ファイアーエムブレム ー俺の謎ー   作:ユキユキさん

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第8話 ~僕は未熟者。

ーオルドレイクー

 

無事タリス城へと潜入した俺達、マルス王子達が進軍してくるまでまだ猶予があ…ないな。あると考えたけどマルス王子ん所にリンダがいたわ、魔法で海賊を消し炭にしながら突撃してくる筈。妨害なんざ意味がねぇ、故に進軍速度がハンパないと想定すれば悠長に構えている暇はない!

 

やや挙動不審なシーダ王女の先導で城内に潜入してみれば、シン…としている中で微かに海賊の笑い声。シーダ王女共々顔をしかめながら先へ進む、目的の場所はまぁ…地下牢になる。それも最奥部にある死刑囚が入る牢、そこにタリス王が囚われている可能性が高いとか。他の人質はその途中にある普通の牢、落とされてからあまり時間が経っていないからメイドさんは…無事であることを祈る。

 

何故そんな所にタリス王を? …何て思ったけどシーダ王女曰く、日頃からタリス王は海賊達を取り締まっていた。煮え湯を飲まされ続けてきた海賊達が報復の為、一致団結をして襲撃を仕掛けてきたのでは? …と。タリス王を死刑囚用の牢に入れたのも報復の一つ、いずれ殺すというメッセージを与えて精神的に追い詰める目的。襲撃時の脱出の際、襲撃班のリーダーらしき海賊が言っていたらしい。…よくもまぁ聞き取れたものだね、たまたまだろうけど危ないな。

 

とにかくそういうわけで、その言葉を信じるならばそこにタリス王が囚われているってこと。…というか信じるしかない、しらみ潰しに調べるわけにはいかんからな。…時間がない、さぁ急ごうシーダ王女! 極力見付からないように、邪魔なら瞬殺してみせる。だから安心して進んでくれ、俺が守るから。

 

 

 

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ーマルスー

 

オルドレイク殿とシーダ王女が城へと向かっている中、僕達は戦線を徐々に押し上げて進軍していく…つもりだった。速すぎるとタリス王を含めた人質救出に支障が出ると考えたから、…しかしその考えはリンダさんの魔法によって人知れず消える。…目の前には炎の柱、一人の海賊を飲み込んで燃え盛る業火。襲い来る筈だった海賊の蒸発、…それを間近で見た海賊達は怖じ気て各々四方八方に逃げ出していった。勿論逃すわけにはいかない、カインとアベルを中心とした少数の騎馬隊を追撃に出す。…二人共、どうか逃さずに討ち取ってくれ。

 

これだけならばまだ良かった、先制の一撃で士気が上がったわけだから。そこからじわじわと進軍…とするつもりが、リンダさんもカインとアベルを追うように海賊追撃に駆け出したではないか! そんな姿を見せられたら士気の上がった兵達も真似てしまう、強力な魔法を放つ魔道士がいる以上…負け戦となる可能性は皆無に等しいのだから。

 

自分勝手に行動するリンダさんに問題があるのか、それとも統率しきれない僕が悪いのか。そんなことを考えていると、近くに控えていたレナさんが…、

 

「…マルス様は指揮官の筈です。考えることは良いことですが、ご指示を出さねばお話にならないのではありませんか? リンダが動いたのはご指示がないので痺れを切らしたからです。間近に迫らんとする海賊がいるのですよ? 身を守る為に動くことは人の本能と言えるでしょう。…まぁオルドレイク様と早く合流したいという魂胆がありありですが、今しがたの飛び出しはオルドレイク様にご報告をして叱って頂きましょう。」

 

にこやかな表情で苦言を口にしたのだ。僕はその苦言に言葉が詰まった、確かに僕は考えるだけで指示を皆に出していない。辛うじてカインとアベルの部隊に指示を出しただけ、…後は進軍前の下知だけだ。

 

 

 

 

 

 

僕は自分自身の無能さに嘆きはしたが、…何とか奮い立たせて残る兵達に指示を飛ばす。僕もリンダさん達に負けぬよう全速力で駆け抜ける、…考えていたって仕方がない。もう…行くしかないんだ、今となってはそれしかない! オルドレイク殿とシーダ王女が危険に晒されるかもしれない、だが…もうやるしかないんだ!

 

僕のやるべきことは一つ、海賊達が体制を整える前に攻め込んで討つ。例えそこまで至らなくとも、散々に乱せば奴等は右往左往するだろう。…今回のことで僕自身のいたらなさが身に染みた、この体たらくで祖国アリティアを取り戻せるのか? だからこそ踏ん張らなくてはならない。現状統率出来ずに各々で攻め込んでいるけれど、何とか敵の…海賊達の目を此方へ向けさせるように立ち回らないと! 難しいけれど、潜入しているオルドレイク殿とシーダ王女の助けになるように。




リンダ→オルドレイクチームの特攻隊長?

レナ→オルドレイクの副官?

主人公以外のオリキャラは必要か否か。…アンケート機能を試したいだけでもある。

  • 必要。
  • 否。
  • 原作の敵を味方にし、それっぽく使用。

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