ダイの大冒険の世界を念能力で生きていく   作:七夕0707

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9 準備

 ひのきのぼう、こんぼう、どうのつるぎ、せいなるナイフ、くさりがま、てつのやり

 

 なんとも微妙なラインナップだ。あとは木刀とかメリケンみたいなのとかドラクエの商品とは違うようなのも置いてある。

 

 どれにしよう。やっぱり聖なるナイフかな。

 

 鎖鎌は絶対使いづらいし、槍はかさばるしな。

 

 「どれにするの?」

 

 俺が商品を見ながら悩んでいると、マリンが尋ねてきた。

 

 さっき道具屋から出るときにばったりと出くわしたのだ。

 

 武器屋に行くと言ったら一緒に行きたいというので連れてきた。

 

 「んー。どうしよう」

 

 「お金はどれくらいあるの?」

 

 「それは心配ない。一番高い鉄の槍でも普通に買えるくらい持ってる」

 

 「凄いね。この間までお金ないって言ってたのに」

 

 「まあな」

 

 一番威力があるのはやっぱり槍かなあ。でも、我流でどこまで使えるようになるか。

 

 剣やナイフとは違って扱いづらそうなイメージがあるよな。

 

 「トーヤは武器を買ってどうするの?」

 

 え? そりゃあ、ねえ。バーンを倒さないといけないし。

 

 そこまで考えて、ふと気づいた。

 

 ここで買った武器でバーンを倒すなんてことあるわけないし、こんなに悩む必要ないよな。

 

 あくまで武器の練習として買うだけで、しばらくしたらロン・ベルク探して作ってもらうつもりだし。

 

 そう考えたら今買うべきなのは、最終的に手に入れる武器の練習用としてだよな。

 

 ってことは剣か。

 

 ロン・ベルクは刀鍛冶だ。

 

 自分にとって最強の剣を作るために鍛冶をやっている。

 

 ということは作るのが得意な武器はやはり剣だろう。

 

 ならば俺が選択するべき武器も当然剣となる。

 

 マリンが居てよかったな。

 

 そうと決まれば銅の剣一択だ。

 

 樽の中にぞんざいに入っている銅の剣を取り出し、鞘から抜いてみる。

 

 「痛って」

 

 指を切った。超痛ってぇ。

 

 血出ちゃったよ。

 

 「だ、大丈夫?」

 

 マリンがすぐに俺の手を取りホイミを掛けてくれる。

 

 銅の剣の分際でなんて切れ味だ。

 

 これは扱いを間違えたら大怪我するぞ。

 

 「この木刀下さい」

 

 恐いので隣の樽に入っている木刀にしておいた。

 

 うん。木刀のほうが練習に向いてるし、コッチの方がいいな。

 

 それに銀さんみたいでかっこいいし。

 

 

 

 

 

 「あのね、もうすぐパプニカに帰らないといけないの」

 

 武器屋から教会へ行く途中でマリンがそう言った。

 

 「そうなんだ。寂しくなるな」

 

 なんだかんだで一ヶ月近く遊んだり喋ったりしてたからな。

 

 5歳児と一緒でもつまらないだろと思うかもしれないが、基本独りの俺からすればこれでもいい話し相手だったりしたのだ。

 

 「ま、また。会えるかな」

 

 「そんなの簡単だろ。パプニカとここは同じ大陸なんだし、会おうと思えばすぐだよ」

 

 「ほ、本当っ」

 

 「ああ、会いにいくよ。呪文も教えてくれる約束だろ」

 

 「うんっ」

 

 そう。まだ呪文を教わってないのだ。

 

 念の修行の方を優先してたのもあるけど、この世界だと呪文は契約というものをしないと覚えることが出来ない。

 

 その契約の魔法陣が載っている呪文書がこの町にはなかった。

 

 大魔王と戦うなら魔法の一つも覚えておきたいところだ。

 

 万が一才能があれば強力な武器になる。

 

 

 

 マリン達は3日後にパプニカに帰るらしい。

 

 その日は見送りに行くよと約束をして教会で別れた。

 

 そういえば姫が産まれたからここに顔見せに来たって言ってたけど、姫ってレオナ姫だよな。

 

 どうせならひと目見ておきたかったな。

 

 すごい美人だってダイが言ってたっけ。

 

 あ、今は赤ちゃんか。

 

 マリンとエイミは子供でも美人になりそうな顔立ちだよな。

 

 アポロなんかすでにイケメンだったし。

 

 この調子で行くと作品切っての超絶イケメンのヒュンケルなんてどんな顔になるんだ?

 

 あんまり原作介入はしたくないけど、ちょっと気になるな。

 

 ホモじゃないぞッ。

 

 

 

 「さて、こんなもんかな」

 

 小屋に戻り、今日買ったばかりの木刀を見る。

 

 その木刀には所狭しとペンで文字を書き込んでいる。

 

 HUNTERXHUNTERでダルツォルネが持っていた剣と同じだ。

 

 あれには神字と呼ばれるオーラを増幅させる文字が刻まれていた。

 

 俺は神字が書けないので、固有の能力として習得した。

 

 

 【 旧文字 】

 ・『蓄える指輪』のオーラを込めたペンを使用し、対象物に文字を書き込むことで、その文章通りの効果を得る。

 ・文字はその使用者が読み解けない場合発動しない。

 ・誤字脱字がある場合発動しない。

 

 

 これで本当に効果がでるかはわからない。

 

 しかし木刀を普通に『周』や『硬』で強化するよりはマシになるはずだ。

 

 木刀には漢字でこう記した。

 

 強靭・無敵・最強・屈強・強固・堅牢・強烈・剛力・豪胆・不屈・気鋭・・・。

 

 ちょっと見るだけでもこれだけの文字が書かれている。

 

 「・・・だっせぇ」

 

 何がこんなもんかな、なの? 超ダサいんですけど。

 

 しかも誤字ダメとか結構重い制約つけちゃったし。

 

 こっちの世界だと漢字忘れても確かめようがないし、大体誰が誤字を指摘できるんだっつーの。

 

 試しに木刀にオーラを送ってみると信じられない程のオーラが吹き出した。

 

 ・・・なんか複雑な気分だな。

 

 成功したのは嬉しいけども。

 




 神字は便利そうなのにゴンとキルアどころか頭脳はのクラピカでさえもスルーするのでかなり気になってます。原作でもっと詳しく語って欲しいです。

 次回はパプニカで呪文を教えてもらうイベントの予定です。

 今後とも宜しくお願い致します。

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