エントランスです
少し遅くなりましたが、出来たので投稿します。
~夜・???ビルの屋上~
見滝原のビルが建ち並ぶ場所の屋上に三つの人影があった。
ただ二つの影は普通の女の子の影だが、もう一つの影は背中にもう一人を背負って立っているようだ。
…まぁ当然これらはクロト達だ、だが少し様子がおかしい
「二人共、魔女は
「は、はい!あのタワーの屋上に向かって『気配』が見えます。だよねクロト君!…………大丈夫?」
「…………そう見えるか?」
「ううん……よく生きてたね」
マミの
そこに泣きながら何かをしているまどかが叫び声を上げる。
「 うあああぁぁぁ!!( ;∀;) どうしよ元に戻らない…… どうしてくれるのクロ君!?コレ!!」
そういって、まどかは自分の髪を指差し、クロトに非難の目を向けた。
「そう言うが、俺お前に殺されかけたんだけど?」
文句をいうクロトの顔はボコボコで、かなり痛そうだ
「そりゃ髪を
……時間を少し巻き戻す
~一時間程前~
クロト達が魔女の気配を視覚化出来るという事実が判明してから、マミは大喜びだった。それもそうだろう
今までは、いちいち街中を歩き回り、事件が起きていないかを調べて何かあれば、ソウルジェムで気配を
「凄いわ!!今までの私達の苦労は一体何だったんだろうと思う位凄い事よコレ!!」
「「…は…はは…」」
……喜んでは…いるのだが…涙を流して自虐的な皮肉を言うマミにクロト達はどういう顔をしたら分からない
だが魔女の気配があるのだ。喜んでばかりはいられない!こうしている間にも、魔女に襲われている人がいるかもしれない。マミは涙を拭いて急いでまどかの所に走って行った
「鹿目さん!!行くわよ魔女がいるわ!!────……鹿目さん?」
マミがまどかを急かす様に言うが、まどかは座り込んで返事がない
「…えっぐ……マ゛ミ゛さ゛~ん゛!!」
「鹿目さん!?どうしたの…──あっ!!」
まどかは泣いており、マミに泣きつくソコで気付いた────まどかの右側の髪が左側より短い!!
「あれ?どうしたんだまどか、先輩に抱きついて……百合か?」
「違うよ!!誰のせいだと思ってるの!!?」
「グエッ!?」
「鹿目さんイメチェンしたの?右側だけおかしいよ?」
そこにクロトとほむらがやって来た、的外れな事をいうクロトにまどかは泣きながら胸ぐらを掴みかかり、片手で持ち上げてしまった。ほむらもまどかの髪に気付いて指摘するが、それがますますまどかの怒りをヒートアップさせる
「見てよコレ!!こんなバランスの髪型…私……明日どう髪をセットすればいいのぉぉおお!!」
グワァン ブワァン
掴んだまま無造作にクロトを振り回しもう少しで壁に激突しそうだ
「まっ待てまどか振り回すな!!うおおぉぉ!!?怖い!──分かった!なんとかしてやるから下ろせ!!」
「…グス……ホント?」
「あっああ」
なんとかまどかも泣き止み、顔を上げた
「でもどうするのクロト君?魔法でなんとかするの?」
「流石に私でも髪を繋ぎ直すなんて事は出来ないわ。魔法初心者の黒崎君に出来るとは思えないけど…」
「任せてください!要は左右対称になればいいんですよ。『え?それってどういう』よし!まどか動くなよ?」
「くっクロ君!!?一体何を──」
「せいっ!」シュパッ
パラパラ
「「「………………」」」
「よし!!ピッタリだ」
あろうことかクロトはまどかの左側の髪も右側と同じ様にクナイで切り落としてしまった。
「ク…ク、ククロト君!?……なんて事を」
「ど…どうするの?確かに左右対称にはなったけど……ダサい」
ブチッ
──何かが切れる音がした…
「ウェヒ♪…」
「?鹿目さん!?」
最初の変化に気付けたのはほむらだった。
表情は前髪に隠れて分からないが口角はつり上がり、三日月の笑みとなり背中からは、黒い障気が漏れ出している。ほむらはこの感覚に覚えが……いやあれよりも遥かに怖い…そんな雰囲気がまどかから発していた。
「ウェヒヒヒ♪…」
キーン♪キーン♪キキーン♪
「コレは…魔女の反応!?いえ違うわ!こんなリズミカルな反応見たことがない!!」
マミがソウルジェムに反応があったので見てみるとテンポ良く点滅し、明かに魔女の反応ではない…良く見るとまどかの笑い声に合わせて点滅しているような……
「ウェヒヒヒヒヒ♪ウェェヒヒヒヒヒヒヒヒ♪ヒィーヒヒヒ♪」
「あれ?どうしたまどか ?」
──ま、まさか…あれは…
「あ…悪魔…あああぁああーーー!!?ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!──」
「あ、暁美さん!?ちょっと大丈夫!?」
まどかは狂った様に笑い今や全身から黒い障気を出している。そこでやっとまどかの異変に気付いたクロトは、まどかに話しかけるが返事はなく、笑い声しか帰って来ない。
一方、ほむらは頭を抱えて
アクマどか──────再降臨
「ウェヒヒヒ♪ねぇクロくぅ~んちょっと私とO☆HA☆NA☆SHIしなぁい?」
「………ヤバッ!!」ダッ
やっと今のまどかの状態がヤバい事に気付いたクロトはダッシュで逃げ出した……だが
ガシッ
「ヒヒヒ♪知らなかったの?────大魔王からは逃げられないんだよ?」
直ぐに追い付かれ、後から首を掴まれてしまった。
『お前は何時から大魔王になったんだ!!』とツッコミを入れたいが実際に魔王級のオーラを出している
アクマどかにそんな事を言えばどうなるか分からないので黙っている事にした。アクマどかは大量の冷や汗を流しているクロトを掴んだまま、首だけをマミの方に向ける。
「マミさーん♪リボンでクロ君縛ってぇ♪」
「え゛!?なっ何をするつもりだ!!」
「か、鹿目さん!?……怒ってるの?」
「怒ってるぅ?おかしい事言うなぁマミさん…私ねぇ今とっっても幸せな気分なんだよぉ?
これからぁ私の髪をダサくカットしてくれた幼馴染みにぃ────怒りの鉄拳を振るえるかと思うと、
もう嬉しくて嬉しくて思わず笑顔になるくらい……幸せ…なんだよぉ?」ニタァ
「──ッ!……ごめんなさい!!」
シュルルル
幸せなのに怒りの鉄拳という矛盾した事を言うまどかだが、その顔はとてもいい笑顔で目は狂喜に染まっている。そんなまどかを見たマミは背筋に悪寒が走り、まどかに言われるままにクロトをリボンで拘束した
「そんな!?見捨てないでくれ!」
「どっち向いてるの?…あっそうだね♪ここじゃ恥ずかしいよね───それじゃ……向こう行こうか♪」
ズザァーーー
マミのリボンで頑丈に拘束した状態で首を掴んだままスキップでコンクリートの壁の向こうに引き摺って行く
まどかから必死に逃げようとするクロトだが身体は動かず、身動きはとれない
「ぎゃぁぁぁぁああ!!助けてくれ!ほむらぁぁぁああ」
「ゴメンナサイ!ゴメンナ──ハッ!?…クロト君?なんでリボンで縛られて鹿目さんに引き摺られてるの?
あれ?この光景…どこかで見たような…『き、気のせいだ!それより助けてくれ!!』うっうん!!」
クロトの声で我を取り戻したほむらは何かを思い出そうとしたが、その前に救助を求められてクロトの拘束を解こうと近付こうとする
「待ちなさい!!」
だがその前にマミに手で制されて止められた
「マミさん!?どうしたんですか?早くクロト君を助けないと」
「ダメよ!暁美さん……諦めなさい『でも…』分かるでしょ?……彼は逝ってしまったのよ」
「生きてる!生きてるから!!」
「もうなにいってるの?──これから逝くところでしょ♪」
ドシャッ
「いでっ!?」
クロトはマミに見捨てられ、まどかはマミとほむらから見えない位置にクロトを放り投げると、彼女もその後を追って姿は見えなくなった。
……声が聞こえる
『ウェヒヒヒ♪クロ君が悪いんだよ?クロ君が私にこんな事するから…わたし…こんな事、本当は
したくなかったのに……ヒヒ♪』
『嘘つけ!!顔がにやけてんじゃねぇーか!!……おい…何をする…やめろまどか!!なんで
マウントポジションで両手に魔力を籠めてるんだ!!?流石の俺もそんなの喰らったら死ぬ…
死んでしまう!!────やめろ………やめてくれぇぇぇえええ!!──ブヘッ』
パァン パァン パァン
『私は♪』
パァン パパァン パァン
『クロ君が♪』
パパパァンパァン パパパァン スパパパパァン
『泣いても、謝っても♪』
スパパパパァン シュパパパパパパパン ズパパパパパパァン
『殴るのを────やめない!!』
ドパパパパパパパパァン シュパパパァパパァンパパァン スパパパパパパパパ────
その後も何かを叩く音はやまなかった…
「巴さん……クロト君生きて帰って来れますか?」
「……信じましょう…彼の
──……とてもクロト君を見捨てた人のセリフとは思えないんですけど
~そして現在~
あの後、まどかが正気に戻った時にはクロトの顔は腫れ上がり、モザイクがかかりそうなほどボコボコで時折、ピクピクと痙攣していた…正直かなり危険な状態だったがマミの治療でなんとか持ち直した。
だがこれ以上魔法を使うと、魔女と戦うのに支障が出る為、残りの治療はこれから倒しに行く魔女がグリーフシードを落としたらという事になり、四人は魔女の気配を追って夜の街にビルを飛び移り移動していた。
ほむらはまだ魔力の操作に慣れないので、操作出来るようになったクロトに背負って貰い背中から写輪眼で
ナビゲーションの役をしていた。その間にまどかは移動しながら、未練があったのか落ちた髪を拾って
くっ付けようと頑張っている────無駄な努力だ。
「……鹿目さんもう諦めなさい」
「でもマミさ~ん……こんなんじゃ明日学校に行けませんよ~」
まどかは涙目で切れた髪をマミに見せつける
それを見ていたクロトは首をかしげまどかに聞こえないくらい小さい声で
背中にいたほむらには聞こえたようだが
「ウ~ム…なにがダメだったんだ?ちゃんと左右対称にしたじゃねぇーか」
「まだ分かって無かったの!?ダメだよクロト君…女の子の髪をあんな風に切ったら
鹿目さんが怒るの無理ないよ」
「そいうものか?」
「そいうものだよ。女の子は髪が命なんだから」
「まぁそういう事なら俺が悪いのか?ハァ仕方ねぇーな……オーイまどかぁ!」
「…………なに?」
後ろにいたまどかに声をかけると近付いて来て横に並ぶ…その声は思いっきり不機嫌そうで顔は
「あー…髪切って悪かったよ今度なんでも言う事聞いてやるからいい加減機嫌直せ」
その言葉にまどかはピクッ!っと反応し、
顔を逸らし、小声で何か言った
「…………半年…」
「なんだって?」
「ルフランのシュークリーム…半年分買ってくれたら許してあげる」
「地味にキツい要求だなオイ!!?それに半年って…お前そんなにシュークリーム食べる気か!?
──ん?ちょっと待て、それにルフランっていったら……おい…あの店か?」
「うん」
「ルフランってシュークリームが有名なお店だったよね?確か一つ400円もする高級スイーツだって雑誌に書いてあったけど」
意外な事にほむらも知っていたようだ
しかし、クロトはほむらの言った『400円』が気になるようでビルをジャンプしながら何かを考えている
「400円……半年分…そうかそういう事か!!まどかお前どんだけ計算高い女になったんだよ!?確か俺の財布の中身お前、知ってたよな?それを知った上で、ギリギリいけると思って、あえてそれを買わせようだなんて……お前は鬼か!!いや…悪魔だったな、流石『見滝中の桃色の悪魔』やることが汚い」
「うるさいよ!!別にいいでしょ?クロ君普段からあまりお金使わないんだから、少しくらい私が使ってもバチはあたらないよ!!…そうだよね?ほむらちゃん!」
「え?なんで私に振るの?私、関係ないんだけど!?」
「ふざけんな!あの金は今度ゴ○ゴ
「あの…だから私関係ないし…それにゴ○ゴ!?なんでそんなハードボイルドな奴見てるの!?」
「二人共!いい加減にしなさい。これから魔女と戦うという時に仲間割れしてたら殺られちゃうわよ?
後、ルフランのシュークリームなら私も欲しいわ…そうよね♪暁美さん」
「「「トモエ
「トモエ
「それになんで、途中までいい事言ってたのに、ちゃっかり自分も便乗しようとしてるんですか!?
そして私を巻き込まないで下さい!!」
マミは三人から『トモエ
ただ…まぁ三人の息がピッタリな所をみると、仲は良いようだ。
「チッ…分かったよ今回は、ほむらに
「私…なにかしたっけ?」
「ホント!?やったぁ!ありがとうクロ君、ほむらちゃん!!そのかわり…といってはなんだけど
私がシュークリーム食べたいって言ったときに奢ってくれればいいよ」
「ったく…奢って貰えると分かったらそれかよ。現金な奴だなお前は……そうだ!
ほむらお前もいるだろ?シュークリーム」
そういって背中にいるほむらに聞く、それを聞いたほむらの顔は嬉しそうだ。
やっぱり、女の子なのだろうお菓子は好きなようだ
「……いいの?」
「いいんだよ…まぁアレだ『魔法少女就任祝い』って事で」
「うん…ありがとう」
──私…この人達に祝って貰ってばかりな気がするけど……あっそうだ!
「じゃあ私もクロト君に『魔導士就任祝い』でシュークリーム買うね」
ほむらの言葉にクロトとまどかは少しポカーンとしていたが、二人は顔を合わせて笑った
「わ…私何か変な事言った!?」
「フフ♪ううんそうじゃなくて」
「ただ
「そう…かな」
「うん♪そうだね。やっぱり私ほむらちゃんとお友達になれて良かったって思ったよ♪」
「──っ!友…達?」
──私…またみんなと友達になってもいいの?
「なんだ違うのか?俺は今日の昼休みからもう友達だと思ってたんだがなぁ──あっ!そっかそういえば
ほむらお前まだ、まどかの名前とか呼んで無いよな?」
「え?…うん…ちょっと恥ずかしくて」
「そうなの?まだクロ君しか名前で呼ばれないってどいう事!?ってずっと思ったから友達と思ってくれてるか不安だったんだよねぇ…でもいい機会かな──うん!じゃあほむらちゃん!私の名前呼んでみて♪」
「え?…えっと…あの……その///」
まどかの期待に満ちた視線に耐えられなかったのか、クロトの背中に顔を隠してしまった。
「なんだ?照れてんのか?ったく…勇気出せよ。そんなんじゃワルプルギスの夜に立ち向かえねぇーぞ」
──!!…そうだった…こんな姿…クロト君に見せられない!
…そうだよね……この眼で見ていてくれるんだもんね……勇気…ださなきゃ
ほむらは片眼を手で押さえると、赤面していた顔は消えて決意した表情になった。
まぁ緊張でガチガチではあったが、なんとか絞り出すような声で言った。
「ま…まままどどまどまかっかかかまぼこ!!」
…訂正、全然言えて無かった
「ほっほむらちゃん!?ちょっ落ち着いて!!私カマボコになってるよ」
「ダメだこりゃ…おっ!ここか。まどか着いたぞ!名前呼んで貰うのは魔女を倒してからにしろ」
クロトの言う通りタワーの屋上の鉄鋼の柱に魔女の結界の入り口があった。
クロトはほむらを降ろして、結界に近づく
「ううぅ折角の機会が…」
「…ごめんなさい」
「ううん。いいよ?いつか呼んでね…さて、それじゃ行こうか!」
「?ちょっと待てまどか…先輩は?」
「あれ?そういえばさっきから静かだったから気づかなかったけど…」
「あっ!クロト君…あそこ」
「「え?」」
ほむらが指差す方向には、確かにマミはいたが何故か変身しており、屋上の
マスケット銃を構えて何かを狙っている。───意味不明だ
そんなマミの意味の分からない行動にほむらは恐る恐る近付く
「あの~…巴さ──」ガチャッ
「へ?」
ズガァン!
「きゃわぁぁぁあああ!!?」
ほむらがマミの後ろに立ち肩に手を置こうとした瞬間、なんと身体を反転させて銃口をほむらの
目の前に突きつけ、発砲しやがった。
幸い、ほむらは銃弾を、頭を動かしてギリギリ回避して事なきを得たが、かなりヤバかった。
ほむらはその場で座り込んでしまい、眼は涙目だ
「ええぇぇぇえ!?ちょっ!マミさん何してるんですか!?それ、ほむらちゃんですよ!?」
「オィイ!!ほむら大丈夫かぁ!?」
「はぁーーっ!はぁーーっ!死ぬかと…死ぬかと思った!!!しゃ…写輪眼になってて良かった」
どうやら写輪眼で、銃弾を見切りなんとか避けられたらしい
しかし撃った本人は、顔を変えずに新しいマスケット銃を取り出して、また狙撃体勢に入ってる
「マミさん!聞いてますか!?さっきほむらちゃんが──」
「私の後ろに立たないで!!じゃないと反射的に撃つわよ」
……何かおかしい…というか全体的におかしい今のマミはまるで…
「先輩?」「巴さん!?」「マミさん!?どうしちゃったんですか!?」
「巴マミ?誰かしらソレ」
「いやアンタだろ」
クロトのツッコミも無視してマミは立ち上がり、三人の方を向き声高らかに宣言する。
「今の私は『トモエ
私の黄金の魔弾は見滝原の使い魔と魔女を全て射抜く!!距離は関係ない」
……完璧に中二病を発症していた
コミケに行って悪魔ほむらを買おうとしたら目の前で売り切れました。
悔しかったので二日目の始発で行きなんとか買えました
皆さんもコミケに行く場合は気をつけて下さい。アレ簡単に売り切れます