですが…。

───もしかしたら、相当大きいのかも…」

 

「何言ってんの1000袋なんて犬が食べきれる訳ないじゃん♪」

 

「ですよねぇ♪」

 

アハハウフフと二人が笑う中、何処からともなく声が聞こえてきた。

 

「──(さやかちゃーーん)!!──(仁美ちゃーーん)!!」

 

「ん?」

 

「今の声………まどかさん?」

 

二人は微かに聞こえた親友の声に、キョロキョロと見回していると

ドドドドドッと地鳴りの様な音が響いてきた。

 

「な、なに!?」

 

「あっさやかさん後ろ…」

 

「え?」

バクン

 

振り向いた途端さやかの視界は真っ暗になった。

 

「あれ?急に真っ暗になったんだけど、ここ何処?

…つーか頭がメチャクチャ痛い上に血生臭いんだけど」

 

……それは、さやかが首から上を定春の口にくわえられたからだし、血生臭いのは自分の血だ。

 

「きゃあああああァァァ!!?さやかさァァーーん!!」

 

「さやかをカジんなよ。それはビーフジャーキーじゃねぇーぞ」

 

「定春!さやかちゃんを食べちゃっ──メッ!!」

 

突然現れてさやかの頭を飲み込んだ定春に、仁美は悲鳴を上げ、

定春の背に乗っているクロトとまどかは、定春を止めようと定春を叱る様に注意した。

そして、二人の言葉を理解したのか。定春は大人しくさやかを解放する。

 

解放されたさやかの顔は血だらけだった。

 

 

───────

 

─────

 

───

 

「で?あの化け物は何なの?」

 

血だらけだった頭の治療を終えて顔中を包帯だらけ状態のさやかは、

少し先で仁美に突進して、アラアラウフフと笑顔で片手だけで突進を受け止められている定春を指差した。

 

……誰もツッコまないが、仁美は襲われている。

でも仁美は襲われている事なんて気にしておらず、定春の攻撃なんてものともしてしない。

細身で細腕のお嬢様とは思えない怪力で定春の巨体を力業で押さえ込んでいる。

 

─────とんでもないお嬢様だ……。

 

「化け物じゃないよ定春って言うの。昨日、そこの公園で拾っちゃった♪カワイイでしょ♪」

 

「『拾っちゃった♪』───じゃないよ!!

なんでアレを捨て犬を拾っちゃったみたいなノリで普通の犬扱い出来るの!?

あんなん完全に妖怪や化け物の(たぐい)じゃん」

 

基準のおかしいまどかに、さやかは定春を罵倒した。

しかしクロトはさやかに──

 

「さやか、気を付けろよ」

 

「?何を…」

 ガリッ

 

忠告をした……が、遅かったようでさやかは再び後ろから定春に頭をかじられてしまった。

ぎぃやぁぁぁぁぁと さやかは悲鳴をあげる。

 

「定春はある程度人の言ってる悪意の言葉が、感覚で分かるらしくてな……。

悪口を言われると そうやって飼い主(まどか)と、飼い主がダメって言った奴以外の頭に噛み付く癖があんだ。

現に定春を捨てようとした詢子さんは、今のお前みたいに頭を噛まれて今朝、包帯女で出勤してた」

 

「それを早く言ってよ!!───って…イダ…イダダダダッ!噛む力強くなって…『因みに定春は昨日、玩具として鰹節一本噛み砕いてたぞ』ゴメンゴメン!!ご免なさいッ(ゆる)して下さい!!」

 

大きな声をあげたせいだろうか…

定春はさやかを噛む力を強めて頭皮に歯がくい込んでいく。

其処にクロトの“鰹節”一本を噛み砕いていたと聞いて、さやかは顔を青ざめさせる。

 

鰹節は世界で一番堅いとされている食材だ。

そんな食材を噛み砕いたとなれば、さやかの頭は木っ端微塵だろう。

 

そんな自分のビジョンが見えたのだろうか…。

さやかは定春に懇願するように、(定春)に対して涙目になりながらも本気(ガチ)で謝る。

 

「定春。さやかちゃんも謝ってるから離してあげて」

 

「ワフッ」

 

まどかが定春を撫でながらそう言うと定春はさやかを解放した。

 

「あいたたたた………マジ死ぬかと思った……ハァ…。

───そういえば、なんであんた達コイツに乗ってきたの?」

 

「遅刻しそうだったんだよ。今朝、仁美から大量のドッグフードの山がまどかん家に贈られて来てな。

その整理を手伝ってたら時間がヤバかった」

 

「そしたら定春が私達を背中に乗せてくれたの

 凄かったよ~自動車みたいに速かったんだから────ねぇ~定春」

 

「ワン」

 

顎の下を撫でられて誉められた定春は嬉しそうに吠えた。

 

「はは……こんだけデカければ、そりゃ速いよね。……こりゃエサが大量に要るわけだわ」

 

「そうなんだよ。コイツは見た目通り かなり大食漢でな

 ────朝なんて早速、七袋も平気な顔をして平らげやがった」

 

「うん。だから仁美ちゃんにはホント感謝してるの……じゃなきゃ、お小遣い無くなってたもん」

 

「ウフフ、お役に立てて私も嬉しい限りですわ♪

定春君のドッグフードが無くなりそうになったらまた教えて下さいね。

また、お届け致しますので」

 

「えっいいの!?ありがとう仁美ちゃん」

 

莫大な費用の掛かる定春のエサ代が、親友の厚意でタダになって喜ぶまどか。

仁美は『気にしないで下さい』と言って定春を撫でようとしたらガリッと手を噛まれた。

 

───────

 

─────

 

───

 

───そんな感じで、まどかが定春に跨がって可愛がったり、

クロトが鞄からビーフジャーキーを取り出して、定春にご褒美をあげたり、

仁美がまた定春に襲われ定春と激闘を繰り広げた末に、定春が仁美に服従したり、

さやかが定春に噛まれたり、さやかが定春に噛まれたり、さやかが定春に噛まれたり……

 

そうやって全員(二名以外)定春と遊んでいると、いつの間にか四人は校門前まで来ていた。

校内に入れない定春は校門前でまどかが自分から降りると、家に帰るように言う。

 

「定春。お昼はパパが定春のオヤツにB(ブルー)B(ブラット)コーンを用意してあるから、それを食べてね♪」

 

「ワン」

 

定春は一吠えすると元来た道を走って行き、まどかは『人を噛んじゃダメだよ~』っと言って見送り クロト達と出血多量気味で倒れたさやかを、クロトと仁美が担いで教室に向かうのであった。

 

「……なんで……私、には……なつか、ない……のよ……」

 

……人望…というか、ナメめられてんじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~定春・帰宅道中~

 

定春が、まどかに言われて鹿目邸へと歩いて帰宅している。

 

この定春。

いままで世話をしてくれた小さな子供や自分を拾ってくれたまどか達の事は好きなのか、

巨大な犬が歩いていると子供達や女性が触って来るが、来ても大人しくしている。

 

……流石、仁美のような人外が闊歩する街だ…普通では有り得ないような存在──定春を受け入れている。

 

そうやって人だかりに群がられたりしながら、新しい自分の家へ帰宅していると

誰も居なくなった公園で、一人の制服を着た長い黒髪の女の子が定春の方へ歩いて来た。

 

定春はその少女が、いままで群がってきた人と明らかに違う雰囲気を纏って近付いて来るので

脚を止め、その少女をじっと見つめている。

そして……少女の脚が、定春の前まで来ると、

 

「……この巨体、純白の毛並み、勾玉状の眉毛……報告通りね───来て…」

 

そう告げて、人気の無い森のような公園の植え込みの方へ歩いて行く少女を、定春は後ろから見ていると

少女はチラッと定春を見て定春を待っている。

 

定春は首を傾げながらも、その少女から主人(まどか)の匂いを嗅ぎ取り、何となく気になった定春は少女に着いて行く。

 

────公園の奥。木々の覆い繁る誰も居ない場所まで行くと。

少女は立ち止まって、着いてきた定春の方を振り向く。

 

「……ここまで来ればいいでしょう─────アオダ──」

 

『はい。ほむら様』

 

少女───ほむらがそう呼ぶと、森の奥からスルスルと地面を擦るような音を立てて、ほむらの相棒

パートナー

大蛇のアオダが姿を現した。

 

突然出てきた大蛇に、定春は警戒して毛を逆立ててウ゛ゥ~と唸り出す。

────しかし──

 

「心配しないで……私達は敵じゃないわ」

 

ほむらは定春の頭に手を置くと優しく語り掛ける。

定春はほむらとアオダの顔を交互に見て、敵意を感じないと分かると唸るのをやめると大人しくなった。

 

「フフ……いい子ね」

 

「ワフッ」

 

素直に言う事を聞いてくれた定春を、年相応の笑みを浮かべて頭を撫でるほむら。

 

『…しかし私も驚きました。

まさか、まどかお嬢様が御自宅でこの“戌神(いぬがみ)”を飼うことになろうとは…』

 

「昨日聞いたけど、確かあなた達の一族の遠い親戚……なのよね?」

 

『ええ。我らがパンデモニウム一族の中で、一部の“大神(おおかみ)”という巨大狼の姿をした個体が、他種族の犬種と交配した結果、産まれたのが この“戌神(いぬがみ)”なのです。─────しかし、その戌神も永い年月を経て交配を続けるうちに、その血も薄まり普通の大きめな犬として人々の間で飼われていたと────もう絶滅したと思っていましたが……。

そして薄まった血でこの大きさ……多分、この子は血が濃くなる現象“先祖帰り”を…』

 

「絶滅したと思ってた?…あなた達の親戚なら、パンデモニウムネットワーク──パンデモネットに繋がっているんじゃないの?」

 

『…極うっすらと繋がってはいるのですが……。

おそらく他種族と交配をしてしまった結果ネットワークの繋がりも薄くなったのでしょう。

今では我々の感覚共有の一部。ほむら様の施した『視覚』の部分位しか、残っていないと思います』

 

「私の施した……ということは この子、キュゥべえの姿が視えるのね?」

 

『はい』

 

アオダの言葉にほむらは眼を閉じ腕を組んで何かを思案し、少しすると眼を開けてボーッとほむら達を見ていた定春に話し掛ける。

 

「まずは着いて来てくれてありがとう。それと、話し込んじゃってゴメンね。

実は私、貴方に頼みたいことがあるの……聞いてくれる?」

 

「…ワン」

 

定春は短く返事を返すと、お座りをして話を聞く姿勢になった。

 

「……ありがとう

───これは貴方をアオダの親族として信用して言うのだけど、貴方の主人とその幼馴染み……。

つまり、まどかとクロトの事なんだけど──」

 

 

───────

 

─────

 

───

 

 

~その日の夜・鹿目家~

 

夕飯を食べ終えて、今日の魔女退治見学を観てきたクロトとまどかは、二人ともまどかの部屋で今日の宿題をやっていた────とはいってもクロトは既に済ませ、まどかの宿題を手伝っていたが…。

 

Q.1

次の英文を、魂の叫びを表現して訳しなさい。

 

What color is your blood!!

 

「うぅ~ぅ~魂の叫び?…クロ君この英文なんて訳せばいいの?」

 

「どれだ?……あぁソレか。それはな『テメェ等の血は何色だッ!!』だ」

 

「…えぇ~…確かに魂の叫びを表現してるけど……じゃあコレは?」

 

Q.2

次の英文を、兄貴分が弟分に勇気を与えるような表現になるように訳しなさい。

 

If I think, "I murder you" in a heart! The action has been already over then!

 

「コレは……ちょっとお前じゃ厳しいかもな。コレは───

『「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!』だ」

 

「……………」

 

「ちなみに次の英文は──」

 

Q.3

次の英文を、人を蔑み、大いなる力を手に入れて高笑いする何処かの大佐の様に表現して訳しなさい。

 

HA HA HA! look! A person is like the garbage!!

 

「『ハッハッハ!みろ!人がゴミのようだ!!』だ。よく覚えとけよ」

 

「覚えたくないよ そんな言葉!!

 というか さっきから何なのこの英文!?何処かの大佐って誰!!?

 これ、絶対早乙女先生が悪ふざけで作った問題(産物)でしょ!!」

 

「……俺に言うなよ」

 

あまりの英文内容に、やってられるかァァ!とプリントを投げ捨てて頭を抱えるまどかに同情するクロト。

そこに、まどかのベッドで丸くなって寝ていたキュゥべえが起きる。

 

『なら君が僕に願い事で、先生とやらを真人間にしてあげればいいんじゃないかな?』

 

「キュゥべえ。それは先生がダメ人間ということになるんだが……」

 

「……本当に…そんなことが……出来るの…」

 

「おいバカッ!なにちょっと乗り気になってんだよ!!」

 

『当然さ!君たち魔法少女は、条理を覆す存在だからね。

一人の人間を真っ当な道に戻す事なんて、君の素質からしたら余裕でお釣がくるよ』

 

「私の願いで……先生を真人間に……」

 

「まどか!お前は一体どういう願いで魔法少女に成るつもりなんだッ!?

ていうかお前、先生をダメ人間だと思ってたのか!?」

 

クロトのツッコミも虚しく、話をドンドン進めていく一人と一匹。

───しかし、そんなキュゥべえの後ろに、近付く影が一つ

 

『さぁ鹿目まどか。君はど…ガリッ──んプギゥ』

 

定春だった。

いつの間にか まどかの部屋に侵入した定春は、契約をしようとしていたキュゥべえを丸カジりする。

 

「さっ定春!?あなたどうやって私の部屋に入って来たの!!?」

 

「ワン」

ゴクッ

 

「ワンじゃなく──ってああァァ!!定春が吠えたからキュゥべえが丸飲みにィィィッ!?」

 

「つーか定春。キュゥべえが視えてるのか?」

 

「そんな事言ってる場合じゃないよ!!クロ君も手伝ってよ!!」

 

まどかはそのまま部屋から出ようとする定春を、口からはみ出ているキュゥべえの耳手を掴んで吐き出させようと引き留めている。

 

 

 

そして定春はキュゥべえを助けようとする二人を見て、ほむらに言われていた事を思い出していた。

 

『あの二人は今、キュゥべえと呼ばれる白い小さな獣に目を付けられている。

だから貴方には、そいつと二人が契約しないよう私が二人の傍に居ない間でいいから護って欲しいの』

 

 

───あの時、言われた事はよく分からなかったが、取り合えず定春はこのよく分からない生物を可愛がる主人の姿を想像して、面白くないと思ったのか、あの少女の言う通りこの生物の邪魔をして主人を護ろうと決意する。

 

 

 

 

 

 

 

「さっ定春ッ!いい子だから吐き出して!!キュゥべえ美味しくないでしょ!!」

 

「何味だッ!!

サラミ味か!?

コーンポタージュ味か!?

それともイタリアンバジル味なのか!?」

 

「どーでもいいでしょ!!───っていうかクロ君マニアックだね。

 ちなみに私はレアなチョコレート味だよ♪」

 

『まどかこそどーでもいいよ!!

早く助け…あ゛あ゛ァァ溶ける!!脚の先がピリピリするゥゥゥ!!!!』

 

 

 




さて、そろそろあのDVDの行方を書きますか

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