ありがとうございます♪
さて、今回の話ですが、以前から企画していた遊園地デートです
キャラ崩壊もかなりあり、マミとクロトのお互いの一人称も変化します。
コレは銀魂のある話を参考にさせて戴きました
休日を使って書いていたので13000文字を越えたので前半と後半に分けました
どちらも今日出す予定なのでお楽しみに♪
~二月十三日・マミ宅~
ヴァレンタイン前日。
恋人が手作りを贈る為に、キッチンで悪戦苦闘している頃。
まどかとさやか、杏子の三人はマミから緊急の知らせがあると聞き、急いでマミのマンションに集合した。三人はマンション前で合流して一緒にマミの家に行き、呼び鈴を押して『入って』と返事があったので家の中に入る。
そこにはキュゥべえがいてマミと何か話していたようだが、話が終わったのかキュゥべえは影の中に融けるように消えてしまった。
マミは用意してあったカップを三人に差し出すと紅茶を淹れ、口の前で指を組むと真剣な顔で本題に入った。
「あなた逹を呼んだのは他でもないわ。奴が…奴が遂に動くとの情報が今入った所よ」
「…マミさん、それ本当?」
まどかが
「間違いないわ。奴の周りには常に私の
「決戦よ。奴も、奴の
「………そっか、マミさんがそのつもりなら私逹の命もマミさんに預けるよ」
「…ありがとう鹿目さん、頼りにしてるわよ。────さて、難しい話は終わり。お茶会にしましょう、ケーキ取ってくるわね♪」
頼りになる仲間からいい返事を貰ったマミは、鼻歌を歌いながら気分良くキッチンに入っていく。マミが居なくなったのを
「……ねぇさやかちゃん、杏子ちゃん。少し聞きたい事があるんだけど」
「どうしたの、まどか?」
「てか、なんであたしまで付き合わなきゃ…」
「………奴って誰かな?」
「「知らねェーのかよ!!」」
~二月十四日 見滝原ポートアイランド・時計塔広場前~
数年前に出来たこの人工島の駅の前にある時計塔、そのすぐ傍にある広場にクロトは来ていた。
実は前日、ここである人物と待ち合わせの約束をしており、その相手がまだ居なかったので、近くのベンチに座りスマホを弄って暇を潰している。
その格好は何時もよりオシャレな服装で黒のカーゴパンツを履き、下に白のTシャツを着て、シングルのライダースジャケットを羽織り、
首には勾玉が三つ付いたネックレスをかけ、赤い髪も軽くワックスで整えられていて、かなりファッションに気合いを入れた服装だ。
そんなクロトを女性の通行人は振り返って見惚れてたりもしていた。
───と、そこにクロトを呼ぶ声がする。待ち人が来たようだ。
「クロトーー! ハァハァ……ごめんなさい、遅れちゃって」
ほむらだ。
手にはピンクのかわいいバッグを持ち、服装は白の清楚系のワンピースを着て、その上に白いレースをあしらった青い上着を羽織っており、胸にはクロトから貰った三日月のペンダントのルビーが太陽に照され綺麗に輝いている。
その可憐な容姿に近くにいたカップルの男性も思わず眼がいってしまい、隣にいる彼女に腹パンを喰らっていた。
「いや気にすんな。俺も今来た所だから、そんなに待ってねーよ」
「そう、よかった。…実はこれを作ってて…」
ほむらは手に持ったピンクのバッグをクロトに見せながら微笑む。
少し膨らんでいることから、何か入っているのが分かる。
「なんだそれ?」
「フフ、ナイショ♪」
「なんだそりゃ。まぁいいや。遊園地に行くんだろ? 早く行こうぜ」
「ええ♪」
その微笑ましい光景を真上の時計塔の中で覗いていた、
「───んのアマ、何言ってんのよ! 弟君はねぇアナタが来るのを一時間も早く待っててくれてたのよ。どうしてくれるの!? 私が実の弟の様に可愛がってる弟君の人生を一時間も無駄にしてくれて!!」
グラサン掛けてマスケット銃でほむらを狙っている
「しょうがないわね。アナタの残りの人生、全てをかけて
怒りをあらわにするマミは、看護婦が注射針を血管に刺すようにゆっくりと照準をほむらの頭に狙いを定める。しかし怒りで震える手が邪魔で照準が定まらない。仕方ないので固定の為に杏子の肩を借りようと────
「待たんかィィィ!!お前何ィィィ!!? 奴ってアレか!? ほむらじゃねーか!! ただクロトとデートしに来ただけだろーがッ!!!」
だがそんな事を見逃せるハズもなく、杏子のツッコミが入った。
「遊びに来ただけよ!!デートだなんて認めないわ!!お姉ちゃんとも来たこと無いのに、それをあのアマ!! ヴァレンタインをいいことにそんなふしだらな事……お姉ちゃんは絶対認めませんからね!!」
「やかましぃーわ! あんたが一番ふしだらじゃねぇか!! アタシはそんなあんたを魔法少女だなんて絶対認めねぇーよ!!」
「杏子!!私もあんたが魔法少女だなんて絶対認めないわ!!」
「テメェはだまってろ!!───ったく冗談じゃねぇ。折角の休みに来てやったってのに、他人のデートの邪魔だぁ?やってらんねー、帰る」
「私がいつ邪魔しろだなんて頼んだのよ。
私はただあの女の抹殺を頼んでいるだけよ」
「もっと出来るか」
ごもっともです。
「だって、あの女が弟君を幸せに出来ると思うの!?見なさいよ、上着あの
「落ち着け、アタシはあんたの言っている意味が全然分かんねぇ」
「確かに私も弟君が好きになった子を認めてあげたいわよ?それで悩んで、色々考えて…考えに考えて───抹殺しかないな、という結論に…」
「色々考え過ぎだろ!!あんたは殺し屋か!!?」
「魔法少女なんて
「正義の魔法少女筆頭がとんでもねぇ事言い出したよ」
「姉というのはね、弟を護る為なら天使にも殺し屋にもなれるモノなのよ」
完全に周りが見えない危険な状態になっているマミに、杏子の言葉などもはや「馬の耳に念仏」全然届いていなかった。
「ハァ、ダメだこりゃ。おいさやか、お前もこの弟バカに何か言ってやれよ。アタシの言うことなんか聞きゃーしねぇ」
杏子はため息を吐き、これ以上自分でマミの説得は無理だと判断して近くにいるさやかに応援を求める。
「…………」
しかし、さやかから返事は無い。
さっきからずっとクロトと仲良く歩くほむらをジーッと見ている…というより睨んでいる。
「オイさやか、何黙ってんだよ」
「…さやか? 誰よソレ」スチャッ
「え?」
「今の私は殺し屋サヤカ
「あら、本当? 嬉しいわ。ハイこれ、一緒に弟君をあの女から護りましょう♪」
そういってグラサンを装備し、マミと並んでマスケット銃を構える
「……何やってんだ、さやか」
「……許せないのよ。昨日私が恭介を誘っても来れなかった遊園地に、転校して日の浅い転校生があっさりOK?…フフ、どいう事よ。おまけにふしだらなヴァレンタイン!?……ぶっ殺してやるゥゥッ!!」
「バカかお前は!!それただの
「そーよ、悪い? 私はただあの転校生を抹殺出来ればいいわ!だって不公平じゃない」
「わりぃに決まってるし、お前が自分の男誘えなかったのはただお前がヘタレだっただけだろうが!! いや、それ以前にお前誘ってねーだろ!? なんだよ“板チョコチケット”って!?」
「はぁ!?あんた見てたの!?」
「見てたよ!!この間お前が板チョコ買って、溶かして遊園地のチケットを埋め込んでまた板チョコに整形し直してたのをな!!意味分かんねぇし!おまけに昨日それあげた本人は、中にあるチケットに気付かずに全部食ってたしな。アホか!?普通に渡せよ!!」
「しょうがないじゃん!恥ずかしかったんだから、ああするしか無かったのよ!!」
その後もさやかと杏子の言い争いは続いた…だが、そうしているうちにクロトとほむらは遠ざかっていく。
「美樹さん…いえ──サヤカ13!!
「あっハイ!トモエ13!」
「おい、まてバカども!!」
杏子の制止も無視してマミとさやかは窓から飛び降り、着地すると二人の後を追う。
「はぁ……今のあのバカ共なら殺りかねねぇ。……おい、まどか。アイツらを止めるぞ」
「誰がまどかかな?」
「───は?」
「私の名前は殺し屋マドカ
面白そうだから一緒に行ってきまーす♪」スチャッ
そう言ってまどかグラサンを掛けると窓から飛び降りる。
「オイィィィィィィィ!!?テメェふざけんな!!これ以上面倒事を増やすんじゃねぇ!!」
そして杏子も三人を追う為、窓から飛び降りた。
なんだかんだで面倒見のいい奴である。
~見滝原ワルプルギスランド~
このいかにも天災の魔女が建てたような名前の遊園地は、創設者だった魔法少女が悪ふざけで付けた名称のテーマパーク。
そんな不吉そうな遊園地だが、は休日という事もありカップルや親子連れ、憐れな独り身等で大盛況。ごったがえった人でいっぱいだ。
その人混みの中でクロトとほむらは仲良くとある乗り物に乗り、気ままに楽しんでいた。
「にしてもこんなの乗るなんていつ以来だっけな……ハズい」
「フフ、いいじゃない♪ 私なんて遊園地そのものに来たことすら無いのよ?こういうの一度乗ってみたかったの」
「マジか!?……まっ、お前が楽しければいいか。ホラこっち向け、写真撮ってやる」
「やっヤメテ!?恥ずかしいわ///」
「アッハハハ♪しるか」パシャッ
紅潮しているほむらはカメラを構えるクロトに抗議するが、クロトはそれに構わずシャッターを押した。
「あっ!…もう…」
だが、その二人を狙う銃口が三つ。
「あの女…やるわね。これに乗るなんて。乗り物が上下に動くものだから狙いが中々定まらないわ」
「トモエ13さん。なんか狙ってたら気持ち悪くなってき……ウエェ」
「それにしてもトモエ13…いつになったらアイツらの乗り物に追い付けるんですか?さっきから全然距離が縮まらないんですけど」
バカ三人だった。
トモエ13は照準が合わない為撃てず、マドカ13は一点を眺めていた為吐き気を催し、サヤカ13は前にいる乗り物に追い付けず苛立っていた。
そんな三人に後ろからツッコミが飛ぶ。
「縮まるかあァァァァァァ!!!これメリーゴーランドだぞ!!?土台ごと一緒に回ってんだよ!! 永遠に回り続けてろバーカ!!」
…そう、クロト達が現在乗っている乗り物はワルプルギスの使い魔を模したメリーゴーランドでクロト達は桃色の毛の大きな犬に乗り、杏子は緑色のゾウに乗っている。
そりゃ距離が縮まる訳がない。
「ゴー○ングメリー号?そんな羊の海賊船に乗った覚えは無いわよ。それに私ボッチだったから遊園地なんて来たこと無くてそーゆー事、良く分からないわ。大人の遊園地に来ない?て、変なおじさんに言われた事はあるけど…なにかしらアレ?」
「そりゃアンタの胸がデカイからJCのコスプレだと思われてんだよ。間違ってもそっちの遊園地行くんじゃねーぞ!…ハァ、いいから早まった事はすんなよ。要はあの二人の告白を阻止すりゃいいんだろ?なら他に方法はいくらでもあるじゃねーか」
「なに佐倉さん、私達の仲間に入りたいの?殺し屋魔法少女同盟に入りたいの?」
「テメェらが血迷った事しねぇか見張りに来たんだよッッ!!!!」
……杏子も大変だ…。
「鬱陶しいわね」
~ジェットコースター~
「クロト、次はコレにしましょう」
『『『デッドオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!!』』』
ほむらの指差す物は、激しい高低さと遊園地を二週ほど巻くの長さのレールがあり、只今絶賛絶叫中の巨大なジェットコースターだった───悲鳴が途切れない。
「お前結構過激なの乗るな。コレって加速速度、スピード、長さ、最高高度でギネス載ってた奴だろ?」
「ええ、邪魔者を始m……じゃなかった。一度乗ってみたかったの」
とってもいい笑顔でそう言う。
言いかけた言葉がなければ見惚れそうな笑顔なのだが……。
「今、なんて言いかけた?」
「何でもないわ。ほら行きましょう」
ほむらはクロトの手を取るとジェットコースターの方に引っ張って行ってしまった。
それを見ていた四人組は───。
「マジでか!?アイツらこんなのに乗るのかよ!?」
「佐倉さんコレが何か知ってるの? さっきから乗ってる人の悲鳴が途絶えないんだけど…」
「マミさん知らないんですか?
コレが今人気のジェットコースター『ハリケーンワルプルギス』。
世界のギネスに登録されている物なんですよ」
「あっ聞いた事あるよ。コレにカップルで乗って恐怖で震えている彼女を慰めてそのまま
告白をしたらOKの返事貰いやすくなるんだってさ」
さやかの話からすると、どうやら吊り橋効果を狙ったやり方のようだ。
「ハッ!?まさかあの女、弟君を無理やり乗せて弱った弟君を介抱してそのまま告白をするつもりね!こうしちゃいられない、私達も乗るわよ!!」
「「ハイ!!」」
マミの呼び声に二人は元気良く応える。
「…まっ…いっか、アタシも乗ってみたかったし」
杏子もなんだかんだで楽しんでいるようで、笑顔で行列に並んだ。
四人がジェットコースターに行き順番が来ると、どうやらクロト達と同じ車両のようだ。ただ、四人がクロト達に見付からないようにコソコソしているとどういう訳か、さやかだけはぐれてしまい三人は最後尾の車両に、さやかは最前列から二列目のちょうどクロト達の真後ろになってしまった。
「オイ、さやかの奴大丈夫かよ。アイツらの真後ろだぞ」
「大丈夫だよ。さやかちゃんは影が薄いから、小学校の時かくれんぼしてたら誰にも見付けて貰えずに存在忘れてて、皆そのまま次の授業してたことあるし」
「メチャクチャかわいそうな小学校時代だなオイッ!?」
「あら、あの子もそんな事があったのね。…なつかしいわぁ」
「「え?」」
マミが頬に手を当てて昔を思い出していると、最前列の方から何か音がしてきた。
パシュッパシュッパシュッパシュッ
「?なにかしら?今なんか変な音が…」
「あいつらの辺だよな?」
二人は疑問に思っていたが、そうしているうちにカウントダウンのアナウンスが聞こえる。
──発射五秒前
「あっ!二人ともしっかり掴まって!首痛めるよ」
──発射四秒前
「マジで!?最初はゆっくり行くんじゃねぇのかよ」
──発射三秒前
「スタートから二秒で最高速度280Kmを越えるんだよ!?それがこのジェットコースターが怖い理由なの」
「280Kmォ!!?」
「ウソオオオォォォ!?」
──発射二秒前
「佐倉さん!!わっ私生きて帰れるかしら!?弟君の顔をまた見られるかしらァァ!?」
──発射一秒前
「知らねーよ!!ん? さやかの声…?」
杏子が衝撃に備えながら耳をすましてみると──。
『ヤメテェェェェェェ!!降ろしてェェェェェェ!!』
「どうしたんだアイツ」
発射前に既に絶叫していた。
──発射
─────シュゴオオオアアアアアアァァァ────
だが、そんな直前に止まれる訳もなくジェットコースターの車両は発射された。
その加速は凄まじく戦闘機並みの重力が乗組員全員を襲う。
「うおっ!?お、思ったよりキッツゥッ!! 」
杏子はジェットコースターの急加速の衝撃に驚き踏ん張る。
「そっそれよりさやかちゃんは大丈夫なの!?」
「そうよ!さっき叫んで──」
三人はさやかを心配して最前列を見ると──。
──────さやかが前から飛んで来た─────
「「「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛えええ!!!?!?」」」
ゴガシャッ
「ヘッブアァッ!!」「アブシッ!?」
そのままさやかはマミと杏子の顔面に直撃。
二人に激突したことでスピードは落ち、さやかはなんとか座席の枕に掴まる事が出来た。
だが余程の衝撃だったのだろう。杏子とマミは鼻を押さえている。
「は、鼻がアアア!!」
「さっさやか!テメェなにしてんだァァァァァァ!!!」
「さやかちゃん!?ベルトは、ベルトはどうしたの!?」
「はわッはわわわわわわ!!?あっアンチクショウ気付いてた! 気付いてたのよォォォォ!!!」
「み、美樹さん、落ち着いて!」
「あわわわわわ────」
さやかはテンパり
さやかの身になにが!?────後半に続く
後半は午後9時予定