ーマルスー
オルドレイク殿の策は賭けだった、本人も賭けであると自覚している。…このまま正攻法でタリス城の奪還を目指したら、オルドレイク殿の言うように人質の命が危うくなる。いや、…確実に人質を使って脅してくるに違いない。そうなれば僕達もどうなるか…、考えるだけで頭が痛くなる。神速にて攻めればその前に決着が付けられるかもしれない、これもまた賭けの一つとなるだろう。
そう考えるとオルドレイク殿に賭けた方が最も良い結果となりそうだ、どの道何かを犠牲にしなくてはならないのなら。例え失敗したとしてもオルドレイク殿ならば、最低でもタリス王の安全は確保してくれるだろうと思う。僕達の目標にタリス王の救出がある、これだけは絶対に成功させなければならない。
他にも色々と思うことがある、しかし今は時間がない。なら僕は…、
「オルドレイク殿、僕は貴殿に賭けたい。いや…賭けなければならない、どうかお願いします。」
そう頭を下げてオルドレイク殿にお願いをすれば、彼は嬉しそうに一笑いしてから、
「…気付かれたようで何より、人質の確保はお任せ下さい。向かう前にシーダ王女、貴女に聞きたいことがある故に此方へ…。」
自ら出した策だからか、オルドレイク殿は快く引き受けてくれた。そして速やかにやるべきことを達成する為、シーダ王女に城の構造を聞くのだろう。彼は先を見て行動している、それに比べて僕は…まだまだのようだ。
オルドレイク殿はシーダ王女と共に飛び立った。単身で行くつもりだったようだが、どうしてもとシーダ王女が譲らなかったみたいだ。…二人が飛び立って行った方角を見詰め、自身の考えなしを思う。僕は義憤で立ち上がり、ただタリス城を奪還すればいいと思っていた。…人質のことを考えていないわけではなかったが、海賊が人質を利用するということに思い至らなかった。
あのまま攻め続けていたらどうなっていたか、考えるだけでも自分自身を叱責したい気分だ。タリス王を含めた人質はおろか、僕達もどうなっていたか。…単純に立ち上がり攻めるだけなら民達でも出来ること、攻めるにしてもどう攻めて人質はどうするかまで考えなくてはならない。知らぬなら仕方がないかもしれない、しかし僕は知っていた。それなのに僕は……!!
自身を責める僕の隣にジェイガンが立った、そして…、
「大事に至らぬ前で良かった、今はそう思いましょう。悔やむのは後にしてマルス様、皆に下知を……。」
そう言ってきた。…大事に至らぬ前か、…確かにその通りだ。それに僕にはやらなければならないことがあった、…悔やむ前にやらなければならないことが。タリス城へ進軍し攻め落とす、…これは絶対に成し遂げなければならない。そうしなければオルドレイク殿に申し訳が立たない、…タリス王やシーダ王女に合わせる顔もない。
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ーオルドレイクー
俺の策が採用されました。マルス王子に頭を下げてお願いされたからには、最善を尽くして成功させるのみ。それにマルス王子も気付いたようだしな、人質の有無で
当然リンダとレナさんは置いていく、今回は身軽が一番だからね。…まぁ二人共渋りましたがダメです、君達はマルス王子と共に城を攻めなさい。特にレナさんの回復魔法は大変重要なモノ、出来る限り死傷者を減らして欲しい。…リンダは城を壊さないように、オーラは禁止でファイアーにしときなさい。…分かったね?
…で次にシーダ王女、人質確保…救出の為に城の内部情報を聞く。知っているのと知らないの、圧倒的に知っている方が良いに決まっている。賭けと言ったが確実に救出したい、マルス王子の為にも。
準備は整った、さて…行きますか! …って所でシーダ王女が同行を熱望。断ったんだけど頑な、引く気がないので渋々同行を認めました。まぁ城のことを知り尽くしていると思うし、…足手まといにはならん…と思いたい。それと彼女がいれば救出時の交渉…、話がスムーズに進むこと間違いなし。そう考えれば悪くないか? …シーダ王女、…美人だし。
………………!?
……殺気?
主人公以外のオリキャラは必要か否か。…アンケート機能を試したいだけでもある。
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必要。
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否。
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原作の敵を味方にし、それっぽく使用。