ダイの大冒険の世界を念能力で生きていく   作:七夕0707

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 打倒大魔王バーンを掲げてからの一番の懸念事項は修行時間であった。

 

 何しろ時間がなさ過ぎる。

 

 ダイがバーンと戦うまでの時間は後どれくらいあるのだろうか。

 

 恐らく10年程度は先だろうが、それでも短すぎると思う。

 

 ゴンキル並みの素質は貰ったと言っても不安の方が強い。

 

 ビスケは60歳であの力だ。

 

 ビスケ自身もの凄い実力者なんだろうが、それでも大魔王バーンに勝てるかと言われるとムリだろう。

 

 ネテロなら勝ちそうだけど。

 

 どちらにしろ、あと10年でビスケ以上に強くならなければいけない訳だ。

 

 生半可な方法じゃムリだろうな。

 

 そういうわけで、俺はまず修行時間の解決法を考えた。

 

 それがこれだ。

 

 

 【 強制する指輪 】

 ・指輪をはめたものは強制的に『堅』の状態になる。

 

 

 マリンから貰った指輪に細工し、新たに作った操作系の能力だ。

 

 この能力により、俺は常に修行をし続けることが出来る。

 

 風呂入ってる時も、飯食ってる時も、寝ている時も。常に修行だ。

 

 最も常に全力で『堅』になるわけではない。

 

 1割程度の堅が維持され続ける。

 

 これは俺の操作系能力が未熟だからではなく、そうしないと他に何もできないくらい疲弊してしまうからだ。

 

 グリードアイランド編を終えたゴンたちでさえも堅を1時間維持することは出来なかった。

 

 しかし、それは彼らが全力で堅を行っていたからに過ぎない。

 

 どの程度なら丸一日堅を維持できるかを検証し、それを能力に組み込んだ。

 

 そしてもう一つ。

 

 

 【 蓄える指輪 】

 ・この指輪を嵌めた状態で生み出されたオーラの3割は指輪に吸収される。

 ・吸収されたオーラは、この指輪に『周』をすると還元される。

 ・この指輪のオーラを直接肉体の強化に使うことはできない。

 

 

 こっちの指輪は薬草を道具屋に売った金で買ったものだ。今後、念でアイテムを作る際に使う予定だ。

 

 操作系なら物体にオーラを留めることは簡単だしな。

 

 それに体から離さなければオーラの損失も関係ないし。

 

 『強制する指輪』でオーラの絶対量を増やし、『蓄える指輪』で強力な道具や武器を作る。

 

 これで10年の間になんとかバーンを倒せるようになっておかないとな。

 

 ま、ダイ達が倒す可能性のほうが高いから杞憂かもしれないけど。

 

 でも、原作読んだ感じだと薄氷を踏むレベルの戦いだったんだよな。

 

 少しでも力はつけておいた方が良いだろうな。

 

 

 

 

 

 『強制する指輪』を使用して最初の一週間は結構つらいものだった。

 

 常に倦怠感がつきまとい、何をするのも億劫だった。

 

 しかし、最近になってようやく倦怠感が薄れてきたのだ。

 

 『強制する指輪』の効果は、オーラの固定値ではなく割合なので、オーラ総量の不足からくる倦怠感なら薄れることはないはずだ。

 

 だから、俺の倦怠感が薄れたのは俺自身の『堅』の技術が向上したからに他ならない。

 

 当たり前の話だが、念の基本技術である『練』『纒』『絶』『発』にもそれぞれ熟練度がある。

 

 そもそも念能力とは、オーラを自在に操る技術のことを示す。

 

 どんなに強力な念能力を作っても、技術が未熟ならその効果は半減してしまうだろう。

 

 「結局、操作系で正解だったみたいだな」

 

 俺は根気が強いわけじゃない。毎日毎日厳しい修行をする生活を10年近くも続けられるとは思えない。

 

 自分を操作して修行をするのは我ながら良い案だと思う。

 

 即効性はないけどね。

 

 元々原作のHUNTERXHUNTERでも戦闘用の発を修めるのは変わり者って風潮だったし、この選択は正しかっただろう。

 

 「さて、と。今度は念能力だけじゃなくて、普通の戦闘の準備しようかな」

 

 いつも通り籠いっぱいの薬草と、先日買った財布をポケットにしまい町へと向かった。

 

 

 

 

 

 「はい、これは薬草の代金500Gね」

 

 「さんきゅー、おっちゃん」

 

 買い取って貰った代金を道具屋の主人から受け取る。

 

 1Gが大体100円くらいだから、500Gは5万円だ。

 

 結構な金額である。

 

 俺はあの広大な森を凝で見て回るだけで苦労なく籠をいっぱいにできるし、こんな楽な仕事他にないぜ。

 

 森はモンスターがでるため、町の人達はあまり近づかないようだ。

 

 今は魔王がいないからモンスターが大人しいと言っても、絶対に襲われないというわけではない。

 

 積極的に襲ってくることはないとはいえ、野生動物と遭遇するくらいには危険視されているようだ。

 

 なので薬草類を納品する俺みたいな存在は重宝されるみたいだ。

 

 そんなことより、今日は何を買っていこうかな。

 

 道具屋の商品をじっくりみながらどれにしようか迷う。

 

 とりあえず紙とペンは必要だろ。

 

 あと、手帳みたいなものってないのかな。できればポケットサイズの。

 

 納品を始めてからすでに半月。納品はこれで6回目なので、俺の財産は3000G。

 

 無駄遣いをしても余りある程財布には余裕がある。

 

 このあと武器屋に寄るけど、そんなに高いものを買うつもりはないから大丈夫だろう。

 

 塩、胡椒、鍋、包丁。あとは紙とペンとインクと。

 

 色々あるな。全部書いたけど、荷物になるな。

 

 ま、いっか。何度も買いに来るの面倒だし、全部買ってしまおう。

 

 「まいど、全部で497Gね」

 

 よし、次は武器屋だ。

 




 オリ主の能力第一弾です。

 10年も努力し続けるのはある意味才能です。

 オリ主にそんな根性はないので、能力で補助します。

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