「・・・武藤殺したからお前の番だ・・・」
「そこは「お前は最後に(パッ)って、ウワァァァァァァッ!!」
「あれえ?不知火見なかった?」
「・・・離してやった・・・」
「・・・もうやってらんねぇや・・・」
・・・神崎にメール送られてから神崎と顔合わせにくい・・・ちきしょう、全部あいつらが悪い・・・
ちなみに逃げ出した不知火は捕まえて学校の屋上へ運んで、離してあげました。(解放したとは言ってない)
「うにゅ・・・」
横を見れば爆睡している理子が・・・俺もこいつ見たいに気楽に生きられたらな・・・そう言えば最近あんまりベタベタして来ないな・・・ま、こいつがベタベタして来る時は大体厄介事なんだが・・・
と、そんなことを考えていると・・・
ぶぶぶ・・・
窓から大きな昆虫・・・カナブンみたいなのが教室に入って来て、寝ていた理子の目のところに止まった。
・・・もうそんな季節か・・・払ってやるか・・・と言うか気付け、そんなデカイ虫が顔についたんだから・・・
「・・・このっ・・・」べチンっ!
「うにゃ!」
大尉のデコピンが虫にヒットして、虫は窓の外へ吹き飛んで行く。と、その衝撃で理子が起き上がる。
「・・・授業中に居眠りしてるからだぞ・・・ほら起きろ・・・」
「・・・ふぁふぁーう」
「・・・日本語で話せ・・・」
理子は大尉の言葉にテキトーな返事をすると机の上にあったヤクルトを飲んで、また机に突っ伏す。と、今度は暑いのかスカートをばさばさと動かし始めたのだ。
「あつぅーい」
「・・・おい、まだ寝ぼけてんのか・・・と言うかそのスカート扇ぐのやめろ、銃が見えてる・・・」
「あーつーいー!」
「・・・」イラッ
ゴツンッ!
大尉の鉄拳が理子の脳天に振り下ろされる。
「・・・扇ぐのをやめろ、わかったな?・・・」
「・・・はい、以後気を付けます」
と、そう言って扇ぐのをやめた理子が立ち上がる。
「・・・どうした?・・・」
「ちっち」
「・・・だから日本語で話せ・・・」
と、大尉が言ったことに返事もせず、鼻歌を歌いながら理子は教室から出て行ってしまう。と・・・
「と、遠山くん、先生の授業つまらなかった?」
前で授業をやっていた高天原ゆとりが涙目でこちらを見ていた。
・・・いや、先生伝説の傭兵じゃん・・・そんな事で泣きそうになるなよ・・・この前の進路希望で「遠山くんは傭兵が向いてるよ」って、大量の進路先(全て民間軍事会社)斡旋して来たじゃん・・・
と、考えつつも先生に言われたとおり大尉は授業に戻るのであった。
数分後
「・・・キンジ」
少し経ち、理子がトイレから戻ってくる。が、目つきがいつもと違う・・・
「・・・どうした?・・・」
大尉が聞くがそんな事耳にも入っていないかのようにズンズン大尉に近づいてくる。そして、大尉の目の前まで行くと大尉の耳元に顔を近づけて耳打ちしてくる。
「アサルトに急げキンジ、今アリアとカナが戦ってる」
「・・・チッ」
ガラッ!バッ!
それを聞いた大尉の行動は早かった。窓に目を向けると、何の躊躇もなく窓から3階下へと飛び降り、無傷で着地したのである。
・・・また後手に回ったか・・・カナとアリアでは実力に差がありすぎる・・・!
「キンジ!お前がカナを止めろ!あたしは少し時間がかかるけど確実にら止められる方法でやってみる!」
大尉に続いてロープなしで3階から降りて来た理子が提案をしてくる。
「・・・わかった、だが急いでくれ・・・兄貴は本気で殺すつもりだ・・・」
そう言って大尉は凄まじい速度で強襲科へと向かうのであった・・・
・・・ウチの学校の体育館は二つある。一つは体育でバレーやバスケなどをする普通の体育館。もう一つは強襲科の戦闘訓練用の体育館だ。こちらは楕円形の闘技場に防弾ガラスを貼って観戦出来る様にしたものだ。
・・・まさかこんなに早く行動を起こすとは・・・学校なら入ってこないだろうと油断していた・・・!
既に闘技場では人集りが出来ている・・・
「すげぇ!何者だよあいつ!」「神崎の無敗伝説もここで終わりか?」「早すぎて銃撃が見えねぇ!」
観戦している生徒が口々に囃し立てる。さらに・・・
「おうおう!やれやれ!どっちか死ぬまでやれ!」
防弾ガラスの衝立の上で蘭豹が怒鳴りながら酒を飲んで、衝立をガンガン蹴っていた。
「・・・蘭豹先生・・・」
「うわっ!と、遠山!ど、どうしたんや?」ササッ
手に持っていた酒の入った瓢箪を素早く懐に隠して聞いてくる・・・いや、今更隠しても見えてたから・・・
「・・・いや、神崎が殺されかけてるって聞いたから急いで来たんですけど・・・」
「なんや心配できたんか、なら大丈夫や。"あれ"は殺す気ないで。」
「・・・そう見たいですね・・・」
そう言って砂のまかれた闘技場を見る。
中では神崎が既に片膝をついており、反対にカナの方は余裕綽々と言ったから様子だ。
「おいで、神崎・H・アリア。もう少し・・・あなたを見せてごらん」
パンッ!
「うっ!」
カナの不可視の弾丸が脇に逸れる様に当たり、神崎が前のめりに倒れる。防弾制服に守られてはいるがやはり弾丸、当たればかなり痛い。が・・・
「今のもそうや、殺そうと思えば一発で殺せるで。」
「・・・」
・・・確かにそうだ、殺すつもりなら殺せている・・・わざとやっているのか?何故・・・もしかして、神崎の力量を見定めている?・・・だがこのままでは神崎が不利だな・・・
「・・・先生、すいません。神崎の奴に加勢して来ます・・・」
「そやな、一方的な試合はつまらんしオッケーや。好きにしてこい」
「・・・ありがとうございます・・・」
そう言うと大尉は闘技場の扉を開くと硝煙の立ち込める闘技場へと入っていく。
「・・・キンジ?」
「・・・また合ったな・・・」
カナと話ながら神崎をかばう様に立つ。
「な、なにしてるのよ!バカキンジ!そこをどきなさい!」
「・・・駄目だ、お前がかなう相手ではない・・・カナ、お前も帰れ・・・まさかこれだけの衆観の前で人殺しをする気はないだろ?・・・」
そう言うとホルスターのモーゼルに手を伸ばす。が、抜こうとはしない。大尉のモーゼルは早撃ちに適してないからだ。
「頭のいいキンジ・・・でもアリアはそうは思ってないみたいね」
「キンジどきなさい!あいつを逮捕するのよ!2人なら捕まえられる!」
そしてカナの言う通り、神崎はこういう時にじっとしていられない。
「・・・やはり未完成ね。相手の力量を測れないのは致命的、不合格よ。」
「・・・成長を見ているのならもう少し待ったらどうだ?果報は寝て待てって言うだろ?・・・」
そう話ながら互いに銃を抜かず、ただじっとお互いを睨み据えている。
「・・・もう時間がないわ、キンジ。わかるでしょう?自分が正義のために何をすべきか。」
「・・・犯罪者に堕ちた奴が正義を語るな・・・間宮の前で同じ事が言えるか?・・・」
「・・・あの悪い猫さんね、いつの間にあんな子を仲間に引き入れたのやら。」
もうどちらが先に攻撃してもおかしくない。その時だった・・・
「こ、こらぁー!何をしているんですか!」
小柄な婦警が体育館に入ってくる。どうやら誰か呼んだらし・・・ん?あれ理子じゃん・・・あいつ時間がかかるとか言ってたが・・・そうか変装だったか・・・
「逮捕します!この場の全員逮捕します!」プピーッ!
理子婦警がホイッスルを鳴らしながら観衆を追っ払って行く。と、こっちをチラッと見た理子と目が合う。
(うまく行ったな)d(^_^;)
(ありがとうございます!)(:^_^)b
と、その様子を見たカナはと言うと・・・
「・・・んっ・・・」
眠たそうな顔をするとカナは口を手で隠してあくびをした。
・・・こんな時にあくび?・・・そうか、そう言うことか・・・兄貴、あの時期が来たのか・・・
と、そんな事を思っていると・・・
「・・・闘争の空気ではないわね。今日はこれくらいにしておくわ。」
そう言うとカナは堂々と扉を開けて体育館から出て行く。
「逃がすか!」
ガシッ!
「・・・バカか、負けたばかりだろうが・・・」
それを神崎がやっぱり追いかけようとするが、大尉が服を掴んで止める。
「まだ負けてない!あんたが邪魔しなければ幾らでも勝つ手はあったんだもん!」
「・・・お前負けても、「自分が認めなければ負けじゃない」とか言うタイプだろ・・・嫌われるぞ、しつこい奴は・・・」
「うるさいうるさい!勝たなきゃいけなかったのよ!たとえあんたのお兄さんだったとしても!決闘を挑まれたら逃げることも負ける事も許されなかったのよ!それをあんたが・・・」
「・・・この世には必ず1人や2人、勝てない奴がいるんだよ・・・諦めろ、相手が悪い・・・」
「だめよ!だめなのよ!いくら差戻審になったって・・・まだママは拘留されてる!終身刑だって消えてない!あたしが・・・あたしが強くないと・・・ママを助けられない・・・」
と、神崎が泣き出してしまう。そしてそれを見た大尉は神崎の肩に手を置くと諭す様に話し始めた。
「・・・お前は何か勘違いしているが・・・お前のお母さんを救うのにお前が一番強くなる必要はない・・・」
「・・・え?」
言われて神崎が泣き顔で大尉の顔を見る。
「・・・だってそうだろう?お前が世界一強くなったからお前のお母さんが釈放されるわけじゃない・・・お前のお母さんの無罪を証明する証拠を手に入れればいいだけなんだ・・・強くなるのは手段の一つであって結果ではない・・・」
「・・・」
「・・・手段と目的を履き違えるな・・・相手が強ければ仲間に頼れ・・・」
「・・・・・・」
「・・・もうカナと・・・あのオカマ変態兄貴と戦うな・・・わかったな?・・・」
「・・・・・・・・・」こくり
神崎が黙ったまま頷く。こいつ、自分に都合が悪くなると黙る癖があるな・・・
「・・・よし、なら結構・・・ほら、ほっぺ膨らましてないで帰るぞ・・・」
「・・・ぐぬぬっ・・・!」
やはり負けたのが悔しかったのか・・・この後の帰り道中、大尉は神崎のぐるぐるパンチを全身に浴びせられることとなった。
今IS×大尉の作品をちまちま書いているのですがなかなか進まない・・・やっぱりこっちが落ち着いてから書いた方がいいかな?
意見・感想お待ちしています。