魔法少女まどか☆マギカ~心を写す瞳~   作:エントランス

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最近気付いたんですが、ほむらの三日月型ペンダント
NARUTOの原作で六道仙人の息子インドラの三日月と偶然の一致してました。
黒髪、美形、三日月、写輪眼……ほむらがうちは一族にしか見えない。



午後の一時と血液型

~昼休み・屋上~

 

『さやか狂戦士化事件』から時間は過ぎ、お昼時になった頃にはクラスの奴等も徐々に重傷から回復してきて

騒ぎも治まって来た頃、狂戦士化から元に戻ったさやかと、俺、まどか、ほむらの四人と、弁当を(たか)りに来たキュゥべえ一匹は屋上に来ていた。

 

「全く、乙女の顔をなんだと思ってんのよ。あんた達は!」

 

怒っているさやかはワックスでガッチガチに固められた髪を、先生が買ってきたシャンプーで洗ってタオルで髪を乾かし、化粧を落としながら俺達を睨み、

 

「はからっへ、ほほまへふるのはよ」

[訳](だからって、ここまでするのかよ)

 

『さやか狂戦士化事件』で、人間の限界を越えた動きをするさやかに捕まった俺は、さやかに顔を集中的に殴られ、ボコボコになった顔を包帯でグルグル巻きにして、ほむらに魔法で治して貰いながらさやかに文句を言う。

 

───まぁ…俺達が悪いんだけどな…

 

「当たり前じゃない!!あんた等が油性マジックなんか使うから、未だに邪気眼と真っ黒に塗られた瞼がそのままなんだよ!?」

 

「良く似合ってるわ……バカっぽい所とか」

 

「なにををををを!!!」

 

ほむら……火に油を注ぐんじゃねぇーよ。

 

「────はい。終わったわよクロト」

 

「ぷはっ…ふぅ……サンキューほむら」

 

息苦しかった顔の包帯を脱ぎ捨てて献身的に治療をしてくれたほむらに俺は礼を言い、もう異常は無いか顔を摩って確かめて俺は鞄の中から弁当箱を取り出す……アレ?

 

「?どうしたのクロ君?」

 

「いや……俺の弁当ってこんなに軽かったけ?」

 

俺は手に持つ弁当箱の重さに嫌な予感を感じつつ、ゆっくりと蓋を開けていく。

 

「ハァッ!!?」

 

そこに何時もの知久さんお手製の色とりどりのおかずも、主食となる食べ物も全て食い散らかされていた。

その無惨な弁当箱を愕然とした表情で見ていた俺だが、そうしていると隣からまどかの悲鳴が聞こえて来た。

 

「あああぁぁーーーー!!!私のお弁当が食べられてるぅーーー!?!?」

 

「お前もか!?」

 

見れば、俺と同じ弁当箱を膝に乗せているまどかの弁当箱には何も無かった。

 

「どういう事だ。今日はさやかから逃げて以来、教室からは出てないのに…」

 

「私もだよ…」

 

落ち込む俺達に、さやかとほむらは自分達の弁当箱の中身を確かめてホッとしている。

 

「なんであんた達のだけ無いの?私とほむらのはあるのに」

 

「……簡単よ。犯人は、おそらく同じ中身であろう、クロトとまどかの美味しいお弁当を狙ったのよ」

 

「…知久さんの料理の味が気に入ったのか…」

 

「パパの料理が気に入ってくれたのは嬉しいけどその分、私達の悲しみは倍増だよ」

 

何時もご馳走になっているからその気持ちは分かるが、腹立たしい気分は晴れない。

まどかなんか眼からタパーっと涙流してるし。

 

「しかし誰が……。さっきも言ったが、さやかの件以降、俺達は教室を出てないんだぜ?」

 

「いるじゃない。美樹さやかの件で誰も居なくなった教室に───たった()()だけ…」

 

「「「……………」」」

 

……ほむらのその言葉に、俺達はまどかの膝の上で座っている…

 

『ん?なんだい?』

 

─────キュゥべえを見た。

 

「……そういえば、いたなぁお前」

 

「あの時、確か私の鞄の上で寝てたよね。キュゥべえ…」

 

「あんたなら姿も見えないし、見つからないよねぇ…」

 

『………さて、何のことやら…』

 

生物(ナマモノ)。口にソースが付いてるわよ」

 

『あっヤバッ!クロトのハンバーグ……あっ』

 

「てめぇじゃねぇーか!!」

 

ほむらのお陰で犯人の分かった俺はキュゥべえの伸びている右耳を掴んで、

 

「どうしてくれるの!?今日はおやつのマカロンが入ってたのに!!」

 

まどかは好物のマカロンを食われて我慢の限界だったんだろう。反対の左耳を掴んで、俺達は思いっきり綱引きの要領で引っ張った。

 

『いだだだだだ!!違うんだよ寝起きに凄い良い匂いがまどかの鞄からしたから、勝手に僕の口に吸い込まれるようにさ…』

 

「明らかにお前が吸い込んでんだろ!!」

 

『違うんだよコレ…アレ…とろけそうだったよ』

 

「とろけてるのはキュゥべえの脳髄(のうずい)でしょ!!」

 

人の弁当を食ったってのに、なんてふてぶてしい野郎だ。謝りもしねぇ

それに知久さんのハンバーグっていったら───

 

「テメェが食ったあのハンバーグはなァ『宝石肉(ジュエルミート)』って言ってこの世の物とは思えない程、旨い肉を使った知久さん特製ハンバーグなんだぞ!!」

 

「私のマカロンもね。『虹の実』ていう七色の味がする凄い果実を使った至高の一品なんだよ!?貴重だから滅多に食べられないおやつなのにどうしてくれるのォーーー!!」

 

思い出したら腹が立ってきた俺とまどかは、引っ張る力を更に上げてミリミリという音がするまで引っ張る。

 

『あだだだだだだ!!千切れるゥ!!このままだと、耳が千切れてただの猫になるゥゥゥ!!!!』

 

「うるせぇ!!どうせコレなんて人間の口と鼻の間にある窪みみたいなモンだろ!!」

 

「クロ君…それって要するに良く分かんないって事だよね?」

 

当たり前だろ、実際なんなんだよ。この触手みたいなの……生えて来んのか?

 

『ギャァァァ!!────分かった。コレで手を打とう!君達が僕と契約して、お弁当を復活させれば…』

 

「「そんな事で契約するわけ(ねぇーだろ!!)(ないでしょ!!)」」ミチミチミチ

 

『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ァァァ!!!マジヤバイ!マジヤバイ!どのくらいヤバイかというとマジでヤバイ!!』

 

「お前の頭の方もマジでヤバイわね。二つの意味で」

 

「ほむら……あんた、なに上手いこと言ってんのよ」

 

その後も俺達はキュゥべえの耳毛を回転を加えたり、遊園地の珈琲カップみたいにグルグル回ったりしているうちに頭も少しは冷えて、落ち込んだ気持ちはそのままにキュゥべえを解放し、俺とまどかはため息を吐いて腹の虫が少しでも治まる様にしていた。

 

「ハァ…クロト蓋を貸して、私のお弁当半分あげるわ」

 

「えっマジで!?」

 

そんな俺達を見かねたのか、ほむらは自分の弁当の蓋を開けて色とりどりのおかずを差し出してくれた。

おまけに卵焼きなんか食べてみたけど、知久さんの卵焼き並みに旨いし。

 

───ほむらさんマジ天使。

 

「美樹さやか、貴女はまどかに全部献上しなさい」

 

「なんでよ!!」

 

……さやかには悪魔だな。

 

「美味しいよ♪さやかちゃん」ムグムグ

 

「───ってもう食べてるしィィ!!アレェェェ!?あんたいつの間に盗ったのォ!!?」

 

「まぁまぁ落ち着いて、ハイご馳走さま♪」

 

満足そうな顔をして、買っていたお茶を飲んで弁当を返すまどか。

 

「ハァ…いや、いいけど…………ねぇ。なんで漬物とカマボコしかないの?…ご飯は?エビフライは?」

 

「けふっ…」ポンポン

 

申し訳程度しか残って無いさやかの弁当に、さやかは額に怒りマークを浮かべてまどかに聞くと、まどかの返答は自分の胃の辺りを撫でていた。

 

「まあああぁぁぁどおおおおぉぉぉぉぉかあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「ウェヒヒヒヒヒ♪ご馳走さまでしたーー♪」

 

鬼の形相でまどかを追い掛けるさやかと、黒い笑みを浮かべて障害物を上手く使って逃げるまどか。

俺はそんな光景をほむらから貰ったお茶を飲みながら、ほむらと一緒に眺めていた。

 

──つーか、さやかの額の邪気眼が鬼の形相と相まって怖ぇな。

 

「ズズッ…ふう…平和だな」

 

「フフ…そうね」

 

そうやって俺達はつかの間の平和な時間を過ごしていた。

 

──────

 

────

 

──

 

~放課後・ミタキナルド~

 

今日は仁美に用事があると言って先に帰って貰い、除光液を買ってさやかのマジックを消してから魔女退治見学の為に、昨日魔女が現れたデパートの中にあるチェーン店ミタキナルドに集合した俺達は、注文を取って話し合いをしていた。

 

「さて♪魔法少女体験学習第一段!張り切っていってみましょうか♪準備はいい?」

 

「ふんびでひてふかふぁかふぃまふぇんふぁふぉれふぉって…ッゴク…来ました」

[訳](準備出来てるか分かりませんがコレ持って……ッゴク…来ました)

 

「……ごめんなさい…なんて言ったの?」

 

昼飯を食べていないさやかは山の様にハンバーガーを頼んで、口にハンバーガーをパンパンに詰めて喋りながら、布にくるんでいた鉄バットを取り出した。

端から見たらコレ……完全に怪しい奴だよな?

今だって通りすがりの人がヒソヒソこっち指差してるし…

 

「クロト、まどか。美樹さやかの事はほっときなさい。バカの仲間だと思われるわよ」

 

「ほむらちゃん…それはかわいそうだよ」

 

まどかはほむらの辛辣な一言に苦笑いしてる。

 

「……まぁ魔女退治に行くなら武器は必要ね。───準備しておいて良かった」

 

そう言って、ほむらは鞄の中から布に包まれたあるものを二つ取り出すと、テーブルの上に置いた。

 

「ほむらコレは?」

 

「昨日、あなた達が魔女退治の見学に行くから夜に私が改造しておいたあなた達の武器」

 

『受け取って』と言って、ほむらが俺とまどかの前に布に包まれた物を近付けた。

……アレ?さやかのは?

 

「ほむら、私のは?」

 

「………コレは私の魔法で防壁と魔法攻撃が一時的に出来るようにしてあるわ」

 

「ねぇ私のは?」

 

「結界内では、私と巴マミがあなた達を護るから攻撃は必要ないとは思うけど、一応……ね」

 

「……………」

 

───コイツ無かった事にしやがった。

俺とまどかは、落ち込むさやかを不憫に思いつつも渡された布を取ってみる。

 

「……クナイ?」

 

「わぁっ銃だ!」

 

俺には昨日ほむらが俺達を護る時に使っていた二本のクナイを。

まどかには黒光りするハンドガンタイプの拳銃が贈られた……まどか眼を輝かせるな!危ない奴みたいだぞ。

 

そう思いつつ俺はクナイを握ってみる───なんだコレ…やたらとシックリくる。

まるで、最初から俺の手に(あつら)えられていたみたいだ……。

その懐かしいような感覚に俺は戸惑いつつも、人目を気にして俺はクナイを鞄にしまう。

 

「それじゃ、昨日逃がした魔女の所に行くわ……着いてきて」

 

そう言って、ほむらはゴミを片付けるとデパートの出口に向かって歩いていく。

 

「えっ…暁美さん昨日の魔女の居場所分かっているの?」

 

「ええ、昨日の夜にアオダが報告してくれたから大体の居場所は分かってる」

 

「アオダ?」

 

「それって、昨日現れた大蛇だよな?……ペットか?」

 

俺がそう聞くと、ほむらは可笑しそうにクスッと笑っている。

 

「いいえ、彼は……そうね。付き合いの長い友人───になるのかしら…」

 

「へぇ~」「そうなんだ」

 

ほむらの表情から付き合いの長さが感じられて

俺とまどかが感心していると、ほむらが俺達の方を見てボソッと一言。

 

「あなた達にとっても……ね…」

 

「ん?どういうことだ?」

 

「…なんでもないわ。行きましょう」

 

ほむらはそう言って足早に外に出ていく。

そんな何かを誤魔化すような態度のほむらに、俺達は訳が分からず首を傾げていた。

 

──────

 

────

 

──

 

~見滝原郊外・廃墟施設~

 

ほむらの案内で魔女の結界に行く途中、クロト達はマミと、まどかの肩に乗るキュゥべえから魔女の痕跡やら魔女の探し方等を教えて貰っていると、ほむらの足は今は使われず廃れている建物の前で止まった。

 

「着いた…ここよ」

 

「……本当ね。この強い魔力の反応、間違いない」

 

マミは掌に持つソウルジェムが、点滅して光る反応を見てここに魔女が居ることを確信していると、ふと、上を見たさやかが叫び声をあげる。

 

「マミさん!あそこ!!」

 

『!!』

 

そこには、屋上からフラフラしたOL姿の女性が、靴を脱いで笑いながら落ちてくる光景だった。

それを見たまどかは悲鳴をあげ、クロトは女性を受け止めようと走り出していたが、マミはクロトを追い抜くと、魔法少女に変身して手を翳す……しかし…

 

「ハァ…アオダ」パチン

 

『御意!』

 

ほむらはダルそうにため息を吐くと、指を鳴らして友蛇のアオダの名前を喚ぶ。

すると大蛇は返事を返し、廃墟の窓から飛び出して女性を口に優しくくわえると

ゆっくりと降りてきて、そっと気絶した女性を地面に置いた。

 

それを見たクロト達はほっとして、女性を助けようとしていたマミは空中にリボンを出したまま、キュゥべえに手をポンッと『ドンマイ』とでもいう様に、脚に置かれ固まっていた……明らかに見せ場を盗られている。

 

「昨日の蛇さんだぁ♪どうしてここに?」

 

そしてまどかは女性を救った大蛇に駆け寄って行く。

どうやらキュゥべえを襲っていた時とは違い、

大蛇の優しい雰囲気を敏感に感じ取ったまどかは、恐怖の感情を薄れさせたみたいだ。

そんなまどかを見たクロト達も女性を助けた事で警戒心が弱まり、大蛇に集まっていく。

 

「こんな人気の無い場所だと“魔女の口付け”で自殺してしまう可能性があった。

だから夜、ここでアオダに自殺する人が現れれば、それを助ける様に頼んでいたの」

 

『先日はすみません。自己紹介が遅れましたがアオダと申します。

ほむら様の助手のような事をしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします』

 

アオダの丁寧な言葉遣いに、

 

「おう!よろしくな」

 

「よろしくお願いします。アオダさん」

 

「へぇ~あんたいい奴じゃん……昨日は消火器吹き掛けてごめんね?」

 

概ね好印象を与えたようだ。

何時もは喧嘩ッ早いさやかも、人助けをする光景を目撃して悪い奴ではないと思ったのか、素直にアオダに謝ってきた。

しかしアオダは首を振って気にするなと伝える。

 

「アオダ、監視ご苦労様───そろそろ戻る?」

 

『……そうですね。お願いします』

 

ほむらはアオダの肯定の言葉を聞くと魔法少女に変身してアオダの頭に手を置く。

するとアオダの何十mもあるアオダの巨体は、フッとクロト達の前から姿を消す。

そして、いきなり姿を消したアオダにクロト達はえぇ!?という顔になった。

 

「アオダさんが消えちゃった」

 

「……私、初めてあんたが魔法少女だと思ったわ」

 

「すげぇなコレがお前の魔法か?」

 

「いいえ、今のは借り物の魔法。

私でも限定的に使える様に昔、────()()()に調整して貰っただけ」

 

ほむらはクロトの問いに振り返らず、クロト達を引き連れて廃墟の入り口まで歩きながらそう答えた。

そして体育座りになって、キュゥべえに背中を撫でて貰っているマミに話し掛ける。

 

「巴マミ、何時までそうやって固まっているつもり?」

 

「……暁美さん…みんな…」

 

マミは錆び付いたブリキの様にギギギッと首をほむらの方に向けた。

だが、そのマミの顔は無表情で涙を垂れ流している。

……地味に恐い。

 

「ねぇ……昨日から思ってたんだけど、私って必要?

昨日なんか素質のある後輩たちを助けようとしたら、その後輩が予想以上に強くて、その時出ていけば明らかに邪魔だし、またチャンスが来たと思ったら貴女に見せ場を持っていかれるし、昨日なんて精々、解説しかしてないじゃない。

今だって折角、魔法を使って後輩たちに格好いいところを見せようとしたのに……なにあれ?大蛇が出てくるなんて私の魔法よりインパクトあり過ぎでしょ?つか、反則じゃね?

───もうね、なんか嫌になってきちゃった。いくら私がぼっちで孤独耐性があるとしても、ここまで見せ場を奪われ続けるのはキツいものがあるの……あぁ嫌だ。

こんな自分の出番を望んでいる汚い私なんて……アハハハハハハ─────」

 

壊れた様に無表情で笑い出したマミにクロト達はどう対処するか

円陣を組んでコソコソと話し合っていた。

 

「おいおい、どうすんだよ先輩が壊れたぞ……つーかデリケート過ぎんだろ。面倒くせぇよ」

 

「責任の一部はクロ君のせいでしょ。

なに自分は関係ありませんみたいな事言ってるの?」

 

「まどか、クロトは悪くないわ」

 

「いや、ほむら…大体あんたのせいじゃん」

 

「違う。繊細過ぎる巴マミが悪いのよ きっとAB型ね」

 

「私はA型よ」

 

ほむらはそう言うと、背を向けているマミからそんな声が聞こえてきた。

 

「………ヤベ、聞こえてた」

 

「A型ってさやかちゃんと一緒だよ」

 

「成る程、道理で最悪のハズ」

グサッ

 

「一緒にしないでよ あんなのと!!血液型なんかで人を判断すんな!!」

グサッ

 

「オイィィィィ!!刺さってる!先輩に全部刺さってんぞ!!!!」

 

心に杭が刺さったマミはリボンを天井に吊るして、首を───

「死にます」

 

「「待て待て待て待てェェェ!!!!」」

 

慌てたクロトとさやかはマミの脚を持って引き留め、まどか達はマミの説得に入る。

 

「マ、マミさんA型なんだ?A型は…え~と、アレ…ホラ良い所たくさんあるよ。ねぇほむらちゃん?」

 

「さぁ?私、A型じゃないから知らないわ。A型の美樹さやかが知ってるわよ。ねぇ?」

 

「私に話を振んなァ!!私が言ったら自画自賛みたいで変なカンジになるでしょ!!あんたが言いなさいよ!!」

 

「嫌よ。何でありもしない貴女の良い所を私が発掘しなくちゃいけないの?

恥知らず?A型は恥知らずなの?」

ドシュッ

 

『そうだよ。A型は恥知らずなんだから汚くても生きていけるだろう?だからマミ死なないで!』

ザスッ

 

「テメェら説得になってねぇーんだよッ!!!!」

 

「死にます」

 

「「「わあああああぁぁぁぁ!!?」」」

 

心に掘削機で柱を打ち付けられたマミは、魔法で出した銃をこめかみに突き付ける。

それを必死に止めるクロト達は、この後もマミを慰めるのに小一時間も時間を使うことになった。

 

──────

 

────

 

──

 

~一時間後~

 

「全く…余計な手間を掛けさせないで貰いたいわね」

 

「……ごめんなさい」

 

なんとかマミを立ち直らせることに成功したクロト達は、現在魔女の結界の入り口前でほむらによるマミの説教が行われていた。

……これではどちらが年上だか分からない。

 

「まぁその辺にしとけよ ほむら。

先輩も悪気があってあんな事になったんじゃないんだし、まだ魔女の姿も見てないのに一時間もここにいたんだ。早く行こうぜ」

 

「……クロトがそう言うなら…」

 

クロトの言葉をほむらは素直に聞き届け、クロト達は立ち直ったマミと一緒に魔女の結界の前に立った。

 

「みんな…カッコ悪い所見せちゃったわね」

 

その申し訳なさそうな顔にクロト達は苦笑いしていたが、マミはそんな事は気にせず気合いを入れ直す。

 

「それじゃ、行くわよ!!」

 

マミはさやかの鉄バットを握ると、鉄バットは形を変えて変な装飾の施されたバットに姿を変え、さやかを護る為の物だと説明すると、クロト達は結界の中に入って行った。

 

 

 

 




一言言っておきますが別にA型批判してませんよ?
自分もA型ですし。

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