ヴェアヴォルフ~ヘルシングの大尉が転生~   作:むらやま 

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やべー車校ヤベーまじやべー・・・なにがやばいって書く事がこのぐらいしかない事。


十四話 全て計画通り

 数日後

 

 「お~いキンジ、神崎の奴どうしちまったんだ?ちっとも来ねえじゃん。」

 

 「もしかして男女のトラブルかい?悪いことしたのなら謝ったほうがいいよ?」

 

 あの面会から数日後・・・どういう訳だか神崎が学校に来なくなってしまい、神崎と仲の良かった俺に・・・疑惑の目が行き始めたのだ。曰く『遠山が神崎の事をフッてそのショックで学校に来なくなったのではないか?』と・・・

 

 「・・・俺は悪くない・・・」

 

 「キンジ、男が言い訳すんなよ」

 

 「みっともないよ、遠山くん」

 

 「・・・・・・」

 

 親友たちの思いやりに涙が出るよ・・・

 

 「とりあえずお見舞いに行ってみたらどうだい?きっと喜ぶと思うよ?」

 

 不知火がイケメンな提案をしてくれる。

 

 「・・・見舞いか・・・今日は暇だし行ってみるか・・・」

 

 そう言うと大尉は今日の予定を立て始めた・・・

 

 

 

 そんなこんなで放課後になり、いざ見舞いに行こうとした時だった・・・

 

 ブブブブブッ、ブブブブブッ

 

 ポケットに入れていたケータイが鳴る。誰かからメールが来たらしい。 

 

 ・・・誰だ?こんな時間に・・・そう思ってケータイの表示を見る。

 

 『キー君、授業が終わったらお台場のクラブ・エステーラに来て。大事な話があるの』

 

 「・・・」

 

 ・・・・・・峰理子からのものであった。

 

 

 

 1時間後

 

 少し時間はかかったがなんとか着いたな・・・もう6時か・・・

 指定された喫茶店の前には理子の魔改造ヴェスパが停車していた。もう来ているらしい。

 

 ・・・台風も近づいてるし神崎の見舞いにもいかなきゃならない・・・流石に奴もこんなに人の多いところで事を起こすとも思えん・・・よく見れば

 

 「キー君!こっちこっち!」

 

 そんな事を考えていると奥から理子が走ってきた。

 

 ・・・今日はいつもよりすごいな・・・お姫様みたいな格好だ。だがその服装に反比例して表情がすぐれないな・・・いっつもニコニコしてるのに・・・

 

 「来てくれたんだキー君・・・よかった・・・!」

 

 「・・・何の用だ?・・・まさかデートって訳でもないんだろう?」

 

 「いいからこっちに来て、早く」

 

 「・・・?」

 

 ・・・なんだ?いつもと様子が違う・・・

 

 理子に急かすよう連れて行かれ、店の奥へと入っていく・・・店内には何人か武偵高の女子生徒がいるのが見えた・・・自分たちが店内に入ってきたのに気がつくとなにかヒソヒソと話している・・・俺は耳がいいからその内容が聞こえてしまった・・・ 

 

 

 「やだ・・・遠山くん、今度は理子ちゃんといるわよ。」

 

 「遠山くんってロリコンなのかな?」

 

 「ちょっとゲンメツ~」

 

 ・・・この数日で俺の名声と信頼がダダ下がりな気がする・・・

 

 連れて行かれて入った個室は二人部屋で長椅子と部屋の中央に置かれている机の上にモンブランといい匂いのするミルクティーが置いてあり、部屋中に匂いが漂っている。

 

 「・・・」

 

 しかし理子はそのお菓子に手を付けずただただ黙っているだけだ・・・なにか様子がおかしい・・・まるで怯えているようだ・・・

 

 「・・・なんだ黙って・・・お前らしくない・・・」

 

 「・・・」

 

 ・・・なんだいったい・・・さっきから俯いてばかりで顔も上げようとしない・・・

 

 「・・・キー・・・くん?」

 

 「なんだ?」

 

 理子がゆっくりと顔を上げる・・・理子は、今にも・・・いや、泣いていたのだ。

 

 「キー君お願い!理子の事を助けて!」

 

 「・・・何?」

 

 「このままじゃ理子、殺されちゃうよ!奴に・・・武偵殺しに!それにアリアも危ない!」

 

 ・・・なに?どういう事だ?

 

 「・・・落ち着け・・・今一体どう言う状況なのかを説明しろ・・・」

 

 ひとまず深呼吸させて理子を落ち着かせる。理子の目は泣いたせいで真っ赤っかになっていた・・・

 

 「・・・実はね、キー君の自転車と武偵高のバスに爆弾を仕掛けたのは・・・理子なの」

 

 うん、それは知ってた。

 

 「・・・続けろ・・・」

 

 「うん・・・理子はねある組織に入ってるんだけど・・・そこで・・・その、武偵殺しに弱みをにぎられちゃってね・・・脅されてたの・・・『俺の指示通りに動け』って・・・」

 

 ・・・脅されてただと?・・・だが別に辻褄が合わないわけではない・・・

 

 「・・・ボイスチェンジャーで話してたのはお前か?」

 

 「・・・うん・・・それも理子がやったんだ・・・そ、それでね?昨日電話が掛かってきたの・・・『今までご苦労、もうお前に頼むことは一つもない』って・・・」

 

 

 「・・・つまり、理子は武偵殺しに何らかの・・・聞かないでおくが何か弱みを握られていて・・・それをネタに脅されて、チャリジャックやバスジャックをやったと?・・・そして、仕事を一通り終えて仕上げにかかった武偵殺しは・・・証拠隠滅のためにお前を消そうとしている・・・大筋はこんなもんか?」  

   

 「うん、間違いないよ。でも武偵殺しが消そうとしているのはあたしだけじゃないんだよ・・・アリアもこのままじゃ危ないんだよ」

 

 「・・・詳しく話せ・・・」

 

 「・・・昨日電話がかかってきた時に、その時はまだあんなこと言われるなんて思ってなくて『また仕事?』って聞いたの。そしたら・・・」

 

 「・・・そしたら?」

 

 「『後はオルメスを殺すだけだ』って・・・やばいよあたし消されちゃうよ・・・キー君、あたし死にたくないよ・・・」

 

 理子がまた泣きそうな顔をし始める。

 

 「・・・大丈夫だ・・・今すぐに俺の部屋にいけ、あそこには伊達の奴もいるし男子寮だ・・・奴もうかつに手を出せん。」    

 

 まさか武偵殺しも男子寮まで行ったりはしないだろう。それにあの部屋は防弾仕様に改造したドアと窓がある。狙撃することも出来ないだろう。

 

 「で、でもキー君は?」

 

 「・・・俺は・・・すまんが神崎を助けに行かなきゃいけない・・・パーティーの仲間として・・・友達としてな・・・大丈夫だ、お前の改造ヴェスパならどんな奴でも追ってこれないさ・・・」

 

 ・・・兄貴を殺した武偵殺し・・・間違いなく奴は神崎より心技共に数段上だ・・・さらに狡猾ときている、神崎一人では勝ち目がない・・・俺が行ってやらなきゃ・・・

 

 「・・・キー君は、あたしの事・・・なんで信じてるの?理子、キー君を殺そうとしたんだよ?」

 

 ・・・何だ急に、藪から棒な奴だな・・・

 

 「・・・決まってる・・・お前が俺の・・・友達だからだよ」

 

 「!・・・」

 

 少し理子が驚いた顔をしたがそれを隠すように元の表情の戻る。  

 

 「・・・キー君・・・アリアは今日チャーター機でイギリスに帰っちゃうよ・・・この時間じゃもう羽田に行っちゃってる・・・」

 

 「・・・わかった・・・じゃあな、幸運を・・・」

 

 「うん・・・頑張ってね」

 

 そう言うと大尉は店を後にした・・・店の中で理子が勝利の高笑いをしているとも知らずに・・・

 

 




ふー、あと3話ぐらいかな?1巻は・・・2巻はどのぐらいになるだろ・・・
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