ヴェアヴォルフ~ヘルシングの大尉が転生~   作:むらやま 

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緋弾のアリアAA読んでみました。あれちょいちょい原作とリンクしてますね・・・ちょっと出せたら出してみようと思います。


第26話 作戦会議

秋葉原

 

人が多く、路地が入り組み、銃を取り出しにくい、武偵が行きたくないと思う街ベストに入っているだろう。そんな街に大尉が来たのは他でもない、理子が作戦会議をすると言って指定して来たからである。

 

・・・やっぱり罠か何か考えてここに読んだんだろうな・・・まあ、いざと言う時には十字架もあるし、強力なガードマンも付けている・・・

 

『僕ガードマンじゃないんですけど・・・』

 

頭の中から響く様な声・・・そう、今シュレディンガーは大尉の心の中にいるのだ。これにより、何かあってもすぐに支援することができるのだ。

ちなみにシュレディンガーは今、P90カスタム2丁にシールド(S研から買ったブードゥーの呪文が書かれた特別使用)を持って来て貰った。いざとなればこいつを出してしっちゃかめっちゃかにすればいい・・・

 

 

 

「・・・この店?・・・」

 

「みたいね・・・」

 

『メイド喫茶じゃないですか』

 

「・・・場所も住所も合ってる・・・間違いなくここの様だな・・・」

 

そう言うと大尉はまるで臆する事なくドアを開けた・・・

 

ガチャ

 

「「「いらっしゃいませ、ご主人様!」」」

 

中にはメイド服を着た女の人達が出迎えて来る。そう、メイド喫茶だ。

 

・・・こんな事だろうと思ったよ・・・

 

「ご主人様、会員カードはお持ちですか?」

 

「・・・あ、これ使えますか?」

 

「はい、会員ナンバー0562、遠山キンジ様ですね、確認しました。では会員割引でお安くなります。」

 

「ちょ、ちょっと!なんであんたが会員カード持ってるのよ!」

 

「・・・ち、違うぞ?・・・だいぶ前に皆でメイド喫茶行こうって話になって、その時作ったんだぞ?・・・」

 

ちなみに皆とはトバルカイン、ドク、シュレディンガーの事を指す。俺は恥ずかしいから行きたくないって言ったんだ・・・

 

 

 

数分後

 

店員さんに案内され、理子が来るまで神崎とのんびり待つこととなった・・・

 

「このオムライス、少し味が薄いわね。」

 

「・・・だからケチャップ貰えって言ったのに・・・」

 

「だ、だって恥ずかしいじゃない!ケチャップで字を書いてもらうなんて!そ、それにここのメイドの格好!あんな衣装、たとえ給料がよくたって絶対着ないんだから!」

 

そんなたあいもない話をして時間を潰す・・・と、

 

「理子様、おかえりなさいませ!」「きゃー!お久しぶり!」「理子様のデザインした衣装、お客様に大変好評なんですよー!」

 

・・・来たな、随分時間がかかったな・・・

 

ガチャ

 

「ごめーん!遅刻しちゃったー!」

 

そう言って遅刻して来たことを微塵も反省してない様子で理子が部屋に入ってくる・・・ゴスロリ制服に首にデカイ鈴を付けた変わった服を着て、手に大量のゲームやフィギュアを引っさげて・・・

 

「・・・おい、なんで遅れたんだ?・・・」

 

「いや〜久しぶりにゲームセンター覗いたら欲しかったフィギュアがあってね?つい白熱しちゃって、あ、ゲームは偶然とれた物だよ。」

 

・・・どおでもいい・・・こいつ、これが原因で遅れたとかどう言う了見だよ・・・

 

「んと、じゃあ理子はいつものパフェといちごオレ!今日は理子がおごってあげる!」

 

・・・理子め・・・自分のホームグランドに連れて来て話し合いで有利になるつもりだな・・・狡猾な奴め・・・

 

 

 

「まさかリュパン家の人間と同じテーブルにつくとはね、偉大なるホームズ卿も天国で嘆いていられるわ・・・」

 

「・・・案外喜んでるかもよ・・・」

 

神崎がももまんを食べながら文句を言うのを大尉が、諭す。

 

「・・・作戦を早く教えてくれないか?・・・こっちはお前の遅刻のせいでだいぶ待たされてるんだ・・・」

 

「はぁーい」

 

がちゃん、と言う音と共に紙袋から取り出したノートパソコンを起動させてテーブルの上に放り投げる。

 

「横浜郊外にある紅鳴館は知ってる?この館、ただの洋館に見えて、これが鉄壁の要塞なんだよぉー」

 

「・・・そんな風には見えんな・・・」

 

「それをこれから説明するんだよ、これを見て。」

 

理子が示すディスプレイを覗き込む。

そこには地上3階、地下1階の紅鳴館の詳細な見取り図と、そこに仕掛けられた無数の防犯装置、その装置の詳しく説明が書かれていた。

 

さらには侵入、逃走経路、想定されるケースとその対処法が予定日時ごとに組まれているのだ。

 

・・・すごいな、ここまで計画を事細かに考える人は少佐ぐらいだと思っていた・・・

 

「これ、あんたが考えたの?」

 

「いつから?」

 

「んと、先週」

 

神崎もこれには率直に驚いている様で目を丸くしている。

 

・・・さすがリュパンの子孫と言ったところか・・・こう言うのはしっかり計画を立てないと始まらないからな・・・

 

「で、話を戻すね。理子のお宝はここの地下金庫にあるはずなの。でもここは理子でもお手上げのマジでマゾゲーなの。だけど息の合った2人組と外部からの連絡役がいればなんとかなりそうなの。」

 

「・・・それで俺たちをセットで使いたいわけか・・・」

 

「ところでブラドは?見つけたら逮捕しても構わないんでしょ?」

 

「・・・おいバカ、何処かの弓兵みたいな事を言うな・・・」

 

「あー、ごめんそれ無理、だってあいつもう何年も買えって来てないもん。館にいるのは管理人とハウスキーパーしかいないの。管理人もほとんど不在で正体がつかめないんだけどねぇー」

 

「それを早く言いなさいよ!」

 

神崎が立ち上がり文句を言う。それもそうだろう、こいつの証言

 

「・・・捕まえられないじゃん・・・この状況でバレて襲われた危険じゃないか?・・・」

 

「何言ってんのよ!負けるわけないじゃない!」

 

「そーだよ、まだ何も始まってないんだから。そう言うのも想定済みだよ?」

 

・・・いや、個別に襲われたら危険だって言いたかったんだが・・・まあ、こいつらだったら1人でも何とかなるか・・・

 

「・・・で、キー君は知ってるけど、今回盗んで欲しいのはお母様が理子にくれた十字架なの。」

 

ガタッ!

 

「あんたいい加減にしなさいよ!バカにしてるの!?」

 

流石に今の言葉にキレたのか神崎が激昂する。神崎の気持ちはわかる、わかるがここで抑えてもらわないと・・・

 

「・・・神崎、落ち着け・・・こいつにも何か事情があるんだ・・・」

 

・・・そうだ、確かこいつの親は・・・

 

「落ち着けですって!頭にも来るわよ!あんたは親にいつでも会えるでしょうけど、あたしはママとアクリル板越しに少しの間しか・・・!」

 

「・・・神崎、落ち着け・・・」

 

「羨ましいよ、アリアは」

 

大尉が神崎をなだめようとするが、理子がさらに火に油を注ぐ。

 

「あたしの何が羨ましいのよ!」

 

ジャキンッ!という音と共に神崎のホルスターからガバメントが抜かれる。

 

「・・・神崎、やめろ・・・」

 

「あんたは黙ってて!一発こいつに・・・」

 

「・・・理子の親は既に他界してる・・・」

 

「!?」

 

・・・そう、こいつの両親は事故だったか何かで二人とも既にこの世にはいないのだ・・・

 

「理子には、お父様もお母様も、もういない。理子は2人がお歳を召されてからやっとできた子なの。2人とも、理子が八つの時に・・・」

 

「・・・」

 

・・・なんとなく気持ちはわかる、俺なんて前世で両親、こっちで母親が他界してるんだ・・・

 

「十字架は・・・お母様が5歳の時の誕生日にくださったもので、命の次に大切なものなの・・・それなのにブラドの奴、こんなバカみたいに厳重なところに隠しやがって・・・ちくしょう・・・!」

 

理子が憎悪に満ちた声でボソボソとつぶやく。よく見れば目尻に涙を浮かべているのがわかるだろう。

 

・・・よほど恨んでいるみたいだな・・・それほど大事な宝と言うことか・・・

 

「な、なに泣いてんのよ、化粧が崩れてブスがもっとブスになるわよ。」

 

ぽん、と神崎が理子に向かってハンカチを渡す。

 

・・・ふむ、いい兆候だな・・・このまま仲直りしてくれるといいが・・・

 

「・・・まあ、ここまで計画を立てていればよほどの事がない限り大丈夫だろう・・・」

 

「でも、このマップはね・・・」

 

・・・まあこいつらにバレない様に能力を使えばそんなに難しいものではないし・・・目標の十字架は既に手に入れている、フリさえしてればいい・・・俺はな。

 

「フツーに侵入する手も考えたんだけど、それだと失敗しそうなんだよね。奥深くまでのデータもないし、お宝の場所も大体しかわかんないの。」

 

ひとまず収まったらしい理子がまた何時ものいたずらっぽい笑顔を向けて来る。

 

「トラップの位置もしょっちゅう変えてるみたいだから・・・しばらく潜入して、内側を探る必要があるんだよ!」

 

「せ、潜入?」

 

「・・・俺たちを2人にここに行ってこいって?・・・敵の本拠地に?・・・」

 

「そう!さすがキー君、察しがいいね!」

 

そう言うと理子はおもむろに立ち上がるとテーブルのに登り、高らかに言い放つ。

 

「キー君とアリアには紅鳴館のメイドちゃんと執事くんになってもらいます!」

 

「・・・」

 

・・・執事か、そう言えばあの"少年"はどうなったんだろうな・・・もしかしたら、案外この世界にいるのかもしれないな・・・

 

そんな事を思い出し、少し懐かしいと思う大尉と・・・

 

「・・・こ、これ着るの?」

 

そして、その横で神崎は先ほどメイド衣装を散々批判していたアリアはプルプル震えながら、横で鳩の様に首を傾げている笑顔のメイドさんを指差すので合った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

『また僕は忘れられるパターンか・・・』

 




これチーム名に合うんじゃね?という感じの名前募集中!
ちなみに今のところ「ミレニアムのままがいい」というのが圧倒的です。活動報告の所で募集しています。
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