ヴェアヴォルフ~ヘルシングの大尉が転生~   作:むらやま 

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とうとう500を超えましたね・・・いやー、感慨深い。
何か記念に書こうかな・・・




第25話 男子武偵高生の日常

武偵高屋上

 

「ぶぅー!2人とも久しぶりにあったのにつれないんだー!」

 

「当たり前じゃない!あんたに1度殺されかけてるのよ!」

 

「・・・」

 

朝こいつがクラスに戻って来るや否や全員がそれを喜んでいた。それはそうだろう、なんせ俺達以外あいつが武偵殺しだと言うことを知らないのだから・・・

 

・・・まあ、元々明るくて外交的だからな・・・こいつの人望のなせる技ってところなんだろう・・・

 

 

「理子安心したよ?オルメスもキー君もジャンヌに殺されて無くてさ。」

 

「・・・さっさと要件を話せ・・・後お前が逮捕されてない理由も・・・」

 

「うーんとね、まずは今私が司法取引をしたのはわかる?」

 

・・・やはり・・・多分、この前の一件の事をそれでチャラにしやがった・・・いや、今はそれよりも・・・

 

「・・・神崎、待て・・・今はまだだ・・・」

 

「ぐぬぬっ・・・!」

 

太もものホルスターに収まっているガバメントに手をかけているの神崎を諌める。もし理子が本当に司法取引をしていた場合、不当逮捕で逆に訴えられてしまうかもしれないからだ。

 

「・・・でも!ママの冤罪事件の事がまだよ!それを最高裁で証言しなさい!」

 

「オッケー」

 

「そんなにイヤなら力ずくで・・・え?」

 

「証言してあげる。」

 

「・・・」

 

・・・間違いない、こいつ俺らのことを厄介事に巻き込む気だ・・・神崎は割と騙されやすいからこいつみたいなタイプは相性が悪い・・・簡単に口車に乗せられちまう・・・

 

「アリアのママを大切にする気持ち、わかるよ。理子もお母様の事が・・・大好きだから・・・ふ、ふえ・・・ふええええぇぇぇぇ・・・!」

 

みなさん、これが理子の得意技の"泣き落とし"だ・・・俺も俺も最初にやられた時は騙された。

 

「・・・え?え?ええ!?」

 

そして騙されやすい神崎は状況が飲み込めていないのか慌てふためいている・・・

 

「・・・おい、そろそろ話してくれてもいいんじゃないか?・・・」

 

「ううっ・・・ひっく、グスッ・・・理子ね、アリアとキー君のせいで、イ・ウーを退学になっちゃったの・・・しかも、負けたからってブラドの奴に大事な理子の宝物を取られちゃったの・・・」

 

「!・・・ブラドって、イ・ウーNo.2の『無限罪のブラド』の事!?」

 

「・・・ブラド・・・どこかで聞いたことのある様な・・・」

 

・・・あー、そこまで来てるのに思い出せない・・・なんだったっけ・・・

 

「そーなんだよ、で、理子はそのブラドから宝物を奪い返したいの、だからアリア、キー君、理子の事を助けて」

 

「・・・お前がいい気味になっているのはわかった・・・それで?俺たちに何をさせる気なんだ?・・・」

 

大尉がそう言うと理子はわざとらしく、自分を励ましながら立ち上がり、アリアと大尉の方に向き直る。

 

そして、瞳についた涙を拭くといつもの無邪気な顔で言い放った。

 

「ドロボーやろうよ!」

 

 

 

「・・・ごめん、犯罪は勘弁してくれ・・・」

 

「キー君ノリわるーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・で、その宝物がこちらになります。」

 

「・・・さすがシュレディンガー、本当に見つけて来るとは・・・思ったより小さいな・・・」

 

今、大尉の部屋のテーブルにはくだんの十字架が置かれていた。あの後、すぐにシュレディンガーに頼んで捜索してもらったのだ・・・なんとそのかかった時間、4時間である。

 

「大変でしたよ、理子さんの頭の中に入って宝物の事を調べるの・・・まあ、そこからはすぐだったのでいいですけど。」

 

「・・・お疲れ・・・ところでこれがあった場所はどこだ?」

 

「わかんないです、窓もない部屋で入った途端にブザーが鳴り響いて内装を見ている暇もありませんでした。あ、あと気になる事が・・・」

 

「・・・なんだ?・・・」

 

「理子さんって虐待されてたんですか?」

 

「・・・いや?聞いたことないが・・・なぜだ?・・・」

 

「彼女の記憶の中に虐待されていた頃の記憶がありました。小さい頃の様ですが・・・」

 

・・・虐待?あいつが?・・・まさかそんな・・・リュパン3世の娘だぞ?・・・

 

「・・・虐待してた奴の顔は?・・・」

 

「なんか靄がかかっててわかりませんでした・・・多分トラウマなんでしょう」

 

「・・・まあいいだろう、よくやった。これで奴の弱みをにぎれたかもしれないぞ・・・」

 

・・・十字架はすでにこちらの手の上にある・・・これで理子の事は問題ないだろう・・・

 

「・・・そうだ、俺も聞きたい事があったんだ・・・シュレディンガー、ブラドって奴を知ってるか?・・・」

 

「・・・あー、ホームズさんがなんか言ってた様な・・・なんだったっけな、今度ジャンヌさんに聞いて見ましょう」

 

「・・・そうか、まあいい・・・わかったら教えてくれ・・・」

 

 

 

翌日

 

・・・ブラドブラドブラド・・・うーん、思い出せん・・・何か重要な事なのはわかるんだが・・・

 

そんな事に頭を悩ませながら、目の前の状況に目を戻す。

 

そこにはスポーツテストとは名ばかりのカオスが広がっていた。

 

まず大尉の横に陣取って竹刀を振り回しているのが教師であり、大尉の友人である蘭豹。さらにその横でタバコらしき物を吸い、ラリってるのが綴だ。

 

そして、大尉の後ろには南郷、チャン・ウーなど武偵高の教師陣が揃っている。ちなみに大尉はやってもつまらないので仮病と言うことにしてもらって、教師席でお茶をすすっている。

 

「・・・うーん・・・お茶が美味しい・・・」

 

「遠山、お前お茶わかるんか?」

 

大尉の横でグラウンドを走っている生徒を監視していた蘭豹が聞いてくる。手にはさっき号砲に使ったM500が握られている。

 

・・・グラウンドを走っている生徒もまた、ろくな奴がいない・・・なんか仮装大会を見ている気分だ・・・ブルマとか、銃持ってたりとか、マント付けてたりとか・・・まあ、慣れたけど・・・

 

「・・・自分が美味しいと思ったお茶がいいお茶です・・・」

 

「ふーん、遠山はむつかしいこと考えとるな。」

 

・・・何か難しいこと言ったか、俺・・・自分の好みが一番って事言いたかっただけなんだが・・・

 

 

「ちょっと、バカキンジ!あんた何テストサボってるのよ!」

 

そんなことをしていると、テストを終えたらしい神崎がいつの間にか大尉のすぐ近くまで来ていた。

 

「・・・よお、お疲れ・・・」

 

「お疲れ、じゃないわよ。あんたテストどうするのよ、このままだと評価つかないわよ。」

 

「・・・俺はそう言うのどうでもいいから・・・」

 

「はぁ、呆れた、そんなんじゃ進級出来なくなるわよ?」

 

「・・・これが不思議と単位は足りてるんだよね・・・」

 

・・・Eランクだけどな!

 

 

 

 

 

 

 

「・・・であるからして・・・」

 

「・・・ふむふむ、小夜鳴先生の授業はタメになりますなあ。ここまで遺伝子学に精通した人に会えて私はラッキーですよ。」

 

「・・・」

 

・・・いや、俺に遺伝子とか言われても・・・デオキシリボ核酸ぐらいしかわからない・・・

 

先ほどのスポーツテストが終わり、神崎いじりを早々に切り上げて教室に戻ったら今度はドクに『小夜鳴先生の授業を受けませんか?いい勉強になりますよ。』と言われて来たのは言いが・・・言ってる意味がわからずついていけない。しかも・・・

 

「隣の席だねー♪キー君♪」

 

・・・まさかの理子の隣の席である。ちなみに理子が左、ドクが右側である。

 

「もしかしてこれって運命!理子とキー君は赤い糸で結ばれてるね!」

 

「・・・神様に頼んで切ってもらわないと・・・」

 

そう言って、理子から距離を取ろうとする。が・・・

 

ギュムッ

 

「もう!キー君は鈍すぎるよ!もう理子ルートに入ってるんだよ?」

 

腕に何か柔らかくて、弾力のある物が当たる・・・いや、押し付けられたのだ・・・

 

「キー君、もっと理子のこと・・・触って?」

 

「・・・さて、DVD見なきゃ・・・」

 

「・・・むぅ〜!」グイッ

 

大尉が無視すると、理子は更に胸を当てて来る。

 

「・・・はあ・・・何だよ・・・授業中だぞ・・・」

 

「やっと見てくれた♪理子悪いコだから、授業中でもやっちゃうもんねー♪ほらほら!もっと触って!」

 

「・・・声が大きい・・・もう少し静かにしろ・・・」

 

「ふふーん、ほらキー君、もっと色々な事してもいいんだよ?」

 

そう言うと理子が大尉と更に距離を詰めて来る。

更に頬ずり、足を絡めるなどのハニートラップの技もやっていている。

 

「ねぇキー君、ハグしてよ・・・だっこして・・・」

 

「・・・おい、いい加減にしろ・・・」

 

「ガマンは体に良くないよ?キー君」

 

「・・・虐待されてたお前が言うことか?・・・」

 

「!?」

 

理子の顔が驚愕で見開かれる。

 

「・・・なんで知ってるんだ、ジャンヌから?誰から聞いた?」

 

いつもと変わらず笑顔で聞いてくる、が、目が笑ってない・・・まるでハイジャックの時の様に人が変わったのような・・・そんな感じであった。

 

「・・・俺の専属情報屋・・・かな?・・・お前が盗もうとしている物が何なのか調べたら出てきた・・・副産物みたいなものさ・・・」

 

「・・・」

 

「・・・後、お前が欲しがってるものが小さな十字架みたいだな?・・・怪盗が盗むにしては随分小さいな・・・」

 

「・・・帰る」ガタッ

 

そう言うと理子は席を立つ。

 

「・・・まだ、授業終わってないぞ・・・」

 

「気分が悪い。作戦はまた今度教える、時間と場所はこっちで指定する。後、命知らずの情報屋によろしく伝えて置いて、」

 

そう言うと凶暴そうな顔をして理子は講義室を後にして行った・・・

 

 

「・・・ふぅ、大尉、ヒヤヒヤしましたよ。ドンパチするんだったら私から離れてやってください。」

 

「・・・ポケットの中のイングラムに手が伸びてるぞ。」

 

大尉の言うとおり、ドクの左手は白衣の下のイングラムM10を握っていた。

 

「理子さんが本気でキレた場合の保険ですよ、巻き込まれたらたまりませんからね・・・それより大尉、そろそろテスト終わりますよ?」

 

「・・・・・・・・・あ」

 

その瞬間だった、教室の電気がついて明るくなる・・・

 

 

「・・・遠山君」ニコォ

 

「・・・はい」

 

「・・・後で補修をするので、装備科棟に来る様に。わかりましたね?」( #`ω´)ビキビキッ

 

「・・・はい」

 

 

この後無茶苦茶補修した。

 

 




大尉達のパーティのチーム名大募集!中2でもなんでも一向に構わないです。活動報告のところにページを作っておきます。
あと、意見感想もお待ちしております。

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