ダイの大冒険の世界を念能力で生きていく   作:七夕0707

2 / 89
2 少女

 そろそろ『発』が欲しいなあ。

 

 転生して2年半。ずっと念の修行をしていたが、そろそろ良いんじゃないだろうか。

 

 潜在オーラも結構なものになっている気がする。

 

 きっと天空闘技場にいたズシよりは上だと思われる。

 

 今バカにしただろ? でもこれでも結構伸びてるんだぜ。

 

 ズシだってゴンとキルアのせいで影が薄いだけで、作中では才能のある方だからね。

 

 神様からチート貰う際に、ゴンキルくらいの才能くれって言ったんだけどさ。

 

 素質はあげるけど、結局ズシくらいになるって言われたから。

 

 理由を聞いたら、素質はあってもそれを活かせるセンスが無いと意味ないよって。

 

 やっぱあいつらハンパねぇ。

 

 そんなわけで、俺の才能はズシレベルということさ。

 

 でも良いんだ。俺ってゆっくりやりたいタイプだから(震え声)

 

 

 

 気を取り直して『発』を覚えようと思う。

 

 ってことでまずは水見式だ。

 

 近くの川から汲んできた水にその辺の葉っぱを浮かべる。

 

 両手を近づけて練を行う。

 

 すると、葉っぱがくるくるとゆっくりであるが回り出した。

 

 操作系かあ。ドラクエ世界で操作系はどうなんだ。

 

 強化系が理想だったんだけど。

 

 あ、なんか今の俺クラピカっぽかったな。

 

 まあいっか。操作系は操作系でできることいっぱいありそうだしな。

 

 よし。とりあえず、能力を考えるよりも先に発をより顕著にできるように修行だ。

 

 

 

 来る日も来る日も水の上の葉っぱを動かす。

 

 両手に凝でオーラを集めたり、指先に集めたり。ただ水見式をするのではなく、色々工夫して実験も兼ねる。

 

 やはり水に近づけるオーラが多くなるから凝のほうが顕著に葉っぱが動くなあ。

 

 それにオーラを近づけた際に、葉っぱを動かすことに意識を集中すると更に激しく動く。

 

 念って言葉通り、念じることが重要なんだな。

 

 そうだ。食料の採取をこれでやってみよう。

 

 葉っぱの動きで唐突に思いつき、実践するべく外に出る。

 

 果物のなる木の下まで行き、リンゴへ向かってオーラを飛ばす。

 

 リンゴ全体をオーラで包む様にして、引っ張る。

 

 「ふんっ。おらっ。ほおっ」

 

 中々落ちないな。というか結構木の実って強く枝に実ってるんだな。

 

 全然落ちる気配がないぜ。

 

 捻るか。

 

 リンゴ全体を回して枝からネジ落とそうと苦心する。

 

 30分程頑張ったがまるで取れる気配がないので、今日は諦めることにした。

 

 これ以上粘ってオーラ使い果たしたところをモンスターに襲われたらヤバいからな。

 

 

 

 水に浮かべた葉っぱがよく回っていたのでいけるかと思ったが、質量の大きなものを動かすにはまだ発の練度が足りなかったようだ。

 

 これからは手を使わずに物を動かして生活すべてを修行にしてみようか。

 

 でも、操作系で物を操作する場合は愛着のあるものがどうのと言っていたな。

 

 超能力者がやるような念力をイメージしてみたんだが、やめておこうかな。

 

 元々念能力の詳細はHUNTERXHUNTERの原作でも語られていない部分が多い。

 

 思い込みさえ強ければ念は大丈夫そうだけど、それでも非効率な部分がでてくるのはあんまりなあ。

 

 制約と誓約で威力を高めたりもやりたいけど、相談できる相手がいないのは厳しいな。

 

 どうせならHUNTERXHUNTERの世界に行きたかったぜ。

 

 ・・・でもあそこだと死亡フラグ多すぎるか。

 

 せめてこの世界が作者が同じ幽遊白書なら玄海師範とかに聞けばなんとかなりーーー。

 

 そうか!

 

 幽白の能力をそのまま持ってくればそれなりに強いんじゃないか?

 

 

 

 紙とペンが無いので、地面に木の枝を使って制約と誓約をまとめてみる。

 

 【 霊丸 】

 ・一日に最大4発しか使えない。

 ・使用した後、残弾補充に1発、24時間の間隔が必要。

 ・連射はできない。1発毎に1分のインターバルが必要。

 ・5発以上使用を試みた場合、発動しない。

 

 「こんなところか」

 

 霊丸は放出系能力と言う感じだが、操作系と隣同士だからまだ良いだろう。

 

 戦闘用としては申し分ないしな。

 

 誓約はつけなかったけど、まだどのくらい役に立つか試してないしな。

 

 色々と能力考えて、必要だったら誓約でカバーしよう。

 

 制約と誓約はあくまで最終手段。基礎修行に重点をおいて修行しよう。

 

 

 

 「ピギー」

 

 お、ちょうど良いところにスライムがいた。

 

 さっそく練習してみよう。

 

 スライムに気付かれないように絶を使って少しずつ近づく。

 

 俺の絶は完璧じゃないが、それでもスライムに気付かれず近づくくらいは簡単だ。

 

 20メートルくらい離れた場所から人差し指にオーラを集めて準備をする。

 

 おお、なんかスゲーオーラが集まってるぜ。

 

 あの程度の制約でもちゃんと効果あるんだな。

 

 外さないように狙いを定めてっと。

 

 「くらいやがれ、霊丸ッ」

 

 俺の気合と共に、ものすごい勢いでオーラの球がスライムへ向かって飛んで行く。

 

 断末魔の叫びもなく、スライムは地面ごと消し飛んだ。

 

 すっげぇ威力だな。地面が1メートルくらい吹き飛んでる。

 

 

 

 霊丸の威力に大満足して小屋へ帰ると、中から人の気配がした。

 

 なんだ? 小屋の持ち主か?

 

 でももう俺が住み着いてから2年以上経ってるしな。

 

 ゆっくりと小屋の扉を開けると、そこには今の俺と同じ年くらいの女の子がリンゴを齧っていた。

 




 次回からやっとダイ大要素が出てきます。

 能力は自分で考えるとかっこ悪いものになりそうだったので幽助からパクりました。

 操作系なら蔵馬の植物も良いかと思ったんですが、彼の頭脳があってはじめてあの能力は活かせるものだと思うのでこの主人公にはムリです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。