魔法少女まどか☆マギカ~心を写す瞳~   作:エントランス

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シリアスパート入ります


まごころを貴女に(終わりがやって来る)

~見滝原デパート~

 

--あの胸焼けのするような量を更に、三回食べきったマミさんは、満面の笑みで、まどかとほむらを連れて別のバイキングに行ってしまった。俺は用事があると言って断ったが、まどかとほむらは断る前に、マミさんに手を掴まれてしまい……強制参加のようだ。あの時、二人が俺を見る目は、売られていく子牛の目に見えたが、口パクで『う・ら・ぎ・り・も・の』と言っていたのを良く覚えている。--正直、まどかは兎も角、ほむらはもう無理だろ!あいつケーキ二個目でギブアップしてたぞ

…まぁそんな事があったが、用事があるのはホントだ。今日のほむらが作ってくれた弁当の礼と今後、あいつが魔女の結界に着いて来る時、御守りの代わりとなる物を買う為だ

 

「それにしても…どんなのがいいんだ?あいつの好み…とゆうか女子の好きな物なんて知らねーぞ俺」

 

そんな感じで、アチコチ歩き回っていると、後から声がかかった。

 

「おやおや?そこに居るのはクロト君ではないかな?」

 

「その若干ウザさを含み、回りくどい喋り方は--さやかか!!」

 

「誰がウザいじゃぁぁあ!!」

タッ!

 

さやかはその場で飛び上がり、クロトに跳び蹴りを繰り出した--しかし

 

シュン

「残像だ!アホめ」

 

「ぎゃぁぁぁあああ゛あ゛!!」

ズザァァァアア……ドン!ガラガラ

 

さやかは、そのままスライディングで缶詰めコーナーに突っ込み、缶詰めに埋もれた。そこに仁美がやって来た。

 

「あら、クロトさんごきげんよう」

 

「おう仁美、ごきげんよう」

 

「さやかさん見ませんでした?急に走ってしまわれて」

 

「あいつなら今さっき缶詰めコーナーに飛んで行ったぞ」

 

「まぁ!そこまで缶詰めが食べたかったんでしょうか?」

 

「んな訳あるか!」

 

なんとか復活したさやかは腰を擦りながらやってきた

 

「さやかさん、缶詰めはもうよろしいんですの?」

 

「あんたは缶詰めから離れろ!ハァ、まったく…それで?クロトあんたはなにしてんのよ」

 

「俺か?プレゼント買いに来たんだよ」

 

「え?あんたが!?」「プレゼント…ですか?」

 

二人は信じられないといった顔をした。それも当然だろうこの男、誕生日以外では殆どプレゼントを買った事が無かったからだ。

 

「だ、誰に買うのよ」

 

「あ?ほむらだよ」

「誕生日かなにかあるんですか?」

 

「いや、そうじゃなくて今日の弁当の礼でな」

 

「あ~、確かに美味しそうだったよねぇ」

 

「さやかさん、そうゆう意味ではなくて--」

 

仁美はさやかの食い気のある言葉に呆れていた。そんな二人を見ていたクロトはある事を思い付いた。

 

「そうだ!お前ら、今から大丈夫か?」

 

「私はお稽古の時間までなら大丈夫ですわ」

 

「私も時間潰しの為にここに来ただけだから大丈夫だよ」

 

「じゃあプレゼント選び手伝ってくんね?俺、女子が好きそうなヤツなんて分からねぇからよ」

 

珍しく困っているクロトを見た二人は、面白い物を見つけたように笑った。

 

「ほほう!それは一大事だ。ねぇ仁美ニヤニヤ」

 

「そうですわね♪さやかさん、これは私達が一肌脱いであげなくては!ニコニコ」

 

「それはありがたいんだが、ニヤニヤやニコニコなんて口で言う奴初めて見たぞ」

 

さやかと仁美は取り敢えずクロトの要望から聞くことにした。

 

「それで?大雑把にどんなのがいいわけ?」

 

「そうだな文字を彫り込むから金属系で、常に身に付けられる奴がいいかな」

 

「お金は大丈夫ですか?少々お高い物でも良かったら大分絞り込めるのですが」

 

「それは問題無いな俺、普段から使わないから、ある程度はある」

 

「じゃあ大体決まったようなもんかな?」

 

「ええ、行きましょうか」

 

「…早いな」

 

 

 

 

~見滝原デパート・アクセサリー専門店~

 

--アクセサリーか確かに金属だし、ずっと身に付けられる事も条件に入ってるな。値段は……うん、大体の物は買えるな

 

「まぁ条件は合ってるな。んで?お前らならどれにする?」

 

クロトは店内を物色している二人に声をかける。

 

「私はこれかな?ほむらって感じで似合いそう」

 

そう言って持ってきたのは、--霧のボ○ゴレリングだった

 

「却下!」

 

「ええぇ!?」

 

「お前はあいつをマフィアにするつもりか!次、仁美」

 

「はい、私はあの黒髪に似合うようにこれを」

 

仁美が持ってきたのは、ティアラだったダイヤやエメラルド等で装飾され、見事な彫金の施された……いかにも高すぎるような代物で、店員がこっちを監視している。

 

「………これどっから持ってきた?」

 

「店員の方に、志筑家の者です。っと言ったら貸して下さいましたが」

 

「無理です」

 

「そんなぁ」

 

「あれもダメこれもダメって、じゃあ、あんたはどんなのがいいのよ」

 

「そうですわね。クロトさんが選んで、私達が判断しましょう」

 

「お前らの基準が若干ずれてる気がするんだが」

 

そう言いながらも、軽く店内を見回してみる。--ふと、店の奥の方に何か惹かれるような紅い光が見えた気がした。近付いて見てみると、壁に掛けられている一本のペンダントだった。造りはシンプルで、銀のチェーンに三日月をイメージした金の土台にルビーが嵌まっている。クロトはそれを手に取り、さやか達に見せる

 

「…これなんてどうだ?」

 

「おぉ、綺麗じゃん派手過ぎないし、似合うんじゃない?」

 

「ええ、でもこの石、良いものを使っているようですが」

 

「値段は……あれ?書いてない」

 

「聞いてみましょう。--少しよろしいでしょうか?」

 

仁美は品物の整理をしていた店員に声をかけた

 

「どうされました?」

 

「このペンダント、こちらの方がプレゼントに買いたいのですが、おいくらかしら?」

 

「?値札がありませんね。少々お待ちください」

 

店員は店の奥に引っ込んで行った…話し声がきこえる

 

『店長、このペンダントいくらですか?』

 

『おっ!…これ誰が見つけたんだ?』

 

『あちらの男性ですね。プレゼントだそうです』

 

『プレゼントか……貸しな俺が行くから』

 

少しして出てきたのは、先程とは違う人で、ネームプレートに店長と書かれており、気前の良さそうな人だ。なにやら嬉しそうにクロトの方を見ている。

 

「あんたがこれ買いたい人?」

 

「そうですけど、高いですか?」

 

「違う違う、----やるよ。これ」

 

店長は手に持ったペンダントをクロトに差し出した。

 

「え?」

「ちょっ!いいんですか!?」

 

「この石、高価な物に見えるのですが」

 

「ああ、俺の給料六ヶ月分で造った作品だからな」

 

「これあんたが造ったんですか!?……でも、どうして」

 

クロトの疑問も当然だろう。大人の給料六ヶ月といえば結構な金額になるハズだ。それをタダでくれると言われれば誰だってそう思う

 

「これな俺が店長になった時、記念になるように自分で何か造りたかったんだよ。でも造ったは良いんだが、飾っておくのは俺の性分じゃなくてな。店の奥の方に置いて見つけた奴にプレゼントしようと考えたんだ」

 

「へぇ~良かったじゃんクロト!」

 

「ですね。こんな偶然もう二度とありませんよ」

 

「……そうだな、折角の好意を断るのも失礼だって言うしな。じゃあ遠慮なく」

 

「ヘヘ毎度あり!彼女にヨロシクな」

 

「--…彼女じゃねぇーよ」

 

ペンダントを箱に詰めてもらい、三人は店を後にした。その後もさやかと仁美にからかわれながらも、付き合ってくれた二人にクレープ等を奢ったりした。

そして仁美は稽古の時間になり、さやかは遅くなったのでそのまま帰って行った

 

 

 

~とある公園~

 

--今日も魔女狩りの為に、都内の公園の一つに全員集合になった、俺は今日貰ったペンダントに細工をするために、早めに来てキュウべぇを念話で呼んでアドバイスを貰いながら作業をしていた。初めてなので中々難しかったが、魔法で綺麗に出来たから良かった…魔法便利だな

 

クロトが細工で時間を潰していると三人も来たようだ……が、まどかはお腹を抑えながらフラフラしており、苦しそうだ。

ほむらは……もうなんか色々ヤバい!顔は青くなり足取りは重く今にも倒れそうだ

 

「お前ら今夜大丈夫か!?死にそうだぞ!特にほむら」

 

「今まで…ずっと…食べてた…からね」

 

「私、こんなに、食べたの、初めて」

 

「だらしないわよ!二人とも。そんなんじゃ魔女にやられちゃうわよ」

 

「「「……」」」

 

とても二人を連れ回してこんな状態にさせた本人の言葉とは思えない

 

「まぁマミさん、このままじゃ二人が危ないから少し休憩しましょう」

「もう、しょうがないわねぇ」

 

クロトが機転を聞かせてなんとか休憩することが出来た。

四人は近くの噴水に腰掛け雑談をしている。

 

「そうだ、ほむらホレ」

ポイッ

 

 

「え?わわっ…これは?」

 

ほむらは投げ渡された箱を見ながらクロトに聞いた

 

「弁当の礼とお前の御守り代わりのプレゼントだ」

 

「でも、私お礼が欲しくてお弁当作ったわけじゃ…」

 

「分かってるってこれは、感謝の気持ちだ!受け取っておけ」

 

「う、うん」

 

「それで?ほむらちゃん何貰ったの?」

 

「ちょっと待て…--わぁ綺麗」

 

月の光で照され赤く発光しているルビーは神秘的だった

 

「この石、ルビー?本物?」

 

「これどうしたの?こうゆうの数十万はするわよ」

 

「「数十万!!?」」

 

「貰ったんです。店長から」

 

 

 

クロトは三人と別れてからあった出来事を話し始める

 

 

「そんな事が…でも御守りって?」

 

「それは--ほむらそれをひっくり返して見ろ」

 

「うん、あれ?何か書いてあるけど…これって黒崎君のクナイにある文字と一緒だよね?」

 

『そうだね。それはクロトが空間転移する為のマーキングだ。それがある限りクロトが一瞬で君の側に駆けつけられるとゆうわけさ』

 

「これがあれば魔女の結界ではぐれても直ぐ助けに行けてお前を護れるだろ?」

 

「……ありがとう///」

 

クロトの言葉を聞いてほむらは頬が赤くなった。やはり男の人に護ると言われて嬉しかったのだろう。それを見ていた二人は微笑ましいそうに笑っていた

 

「ふふ♪まるでクロト君は暁美さんの騎士ね♪いえ王子様かしら」

 

「ウェヒヒ♪クロ君カッコイイ♪」

 

「まどか!うっさい」

 

「///」

 

「ふふ、それじゃ暁美さん早速そのペンダント着けてみたら?」

 

「あっハイ……あれ?嵌まらない」

 

「仕方ねぇな貸してみろ」

 

「うん」

 

クロトはほむらの後ろに回り、チェーンの金具を着けた

 

<あの二人もう付き合っちゃえばいいのに>

 

<そうね。あれ見てたらもう恋人と変わらないわよ>

 

そんな念話があったとはクロトは知らなかった

 

「わぁ!ほむらちゃん似合うよ」「そうね。派手過ぎなくてちょうどいいわ」

 

「まぁ、選んだ甲斐があったもんだ」

 

「あの、ありがとう」

 

「おう!--さて、休憩もそろそろ終わりにして、魔女狩りと行きますか」

 

「うん!」「そうね」「もう大丈夫」

 

 

こうしてこの日も三人は魔女狩りに、一人は見守り見滝原の夜は過ぎていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして……三週間後……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……マミさん…」

 

 

 

 

 

 

 

巴マミは…死に

 

 

 

 

 

 

『キャハハハ♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『天災』ワルプルギスの夜が……やって来た




次回、あの神の登場です

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