いやー、ソフバンに代替機待ちで3週間近く待つ羽目になるわ、パソコン壊れるわ、フリーダムウォーズにハマっちゃうわで大変でした。
後時間掛けた割りに何時ものグダグダ展開です。そこはどうかご愛嬌ということで。
数時間後 自宅
「・・・なんだこりゃ・・・」
祭りが終わり家に帰ってきた大尉と何の遠慮もなく入ってきた神崎が見たものは見覚えのない大きなダンボールだった。
「お、かえってきたな」
「あー大尉お帰りなさい・・・うわ、どうしたんですかそれ?」
と、部屋の中からトバルカインと杖をついたシュレディンガーが出てくる。シュレディンガーは前に怪我して以降能力が急に不安定になったらしく、瞬間移動もまともに使えないと言う。いったい原因はなんなんだろうな、やっぱりリア充なったからかな・・・
とりあえず大尉はシュレディンガーに「聞くな」と目で答える。理由はもちろん、その元凶が目の前にいるからである。シュレディンガーもそれがわかったらしく、とくに聞いてくることはなかった。
「・・・それよりこの荷物は?・・・」
「これですか?大尉達が出かけてる間に届いたんですよ。TACとか言う会社から送られてきたみたいです。」
・・・TAC?・・・あ、カジノ警備のやつか・・・ってことはこれは警備中に着る衣装か・・・ああ言う所はおおっぴらに警備してるのを嫌うからな・・・
そう思うとペン立ての缶から鋏をとりだしてダンボールを開ける。大尉の予想通り中には包装されたスーツと小道具、その役柄の書いた紙が入っている。
・・・なになに、海外の企業の取締役?まあ、コスプレは得意だし問題ない・・・こう見えて中学の時に歳をごまかしてヒーローモノのショーのアルバイトやってた事もあるんだ・・・
「・・・神崎、お前のやつはなんだ?・・・ディーラーか?・・・」
「えっ!?あ、ええ!そんな感じよ!」
大尉が話しかけると、箱から服を出して確認していた神埼が顔を真っ赤にして答える。
「・・・そうか・・・なら俺の部屋使っていいから一度着てみろ・・・」
「・・・あ、あたし、自分の部屋に戻って着てみるわ」
「・・・何言ってるんだ・・・届け先が俺の部屋なんだから二度手間だろうが・・・サイズが合わなかったとき一々ここに来る気か?・・・」
「ううっ・・・」
と、神崎はうめくとしぶしぶ部屋に入っていく。なんだ?もしかしてサイズが大きすぎたのか?
「どうしたんです?また神崎さんがだだこねたんですか?」
そう言ってひょっこりシュレディンガーが顔を出す。
「・・・ああ、あのお嬢様には困ったもんだ・・・まるで執事をやってる気分だ・・・」
「お嬢様・・・執事・・・釘宮・・・うっ!頭が・・・」
と言って呻くとシュレディンガーは頭を抑えて押し入れへと入って行った。
(・・・さて、俺も着ておくか・・・サイズが小さいのはよくあるしな・・・)
そう思うと大尉もいそいそとスーツに着替え始めたのであった。
ピンポーン!ガチャ
「・・・お、おじゃましまーす」
「あれ?由美江さん?こんな所に来るなんて珍しいですね」
チャイムを鳴らして入っていたのは、イスカリオテ13課の由美江であった。大きな刀を腰に差してちょっとサムライみたいないで立ちである。
「・・・ちょっと聞きたいことがあって・・・あんたらピラミディオンの警備やるんだって?も、もしやるんだったらあたしも参加するよ。」
「え?・・・いいけど、なんでお前がそんなこと知ってんだ?」
今回の警備について知っているのは、大尉と神埼、シュレディンガーとジャンヌ、トバルカインの5人だけのはずで他には誰にも話していないのだ。と、トバルカインの反応を見た由美江が懐から紙を取り出す。
「・・・や、やっぱり、粉雪の占いがあたったわね。実は神社の方からヤバイ奴が日本に来てるから気を付けろって言われて・・・あんたらこんな感じの虫知らない?」
懐から取り出した紙には絵・・・コガネムシみたいな奴の写真が載っている。どうやらパソコンで調べてコピーしたようだ。
「虫?どれどれ・・・うーんしらねぇな。シュレディンガー、お前この虫知ってる?」
「虫ですか?・・・あれ?こいつ見たぞ?」
トバルカインには心当たりがなかったがシュレディンガーには心当たりがあったようだ。
「・・・あ!こいつですよ!こいつを避けて車に跳ねられたら能力がうまく使えなくなったんですよ!くそー!敵の攻撃だったのか!」
「おいおいマジかよ・・・俺らが攻撃を受けてるってのか?おい、由美江お前何か知ってるのか?」
トバルカインが聞くと由美江は紙を懐にしまいこんで話し始める。
「・・・これ、砂礫のパトラって魔女の使い魔なのよ。わたしはそう言うのいまいちわからないんだけど、どうやら呪いを運ぶらしいわ。しかもただ不幸を呼ぶんじゃなくて能力を使えなくしたりもするみたいなんだ」
「道理で・・・今まで何の問題もなく使えてたのに急に使えなくなったからおかしいと思ったんですよ。」
「・・・どうした、なんの騒ぎだ・・・」
と、シュレディンガーの声が聞こえたのか、スーツに着替えた大尉が出てくる。
「・・・由美江か、何のようだ?・・・」
「いや実はかくかくしかじかで・・・」
〜〜事情説明中〜〜
「・・・ふむふむ、パトラが俺たちに呪術で攻撃してきていてシュレディンガーの能力が使えなくなったのはそれが原因で・・・お前はパトラを捕まえたいから狙われてる俺らに協力して、捕まえたいと・・・」
「・・・じ、実は神社に保管されてるすごい刀が何者かに盗まれて・・・犯人の筆頭に上がってるのがこいつなんだよ・・・(まあ神社脱走するときあたしが強奪する気だったんだけどね)ボソッ」
(・・・まあ、あと一人足りなかったし問題ないだろう・・・しかし、敵を倒したらまた敵・・・しかも段々と相手が強くなって来ているな・・・)
・・・まったく神崎が来てから退屈しない・・・と、そこまで考えて大尉が神埼のことを思い出す。先ほどから着替えると言ってからまったく部屋から出てこないのだ。
(・・・そう言えばパトラは虫を遠隔操作して攻撃を仕掛けて来るんだよな・・・)
大尉にいやな予感が走る。いくらなんでも着替えるのに時間がかかりすぎているのだ。
(・・・まさか、な・・・)
勇み足になりながら自分の部屋・・・神崎が着替えているはずの部屋まで行く。と・・・
「・・・な、なによこれ・・・」
ドアの向こうから神埼の声が聞こえる。どうやら何かに驚いて狼狽しているようだ。
(・・・何かあったらしいな・・・とりあえず聞いてみるか・・・)
コンコン
開ける前にドアをノックするが返事がない。
「・・・開けるぞ・・・」
ガチャ
「へっ?き、きゃああああああああああっ!?」
大尉がドアを開けたことに驚いて神埼が悲鳴を上げる・・・頭からウサ耳をぴょこんと立てて。
「キ、キンジ!ノ、ノノックもなしに開けるなっていったでしょ!?」
「・・・いや、ノックしたけど・・・」
大尉の説明を聞いているのかは知らないが、神崎は一旦いつもみたいに襲いかかろうとして自分の服装を思い出し、こちらに背中を見せて縮こまる。
神崎の支給された服はバニーコスチューム・・・馬鹿みたいに露出度の高い背中の所が大きく開いた水着みたいな服に網タイツ、頭にウサ耳、お尻にポンポンしたしっぽが付いている。
(・・・TACめ、サイズとか見た目とか考えてないのか?これは無理が・・・ん?)
そんな事を思いつつ神崎の格好を見ていた大尉がある二つのことに気が付いた。
一つ神崎の胸に違和感があること・・・多分パッドを入れてるな・・・もう一つは神崎の背中にある弾痕だ。はたから見れば背中に銃撃されて出来た傷と見るだろう、むしろ武偵ならあるのが普通ぐらいだ。だが大尉は違った・・・
(・・・何故だか知らないが妙な感じがする・・・今までこいつからこんな気を感じた事はなかったのに・・・)
大尉の今までの経験が、そこから神崎ではない別の何かの気配を感じ取る。が・・・
「・・・ちょ、ちょっと、そんなにジロジロ見ないでよ、その傷」
大尉にジロジロ見られているのを気にしているのか、神埼が顔を赤らめている。どうやらこの傷を見られるのが恥ずかしいらしい。
(・・・考えすぎか、少し疲れてるのか・・・俺も感が鈍ったな・・・)
「・・・武偵に怪我は付き物だ・・・むしろ勲章みたいに誇らしくしていればいい・・・まあ、そんなに見られるのが嫌ならディーラーの服を頼んでもいいが・・・だが、これからはそんなに贅沢は言えんぞ?・・・」
「うーーー・・・」
「・・・まあ、正直そこを隠すより胸のパッd(シュドッ!!)べふぅ!?」
神崎の回し蹴りが続きを言おうとした大尉の顔面にクリーンヒットする。
「パッドはファッション!パッドはおしゃれ!パッド!は!無罪!」
さらに神崎はバランスを崩した大尉に連続で「!」が出るタイミングに攻撃を仕掛ける。が、そのままされるがままにされるのが大尉ではない。素早く体勢を立て直して神崎の攻撃をいなして行く。
「くっ!・・・自分を偽るような人間の正義に何の価値がある・・・!」
「あんたに・・・!あんたにあたしの苦しみの何がわかるって言うのよ!」
「・・・やはりお前とは相容れない様だな・・・!」
「いいわ!かかって来なさい!どっちが上かハッキリさせてやるわ!」
2人の慟哭が、部屋に響いた・・・
その頃、隣の部屋
「またあの2人しょうもないケンカ始めたなぁ」
「ですね」
由美江も帰り、シュレディンガーは買ったばかりのゲームを、トバルカインは雑誌を読みながら大尉と神崎のケンカを尻目にゴロゴロしている。と・・・
ピンポーン♪
「げっ、またか・・・もうまともな奴来る気がしねぇ」
突然の、しかも真夜中の来客にトバルカインが悪態をつく。すでに時間は12時を回っている。普通の生徒が来るような時間ではない。
「何です?また来客ですか?トバルカイン出てくださいよ」
「・・・お前フリーダ◯ウォーズやっててよく言うな」
「いや、アクセサリがコウシンに捕まってヤバイんですよ。ちっとも鳥籠に取り付けないんですよ。」
「わかるよ、わかるけども・・・はぁ、最近俺まで便利キャラかよ」
悪態を付きながらトバルカインが玄関へと向かい、覗き窓からその人物を確認する。
「ったく誰だよこんな時間に・・・」
ガチャ
「・・・」
「・・・」
ワンッ!
そこに居たのは、狙撃科エースのレキだった。脇にはこの前捕まえた狼を従えている。
「な、なんだお前か、何のようだよ。」
「・・・」
「・・・おーい、もしもぉし、聞いてるか?」
「はい」
「いや、用件は何だよ。まさか遊びに来たんじゃないだろ」
「・・・伊達さん、カジノの警備に参加するそうですね。」
トバルカインが聞くとレキがその人形のような目でトバルカインを見据えて質問してくる。
「え?なんでお前も知ってるんだよ。誰から聞いた」
「風から聞きました」
(・・・こいつやべぇな、電波とか言うレベルじゃねえぞ)
「ま、まあいいや、人数なんざいくら居たって足りないんだ。別にいいだろ。とりあえず今日は遅いから一旦帰った方がいい」
「・・・」コクッ
トバルカインの言葉にレキが素直に頷く。
(ふ、ふぅ、素直に話を聞いてくれてよかった・・・)
と、レキが素直に帰ってくれることに内心安堵する。最近は神崎や理子がひっきりなしに来て勝手に荷物を置いては部屋を私物化しようとして来るので追い出すので大変なのだ。と・・・
「伊達さん」
「ん?」
トバルカインがドアを閉めようとしたところをレキが呼び止める。
「何だ?」
「・・・気を付けていてください。暑く乾いた、邪悪な風を感じる。」
「・・・」
ガチャン、と言う音と共にドアが閉まる。
そしてトバルカインは誰もいなくなった玄関で立ち尽くし、頭の中には先ほどのレキの言葉がグルグルと渦巻いていた。彼女の言葉には、それ程の説得力があった。
(・・・何か嫌な予感がするなぁ、何もないといいが)
トバルカインは不安に掻き立てられて仕方がなかった・・・
どうでしたでしょうか?感想意見お待ちしています。誤字脱字の修正点もどんどん教えてください。
次もいつになるかわかりませんが出来る限り早く投稿するつもりです。