魔法少女まどか☆マギカ~心を写す瞳~   作:エントランス

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今思えば二巡目ってまだ一日目なんですよね……次行きますか?


二巡目 ほむら改造計画(クロトという人物)

~鹿目家・まどかの部屋~

 

ピンクが基調の女の子らしい部屋、まどかの部屋にまどかとクロト、ほむらの三人がいた。

ただ…ほむらはまどかのベッドの上で膝を抱え、窓の外を見ながら無言で泣いていた。

それをなんと言って慰めたら良いか分からない二人は立ち尽くしている。

 

「………………」

 

「ほむら……逃げたのは悪かったからいい加減、無表情でさめざめと泣くなよ」

 

「……だって……だって……怖かった…」

 

クロトの言葉にほむらはクロトの方を涙を流しながら向く

だがクロトはとんでもないことを言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とか言いながらお前……七面鳥より大きいパンデモニウムを一人で完食してたじゃねぇーか…スゲーな」

 

「それは言わないでよッ!!」

 

 

 

 

 

────そう…あの後しばらくしてクロト達がほむらの様子を見てみると泣きながらパンデモニウムの

最後の一欠片を箸で掴んでいるほむらの姿があった。

それを見ていたクロト達は口を開けて固まり、ほむらもその一欠片を掴んだままクロト達の方を見て

汗をだらだら流し固まってしまい、知久はそんな光景ををニコニコしながら見ていた。

 

「ほむらちゃん……パンデモニウムさん美味しかったでしょ?」

 

「美味しかったよッ!!!腹が立つくらいッ!!!箸が止まらなかったし、なにあれ!?皮はパリッとして

芳ばしいし、中身は色々な野菜の甘みや酸味、沢山の果物の味、牛肉の旨みが凝縮した濃厚な味のお肉で

柔らかかったし、足は本当にお菓子みたいにサクサクして食べやすいし、悔しいけど私が作る料理より

美味しかったよッ!!てゆうか今まで食べてきた料理で一番美味しかったわよッ!!!」

 

ほむらは興奮気味にそう言った、どうにもあの外見であの味が納得出来ないようだ

 

「ティヒヒ♪パンデモニウムさんってパパが育てている食べきれなかった野菜や果物を食べて育ってるから。

それにこれパンデモニウムさん達から聞いたんだけど、自分達は食べた作物の旨み成分や栄養分を自由に

蓄える事が出来て自分達の中で熟成して身体がとても美味しくなるし、蓄積された栄養分は凄いらしいから

日頃食べさせて貰ってるお礼に自分達を食べて貰っているんだって言ってたよ?」

 

「なにその食べられる為に生まれてきたような能力!!なんで姿は悪魔なのに、心は天使なの!?

自己犠牲精神が強過ぎよ!!」

 

まどかから聞かされたパンデモニウムの驚きの能力にほむらは思わずツッコミをいれる。

そこにあることを、クロトはふと、思い出した,

 

「そういえば…パンデモニウムって仁美にかなり好評だったよな?」

 

「志筑さんが!?」

 

「うん、仁美ちゃん高級料理食べ慣れてるけど、あんなに美味しいお肉食べたこと無いって言ってたよ?

A5ランクのお肉が霞むくらい美味しかったって……パンデモニウムさん見たら気絶しちゃったけど」

 

「あの時は細切れの状態だったから分からなかったみたいだけどな」

 

「……私もそうして欲しかったよ」

 

「パンデモニウムさんが言うには踊り食いが一番美味しいって」

 

「なに自分の食べ方レクチャーしてるの!?おまけに一番残酷な食べ方じゃない!!」

 

「………お前はそうやって食べたけどな」

 

クロトは、ほむらにボソッと言う、それを聞いたほむらは自己嫌悪に(おちい)り、ベッドに顔を埋めまた泣き始め話は振り出しに戻った。

 

「クロ君!余計なこと言わないでよ!!話が進まないじゃない」

 

「…スマン……ついな…だがどうする?このままじゃいつまで経っても(らち)があかねぇし、何か

良い案が無いと、ほむらの奴泣いたままだぞ」

 

「そうなんだよねぇ……どうしよう」

 

「……そう言えばこいつゲームのネタ知ってたな……オーイほむら」

 

「う゛うぅーー( ノД`)…」

 

──……どんだけメンタル弱いんだよ!…まぁいいや取り合えずパンデモニウムから話を逸らしてみるか

 

ほむらは顔を上げず、まだ泣いている…。だがクロトの次の一言に反応した

 

 

 

 

 

 

()()()でスマブラしねぇーか?」

 

「グスッ……()()()で……スマブラ?」

 

ほむらはなぜかクロトの、その一言で泣き止み顔をあげクロトとまどかを見る。

 

──あれ?思ったより簡単に釣れたな

「ああ、下で詢子さん達と一緒にやろうぜ」

 

「……うん」

 

機嫌が少しは治ったのかほむらは涙をふきベッドから降りた。

……だがまどかが興味本意で聞いた事がまた話がややこしくなる。

 

「ほむらちゃん…スマブラ…やった事あるの?」

 

「……私が入院中にね……母が『コレなら一人でも遊べるでしょ』って言ってWiiとそのソフトを

プレゼントされたの」

 

「へぇーいいお母さ『ただね』ん!?」

 

ほむらはまどかの話を遮り、また表情が暗くなる。

 

「その頃一人も友達居ないのに四人でするパーティーゲームを渡されてしかもネット環境はあったけど

やり方分からなくて、結局一人用のストーリーモードを永遠とやってたり、自分一人でいろんな記録を

制覇したり……ホント……一人ぼっちだなぁって思ったよ」

 

ほむらは病院にいた頃を思い出したのかまたさめざめと泣き出した

クロトはまどかを見て念話を送る

 

<まどかぁぁあああ!!また泣き出したじゃねぇーかッ!>

 

<ご、ゴメーンまさか地雷だと思わなくて…>

 

<クソ!!どうすれば──>

コンコン

 

二人がどうやって慰めようか迷っているとノックが聞こえた

 

『まどかぁ暁美ちゃんもう泣き止んだ?』

 

「あっママだ…ええっと……悪化しちゃた…」

 

まどかがほむらをチラッと見て見るとブツブツと何か言いながら泣いていた。

よく聞くと『私…ずっと……一人ぼっち…』───マミ化していた。

 

『なにやってんの!?ああもう!ちょっと入るよ?』

ガチャッ

 

まどかの返事も待たず詢子はまどかの部屋に入った。そこにはまどかとクロトがほむらを泣き止ませようと

オロオロしている光景だった。

 

「……ハァ…何があったんだい?」

 

「実はね───」

 

まどかは詢子に簡単に説明する。詢子はまどかから大体の事を聞くと顎に手を当てて、腕を組んで何かを考えていた。

 

「フム……こりゃ少し洗n…じゃなかった教育が必要だねぇ」

 

「…………ママ…今洗脳って言い掛けなかった?」

 

「……なに言ってんだいアタシがあんたの友達を洗脳なんてするわけが無いだろ♪」

 

「詢子さん…今の間は何ですか?それに眼が泳いでるんですけど」

 

クロトの言う通り、詢子の眼は右に行ったり左に行ったりして、まどかの顔を見ていない。

疑いの眼を向けるクロトとまどかの視線に耐えられ無くなったのか詢子は二人の背中を押して、部屋の外に

追い出した。ほむらはまだマミ化していて気付いていない。

 

「玄人うっさいよ!!ほらほら後はアタシに任せてあんた達は下で知久達と予定通りにスマブラでもしてな! この子はアタシが洗脳しとくから」

パタン

 

────その言葉を最後に扉は閉じられた。

 

「「……今、洗脳って言ったよ!!」」

 

 

 

~ほむらside~

 

クロト達が詢子と話している間に、ほむらは病院生活の事や以前の学校の事等を思い出して若干ネガティブ

になってマミ化していた。

 

「私…ずっと……一人ぼっち…」

──あの頃は寂しかったな…別に信者じゃないのにミッション系の学校に通わされて、周りと会話が

合わないし、気付けばクラスで私一人で孤立してたし、こんなんじゃダメだ!って意気込んでたら、

心臓病で入院しちゃって誰もお見舞いに来ないし、隣人を愛しなさいって言葉は何処に行ったの!?

おまけにいつの間にか学校を転校する話になっていきなりお母様の『一人暮らしをしなさい』ってなに!?

私まだ十四歳だよ?親としてそれでいいの!?……ハァ…でも転校したからクロトとまどかに出会えたから

それだけは感謝しても良いけど……それに……エ、エヘヘ///またクロトにこ、ここ告白されたり!?

するのかな////それとも私から///?……イヤイヤでも────パァァァン

 

……なにやら落ち込んでいたと思ったら、怒った顔になったり、落ち着いたと思ったら、頬を紅潮させ

たりモジモジさせながら頭を振っている、どうやら何か妄想しているようだ。

だが、そんな妄想に(ふけ)っている所に乾いた音が耳に響いた。

 

「ハイ!!眼覚まして!妄想はもういいから」

 

「───ッハ!?………あれ?」

 

ほむらは詢子に猫だましをされて眼が覚めたようだ、途中から記憶がなかった様で、呆然としている。

 

「暁美ちゃん……あんた大丈夫?」

 

「…お母様?あれ?クロト達は…」

 

「もう下に行ってゲームの準備でもしてるんじゃない?」

 

「あっ!じゃあ私も──」

ガシッ

 

「まぁちょっと待ちなって♪」

 

ほむらがドアに向かおうとすると詢子はほむらの襟首を掴み、詢子はとってもいい笑顔をほむらに向けていた

そんな詢子にほむらは嫌な予感がした。

 

「え、えーと……何ですか?」

 

「アハハハ♪いやー洗脳する前にちょっと暁美ちゃんに聞きたい事があんのよ♪」

 

「聞きたい事ですか?───ん?洗脳?」

──……聞き間違い……だよね?

 

ほむらは詢子の言葉に恐怖を感じたが、次の詢子の言葉にそんな事を気にしていられなくなった。

 

 

 

 

 

 

「そうそうズバリ聞くけどあんた──────玄人の事好きでしょ♪」

 

 

 

 

 

「……え?えええぇぇぇ!!?ななななにいってるんですか!?//////」

 

「フフ♪大人を嘗めんじゃないよアンタ無意識だと思うけど、その胸の綺麗なペンダントを弄りながら

玄人の事を時々乙女の顔で見てんじゃない♪」

 

「おおお乙女の顔!?///」

 

「そうさ、あれはどう見ても恋してるって顔だったよ♪若い頃のアタシに激似さ♪……でもまぁ今日転校して

きた暁美ちゃんが玄人からペンダントをされる訳無いんだけど……どうしてソレ弄ってる時、懐かしそうに

玄人を見てたんだい?」

 

「え~と……それは……」

 

「アハハハ♪いや…やっぱりいいよ深くは聞かないからさ♪

ただ…まぁね…アイツは優しい奴だよホント…子供の頃からさ、私達が居ない間、まどかが一人にならない

ように何時も付いていてくれたし、まどかって…ホラ少し引っ込み思案な所があるでしょ?そんな時

さやかちゃんと繋ぎをつけてくれたのもアイツだしね」

 

「そうなんですか?」

 

「そうなの♪……ただ……その優しさが……時々不安になる事があんのよ」

 

そう言う詢子の顔は少し陰っていた。

 

「不安?」

 

「……あれはまどか達が小6の時だったかなぁ…十二月の雪が降る雪山で旅行でスキーしてたら

まどかとさやかちゃん、玄人の三人がね……。遭難しちゃったのよ」

 

「ええ!?だ、大丈夫だったんですか!?」

 

「……それがね丸一日経ってようやく発見されたけど……玄人以外、全員無事だったよ」

 

「なんでクロトだけ……」

 

「………あのバカッ!意識を喪った二人に自分の着てた服を着せて自分は服一枚で雪の降る極寒の夜を

過ごしたんだよ。服を着させられていた二人は玄人のお陰で命に別状は無かったんだけど当然、

服一枚だった玄人は結構危なかったみたい」

 

「……………」

 

「その後何の異常もなく退院出来たんだけど、その時の事件で何となく分かったよ

アイツは自分と親しい人を護る為なら……多分自分の命を賭ける様な事も平気でするような子なんだって」

 

「!!……それは…」

 

ほむらは詢子の言葉に以前のクロトの言葉を思い出す。

 

『そんな日常を護れるなら…この命を賭けても構わないと俺は思うよ』

──あの言葉は…本当に私達を……

 

確かにそう言っていた、ほむらはクロトのあの時の言葉は嘘でも冗談でもなく、本気だったのだと思い知った

ほむらは、その言葉に嬉しいと思う反面、悲しくなる。それは、自分達を本当に大切に思ってくれていると

分かるが、その為にクロトが傷付くという事だからだ。そんな事はほむらは勿論、誰も望んでいない。

そんな困惑するほむらに、詢子は優しく語りかける。

 

「だからさ、お願いがあるんだけど……いい?」

 

「……私に出来る事なら…」

 

「ありがと…───玄人を……お願いね…。」

 

「……はい!」

 

ほむらは詢子の眼をしっかりと見て返事をする。それを聞いた詢子はホッとしたような顔になり微笑んだ。

 

「うん♪いい返事だ♪───……安心したよ───さて、じゃあ始めようか♪」

 

そういって詢子はほむらに、にじり寄ってくる

 

「ヘ?…何をですか?」

 

「言ったじゃない“洗脳”するって」

 

「あれ聞き間違いじゃ無かったんですか!?」

 

「アタシは冗談なんて言わないさ♪大丈夫、大丈夫♪ちゃんと玄人好みにするから」

 

「そゆう意味じゃ無くて!!アッちょっと……アアアアアアアアアァァァァァ─────」

 

 

~ほむらside out~

 

 

 

 

 

 

~リビング~

 

あの後、下に降りたクロトとまどかはテレビを見ていたタツヤと知久を誘い、スマブラをしていた。

 

「……ほむらちゃん…大丈夫かな」

 

「まどか手が止まってんぞホレ」

ザシュッドシュッズバッズバッズバッドシュシュシュシュシュ───ピヤァァァァ──キラーン♪

 

「ああ!!私のカービィが!?メタナイトのソレ反則だよ!!」

 

「なに言ってやがるメタナイトのライバルを潰すのは当たり前だろ─ホラ復活したぞ」

 

「もう!!そうゆう事なら私も──」

 

そういってまどかのカービィはクロトのメタナイトと激しい攻防を繰り広げ、両者は着実にダメージを

蓄積していく。

まどかは必死だ、だがクロトは余裕の笑みを浮かべている。

 

「俺ばっかに構っていても良いのか?『え?』殺れ!たっくん!!」

 

「あい♪」

ドゴーーン

 

「ああ!?デデデのハンマーが!──でもまだ復帰出来る。」

 

「そら、甲羅だ」

ポコッ  ドゴーーン

「復帰中に甲羅投げないでよ!?また死んだ…次こそは」

 

「おっ♪いい位置だよ。まどか」

チッチッチッ…カキーーン♪  ピヤァァァァ

 

マリオ(パパ)にホームランされた!!ま、また死んだ…──やったハンマーだ!よし!!これで

クロ君を…“スポッ”あれ?」

 

「スカハンマーだったな」

 

「そんなぁーー!?」

 

まどかのカービィは柄だけのハンマーを虚しく振り続けている。完全な無防備だ!!その隙をクロトが見逃す筈もなくメタナイトが抜けたハンマーを拾う。

 

「“人を呪わば穴二つ”自分の運の無さを恨んで逝け───そら、お前のハンマーだぞ♪」

ポイッ

 

「しまった!!端っこに寄りすぎた!!『ドゴーーン』ウアァーー!残基ゼロ……」

 

ダメージがハンマーを拾うまでに100%を越えており、尚且(なおか)つ端に寄りすぎたカービィは

自分のハンマーでトドメをさされた。

 

「まどか…ちょっと弱いぞお前」

 

「違うよ!!皆にリンチされてただけだよ!!私にパパもタツヤも攻撃してたじゃん」

 

「そうは言われても…溜めてる所にまどかが落ちてきたから……」

 

「まどかぁ♪いいまと♪」

 

「俺も良いタイミングでアイテムがきたから…」

 

「アアァァ!!悔しいぃーー!!」バタバタバタ

 

誰も味方が居なくなったまどかはソファーに顔を(うず)め、足をバタつかせている。

そんなまどかに声が掛かった。

 

「まどかが殺られた……どうやら私の出番のようね。」ファサァ

 

「「「え?」」」「ほむほむ♪」

 

なにやら、やたらと自信のありげな聞いた事のある声が聞こえた。だが、この声の主はもっと……

こう気弱そうだった筈だ。

……だがタツヤが名前を呼んだ……認めなければならないだろう───ほむらだった。

クロト達が振り返ると凛々しい顔をし、手で長い黒髪をかき上げ、まどかの方に手を差し出していた。

 

「貸しなさい。まどか、貴女の仇は私が討つ」

 

「え、えーと……ほむらちゃん……なの?…とゆうかその言い方だと私、死んでるみたいなんだけど」

「?何を言ってるの?私以外に何に見えるのかしら?」ファサァ

 

「おかしいだろ!!お前三十分前を思い出してみ?ずっとまどかの部屋で泣いてたじゃねぇーか!!

お前、詢子さんに何された!?」

 

「…………べべべ別になにもなかかかったわよ」

 

「嘘つけ!身体メッチャ震えてんじゃねぇーか!!」

 

何かを思い出したほむらは身体が震えている。そこに、二階から降りてきた詢子がいた。

……なぜだか顔は満足気だ

 

「あっママ!ちょっとコレどうゆう事なの!!?ほむらちゃんの人格がなんかおかしいんだけど」

 

「いやー♪この子意外と物覚え良くてね♪いろいろ叩き込んで行くうちに、なんかこうなっちゃった♪ねぇ?」

 

「ハイ!師匠!!」

 

「師匠!?何を叩き込んだらこうなるの!?(ほとん)ど別人じゃない!!」

 

「落ち着きなさい、まどか私は以前からこうだったわよ?」

 

「違うよ!!」

 

「まぁ良いじゃないこっちの方が頼りがいありそうで♪」

 

そう言って詢子は笑って誤魔化す。

皆の反応にほむらは──

 

「……クロトは……前の方が良かったかしら」

 

「うっ!」

 

クロトを上目遣いで見つめ、少し不安そうにしながら聞く。

そんな何時もと違うほむらにクロトはたじろぎ、心にダメージを受ける。

 

「い、いやー…まぁ良いんじゃね?///」

 

「そう……良かった♪」

 

「……おう///」

 

肯定してくれた事が嬉しかったのか、ほむらは柔らかに微笑み、クロトを見る。

気恥ずかしくなったクロトは、紅潮させて頭を掻きながらそっぽを向く。

それを見ていた詢子は──

 

「青春だねぇ」

 

「ママが原因じゃない!!」

 

呑気にお酒を飲んでいた。

 

「パパァゲームゲーム♪」

 

「ああ、そうだったね続き、しようか」

 

「あい♪」

 

「たっくんも待ってるし、やるか!─まどかコントローラーほむらに貸してやんな」

 

「うん!ハイほむらちゃん。私の仇をとってね♪」

 

「まかせて、病院で(つちか)ったコントローラー捌きを見せてあげるわ」ファサァ

 

髪をかき上げながらコントローラーをビシッ!と構えるほむらの姿は様になっていた。

 

「「「「おおぉーーーー♪」」」」

 

 

 

 

 

 

「……そんな病院生活で良かったのか?」

 

ほむらが加わった事で盛り上がっている皆にほろ酔い気味の詢子の言葉は届かなかった。

 

 

 




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