雪風は赤い砂と共に   作:火の丘

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NARUTO堂々完結!!
ここに書くのも何ですが、岸本先生15年間の執筆お疲れ様でした。
そして素晴らしい作品をありがとうございました!


少女の決意

 延々と止むことのない雨が降る忍びの隠れ里の一つ、雨隠れの里。

 その里で降りしきる雨に身体を濡らしながらも、対峙する男と女の姿があった。二人とも身を包む衣装は同じもの。赤い雲の描かれた黒い外套を纏っていた。 

 

「アナタが私の前に来る事は分かってた。待っていたわ……、アナタを仕留めるために」

 

 明確な殺意を見せ、青紫の髪の女――小南は言葉を発した。

 

「かつての仲間だからといって手加減はしない。……いいな」

 

 小南の視線の先にいた男が平然と返す。

 右目付近に穴が開いた奇妙な仮面で顔を隠す男――トビ。その正体は暁を裏から操る真の黒幕。小南には自身の名を『うちはマダラ』と語っていた。遠い昔に死んだとされるうちはマダラ。それが仮面の男の本当の名なのか、小南に確かめるすべはない。

 

「一つ問う。……なぜお前らほどのメンバーがオレを裏切った?」

 

 心底わからない、という様子の仮面の男。

 小南そして長門、暁という組織の中心人物だった二人が裏切った理由を理解できなかったのだ。

 

「うずまきナルト」

 

 二人の心変わりの切っ掛けを作ったと思われる少年の名が、仮面の男の口からこぼれた。

 

「奴にそれ程の価値があるとでもいうのか?」

 

 仮面に開いた穴より覗く写輪眼が鈍く光り、問いただすような口調で仮面の男は言う。

 小南は思い出す。

 長門が信じ、意思を託した金色の髪の少年を。

 

『ナルトって名前と諦めないド根性……。それから痛み……。それが師匠と兄弟子から譲り受けたもんだ!』

 

 小南は少年の中に希望を見出していた。

 

「……彼は光。だからこそ、皆……」

 

 小南が仮面の男に向かって腕を突き出す。

 

「希望の花を持てる!」

 

 彼女の想いが力となる。身体がパラパラと音を立て、無数の紙に変化していく。

 目の前にいる男は闇。ならば、わたしがあの世に連れていく。小南は命を賭して戦う覚悟を決めていた。

 

 仮面の男が鼻で笑う。

 

「オレに牙を向けるというのに、まだその衣を着ているとはな。暁に未練があると見える」

 

 その言葉を看過できなかった小南が柳眉を逆立てる。

 

「暁は弥彦の作った組織。この衣にある赤き雲は、ここ雨隠れに血の雨を降らせた戦争の象徴……!」

 

 降りしきる雨。泣いてばかりの里を救うため、弥彦と長門、大切な二人と共に作った組織。それが暁。

 

「アナタはそれに乗っかっただけだ。この衣は私たちの正義。アナタのものではない」

 

 仮面の男は暁を利用していただけに過ぎない。衣に込められた願いも、その想いも知ろうとしなかった。だから自分が裏切られた理由を理解できないのだ。

 無数の紙が仮面の男に殺到する。

 小南の脳裏にかつての決意が思い起こされた。私は、弥彦と長門。……二つの架け橋を支える柱になる。

 想いを胸に小南は戦う。平和の為に心血を注ぎ、先に逝ってしまった二人の為に。

 私は散ってもいい花。この命をなげうってでも、二人の意思を守る。

 そして弥彦と長門、二人の意思を受け継ぐ、

 

『今度こそ……。お前は散ることのない、希望の花であってくれ』

 

 うずまきナルトに希望を託して……。

 

 

 

 

戦術人形(せんじゅつからくり)小南」

 

 サソリが傀儡の名を呼び、その肢体にチャクラ糸を結びつけた。すると小南と呼ばれた傀儡人形がゆっくりと動き出す。その細腕を広げ、流れるような動きで構えを取る。

 

「おや? 前に使っていた人形とは違うのね」

 

 現れた傀儡人形を見たシェフィールドが意外そうに言う。

 ――前に使っていた人形。

 地下水と戦った時に使っていた『イタチ』のことを言っているのだろう。イタチを知っているということは、あの戦いも監視されていたことになる。当然、サソリはその事にも気付いていた。あえて、実力の一端を見せることで、サソリとその主であるタバサの命を狙う際に起きるリスクに対してリターンが釣り合わないことを知らしめるのが目的だったが、その思惑ははずれ、逆に監視者の興味を引き、このような事態を引き起こしてしまったのなら誤算としか言いようがない。

 

「まあいいわ。わたしのやることは変わらない」

 

 夜空に浮かぶ巨大なガーゴイルの上より、シェフィールドはサソリたちを見下ろす。

 

「さあ、貴方の実力を見せて頂戴」

 

 アンブランの村人たちに取り囲まれ、どうすることもできない様子を面白がっているかのように口元に残酷な笑みを浮かべて。

 

 武器を手にじりじりと近づいてくる村人たちをサソリが見回し、その両の手を動かす。十の指先から伸びるチャクラ糸が揺れ、応えるように傀儡人形の袖口から大量の白い紙が舞い出る。同時に傀儡人形の背からは幾百ものチャクラ糸が伸び、舞い散る紙に結びつく。

 すると無数の紙は意思があるかのように傀儡人形の背に集まり、複雑に折り重なり合い、一対の純白の翼を形作った。

 傀儡人形が悠然と翼を広げ、ふわりと宙に浮き上がる。

 二つの月を背に空を舞うその姿は、まさに天使。

 

「へぇ~、なかなか見事なものね」

 

 戦いの最中にも関わらず、目を奪われるほどの優美な姿に、思わずシェフィールドの口から感嘆の言葉がこぼれた。

 傀儡人形が村人に手をかざし、巨大な翼を羽ばたかせ、ひらひらと翼より落ちる羽のように周囲に無数の紙を振りまいていく。

 徐々に羽ばたきは強さを増し、やがて夥しい量の紙が辺りを埋め尽くす。

 視界を覆うは、白色。

 吹雪のように紙が舞い散り、村人たちの身体の纏わりつく。

 村人たちは身体に張り付く紙を剥がそうとするが、次々と纏わりつく紙が身体を覆い尽くす方が早い。

 纏わりついた無数の紙が身体を締め付け、村人たちの動きを縛っていく。優しく、傷つけぬように。

 瞬く間に、頭から爪先まで無数の紙に包まれた村人たちは、身動き一つできなくなる。

 

「随分と甘いのね。貴方はもっと非情な人間だと思ったのに」

 

 村人を傷つけずに無力化したサソリに、シェフィールドが意外そうな声で言う。

 

「安心しろ、お前には非情になってやる」

 

 口元に冷酷な笑みを浮かべ、シェフィールドを睨み付けるサソリ。

 常人ならサソリに睨まれれば、彼に恐怖を覚えるものだが、シェフィールドは怯えた様子もなく、酷薄な笑みで返す。

 

「貴方に出来るかしら? 人形なんかに気を配る貴方に」

 

 どこか馬鹿にしたように言うシェフィールド。

 そして――

 

「そういえば貴方は人も操っていたわね。だったらわたしも操ってみましょうか……。人じゃないけどね」

 

 彼女が再び指を鳴らすと、驚くべきことが起こった。

 

「……あ、ウウ、アウウウ!」

 

 死んでいたはずのコボルド・シャーマンの身体がぴくりとわずかに動き、次いで呻きにも似た声を上げる。

 

「……なに?」

 

 流石にサソリもその光景には驚きを隠せなかった。コボルド・シャーマンは確かに死んでいた。それが蘇ったのだ。彼が驚くのも当然といえた。

 頭を軽く左右に振りサソリは思考を巡らせる。死んだはずの自分が生き返っているのだ。死んだものを生き返らせる魔法があってもおかしくない、と。

 

 コボルド・シャーマンがゆっくりとした動作で立ち上がり、胸に刺さっていた槍を引き抜く。傷口から血が吹き出すが、すぐに血は止まり、身体に空いた穴もみるみる内に塞がる。次いで、その瞳に赤い光を灯らせると、口から口語の調べがもれた。

 

「わ、我が、契約せし土よ、つ、つぶてでもって敵を打て」

 

 先住魔法だ。

 地面の土がぼこっ、と塊ごと宙に浮き上がり、弾け飛ぶ。放たれた散弾のように無数の石つぶてが標的に狙いを定め襲い掛かる。

 石つぶてが狙う標的。それは……。

 

「ちっ」

 

 サソリはシェフィールドの狙いに気付くと、その悪辣さに小さく舌打つ。

 目にも止まらぬ速さで指先を動かし、傀儡人形を操るサソリ。

 サソリの意を汲み取ったかの如く傀儡人形は、飛来する石つぶての前に立ち塞がると、翼を大きく広げ、その身を持って攻撃を受け止めようとする。

 直後、傀儡人形の身体に無数の石つぶてがぶつかり、ガガガガガ! と叩きつける音が何度も響く。

 その光景を見ていたシェフィールドの口から笑い声があがる。

 

「あっはっは! 本当に甘いわね、貴方。村人は人間じゃない、ただの人形。その人形を守る為にわざわざ攻撃を受け止めるなんて、馬鹿のすることよ」

 

 石つぶてが狙った標的。それはアンブランの村人たちであった。

 サソリは村人たちを石つぶてから守る為に、傀儡人形を盾としたのだ。

 笑い声を上げるシェフィールドに、黙れ、というように視線を向けるサソリ。

 

「あら、卑怯とでも言いたげね。でも、相手の弱点をつくのは、戦いの基本でしょ?」

「……確かにな」

 

 サソリもかつて祖母と死闘を演じた際には、同じようなことをしていた。シェフィールドを非難する資格などないのかもしれない。

 だが今はその戦い方に、無性に腹を立てる自分がいた。

 

 止むことなく降り注ぐ石つぶてを前に、防戦を強いられるサソリ。このまま攻撃を受け続ければ流石にサソリの傀儡といえども耐えきれない。この状況を打開するため、懐より新たに口寄せの巻物を取り出そうとしたその時、

 

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース……」

 

 声が聞こえた。呪文の詠唱だ。

 空を裂くような轟音が響き、荒れ狂う氷交じりの嵐が、傀儡人形に襲い掛かっていた無数の石つぶてを呑みこみ、粉砕していく。

 サソリが瞳だけを動かすと、彼の隣には氷嵐(アイス・ストーム)を放った術者、タバサがいた。

 

「お前は下がっていろと言ったよな?」

 

 サソリがそう言うと、タバサはコボルド・シャーマンを油断なく見据えたまま、答える。

 

「怒っているのは貴方だけじゃない」

 

 どこまでも冷たい声色で、

 

「わたしも怒っている」

 

 氷のような怒りを身体に纏わせ、タバサは言い放つ。

 タバサは怒っていたのだ。シェフィールドの数々の許しがたい所業に。

 何もせず、ただサソリの戦いを見守っているだけなど、少女にはできるはずがなかった。

 

「わたしがコボルド・シャーマンの相手をする。貴方はシェフィールドを」

 

 タバサの言葉にサソリは口元に薄い笑みを浮かべる。

 

「お前に倒せるのか?」

 

 試すような言葉。

 その言葉にタバサは、

 

「わたしはいつか貴方より強くなる。だから、あんな相手に負けない」

 

 決意で返す。

 大切な人を誰も失わない為に、タバサは誰よりも強くなろうと決意していた。皆を守れるぐらい強く……。

 当面の目標は、自身の使い魔サソリ。

 タバサにとってサソリも大切な存在。彼をも守れるようになってみせる、と少女は思い定めていた。

 タバサの台詞に、サソリの口から笑い声がもれる。

 

「クク……。オレより強くなる、か。面白いことを言う奴だ、お前は」

 

 笑い声が止まると、サソリの口より、ただ一言。

 

「任せたぞ」

 

 その言葉に頷くと、タバサは身体に風を纏わせコボルド・シャーマンに向かって駆け出す。その背を一瞥すると、サソリはシェフィールドを見上げる。

 

「さて、こちらもやるか」

 

 流麗な動きで構えを取るサソリ。

 此処からが傀儡使いの真骨頂だ、と言うように。

 

 

 

 ユルバンは絶望のただなかにいた。

 語られた真実を前に、眼前は暗闇に閉ざされ、心は打ち砕かれた。

 口からは嗚咽がもれ、涙が頬を伝う。

 守るべき存在がとっくの昔に死んでいたという事実は、老人に重く圧し掛かる。

 皆が死んだのは、自分の責任だ、とユルバンは己を責め続けていた。

 

「……奥さま、皆。わしの所為で、すまぬ、すまぬ……」

 

 何度も、何度も謝罪の言葉がこぼれる。

 そんな時、声が聞こえた。嘲笑う声。

 村人たちを操っている女が笑っているのだ。

 怒りと悔しさから顔を上げたユルバンの瞳に映ったのは、涙に濡れる村人たちの姿。

 次いで映ったのは、村人たちの代わりに怒ってくれる少女と少年の姿だった。

 それらの光景がユルバンの心を揺り動かす。

 こんな所でうずくまり、わしは何をやっているのだ。村人を守るのがわしの役目。なら、今がその時ではないか! 

 ユルバンは心の中で己を叱咤する。

 折れた心に喝を入れ、小刻みに震える身体に力を込め、濡れる瞳を拭い、ユルバンはゆっくりと立ち上がった。

 ――さあ、行こうではないか。

 しっかりとした足取りでユルバンは向かう。愛すべき人たちのもとへと。

 

 

 

 

 タバサは軽やかな身のこなしで大地を駆ける。身体の周りに風を纏わせ、重力から解放されたその動きは曲芸師のようでもあった。

 襲い来る石つぶてをひらりと舞うように躱し、呪文を唱える。

 

「ラナ・デル・ウインデ」

 

 次の瞬間、杖の先より爆ぜるように空気の塊が放たれた。

 

「つ、土よ」

 

 コボルド・シャーマンが一言呟くと、地面が隆起し、土の壁が出現する。タバサの放った魔法が土の壁にぶつかった。

 刹那、弾けるような衝突音が響き、タバサの魔法は打ち消されてしまう。

 また……。

 タバサが放った何度目かの魔法が防がれた瞬間だった。

 

 コボルド・シャーマンとの戦いは、決定打に欠ける膠着状態に陥っていた。

 タバサは、コボルド・シャーマンの止むことなく繰り出される魔法を躱すだけで精一杯。わずかな隙をついて魔法を放つが、先ほどのように先住魔法で簡単に防がれてしまう。

 コボルド・シャーマンの創り出す土の壁を打ち破るためには、トライアングルスペル以上の強力な魔法を放つ必要があったが、ルーンに魔力を込めている暇がないため強力な魔法は使えない。よしんば使えても、先住魔法で生み出された土の壁を打ち破れるかは正直、五分五分といったところだろう。

 このままでは……。

 タバサの心にわずかな焦りが滲む。

 先住魔法は精霊の力を借りて発動する魔法。術者の負担は微々たるもの。それに対し、タバサの使う系統魔法は、術者の精神力を消費し発動する。当然、術者に掛かる負担は大きい。

 このまま膠着状態が続けば、先に力尽きるのはタバサの方だろう。

 タバサは魔法を躱しながら考える。この状況を打開する策を。

 接近戦を挑む? 

 遠距離からでは土の壁に魔法が阻まれてしまう。おのずと接近戦を挑むという選択になる。近づくだけなら、簡単な風魔法だけでも可能だ。

 だが、そこからどうする?

 タバサは接近戦が得意ではない。体力と体格に劣るタバサは、敵の一撃が致命傷になりかねない。加えて、相手に致命傷を与えるような強力な魔法を放つための時間が必要だった。その時間をどうやって作りだす。どうやって……。

 攻撃を回避しながら、さらに思考を巡らす。躱した石つぶてがタバサの横を通り過ぎた時、ふと少女は思い出す。サソリと手合わせした時のことを。彼もあの時、石を操っていた、と。

 その瞬間、タバサは、ハッと気付く。この状況を打開する策を。

 タバサが視線をコボルド・シャーマンの足元に向ける。そこには、コボルド・シャーマンが身体から引き抜いた槍が転がったままになっていた。

 

 

 襲い来る石つぶてをかい潜り、タバサはコボルド・シャーマンに向かって行く。近づけば、近づくほど降り注ぐ石つぶては猛威を振るい、避けることは困難なものになる。それでもタバサは怯まず、その俊敏な動きで石つぶてを紙一重で躱していく。一撃でも当たれば少女の身体など簡単に貫いてしまうというのに。

 そしてタバサがコボルド・シャーマンとの距離を八メイルほどまで縮めると、彼女はある魔法を使った。

 それはとても簡単な魔法。ルーンでなく口語で唱える魔法、『念力』。

 

「槍よ。我が意思に従え」

 

 タバサの声に反応するように、コボルド・シャーマンの足元に転がっていた槍が独りでに動きだし怪物めがけ飛びかかる。

 咄嗟のことに反応できないコボルド・シャーマン。

 

「ア、ア、アガ……」

 

 苦悶の声が響く。

 槍はコボルド・シャーマンの脇腹に突き刺さっていた。

 コボルド・シャーマンが脇腹から槍を引き抜き、このような仕打ちを行った少女に目を向けると、その姿が消えていた。

 どこだ? というようにコボルド・シャーマンが辺りを見回していると、少女の声だけが耳に届く。

 

「イル・ラナ・デル・ウィンデ」

 

 それは、呪文の詠唱。

 声は空から聞こえてきた。

 コボルド・シャーマンが弾かれたように空を見上げれば、タバサが杖に風の刃を纏わせ、腕を振り下ろす姿が瞳に映る。

 それが怪物の最期に見た光景。

 鋭い魔法の刃。さらに少女の体重をも乗せた斬撃は容易くコボルド・シャーマンの身体に刃を食い込ませ、その勢いのまま真っ二つに両断する。切り口から鮮血が吹き出し、タバサの身体に降りかかったが、少女は気にした様子もなく、素早く杖を構え直し、両断された怪物の周囲の土を『錬金』の魔法で油に変え、続けざまに『発火』の呪文を唱えた。

 怪物の亡骸が、ボワッと燃え上がる。

 それは、コボルド・シャーマンが再び蘇らないようにするための処置だった。

 

 少女が、怪物の身体が燃え尽きるさまを見つめていると、突然、サソリがいる方角から発光があがる。

 何事かとタバサが目を凝らすと、空に向かってたくさんの光の粒が昇っていく光景が見えた。

 それは、神秘的な光。

 白銀の雪のような儚く清廉な輝き。

 だが、なぜだろう? 天に昇る光の粒を見ていると、胸が締め付けられる。それは、言いようのない切なさを感じさせる輝きだった。

 天に昇っていく無数の光の粒から目が離せなくなったタバサは不意に悟る。戦いが終わったのだと。

 少女は、瞳にわずかな悲しみを乗せその光景をじっと見つめていた。

 


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