ファイアーエムブレム ー俺の謎ー   作:ユキユキさん

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現在モヤモヤしとる作者です。


第26話 ~マルス王子にお願いする。

ーオルドレイクー

 

朝食を食べた後、タリス王に謁見の間へと呼び出された。謁見の間には主要人物が既に集まっており、そこで耳にした言葉は…、

 

「オルドレイク、お主を我が国の将軍に任命する。続けてシーダ以下天馬隊とオグマ以下戦士隊、オルドレイク隊を率いて同盟軍への参加を命じる。見事マルス殿を助け、我がタリス王国の名を各国に知らしめるのだ!」

 

俺を将軍とし、シーダ王女とオグマの部隊を率いてマルス王子を助けろとのこと。…オルドレイク隊を率いる身として、オグマと同じ隊長位での仕官だと思っていた。…隊長位でもなかなかの要職で望みすぎか? と思っていた矢先、それ以上の位を与えられて驚くのは悪くないと思う。

 

…反対する者はいないのか? …と周囲へ視線を向ければ、皆が納得の表情をしていた。…確かにアカネイアへ属していた時、それっぽいことをやってはいたさ。だけどブランクがある、…数年ぶりだぜ? 将軍なんてやっていけるかどうか、…不安になりますよ。

 

俺の不安を余所に、皆は盛り上がっとります。リンダは凄いと自分のことのように喜び、レナさんは当然のことですと澄まし顔。シーダ王女とオグマもオルドレイク将軍と言ってくる、正直むず痒いがこうも持ち上げられるとやる気が出てくる。期待は重圧だがやるからには、…失望されぬよう力を尽くそう。

 

 

 

 

 

 

タリスを発つ準備の中、俺はマルス王子に声を掛けた。理由は一つ、同盟軍の大将は貴方ですよ…と念を押す為。俺の方が知勇に優れているとか、経験豊富だとかは関係ない。マルス王子には軍を率いる才能があるし、人を惹き付ける魅力がある。今はまだ小さい力なれど、経験を積めば俺とは違う覇気を身に付けるだろう。

 

俺が単身でこそ実力が発揮される個の英雄と見るなら、マルス王子は仲間と共に戦い抜く群の英雄。人を惹き付け実力以上の力を発揮させる天才、現に壊走していたとはいえグルニアの騎馬隊を仲間と共に撃破したのだから本物だ。

 

今はまだアリティアとタリスのみの同盟軍だが、この先オレルアンとアカネイアが同盟軍に加わることとなる。そこを考えれば悪い意味で名が広まっている俺より、祖国アリティアの奪還を掲げる魅力溢れるマルス王子が良いに決まっている。個の英雄よりも群の英雄だよ、故にマルス王子が大将に相応しいと俺は声高らかに言わせて貰うね!

 

 

 

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ーマルスー

 

他国諸公の反応を見る為の餌、必要なことであると分かっているのにやはり後ろめたい。だから宴の時も無意識に気遣って、逆にオルドレイク殿から気遣われてしまった。

 

そして次の日、タリス王の口から聞かされた言葉。オルドレイク殿が将軍に任命されタリス王の名代として同盟軍に正式参加、シーダ王女達を率いて僕達と共に戦ってくれる。これ程頼もしいことはない、…となれば同盟軍を纏めるのはオルドレイク殿。そう考えていたのだけれど…。

 

 

 

 

 

 

今日の昼頃に城を発ち港町へ、そこから海賊の先導でガルダに向かう。その為の準備に追われる中、オルドレイク殿が重要な話があると声を掛けてきた。聞いてみれば承知しかねる内容、オルドレイク殿を差し置いて僕が同盟軍全体の指揮を? 僕のような未熟者が率いてやっていける筈がない。そんなことをしたら手痛い反撃を食らって壊滅、同盟軍が瓦解するようなことになるやもしれないじゃないか。

 

だから僕よりもオルドレイク殿こそが、…そう言おうとしたのだが遮られた。オルドレイク殿曰く、僕には人を惹き付け導く力があると言う。そういう力がある者こそが率いるに相応しい、僕には群の英雄の素質があると饒舌に説き伏せようとしてくる。確かに未熟な所はあるだろう、されどこれからの戦いで皆と共に成長すればいい。戦いの中で成長すれば自覚する筈、成長なくしてアリティアは奪還出きるか? とまで言われれば黙るしかない。

 

そして僕を群の英雄と例えるならば、自分は個の英雄と例える。個としての実力が高いと自覚し、単身での戦いでは無類の強さを誇れる。しかし群を率いる戦いになったら? 結局は自身の強さを突貫して発揮することしか出来ない、単身突撃する者が総大将をしてもいいのか? やるにしても今のタリス軍将軍が限界であると言う。

 

そんな自分を信頼してくれるタリス軍はいい、そして僕達アリティア軍も信頼してくれるだろう。やるにしても今の段階でなら総大将は出来る、…が他国が参加するとなると絶望的。凶状持ちと思われている自分が他国籍の同盟軍を率いればどうなるか、…言わずとも分かるでしょう? と言われれば何も言えない。

 

結局オルドレイク殿と共にジェイガンからも説得され、不安に思いながらも了承することとなった。オルドレイク殿は勿論、皆が支えてくれるとのことだから頑張ろうと思う。

 

 

 

 

 

 

それらを経て僕達はタリス城を発った。タリス王達に見送られての旅立ち、…目指すはガルダを越えた先のオレルアン。…この先に待つのは戦いの連続、皆と力を合わせればきっと………。




反映するかもしれない新たなアンケート。

まだ先だけど…、ハーディンについて。

  • ハーディンと狼騎士団は良い奴。
  • ハーディンと狼騎士団は嫌な奴。
  • ハーディンは良い奴、狼騎士団は嫌な奴。
  • ハーディンは嫌な奴、狼騎士団は良い奴。
  • 実はニーナよりもミネルバが気になる。

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