ヴェアヴォルフ~ヘルシングの大尉が転生~   作:むらやま 

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 さーてもう少しで本編スタート・・・がんばらないと。


第二話 豹と狼 猫と豚 前編

 入学式  それは新しい生活の始まり・・・

 入学式 それは新しい出会いの始まり・・・

 

 の、はずだったんだが・・・

 

 ダンダダン!バンバン!ガガガガガガンッ!キンキン!

 

 何がどうしてこうなった。

 

 ボチュン!カキンカキン!

 

 「うわっ!あぶねっ!」

 

 コートの中にいるシュレディンガーが騒ぐ。  

 

 お前死んでもまたリスポーンするだろ。いちいち騒ぐな。気が散る。

 

 「人の生き死にゲーム感覚ですか!?」

 

 お前ネコだろ・・・

 

 そうこうしていると。

 

 

 「いた!おらあああぁぁぁぁ!おとなしくお縄につけえ!」

 

 さっそく見つかった。どうやら一人みたいだな

 

 今俺は入学試験と言う名の戦場にいる・・・比喩ではなくマジで。

 高校入試は俺一度も受けた事がなかったがこんな物とは知らなかったな・・・

 

 「いや、フツーはこんなヴァーイオレンスな入試しませんよ。」

 

 「隙あり!そこ・・・」

 

 さっきのやつが捕まえようとしてくる。が・・・

 

 ・・・フッ

 

 「えっ!?」

 

 びっくりしたかな・・・いきなり消えたからな。体を霧にして。

 

 慌てている相手を尻目にそのまま後ろに回りこみ延髄に手刀を叩き込む。

 

 トンッ 

 

 「ぐっ・・・」

 

 ・・・まず一人。

 

 「むちゃくちゃ人数いたからキツイと思いましたがこの調子ならいけそうですね。」 

 

 そうだな・・・しかし、入試からこれとかきつくないか?武偵校。

 

 「まず大尉が家族の皆さんの説得に根負けしたのが原因・・・あっ、さっき仕掛けたトラップに誰か引っかかりましたよ。」

 

 いい調子だな。この調子ならAかBは固いな。

 

 「それどころかSランクになったりして。」

 

 それはそれでめんどくさそうだな・・・

   

 「えーっ、でも高ければ高いほどいい物もあるじゃないですか。」

 

 それはそれ、これはこれ

 

 ちなみに今は14階建ての廃ビルの7階をうろうろしながら。階段、通路にトラップを仕掛けているところだ。

 場所が中間なだけにかなり人が通りトラップにばかすかひっかかている。階段うまうま。

 

 「う~~ん、やはりいい場所とりましたね。これで4人目です。」

 

 そうか・・・ところでシュレディンガー。さっきから誰かに見られてるような気がするんだが・・・気のせいか?

 

 「あっ、大尉もですか。やっぱ誰かから監視されてますよね。」

 

 時間が空いたら探すか。今はこっちに集中したい。 

 とりあえずはこの階をクリアリングして安全を確保しないとな。

 

 

 --------

 クリアリングと言う過程が消え、安全確保と言う結果だけが残る!

 

  

 今何かピンクの変人が・・・気のせいか・・・

 

 「この階に居た奴は全員倒しましたね。」

 

 ああ、後は・・・

 

 「・・・そこの壁の裏に隠れてる奴。ですね・・・」 

 

 さっきクリアリングしてる時やっと場所をつかめた。気配からして只者じゃないな・・・だがこちらにも考えがある

 

 コートの裏に隠してあるG3を引っ張り出しマガジンを突っ込む。

 

 「身もふたもないですねー」

 

 それが勝負だ。

 

 G3のセーフティをはずし、撃鉄を起こす。そして相手のいる場所へ照準を向ける。

 

 ここだな・・・。躊躇なく引き金を引く。

 

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッ!

 

 7・62mmがコンクリートの壁を豆腐のようにぶち抜いていく。が・・・ 

 

 「・・・あれ?」

 

 ・・・おかしい、やった手ごたえがない・・・倒れた音もしない。悲鳴もうめき声もしない・・・

 

 そう思い壁に近づいた時だった。

 

 「「!!?」」

 

 ドゴアアアアァァァンッ!

 

 目の前の壁が大爆発を起こす。いや違う・・・爆発じゃないっ!素手で殴って壊したんだ!

 

 「うあひゃああっ!?なんですかああっ!?」

 

 壁が壊れ”それ”が現われる。ポニーテールにジーパン。そしてすんごく不機嫌そうな目。

 

 「痛いやないか!このクソガキ!死ね!」バゴンッ!

 

 「ッ!?」

 

 相手の射撃を間一髪で避ける。あーー、これは・・・

 

 「お前教官に発砲するとはええ度胸やないか!」

 

 「・・・・・・」

 

 「やばい!大尉この人教官ですよ!」

 

 ・・・てへぺろ♪間違えちゃった♪

 

 「オラオラ!さっさとくたばれ!」バゴンッ!バゴンッ!

 

 あべばっ!

 

 一発避け損ねて脇腹に思いっきり当たる。・・・今の威力。間違いない、あれはM500!

 

 反動を受け流すため、床をゴロゴロ転がる。

 

 「いたーーーい!どうするんですか!?このままじゃ殺されちゃいますよ!」

 

 もちろん。やられたらやり返す。ばいg・・・

 

 バゴンッ!

 

 「ぐおっ・・・」

 

 「大尉いぃぃ!!」

 

 ・・・もう怒ったぞ!怒っちゃったぞ!どうなってもしらねえぞ!

 

 「・・・戦いは良くない・・・っ!」説得(物理)

 

 ドゴォッ!

 

 「ごばあっ!?」

 

 思い切り顔面殴りつけ吹っ飛ばす。レディーファースト?なにそれおいしいの?

 思いっきり壁際まで吹っ飛ぶが相手もすぐに立ち上がる。 

 

 「てめえいいパンチもってんじゃねえかっ・・・!」

 

 「・・・お前は次に「手加減しねえ、ぶっ殺してやる!」と言う・・・」

 

 「手加減しねえ、ぶっ殺してやる!・・・ハッ」

 

 ・・・ノリがいいな。こいつ。

 

 「気にするな・・・お互い様だ。」

 

 「ハッ!一丁前にほざくやないか!いねや!」

 

 ーーーーーーー

 

 3時間後・・・

 

 「クソッ・・・さっさと・・・死ね・・・」ゼエゼエ

 

 「・・・30年・・・早い・・・」ハアハア

 

 ・・・3時間ドロドロの乱打戦を繰り返しお互いボロボロ・・・初めは銃の撃ち合い、次に弾が切れて殴りあい。もう意識も朦朧としていて足元がおぼつかない・・・しまったな・・・最初から本気でやればよかったんだが・・・もうそんな気力もない・・・

 そんでもってシュレディンガーのやつは巻き込まれないようどこかへ逃げた。薄情者め・・・ 

 

 「・・・アハッ・・・アハハッ・・・」

 

 「・・・?」

 

 なんか笑い出したな・・・殴られすぎて頭おかしくなったか?

 ちょっと心配になる。

 

 「あ~~・・・まだ名前聞いてへんかったな・・・」

 

 なんだどうした。いきなり名前聞いてくるとか・・・まあ、別にいいか・・・

 

 「・・・遠山・・・金次・・・」

 

 俺が名前を言う。少し今更な気がするが構わない。

 

 「そうかあ・・・遠山か・・・遠山遠山・・・」

 

 まるで・・・大事な事を覚える子供のように何度も何度も、名前を口にする・・・

 

 「嬉しいぞ遠山ぁ・・・ウチは今すごく嬉しい・・・」

 

 「・・・」

 

 こいつ・・・戦闘狂か?・・・いや、違う・・・何かそれとは違うな・・・

 

 「・・・ウチはな・・・小さい頃からマフィアのの娘って言われてな・・・遊んでくれる子なんてだーれもいなかったんや・・・」

 

 「・・・」

 

 「遊んでくれるのは・・・組織の構成員とか・・・幹部とか・・・危ないやつばっかやってん・・・」

 

 「・・・・」

 

 こいつの怪力はそれが原因か。何してんだ・・・てか何したんだ・・・

 

 「・・・そんで・・・ケンカしてくる奴は・・・どいつもこいつも凶器を持って何十人も連れて来たんだ・・・笑えるだろ?たかが一人のために大の男が・・・」

 

 ・・・なんか・・・気持ちはわかるな・・・俺も少佐に会うまではこの能力のせいでろくな目にあわなかったからな・・・

 

 「そんな奴らとケンカするとな・・・体も・・・心もどんどん冷えてくんだよ・・・終わった後には・・・憎しみと怒りしか残らない・・・」

 

 「・・・・・」 

  

 ・・・寂しい・・・自虐的な独白だ・・・

 

 「だから・・・一度こういう殴り合いをしてみたかったんだ・・・真正面から・・・本気の殴り合いを・・・っ!体の芯から熱くなれるケンカを・・・っ!」

 

 ・・・わかったよ・・・お前の気持ち・・・しかと受け止めたぞ。なら・・・やる事はひとつだ。

 と、その前に・・・

 

 「まだ名前を聞いてない・・・」

 

 「?・・・ああ、そうだったな・・・」

 

 相手が名乗る。

 

 「蘭豹だ。」

 

 「そうか・・・蘭豹蘭豹・・・」

 

 人の事言っておいてなんだが、俺も名前何回か言わないと覚えられねえ・・・あー、頭ぐらぐらする・・・

 

 「・・・やめろや・・・恥ずかしい・・・」

 

 「・・・お前もだろ・・・」

 

 「じゃあ・・・第二ラウンドと行こうか・・・」

 

 互いに拳を構える・・・

 

 「・・・すでに言葉は意味を成さない・・・来い、全力で受け止めてやる・・・」

 

 「っしゃあっ!いくぞおおおおおぉぉぉっ!!」 

 

 狼豹まみえるっ!

 

 ーーーーーーーー

 

 その頃シュレディンガーは・・・

 

 「う~~~ん・・・迷った・・・」

 

 武偵高をさまよっていた。

 

 「あれぇ?確かこっちから逃げてきたから・・・」

 

 完全に来た道を見失いとほおにくれる・・・

 

 「あ~~~っ!もうどこだよここ!?大尉は語り合い(物理)してるから戻れないし!」

 

 すると・・・

 

 「おや?こんなところに猫が・・・」

 

 一人の男がシュレディンガーに気付く。どうやら通りかかったらしい。

 

 「なかなかどうして・・・かわいいじゃないか。こっちおいで・・・」

 

 (おおっ!これはありがたい!ちょうど猫好きみたいだしこのままどこか地図のあるところへ連れてってもらおう。)

 

 男は上品なスーツを着ている所からしてただの先生ではないようだ。

 

 (さーて、さっさとこんな島から出て家に帰ろ。今日は確かハンバーグだったな・・・)

 

 ・・・だが、男が次に言ったセリフにシュレディンガーの笑顔が凍りつく・・・

 

 「おーーよしよし・・・ふふふっ、あのチェシャ猫に・・・シュレディンガー准尉になんとなく似てるなぁ・・・この猫。」

 

 男のかけているメガネが太陽に当たってキラキラと輝いていた・・・

 

  

 

 

 

 

 

 




 あ~~出しちゃったな~~とうとうあの人出しちゃったな~~(歓喜)
 みんなわかるかな・・・出来るだけわかりやすくしたつもりだけど。

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