思ったより、オリジナル設定に時間がかかり手間取ってしまいましたが
文字数が少し多めに書けました
~鉄橋工事現場~
あれからが大変だったキュウべぇが見えるようになったクロトがマミの肩に乗っていたキュウべぇの頭を掴み、未確認生命体としてテレビ局に売り払おうとダッシュで逃げた。
そんなクロトをマミ達が見逃す筈もなく、マミがリボンをクロトの首に巻き付け動きを封じ、まどかがキュウべぇの胴体を引っ張ってクロトと綱引きになり、キュウべぇの首はかなり不味い状態になってる。
時々『ミリミリ』と音がしている事からもうすぐ千切れそうだ、それを見ていたほむらはどうするか迷っていた
「くっ黒崎君!キュウべぇを…うっ…は、離しなさい!!
――って!なんて力なの!?私、魔法使ってるのに」
ギリギリ
「ぐおおぉぉぉ!!いっ嫌だ!!コイツをテレビ局に売って、まどかの魔法少女のマスコットとしてテレビに出せば…がっ学校でまどかをからかうネタが増えるんだぁ!!」
グググッ
「えぇ!?そんな事の為にキュウべぇを売ろうとしてるの!?なら、
フウウウゥゥゥッ!!」
ゴキッゴキッ…ミリミリ
クロトの言葉に焦ったまどかは、胴体から両足と尻尾に持ち変えて思いっきり引っ張った
『まどか!まどか!!――やめてくれ君が一番危ない!!
今なんか鳴ってはいけない音がした上に、肉が千切れそうな音までしているんだ!!
このままじゃ子供がトラウマになるような絵になってしまうよ!?…アレ?聞こえてない?』
「「負けるかああぁぁ!!」」
グググッ!!ミチミチ
『グアァァ!負けてもいいから離してくれ!!――あっほむら!助けて』
「え?…アレ?誰も居ないの?この状況とめられる人」
ほむらが周りを見てみると
マミ――リボンを巻き付けながら、その場で踏ん張っている。クロトの力が予想以上に強い為か、
それ以上動けない
まどか――クロトの手からキュウべぇを取り返そうと、尻尾と両足を持って全体重を後ろに引っ張りながら
踏ん張っている。興奮して声が届かない…そろそろ首と尻尾辺りが千切れそうだ
クロト――元々の原因、首が絞められ苦しそうだが、それでも手を離そうとしない。
まどかと張り合って更に力が入った
ほむら―― 情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ――――そして、なにより速さが足りない !!
「………ムリだよ!!戦闘力が足りないよ!?」
あっさり諦めた
『お願いだ!そろそろ限界なんだ!!』
「そう言われても――あっそうだ!」
なにかを思い出したのかほむらは
「クロト君!『ちょっと寝てて!!』」
――ギン――
「ウグッ!?」
ドサッ
「え?――うわ!」
ヒューーー
『全く…訳が分からないよ』
ポチャン
「キュウべぇぇぇええ!!」
…状況を説明すると、ほむらは写輪眼で病院の看護婦と同じ様にクロトに眠れ!っと催眠をかけた。油断をしていたクロトは当然避けられず、気を失った様に崩れ落ちた。
だが、その時クロトはまどかとキュウべぇで綱引きをしていた、片方は意識が無くなってもう片方は全力で引っ張った状態になっていた為、キュウべぇはまどかの後ろにあった河に投げ飛ばされた
その後、一部始終を見ていたマミによると、キュウべぇは自力で泳いで戻ってきたらしいが、首が長くなり
犬かきで泳ぐ様はネッシーのなり損ないの様で気味が悪かったらしい
~三十分後~
「まさか眼を貰った本人に使うとは思わなかったよ」
「…面倒かけたなサンキューほむら――で?さっきのは?」
「あっうん!今のは――」
ほむらは写輪眼で眠っていたクロトを膝枕で介護をしており、クロトに催眠眼について説明している。まさか催眠をかける対象がクロトになるとはほむらも想定外だっただろう――そしてキュウべぇの方は…
「こっコレがキュウべぇなの!?……こわっ!!」
「ごめんなさい。キュウべぇ…魔法で治してみたんだけどコレが限界なの
…後、もう肩に乗らないでね恐いから」
『酷すぎないかい?』
頭はそのままで首は三十cmほど細長く伸び、胴体もダックスフント以上でフワフワだった尻尾は蜥蜴の
尻尾の様な形に変形してしまった。
確かにこんなのが肩に乗っていたら誰だって恐いだろう。
マミも努力して治そうとしたのだが、色々伸びすぎてしまい骨しか治らず、元々カワイイ珍獣だったのが
グロテスクな珍獣に変形してしまった
「キュウべぇ…お前…白い
『誰のせいだと思ってるのさ!後、
「確かにキュウべぇは願い事叶えてくれるけど、こんなグロテスクな
「コレじゃ鹿目さんの魔法少女のマスコット役は無理だね。良くて…脇役かな?」
「しょうがねぇ、テレビ局に売るのは諦めるか…ハァ折角まどかをからかうネタが出来たと思ったのに…
確かに…ここまで変形したら魔法少女のマスコットというよりは、モンスターの雑魚キャラだな」
「……キュウべぇ…これから半径五メートル以上、私に近付かないでね」
『マミ!?』
マミの容赦ない言葉に驚愕の声をあげるキュウべぇを無視して、クロトはほむらの話していた内容を思い出して、今後どうするかを聞くためにほむらに
「まぁコレでキュウべぇの処遇は決まったとして、本題に入るんだが、ほむら…お前はさっき先輩に俺の力が必要だって言ってたよな…アレはどういう意味でだ?――俺がキュウべぇと契約してお前達と一緒に戦えばいいのか?――それともお前達を後ろから見守って応援すればいいのか?――見てればいいのか…戦えばいいのか――どっちだ?」
クロトが真剣な顔になり、ほむらを見つめ彼女も気を取り直してクロトに告げる…その声はどこか、祈るように聞こえた
「……クロト君…お願い……私達と一緒にワルプルギスの夜と――戦って…」
絞り出すような声で
「ん、いいぞ」
「軽っ!?クロ君軽いよ!ほむらちゃんが何の為に頑張って言ったと思ってるの!?台無しだよ!!」
「うるせーな、別にいいだろ?暗くなるより明るくなった方が好きなんだよ俺は!」
「どう…して…」
「アァ?なんで戦ってくれるかって?」
「…うん」
ハァとため息を吐きクロトは恥ずかしそうに言った
「…お前の話を聞いた時から俺に戦ってくれって言いたかったのは、なんとなく分かってたからよ
――別にいいかなって思ってたんだよ…未来の俺がお前にその眼を託すほどお前を大切に想ってたんだったら…その想いを他でもない俺が護らねぇーと……死んだ俺にどんな顔すればいいか分からねぇ…そう思ったからな…戦うしかねぇーだろ」
「クロ君…」「黒崎君…」「………」
「だからほむら…俺はお前がどっちを選んでも、俺は戦うつもりだったぜ」ニッ♪
ほむらの方を向き笑顔でそう答えた、それは死ぬ恐怖を感じさせない顔だった
――…ハハ…なんか…ほんとに…もう…
「……ありがとう…」
「おう♪」
笑いながら涙を流し御礼を言うほむらに、クロトは
暫くして、ほむらも泣き止み、早速キュウべぇの契約タイムが始まった
「よし!それじゃ
『キュウべぇだよ!!』
「どっちも願いを叶えるから同じだろ?お前の方がセコいけど、まぁそんな事はどうでもいい…それじゃ行くぞ」
「クロ君どこいくの?」
「ここで願い事言うなんて恥ずかしいだろ!…向こうで契約してくる」
そう言い、キュウべぇを連れて向こうに行ってしまい暇になった三人は取りあえず談話することになった
「フフ♪それにしても、カワイイ所があるのね♪恥ずかしいだなんて」
「クロ君どんな願い事するのかなぁ…あっそうだ!ほむらちゃん前のクロ君どんな願い事してたの?」
「え?う~ん…いいのかな勝手に言って」
「大丈夫よ今度も同じ願いになるとは限らないんだし」
「まぁそれなら…確かクロト君は、知り合いを皆護れる様に『空間を越える』という願い事をしたの」
「空間を越える!?それってどいう事が出来るのかしら」
「彼は戦いで使いやすいように、物にマーキングを施してそれに跳ぶ事が出来ました。
同じ印があれば入れ替えたり、ばら蒔いて使い魔をあっという間に倒したり」
「へぇ~便利だね、でもマーキングってどんなものだったの?」
「それなら……このペンダントの裏に――」
その言葉を聞いたまどかは眼を光らせる
「あれぇ♪(・∀☆)そのペンダントって確か男の子からのプレゼントだったよねぇ♪」
「男の子?…それもマーキングの施してあるペンダント…あっ!」
流石のマミも、これだけヒントがあった為、ほむらのペンダントが誰からプレゼントされたか気付いたようで、ニコニコと笑っている……と思う
「え?………!!いやっコレは…あの///」
ほむらもやっと自分の失言に気付き、顔を赤らめている。
「ウェヒヒヒ♪大丈夫だよ『まだ』言わないから♪」
「やッやめて言わないでぇぇええ!!( ;∀;)」
「あらあら、羨ましいわね――――チッ!リア充が」ボソッ
「巴さん!?」
ニコニコではなくてイライラしていたようだ…と、その時悲鳴があがった
『ぎゃーーーー!!』
「!?クロ君?どうしたんだろ」
『おい、こら珍獣!!滅茶苦茶いてぇじゃねぇーか!聞いてねぇぞ!』
「あぁアレ凄く痛かったよね。結局何だったんだろ」
『ぐあぁぁぁ!…お前、後から絶対保健所に連れて行くからな覚えとけ!!』
「さあ?…取りあえず分かっているのは、保健所に行ってもキュウべぇの姿は見えないわね」
~十分後~
あの後、無事に契約も終わりクロトとほむらは、魔法の練習をしてみないか?っとマミに持ちかけられた。
ほむらも過去に戻った時に使ったが実戦では使った事がないためその誘いを受け、マミに見て貰いながらクロトと一緒に使ってみる事になった
まずは、ほむらから…
「それじゃ暁美さん、あそこにあるドラム缶をなんでもいいから攻撃してみてね」
「はっはい!――それじゃ――行きます!!」
ほむらは意気込みも十分に、魔法衣に変身した。手には何故かゴルフクラブを持ち、左腕には小さめの盾を装備しており、服装は紫を主体とした女子の制服のような物で所々に勾玉の飾りが付いている。ソウルジェムは左手の甲に紫色のダイヤの形で付けられ、首にはクロトから貰ったペンダントがかけられ輝いていた。
そして、走り始めたのだが……
「ハァ、ヒィヒィ、ハァ」
「……あいつ…大丈夫か?今日の授業でぶっ倒れてただろ?」
「ほむらちゃん五十メートル走って貧血だったよねぇ…ちょっと不安になってきた」
そんな二人の不安の声もよそに、ほむらはゴルフクラブを振り上げドラム缶に向かって走って行く、そして盾から音が聞こえたかと思うと三人が見た光景は――――ボコボコになったドラム缶の前で、ぐにゃぐにゃのゴルフクラブを持ったほむらがうつ伏せでぶっ倒れてた。
「ほむらああぁぁ!!」「ほむらちゃぁぁああん!!」「暁美さん!!?」
「………」チーーン♪
三人は慌てて、ほむらの元に走り安否を確める――どうやらまた貧血で倒れたらしく気絶していたようだ。
「…ヤバイな…このままじゃワルプルギスの夜と戦う前に貧血で死にそうだな」
「ほむらちゃん…多分、クロ君に良い所見せようと張り切っちゃたんだね」
「そうね。責任は黒崎君にあるとして『なんで!?』雨も降っているから地面も濡れてるし、女の子をこのままにしておけないわね。――――という訳で黒崎君!」
「はい?」
「暁美さんが起きるまで彼女を背負っておくこと!いいわね」
「え?いやでも――『い・い・わ・ね?』…はい」
「ウェヒヒヒ♪大変だねクロ君♪」
「うっさい、ったく……よっと」
――まぁ別に嫌じゃないし、軽いからいいんだが…つかホント軽いなコイツ…飯食ってんのか?
でも…なんつーかコイツ背負ってると懐かしい感じがする……なんでだ?
~ほむらside~
――なんだか…とても温かくて気持ちいい……ずっとこのままでいたいような…でもこの感じ初めてじゃない?
……ああ…そっか…前の時間でこんな事あったっけ…あの時は驚いたなぁ…歩いてたら急に意識失っちゃうんだもん…その後の感触がこんな感じだったかな?…でもコレってなんだろ?…このままでいたいけど起きなきゃ
ほむらの意識がゆっくり浮上してくる。頭は少し
「う、う~ん…あれ?」
――私…どうしたんだっけ?確かドラム缶を殴っていたような…そこから記憶が無いけど
「おっ!やっと起きたか、ったく大丈夫か?ほむら」
「え?クロト君!?」
――え?なんでクロト君の顔がこんな近くに!?……あっ///
「ごっごめんね!重かったよね///」
――あの感触…クロト君が……
そういって、慌ててクロトから降りる…近くでニヤニヤしながら見ている二人に気付いたからだ
「いやむしろ軽すぎた位だ、気にすんな」
「フフ♪良く眠ってたわね暁美さん♪もう大丈夫かしら?」
「はっはい!」
「ほむらちゃん張り切るのはいいんだけど、病院に居たんだから無理するとまた倒れちゃうよ?」
「あー…うん」
――そっか…また貧血になっちゃたんだ…なんとかできないかな…あっそうだ!
「あの巴さん…魔法でなんとかなりませんか?」
「まぁそうよね。そう言うと思ってキュウべぇから聞いてみたんだけど、ソウルジェムを胸に当てて血液を増やす様に魔法を使えば、なんとかなりそうよ。よかったわね♪」
「ホントですか!?」
――よかった、もう倒れずに済むかも……でも…あの感触が無いのは…ちょっとだけ惜しいかな?
~ほむらside out~
「それでマミさん…ほむらちゃんのコレ……どう思う?」
「う~ん時間停止ね。確かに、かなり強力な能力だけど…要は使い様の問題よね」
「はいぃ」
ほむらの能力の実験も終わり、皆の意見を纏めるとこうだ。『攻撃力の無さ』…確かに時間停止は強力だが、ドラム缶を見る限りコレでは、とても魔女には通用するとは思えないというのが皆の答えだった
とりあえず、ほむらの攻撃力については今後の宿題ということになった。
次にクロトの番だ
「それじゃ黒崎君、今からあなたの周りにドラム缶を置くからそれを使い魔だと思って攻撃してみて」
「はい!」
マミは周辺にあったドラム缶をリボンを使い、クロトの周囲に配置し所々死角になるように置いていく
準備は出来たようだ。クロトも写輪眼になり、魔法衣に変身して手にクナイを四本ずつ持って構えた。
…不意に、クロトの視界にマミのリボンが映る
「ん?なんだコレ」
――…リボンから光?が出てるな…俺の服からも出てるけど色が違うし、それにコレ…俺の意思で自由に動く……クナイに纏えばいいのか?
「まぁいいや、やってみるか」
クロトは自然にそう思い、光を纏わせてクナイを近くに配置されているドラム缶四本に投げた、それは正確にドラム缶の腹に当たる。それを見ていた三人は『おぉ!』と感心した声があがる――だが、次の光景で驚愕の顔になった…当たったクナイはそのまま勢いを失わず、
しかも更に奥にあったドラム缶と鉄骨も貫通し、コンクリートの壁に深くめり込んで刺さり、やっと止まった。
「うおっ!?…ヤバイな軽く投げただけで、壁まで刺さっちまった」
「す、凄い!前より威力が上がってる。前はドラム缶も貫けなかったのに…どうやって?」
「きゃーーー!!髪が切れたぁーー!!」
貫通したクナイの一本がまどかの右側のツインテールを3/1切り落としてしまい、まどかは泣いている
そんなまどかを置いてマミがクロトに聞く
「…黒崎君…あなた何したの?」
「え?…いや俺も良くは分からないですけど」
クロトはさっき見えた光について答え、それを操作したらああなったと答えた
「クロト君も見えるの?」
「ほむらもって事は、この写輪眼のせいか」
「……多分、黒崎君の話を聞く限りだとあなた達は『魔力』が見えてるのね」
「「魔力?」」
二人は良く分からなかったのか首を傾げている
「そうよ。私達が魔法を使った時に出る力が魔力と言ってもいいわね。私がリボンを出して動かす時も使っているし、黒崎君の魔法衣の維持にも使われているのよ?それに、色が違って見えた事を考えると個人を識別も出来るのね…そっか、黒崎君のクナイがあれほどの威力だったのは魔力を纏わせて切断力を上げたからね」
「へぇ~さっきのほむらの催眠といい魔力が見えたり…スゲー眼だな写輪眼って…じゃあ、さっきからいろんな所から来る黒い流れみたいな奴は?」
「黒い流れ?…何かしら」
「そうだね病院に居たときから見えてたけど、コレ…なんだろ?」
そういって、ほむらは近くにあった黒いモノに左手を近付ける…すると
キーーン…キーーン
「え?」
ほむらの左手に着いたソウルジェムが弱々しいが点滅するそれが意味するものは…
「!!それは魔女の反応!?…まさか」
「俺達が見てたのって――――『魔女の気配』?」
コミケ行くので今年の投稿はコレが最後だと思います
よいお年を!