魔法少女まどか☆マギカ~心を写す瞳~   作:エントランス

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そろそろ物語の進む時間が早くなります。



三巡目 変わっていく過去

~見滝原私立病院~

 

「………………」

 

─────純白の病室で二房の三編みをした一人の少女が眼を覚ます。

少女──ほむらは眼を見開き、無言で天井を見上げ、片方の手で胸に掛かったペンダントを握り締めもう片方の手でワルプルギスの夜との戦いで穢れたソウルジェムを眺め何かを考えている。

 

 

──…まずはキュゥべえの目的を調べないと…クロトは言ってた『何かカラクリがある』って

魔女は魔法少女……これは間違い無い、私自身の眼で見届けたんだから…気付かれない様にしないと。

…それに、以前から気になっていた…時々、キュゥべえの雰囲気がおかしい事があったわ、

私が契約した時にクロト達がみんな死んだのに表情を一つも変えないで悲しんでる様子もなかった…

まるで機械みたいに……そもそもアイツは何? 良く考えたら私達アイツの事なにも知らないじゃない

 

「取り合えず分かっているのは──」──スゥ──

 

ほむらは身体を起こす…写輪眼となって──その顔は怒りに歪み、ここには居ないキュゥべえを睨み付ける

様だった

 

「アイツは私達の敵で、魔法少女全員を騙している!!……伝えなくちゃ…みんなに…

 でもまだ時期じゃない…動き過ぎると、きっと気取られる……慎重に…(あせ)らないで…大丈夫…」

 

ほむらは自己暗示を掛けるように自分自身にそう言い聞かせ、荒ぶる心を落ち着けた。

だが、落ち着いて…そこで気付いた。

 

「フゥ…どちらにしろ動くならこの貧血を直さないと──ッ!?これは…ソウルジェムが…」

 

ほむらが貧血を治そうと増血魔法を使おうと再びソウルジェムを取り出してみると先程より少し濁っている

 

「まだ魔法も使ってないのに!?…待って……確かこのソウルジェムは私の魂…穢れは呪い…呪いは負の感情

………これは…私の感情に反応しているの?私がさっき怒りの感情を持ったから…だとしたら下手に感情的にならない方がいいわね……私はまだ魔女になるわけにはいかない────二人を生き残らせるまで…」

 

そう言ってほむらは増血魔法を使い、魔法少女に変身した。

 

「そうと決まればまずは魔女を倒しに行かな──…その前に装備の確認をしないと、あの有名なネズミ嫌い

などら焼き大好きの青ダヌキも袋の中身を点検をしてなかったから何時も肝心な時にピンチだったし…え~と───」

 

ほむらは盾の裏側に手を入れると中から、ほむらお手製の時限爆弾が出てきた。

 

「私が時間を見付けて作った時限爆弾が……五百本とクロトに無理言って作って貰ったクナイが……二百本

クロトに買って貰ったシュークリームが二百個に…え~と…と、巴マミから強奪したマスケット銃が三百本

巴マミの家の冷蔵庫から盗ってきたケーキが7ホール、巴マミの家から(無断で)貰ってきた中二病なテーブル

巴マミの家で私が使っていた紅茶セット、美樹さやかと志筑仁美が私にくれたクロトのプロマイド十数点

…お宝ね…師匠から頂いたまどかがある原因(笑)で着れなくなった高そうな服、数百点…まどかのお父様から頂いたパンデモニウムさん一匹…あら、こんにちわ『どうもです』…それから他には────」

 

 

 

 

 

 

 

~小一時間後~

 

ほむらが盾の中身を出し終える頃には純白の病室は所狭しと言った感じで様々な物で溢れていた。

………いろいろツッコミたいが……お前は盾に何を入れてやがる!?

 

「まぁ…こんな所かしら、盾に入れておくと腐らなくていいわねぇ…あっ美味しい」

 

冷蔵庫じゃねぇーよ

 

…思いの外、大量に入っていた為疲れたほむらは、変身を解き詢子から貰った服に着替え、絨毯(マミの)を敷きテーブル(マミの)を乗せ優雅に紅茶(マミの)を飲みクロトから奢って貰ったシュークリームを食べていた。

………完全に借りパクである。

 

「これ食べたら仕舞って魔女を倒しに行かないと」

 

『ほむらさん魔法少女だったんですね。驚きました』

 

「それはこちらのセリフよ…まぁいいわパンデモニウムさん…お久しぶりね」

 

そこに盾に収納されていたパンデモニウムが話し掛けてきた、ほむらも怖がる様子も無い所を見るとどうやら

克服したようだ、ほむらは紅茶とシュークリームを新たに用意するとパンデモニウムに差し出す。

 

「これどうぞ、クロトからの贈り物よ。美味しいわ」

 

『どうもスイマセン、頂きます』

 

黒髪美少女と人面巨大芋虫が仲良くお茶会している光景は……なんと言っていいやら……

 

「ええ、…それにしてもあなたまで着いてきたとは思わなかったわ」

 

『私も詳しいことは分かりませんが、貴女が変身したと思ったらあの盾に入って次の瞬間にはここに居ました』

 

「……盾の中は常に時間停止状態なのね、知らなかったわ…でもそのお陰で話し相手が出来て良かったけど」

 

『それよりこの状況を詳しく教えて頂けませんか?私も貴女が魔法少女なのは分かったのですが、それ以外はまだ良く把握出来ていないもので』

 

「そうね……なにから話していいものやら」

 

ほむらは紅茶を飲み、ゆっくり語り始めた────。

 

自分は時間を越えてクロトとまどかを助けに来た事、魔女の存在、魔女と魔法少女の関係、キュゥべえの事…

パンデモニウムはそれを静かに聞いて、時には泣き、時には喜んだりもした。

だが…ほむらが話終えると──パンデモニウムは怒っていた、只でさえ恐い顔は怒りによって更に恐くなり、それはパンデモニウムを克服したほむらでさえ恐怖を感じていた程だ。

 

『オノレ!私達が普段お世話になっている鹿目家のまどかお嬢様と御近所のクロト坊っちゃんになんて事を!!このパンデモニウムッ!!その“キュゥべえ”に容赦はせんッ!!ほむら様!!』

 

「はっハイ!?ほむら様?」

 

……何故かパンデモニウムの中でほむらの階級が上がったようだ

 

『そのキュゥべえとやらは我らにお任せをッ!!

我々のネットワークを使って必ずや奴の目的を調べて見せます!!』

 

「ええぇ!?ネットワーク!?どうゆう事?」

 

『これは鹿目家の方には言って無かったのですが、我々は世界中に仲間が居り、隠れ住んでいるのですが

その全ての個体は意識が繋がっているのです。ですからお役に立てるかと』

 

「なにその裏設定!?と言うよりあなた達がみんな動き出したら世界が大騒ぎよ?そもそもキュゥべえ自体

見えないじゃない!!」

 

『いえ、我々には高い擬態機能があり、未だに我々を見付けたのは鹿目家の知久様だけです。

見ることに関してはほむら様で私をなんとかしていただければ』

 

「出来なくは無いけど…とゆうかお父様凄いわね…ハァ…分かったわ、キュゥべえはあなた達に任せるわね」

 

「必ずや!!」

 

「………なぜこんなに忠誠心が強いのかしら…まぁいいわ、じゃあいくわよ」

 

ほむらはパンデモニウムの額にソウルジェムをそっと当てると、パンデモニウムの眼が紫色に光る。

 

「………ハイこれでキュゥべえを見る位は出来るハズよ」

 

『ありがとうございます。では、何か分かりましたら連絡します』スゥ タカカカカカカカッ

 

パンデモニウムはそう言うとほむらの目の前で消えた。

間近で見ても分からない程、物凄いカモフラージュでほむらも驚いている。

足音から察すると開いていた窓から飛び出していった様だ。

 

「…………ある意味凄い後ろ盾が出来たけど…フゥ…さて紅茶も飲んだし、そろそろ行こうかしら」

 

ほむらは紅茶セットを洗うと変身して病室の中を片付け始めた。

 

「クロトのプロマイドとかは間違えない様に一番奥に仕舞って、食べ物はその次ね…え~と、次は──」

 

ガチャッ

「暁美さーん大丈……え?」

 

「あっ看護婦さんご苦労様です。」

 

そんな絶賛片付け中の所に突如として看護婦がやって来た、看護婦は一面物だらけの部屋に固まった。

当たり前だ、数時間前まで何も無かったのに、病室を間違えたかと思うほど部屋が変わっていればこうなる

……ほむらは何時も通りだが…

 

「こっこれは一体…いつの間にこんなに友達が来たの!?とゆうか友達いたの!?」

 

驚く所が違うし、余計なお世話だ

 

──いるわよ!!ハァ…めんどくさいわね…あっそう言えばこの人…確か

 

──スゥ──ギィン───

「『看護婦さん落ち着いて…早く早退して婚活に』……お幸せに」

 

「うっぐ!……婚活…婚活…」パタン

 

……ほむらは手慣れた様に看護婦に写輪眼で催眠術を掛けると片眼を押さえると呟く

 

「………クロトの眼もだいぶ馴染んで来たようね…前からあった写輪眼の違和感も無くなって来たわ……

待っててね…必ず貴方が満足する光景を見せてあげるから……早くあなた達に会いたいわね……──ッ!

見付けた、魔女の気配!」

 

クロトの眼にそう言うと不意に魔女の気配が視界に入った、ほむらは盾に最後の爆弾を入れると窓の縁に脚をかける。

 

「…この先どんな事があろうと、この写輪眼と私の力があれば魔女を私一人で倒すくらい問題無いわ」

 

そう言い、ほむらは窓からジャンプして隣のビルまで飛んで行った。

 

 

どうでもいいが自分付きの看護婦で写輪眼のテストをすんな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………そして、時間は過ぎていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~退院から五日後~

 

 

 

ピッピッピッ…ドガァァァァァアアン

 

『ギイイィィィィィィィ!!?』

 

「フゥ…まぁこんなものね──ッ!…穢れが……」

 

ほむらはとある魔女の結界で魔女狩りをしていた、写輪眼のお陰で一日に二つグリーフシードを落とす事も

あり、かなりのペースで魔女を倒しているのだが、その分魔力の消耗も大きく流石にほむら一人では厳しく

なってきた。

 

「どうしようかしら…そろそろ巴マミに協力を頼まないとつらいわね…いえ…もう少し──『あれ?』!?」

 

ほむらが考え事をしていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「マミさーん、また魔女の気配が消えてますよ?」

 

「また?ここ三日間ずっとじゃない……おかしいわね」

「おい!キュゥべえ、本当にこの街に他の魔法少女は居ないんだよな?」

 

『そのハズだよ、僕は全ての魔法少女と契約をしているんだ。だから魔法少女が何処にいるか位は分かるんだよ』

 

「なにそれ!?そんなの初めて聞いたよ!?……気持ち悪い」

 

「ストーカーも真っ青な能力だな」

 

『聞かれた事に答えただけなのにひどいよ』

 

「……なぜ…」

 

ほむらには訳が分からなかった、後ろを振り向くと自分が何時も見ていた姿があったからだ。

だが、おかしい……何故ならソレを見るのはまだ早すぎる。

 

「あれ?あそこに誰か居るよ」

 

「本当だわ、…あの格好は…魔法少女?」

 

『…そうだね…彼女は一体…』

 

「なんだよ、アテになんねぇなキュゥべえ……ん?…アイツは…」

 

「なぜ…貴方が…魔導士に…」

 

そこには黒いレインコートを着た勾玉のソウルジェムを着けている魔導士──クロトが居た

 

 

 

 

────どんどん自分の知る歴史と異なっていく過去に不安になってゆくほむら……

 

 

───だが、時間は無情にも過ぎていく

 

 

……一週間後……

 




感想・評価をお待ちしております。

そう言えば、おりこ☆マギカ、かずみ☆マギカ…クロト☆マギカの方がいいかな?

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